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黒衣を纏いし紫髪の天使  作者: 閻婆
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第32節 《違法薬物の製造基地 再会した野盗の男は少女らを食らう?》 2/5

今回も基地内での探索がメインの話ですが、捕まったからと言ってそれですぐに逃げてしまうリディアでは無かったみたいです。中で怪しい何かがされてる事を疑ったリディアの単独での行動がまた続きます。










         怪しい建物に無理矢理連れられたリディア


         だが、持前の戦闘力で兵士2人を返り討ちにしてしまう


         引き返そうと考えたが、やはり建物自体は凄く怪しい


         自分を連行するだけの理由があの木造の平屋にはあったのだろう


         それを探りたくなり、リディアは突入を試みる






「とりあえず窓から……入れちゃいそうだね」


 黒の戦闘服を纏っている少女であるリディアは、平屋にゆっくりと近づき、適当に1つの開かれている窓の前で一旦立ち止まる。


 窓は上部に向かって倒れるように開く仕組みとなっており、今は外に向かって開かれた状態となっていた。


 誰かとうっかり対面してしまえば大事(おおごと)になる為、恐る恐る窓から建物の内部を覗き見る。




――室内を見るが、人影は無かったようだ――




 代わりに部屋の中央に設置された大型のテーブルと、そしてその上に何やら奇妙な緑色の粉が、倒れている袋から零れるように敷かれているのが確認出来た。


 粉の正体は兎も角、室内には誰もおらず、そして別の部屋で作業をしているような物音も聞こえなかった為、リディアは窓から内部へと侵入する事を決めた。




――(ふち)に足をかけ、そして室内に向かって飛び降りる――




「よっとっ。ってかこの粉、何?」


 リディアは目の前に映った、テーブルの上に敷かれている粉を触ろうとしたが、直前で手を止めてしまう。


 手袋で保護されているとは言え、よく分からない物体を触ろうという気にはなれなかったのかもしれない。緑の奇妙な色をしたそれが、どう考えても人体にとって無害だとは考えられなかった。


「いいや、触らないでおこっと……。ってかこの袋って全部この粉入ってるって事なのかな」


 リディアはテーブルの周囲を見渡すと、壁に寄せられるように白い大型の袋が積まれており、袋自体も相当に回数を重ねていたのか、染みのような汚れも目立っていた。


 しかし、袋の中身を調べる事や、粉の成分を独自に解析する事よりも、やはりどうしてもこの拠点を指揮しているであろう人物を見つけ出す事が先だったかもしれない。




「さぁてどうしよ……。どうやって探そっかな」


 侵入した部屋のドアをゆっくりと開き、通路を覗き見するが、それなりの頻度で通路を歩く者達が見えてしまうせいで、堂々と通路を進むなんて事は出来なさそうである。


 通路を歩く者達はほぼ全員が水色の防護服のような全身を覆い尽くした特徴的な装備をしており、袋を肩から背中にかけて背負っていたり、台にローラーが付いたカートというべきなのか、その上に大量の瓶が入ったケースを乗せながら押していたりと、先程見た粉と関連がありそうな物体を持ちながら移動している者が殆どであった。


 自分達の業務に集中しているからなのか、リディアが覗き見する為に僅かに開けているドアの様子には誰一人として気付いていない様子だ。


 だからと言って通路に出るタイミングを探る事が出来るかというと、そうでも無かった。人が歩いている間は通路に出る事なんて出来る訳が無い。




「姿消す力でも使うか……。息止めれば出来るから無理矢理行かないと時間も無駄になるし」


 リディアにはエナジーリングがあり、それを使う事で自身の肉体的な体力と引き換えに念じた能力を扱う事が出来るのである。


 自身の身体を不可視状態にし、強引に通路を突き進むなんて事もその気になれば可能であるようだが、その前にリディアにはする事があったようだ。




(誰かの気配感じ取れるかなぁ……。どうかなぁ……)


