ルシフェルの言葉
「では参ります・・」
サラは右手をを光らせ、光の剣を出現させた。青く光るその剣を見て田天は、改めて死を悟った。
だが、下には自分に協力してくれると言ったマルクとフレイラがいる。死んでいる場合ではない、と気持ちを変化させる。
「ちょ、ちょっと待った!やるまえにちょっと俺の話聞いてくれません!?」
「・・・。」
「ここで俺を殺したら、本当に本当のルシフェルは戻ってこないかもしれないよ!?」
「・・では本当のルシフェル様はどこにいるというのです?」
「それは俺にもわからないよ。どこかで魂が彷徨っているかもしれないし、もしかしたら俺の体に移ったのかもしれない。
でも確かに言えることは、この体がルシフェルの本体であるということ。それを壊していいの?」
「・・・。」
「今からおれたちは本物のルシフェルを取り戻す旅を始めるところなんだ。俺はまだ戦い方も全然わからないけど、ルシフェルのためにも自分のためにも頑張るつもりだから、殺すならそのあとにしてほしい・・。」
「・・・。」
うつむくサラ。目の前には追い求めていた裏切りものがいる。目的はもうすぐ果たせる。
だが目の前にいるのはルシフェルではない別人かもしれない。
いや、別人であってほしい。そうであるならば、尊敬していたルシフェルはまだ存在しているということになるのだから。
信じたい。今はこの男を信じてみたい。
「・・・分かりました。では確かめさせてもらいます。」
光の剣を構え、田天に襲いかかるサラ。そして切りかかる。
田天の顔面を切り終えたサラは、田天の顔を見る。
彼の顔には薄い切り傷がついていた。田天はその場から動くことはなかったが、顔が少し、恐怖でひきつっていた。
「・・・。」
サラは昔、ルシフェルと手合わせをしたことを思い出した。圧倒的な戦力差の前に、サラは歯が立たなかった。ルシフェルはそのとき、サラにこう告げていた。
「俺が生きているうちは、お前の攻撃は絶対に受けん。かすり傷さえな。」