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目覚めたら堕天使ルシフェル  作者: キメラテック
大天使たちの集い~サラ奪還編~
142/147

天使キラー

 銀の矛はサージマエルをとらえ、直撃する。

この暗闇の世界に、轟音が鳴り響く。猛スピードで飛来する、成人男性のの三倍ほどの体積をもつ矛が「生物」に突き刺さる様子はやはりグロテスクであるが、サハはそれにもなれていた。


 己の術が敵を倒すその瞬間を、見逃さないように。

サラは綺麗な青色の瞳をけっしてそらすことはなく。



「!!?」


 衝撃が走った。

サラが放った銀矛はサージマエルの額のところでバキバキと砕かれ、粉々になった残骸が彼の足元に散らばったのだ。

たたずまいも変えず、眼鏡もずれることなく、サラの術を防いでみせたサージマエル。


「な、なぜ効かない……?」

「守護術・第231番 「漆黒の異世界」

 これがこの黒い空間の術名です。


 この空間の大きな特徴は二つ。

一つは先ほど言った通り、術のテリトリーにいる者を異次元に飛ばす。

もう一つは、、あらゆる「守護術」を無効化する!」

「そ、そんな……」


 守護術に対する絶対防御技。

まさしく天使キラーの最高峰である。

だがサラはすぐに切り替え、構え直す。彼女の銀髪は、その魔力により少し逆立っている。


「守護術は200までのはずですが、どういうことですか?サージマエル。」

「簡単な話ですよ、私が作り出した術だからです。

ただこの漆黒の異世界、欠点もありましてね。他の私の守護術も無効化されてしまうんですよ。」


 やれやれといったアクションをとるサージマエル。

「余裕」が見てとれる。

守護術を失った天使同士の戦い。この状況でサージマエルが余裕だということは・・。



 サージマエルはトントンとその場で小さくステップを踏み始めた。

リズムを微妙に崩しながら、トントンと。

そして突然消えたかと思うと、彼はサラの背後にまわっていた。


「遅い」

「!!」


二人の天使による「格闘戦」が始まった。

一方が打撃を繰り出すともう一方がそれを避けてカウンター。

しかしそれも避けてカウンター、といった一瞬の隙もない攻防。

しかも両者とも並の天使ではありえないほどの打撃の速さと鋭さ。

一発でもくらえばそこで形勢が決まってしまうだろう。


「ほうなかなかやりますね、下級天使のわりに。」

「くっ……!」


 もともとサラは格闘センスがあった。

それがさらに田天たちとの旅で磨かれているはずだ。

それでも今、この肉弾戦は僅かだがサージマエルがおしている。


(強い、、こいつは並の天使のレベルを大きく超えている)



「サラよ、降参して私の部下になりませんか?

そしたらガブリエル様に頼んでお前だけ罪をなかったことにしてあげますよ。

あなたは強く美しい。最高の部下になりそうです。」


 天使とはかけ離れた邪悪な表情を見せるサージマエルに、サラは余裕の微笑みで返した。



「なるほどたしかにあなたは強い。

以前の私なら間違いなく負けていました。


以前ならね。」

「はい?」



     “ルシファー“

               」

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