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目覚めたら堕天使ルシフェル  作者: キメラテック
『四つ巴』の防衛戦
129/147

無敵の堕天使

「後ろだ。」


 虹の世界に閉じ込められた二人は、背後の声に反応し振り返る。


 そこにいたのは腕を組み笑みを浮かべる田天。

さきほどと変わらぬ絶対的な存在感を醸し出しているが、

唯一異なるのが、今の彼の瞳の色。神々しい金色の輝きを放っているのだ。


「い、いつの間に後ろに・・。」

「ふふ、では始めようか。」


 ゆっくり、ゆっくり近づいてくる堕天使。

ジャキルとラザエルは彼の進行に対し若干の恐怖を感じるも、落ち着きを取り戻す。


 そう、彼らはそれぞれが最強クラスの能力を持った実力者。

そしてそのタッグはかなりの相乗効果をもたらしているはずである。



「行くよジャキル、今からやつの動きを止める。

その間に・・。」

「わかってるよ。真っ二つどころかみじん切りにしてやる。」

「へへっ、頼もしいや♪

止められる時間は8秒。。その8秒で終わらす・・!」


 彼らの会話は田天の耳には確実に届いている。

なのに彼はまったく恐れを見せない。平然と立ち向かってくる。

その不気味な様に、タッグチームは感じてしまう。


「まさか、このコンボが通用しないのか?」と。。



(「天の静まり」!!)

 ラザエルの瞳から見えない粒子が放たれる。

この粒子こそが彼の時止めの技、「天の静まり」。

粒子に触れた者の思考を停止させ、まるで時が止まったかのように対象者の動きを止める。



 粒子は田天のもとへと突き進み、

そして彼に触れることに成功した。

「よっし!終わったぁ!」


 しかしこのラザエルの歓喜は無意味に終わる。

田天の動きは全く止まらない。

止まる気配すらない。


「は!?なんでだよ!なんで止まらない!?」

「どけ、ラザエル!」


 ジャキルはラザエルの前にとびだした。

もう田天はすぐそこにいる。「時止め」が効かなかったことを嘆いている暇などなかった。



「喰らえ!」

 羅刹による斬撃。

彼はあえて踏み込むことで、直接田天の腹に刃を当て、そして


振り切った。



と、思ったが。。動かない。

田天に当たってから刀がピクリとも動かないのだ。

空間ごと切り裂く魔の剣撃を、初めて止められたジャキル。



「馬鹿な・・・なんで・・。」


「・・時間がないから簡単に説明するぜ?」

 刀を当てられたまま田天はジャキルに話しかけた。

恐怖と驚愕でその場から動けない二人組。


「この「光皇」は俺の周囲に虹色の光を放つ技。。

かなりの広範囲だから気が付いてないかもだが、ここは今まで俺たちがいた森だ。

見えないだけでその辺に木や草が広がってる。


ここからが本題だが、この光の中では俺はあらゆる影響を受けない。

物理攻撃はもちろん、魔法も、呪いも、毒も、そしてあんたらが持ってる特殊能力の類も。

何者も俺を傷つけられない。


文字通り「無敵」というわけだ。」


 告げられる光皇の能力。

そのあまりのチートっぷりに耳を疑う二人であった。

だが今までのやりとりから考えるに、それに疑いの余地など無く。


「まあこれだけの能力だから「一分間」という短い時間で効果は切れてしまうが・・


おまえらを処分するには、十分か。」


 ビュンと空を切り姿を消した田天。

速すぎてジャキルたちは彼の動きをとらえられない。

きょろきょろと周りを見渡すラザエル。かなりの焦りが見える。


気づいたときには田天の膝が、ラザエルの顔面をとらえていた。


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