 黒いハットとマスクの間から映る青い瞳を、その前に一旦部屋のドアをゆっくりと閉めてから、そして例の瞳を両方閉じた。


 そして念じると同時に頭の中でこの建造物の全体像を浮かび上がらせる。


 通路や左右に繋がる部屋、そして一際大きな部屋、というよりはこの建造物の中心地なのか、そこを中心に無数のドアや通路が存在していたが、そこに誰かの人間らしき気配が映り込んでいた。


 そこに向かえばこの拠点の支配人、恐らくはリディアの捕縛の命令を出したであろう人物と対面が出来るのだろうか。


 しかし、そろそろ集中力が切れそうになった為、ここで一旦リディアは目を開いた。




「はぁ……はぁ……もういいかな……。ホントは一気に行った方が良さそうだけどちょっと怖いかなぁ……」


 リディアは肉体的な疲労を感じてしまった影響で、黒いマスクの裏で荒い呼吸をしたが、中心地である広間に直行すべきかどうか、迷っていた様子だ。


 自身を不可視状態にした状態にすれば出来ない事も無いが、そこまで呼吸を止め続けられるかどうかは分からない。


 やはり防護服を纏っている作業員なのか、彼らの目を盗みながら、場合によっては近くの部屋に隠れる等の方法で徐々に近づく方が体力的にも安全かもしれない。




「じゃあ行くかな。捕まってる人がいたら助けたいけど、とりあえず行くかな」


 部屋から部屋へ隠れながら中心地へ向かう事を決定させたリディアは、ドアの向こうに人の影が無い事をエナジーリングを利用した気配の感知で確認するなり、ゆっくりとドアから身を出した。


 通路には何も設置物が無い為、もしそんな所で作業員の者達と出会ってしまえばおしまいである。不可視状態になるにしても、存在を知られてしまえば意味があるのかどうかも疑問点となってしまう。


 色々と不安を抱え込みながらもリディアは通路を進む。作業員と出会う事を警戒しながら、目の前にある部屋に毎回隠れながら、隙を見て更に次の部屋へと移動する。


 隠れた別の部屋にも、内装は違えど設置されている物は殆ど変わらず、粉と思わしき緑の物体がテーブルの上に敷かれていたり、何か記録を掲載されている紙やファイル等が並んでおり、しかしリディアからするとそれを理解出来ない以上はあまり価値としては薄い物として断定していたからか、殆ど気にも留めずに次の部屋へ忍び込む事ばかりを意識していた。




 そして4つ目の部屋に忍び込んでいたその時であった。


 次の部屋に行こうとしたが、誰かが室内にやってくる事を確認したリディアはすぐにドアから距離を取る。


(ヤバっ! 誰か来る! あの下に行くか!)


 リディアは背後、つまりは部屋の内部を振り向くが、丁度良い背の低いテーブルが壁沿いに設置されており、そこであれば身を隠す事が出来る事に加え、相手が室内に入って来たとしても目が合ってしまう事も防ぐ事が出来ると咄嗟に気付いたようだ。


 滑り込むようにリディアはすぐに背の低いテーブルの下に逃げ込んだ。


 両側には無造作に置かれた、廃品らしき古びた物品の溜め込まれた上部が開いた木箱があった為、仮にリディアの脚が見えていたとしてもいくらかは誤魔化す事が出来るかもしれない。勿論、一切動かなければの話ではあるが。




 ドアが開き、やはり防護服というべきか、全身を包み込んだ作業員が3人程、室内に入ってくる。


 用事は分からないが、リディアは自分のいる場所に向かってきていたという事実に対し、まずは呼吸を静かにする事を考え始めた。


(あっぶなっ……。でも気付いては、無いか……)


 リディアの隠れているテーブルの上に作業員3人がやってきたが、あくまでもテーブルに用事があったようであり、リディアの存在に気付いた訳では無かったようだ。


 あまり会話を交えている様子は聞こえなかったが、テーブルの上に何かを置いているような音は確かに響いていた。そこまで重たそうでは無い音だが、軽いという訳でも無い音だった。


