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目覚めたら堕天使ルシフェル  作者: キメラテック
城を守れ
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超学習能力

(なぜフレイラは生きている・・?魔神衝を受けてなぜ・・。)

目の前の事態に戸惑うベリア。そんな彼を見て、フレイラは軽く笑う。


「魔神衝・・なるほどおそろしい技だ・・

触れた『物質』『魔力』そして『生命』を消滅させる悪魔的な攻撃・・。上級悪魔の技というのも、うなずける。


防ぐのはおそらく不可能・・つまり今の私にできるあの技の対抗策は、『避ける』ことだけだった。

だからこそあのとき足にありったけの魔力を注ぎ込み・・できるだけ技を見てから被弾の直前に・・」

上を指差すフレイラ。


「上空に逃げさせてもらった。」

「・・・。」

ベリアはフレイラに改めて驚異を感じていた。それは魔神衝を避けられたことではなく、あの一瞬で魔神衝の性質を理解し速度を見極めギリギリまで観察できたその事実に対してだった。


だがベリアもクククと小さく笑うと、ゆっくりとフレイラのほうへ歩みだす。

ベリアもそれを見て焦りを感じ額に汗を流す。

「素晴らしい。あのわずかな時間で魔神衝を理解するとは・・。

だが残念だ、ここで死んでしまうことがな。「ありったけの魔力を注ぎ込んだ」と言ったな?だとしたらいまの貴様には使える魔力が無い・・


魔力が使えないお前が俺に勝てるとは思えない。終わりだな。」

フレイラの目の前まで来たベリアはうでを上げ、黒い魔力を集め始める。

フレイラの1.5倍ほどの身長を持つベリア。そんな彼が振り上げた腕には並々ならぬ威圧感があった。


「このままじゃ・・ダメなんだ・・。」

「・・・?」

ぼそっとつぶやくフレイラ。前かがみになっている彼女の表情はベリアからは見えない。

「ずっと上を目指していた・・悪魔軍に入る前から、ずっと・・

隊長よりも、さらにその上よりも、上を・・


そしてその目標は今はルシフェルに変わった・・今、私はやつを超える為に・・あいつらと旅をしている・・・」

「・・だからなんだというのだ?」

「だが、田天とハーランドの闘いを見て思ったんだ・・こいつらの領域にたどり着くにはまだまだ遠すぎるってな・・

悪魔軍ではずっと雑魚相手に無双する日々だったから知らなかった・・あんな次元があるってこと・・」

ベリアは振り上げた腕をすっと下した。そして上からフレイラを見下す。

「何を言っている?悪魔軍には俺や、それにサタン様もおられるじゃないか。」

「サタン様のことはよく知らないが・・少なくともお前じゃあの二人には歯が立たない・・。」

「なんだと・・?」

ベリアの顔色が変わる。それに気づかないか、あるいは気づいているのかわからないがフレイラは話を進める。


「あいつらを超えるまでは私は死ねない・・そしてお前”ごとき”に負けているようじゃ私はあいつらには勝てない・・。

ルシフェルに勝つために・・やつを超える為にまず・・お前をここで消す・・!!」

フレイラが右腕に魔力を集め始めた。ベリアはそれに気づくがあえて動かない。

「なにをやっている、貴様の魔力は尽きたはずだろう?

今の貴様にいったい何ができるというのだ?」

「・・実は最近、”自分の奥底に眠る魔力”を使う技を知ってな、まだ実際に使うのは初めてだが・・さて、うまくいくかな?」

フレイラの右腕は金色に光り出した。強く輝く金色の中にはほんのわずかだが黒い光と紫色の光も混じっている。それを見たベリアは目を見開くと同時に距離を取る。

(ま・・まさか・・そんな・・・!)

焦りながらその場から離れるベリアに対してフレイラはその場から動かず、ゆっくりと顔を上げる。そしてまるで獲物を狙うハンターのような目で彼を見た。



魔力の溜まった右腕をベリアに向け、フレイラは全てを懸けた一撃を放った。

「・・” 魔神衝 ”!!」

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