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目覚めたら堕天使ルシフェル  作者: キメラテック
『四つ巴』の防衛戦
119/147

実験名・『マガルタ』

間一髪、しゃがんで斧の一撃を避けた田天。

その反動で空に飛びあがり、羽で飛びながら息をととのえる。

「あぶなかった・・」

「・・・・まぁ、『飛ぶ』わな。

飛べない俺に対してその行為はかなりのアドバンテージだ。



では“マジ“で行ってみるか。」

上空の敵を見つめながらマガルタは目を金色に光らせた。無駄に光り続けるその目に田天は不気味ななにかを感じとる。

そして彼は構えをとる。斧を『投げる』体勢をとったのだ。


全力で斧を投げ飛ばすマガルタ。

グルグルと回転し上空の田天に向かっていく斧、それに対して田天は冷静に構える。

スッと体勢をかがめて斧に横から打撃を加え、その軌道を反らした。

が、


いつのまにか目の前にマガルタがいる。

驚く田天の胸ぐらを掴むと、彼はそのまま田天を地面に叩きつけた。

激しい衝撃が森に広がる。監督のダーラも大喜びだ。

「いいねぇ、これこれ!この迫力!

今のシーンはノーカットで使えそうだぞ。」

反対にフレイラたちは心配そうに田天を見守る。どう見ても彼はまだ力の解放ができていないからだ。


「田天!なにやってんださっさと本気だしてそんなヤツ潰しちまえぇ!!」

声を荒らげるブレイズ。彼の声援は応援席の誰よりも大きかった。


そんなブレイズの声もむなしく、田天は降りてきたマガルタに踏みつけられていた。

田天が叩きつけられた場所には大きなクレーターができており、いかにマガルタの力が異常かがうかがえる。

「まだ本気じゃないな?ルシフェル。

さて、、、次の一撃で終わらせようと思うのだが、覚悟はいいかな?」

田天を踏んでいる左足が金色に光る。

焦る田天。しかしこんなときであるのに彼はある疑問を持った。


「マガルタ・・君はなぜそこまで強い?」

「?」

「ただの人間である君が、なぜここまでの力を・・?

確かに今の俺は本気じゃないけど、今まで戦ってきた相手のなかでも君はトップクラスに強い。それは分かる。」


「・・・」

マガルタは左足の光を解除する。そして今から倒すべき敵に対して、その生い立ちを語り始めた。


「俺はただの人間ではない。正確には『改造人間』だ。


幼かった俺はある日気づくと、とある研究施設の一室にいた。

そこには俺のように幼くしてここに連れてこられた者がたくさんいた。

そしてそこの研究組織による悪魔の実験が始まったんだ。

その組織の名はXYX(エクシックス)。ただ純粋に力を追い求めているイカれた集団だ。


そいつらの狙いは、開発したチップを人間に埋め込み最強の生命体を作り出すこと。

その実験名を『マガルタ』という。大量の死者をだすとんでもない実験。

幼い俺たちはその被験者というわけだ。。

もちろん俺は最初こそ必死に抵抗した。しかし、『母親に売られてここに連れてこられた』と知ってからはむしろ乗り気で被験に望んだ。


失敗すれば死ぬこの実験において、唯一生存した俺は最強の体とともに新たな名を名付けられたんだ。

実験名と同じ、マガルタという名を。」

「・・・・」


再び左足が光りだした。マガルタの眉間にはシワがよっている、ここまでだと田天は感じ取った。

「それから俺は化け物として扱われながら生きてきた。

いじめられ避けられ、孤独な日々。

そんな俺を唯一認めてくれたのがパメラちゃんだったんだ。


だからこそあの日のお前の行いは許されない。

バトル・ロワイアルでは生かしてやるが、そのあと確実に殺す。」

光る足を上げ、踏み潰す準備を完了させるマガルタ。

田天は目をつぶり、黙りこむ。


「ここではいったん、負けとけ」

放たれるマガルタの一撃。

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