 しかし、今はテーブルの下で黙っているしか無い。




「この宝玉は大事な物だ。紛失は許されないぞ」


 テーブルの下に隠れていたリディアの耳にはっきりと聞こえた男の声。どうやらテーブルの上に置かれていたのは宝玉だったようだ。


 そして説明によると、ここから無くす事は認められないようである。


「ビスタル様からお預かりしてる物品だったな」


 宝玉自体はこの拠点の者達の所有物では無い様子である。そしてリディアは初めてこの名前を聞いた事だろう。




「ここでの劇薬が完成すれば今度こそ正式な配下に加えてもらえるんだったな」


 この拠点では劇薬の製造を行なっているようであり、理由もここで明白になったと言えるはずだ。


 効果が認めてもらえた時が、ここの集団が改めて出世をする事が出来る時なのだろうか。


「だけど最近は邪魔する者も増えてるんだよな」


 元々違法とも言えるような研究や開発をしているのだから、法を守る存在や、正義の精神を持った者達から阻止されようとするのも当然の話なのだろうか。


 ここでやや愚痴にも近いものが出されたのである。




「でも心配は無いぞ。ゼノ様がその場でぶちのめしてくれてるだろ?」


 しかし、だからと言ってあっさりと妨害や侵略を認めているという事は無いらしい。ゼノと呼ばれるのだろうか、これが邪魔をする者を撃退、或いは捕縛しているという事なのだろうか。


「あぁそっか、この前もカッコ付けてた女剣士2人がいたけど、滅茶苦茶にされてたんだったな」


 まるで思い出したように別の作業員が昔の話をし始める。それは本当に昔の話なのか、それともつい最近の話なのだろうか。




「確かどうしてたっけな、殺すのは勿体無いからって、服も全部引き破られて髪も全部溶かされて、試作中の薬飲まされて獣みたいになってたっけな」


 作業員達も当時の光景を見ていたのだろうか、この拠点を制圧しようとしたはいいが、逆に負かされてしまい、後は言葉の通りの結末を迎えたという事なのか。


 しかし、今も尚存命しているのかどうかまでは分からないかもしれない。


「今度侵入してくる奴はどんな目に遭わされるんだろうなぁ?」


 過去にも何人かこの拠点に突入した者達がいたという事なのだろうか。そして、毎回異なる手段で侵入者に酷い目に遭わせていたという事でもあるのだろうか。




(ゼノ? そいつが支配者って事でいいの? ってか髪も溶か……って溶かす? どういう事?)


 テーブルの下で直接言葉には出さず、そして一切身体も動かす事もせずにリディアはこの拠点を支配している者の名前を覚える事にした。


 衣服を脱がされた、という事は理解出来たが、髪に関しては言い方が何だか妙であった為、具体的な方法がイマイチ想像が出来なかったらしい。しかし、どちらにしても外見的にとんでもない損害を与えられるのは確かだと分かった為、本当にここの支配者であると思われるゼノに立ち向かうのであれば、勝利以外に生き残る事が出来る道は無いという事になるだろう。




「そろそろ行こうか? 劇薬の効果を確かめるって言ってなかったか?」


 作業員達はこれから始まる機会を期待していたようであり、この部屋に来たのもあくまでも一時(いっとき)に過ぎなかった様子である。


「言ってた言ってた。効果が強ければまた進展に一歩近づくからな!」


 事前に作業員達には知らされていた話だったのか、言われてから改めて思い出したかのように、まるで待ち侘びていたかのような態度を見せて喋り出す。




「よし、行こうか!」


 相当に楽しみな予定であったらしく、奇妙なまでに作業員の高揚感が強かった。しかし、声色の雰囲気を受け取ると、とても年齢的には若いようには見えない。中年は確実に達しているような声色ではあった。


「侵入してきてそのまま捕まった小娘が実験台にされるって言ってたよな。どうなるか楽しみだな!」


 どうやら劇薬を使う対象はここの作業員、では無く外部の人間であったらしい。それも、討伐しようと試みたが、返り討ちに遭ってしまった少女、なのだろうか。


 既に凄惨な目に遭わされていた者達の仲間かどうかは分からないが、リディアはそれを聞いてじっとしていられなくなったはずだ。




 男達が部屋から出ていくなり、リディアはテーブルの下から出てすぐに立ち上がり、テーブルの上に置かれた宝玉――が内包されているであろう小型の木箱――を見つめながら、どうしても助けなければいけないだろうという(こころざし)を燃え上がらせていた。


「実験台……って最悪じゃん……。誰かは知らないけど一応助けてあげた方がいいか……。じゃあ急がないと!」


 リディアは目の前の木箱を開き、宝玉を手に取ると何かを思い出した。確かに実験台にされるであろう名前も顔も知らない少女を助ける事も大事であるが、確かこの宝玉はヒルトップの洞窟で何者かに奪われていたものだったはずだ。


 効果はよく分からないが、どちらにしてもギルドに返した方が良いと思った為、密かに手に取り、そして魔力でそのまま消滅させ、懐にしまい込んだ。


「とりあえず(から)だと怪しまれるだろうからどうしよっかな……。ん~っと、あ、これ良さそう!」


 リディアは室内をキョロキョロと見渡すが、壁際に設置されていた、廃材をいい加減な形でしまい込んでいる鉄製の筒状の容器の中に何か透明な物体が見えた事を確認し、すぐに容器に近寄った。


 容器というよりは屑籠(くずかご)とでも表現して良さそうだったその中に、似たような球体状の物体が捨てられていたのである。尤も、色は透明では無く、アルミのような薄い鉄製の物体を無理矢理丸くされているだけのものであったが、重量だけは元々が鉄であるからか、宝玉と同じような重量があり、箱に入れてそのまま閉じてしまえばもしかしたらしばらくの時間誤魔化しも効くかもしれないと感じたのかもしれない。




「開けられたら終わりだけど、時間稼ぎにはなるか」


 リディアは屑籠から持ち上げた、丸めた鉄の塊をそのまま木箱の中に入れ、そして蓋を閉じてやった。


 宝玉を取り返す事は成功したが、思わぬ達成を喜ぶ前にまだ本題を達成していない事を思い出す必要がある。リディアは勿論の話ではあったが、すぐにこの部屋を出る為にドアに近づき、ゆっくりと開き、外の様子を窺う。




(さっきの3人は……もういないか)


 先程部屋に宝玉を置く為に入って来た3人の作業員の気配は近くの通路には無かった。


 死角にいる可能性も疑い、周囲に人影が無いか念じてもみたが、誰もいなかったようである。安全を確認し、再び部屋から部屋へと移るように移動し、劇薬の実験現場になるであろう中央の広間へと近づく事にした。




 宝玉を取り返した部屋の後に、3つ目の部屋に辿り着いたが、そこでリディアは会ってはいけない相手に鉢合わせをしてしまう。


 ドアを開くなり、リディアは室内に逃げるように素早く入り込んだが、ドアを閉め、そして部屋の内部を改めて目視すると、そこには防護服を着た作業員が1人、いたのだった。


 リディアが入る前は壁を向いて何かをしていたようだが、入ってきた時にリディアに対し、腰を捩じるように上半身を向けていた。


「!!」


 当然目が合ってしまったであろうリディアの身体も精神も硬直するが、見られた以上はもうこれ以降はゆっくりとした潜入活動は不可能に近いと言える。


 防護服の作業員もリディアを見つめたまま硬直していたが、リディアの方は相手を黙らせる事が最良の手段かと考えたのか、即座に右手から魔力で生成させた氷の刃を出現させる。それで相手が仲間を呼ぶ前に黙らせようとしたのだろうか。




――だが、防護服の相手は襲い掛かってくる訳でも無く……――




「待てお前! いきなりやめろよ! わたしなんだからやめろやめろ!」


 防護服の相手はリディアの出現させた氷の刃を見るなり、突然慌て初め、まるで自分が特別な存在であるかのような言い方でリディアに攻撃を止めさせようとする。


 そして、その声は男のものでは無く、何だか自分の事を高く見ていそうな特徴的な声色の女性のものであった。防護服の関係で姿は分からないが、確かに女性の声色であった。




「ん? その声……って、なんか聞いた覚えあるけど?」


 リディアはまだ警戒心を解いてはおらず、何だか声自体には聞き覚えがあったようで、それでも右手の武器である氷の刃を消滅させる事をしなかった。


 確実に相手が自分にとって知人なのかどうかを把握するまでは、右手で相手に向けている氷の刃も、睨みつけるような青い瞳も崩すつもりは無いと思われる。


「聞いた事はあるはずだぞリディア? とりあえず頼みなんだけど、この服脱げなくなったんだよ。背中、ちょっとファスナー下げて貰えるか?」


 相手はリディアの事を知っていたようであり、そして名前も分かっていたようである。防護服の相手はまるで自分の事をリディアが既に把握してくれている事を前提にしているかのように無防備に背中を向け、右手で自分の背中を指差した。背中には確かに言葉の通り、ファスナーが背中の中心の、上から下に通っていた。




「なんか聞き覚えはある声なんだけど……姿がちゃんと見えないと……」


 リディアの中では数いるであろう知人の中で今の人物の声色がその中で一致する者がいたようであるが、やはり直接の姿が見えないと信用が出来なかったようである。防護服自体に何か細工がされていたり、声色そのものを変化させられる何かが組み込まれていないとも言い切れない為であった。


 リディアの右手からはまだ氷の刃が出現させられたままである。


「いいから頼むからこれ下ろしてくれ! わたしだよ! もうハッキリ言うよ! ルージュだよ! これでいいだろ!?」


 防護服の相手はすぐにこれを脱ぎたいと考えていたのか、そして自力では脱ぐ事が出来ないのか、リディアに何としてでも自分の正体を把握してもらいたいのと同時に信用もしてもらいたいのか、自分の名前を明かし、姿をまともに確認してもらえない状況で、脳内で防護服の奥の姿を連想してもらえるようにと必死なっていたらしい。




「あぁその声ってルージュさんだったんですか? だったらじゃあ大丈夫か」


 声色自体には聞き覚えがあったが、姿を確認しにくい状況でようやく名前も教えてもらえた為、名前と声色で相手の正体を信用する事が出来るようになり、リディアはここでようやく右手に持っていた氷の刃を消滅させ、防護服の相手、名前はルージュと呼ばれていたが、背中に近寄り、右手を伸ばした。




――すぐにファスナーを下に向かって動かした――




 ファスナー自体はあっさりと下ろす事が出来たのだが、それはあくまでも本人以外の手があったからであり、着用している者本人はどうしても手をかける事が出来ないからか、ただ下ろすだけでも苦労、というよりは無理だったようだ。


 そしてファスナーが下りたおかげで、防護服の中にいた者がようやく鮮明な姿をリディアの前に見せる事が出来たのである。




――背中の部分から、後ろに向かって外に出る――




「やっと出られたぜ……。これ暑っつくて気持ち悪かったんだわ」


 中から出てきたのは、口調こそはやや荒い雰囲気のある男性のようなそれであったが、外見を見れば少女である事が一目で分かるような姿であった。


 濃い紫の袖の長いジャケットと、そしてあまり豊かとは言えない可能性のある胸部を覆っている赤いVネックのアンダーシャツであるが、ジャケットと同じく腰よりも短い丈である為、少女らしい眩しさを携えた色白な細い腰が曝け出されている。


 真っ赤なミニスカートではあるがすぐその下からは短パンのようなものが見えており、リディアと同じような対策をしているようだ。


 橙色のニーソックスで包まれた太腿の先には炎をイメージしたかのような真っ赤なブーツが見えていた。


 容姿の方は鋭さも目立つ橙色の瞳に、そして真正面から見ればショートで丸みとそれなりの刺々しさを見せた真紅の髪をしているが、後頭部からはひっそりと下から細い1本のポニーテールが肩の下辺りまで伸びていた。性格と見事に釣り合ったような風格と見て間違いは無いだろうか。


「やっぱりルージュさんだったんですか……。所でなんでこんなとこにいるんですか? そしてなんでそんな服着てたんですか?」


 リディアは知り合いだったのだろうか。見た目や声色は確かに少女ではあるが、口調だけは殆ど男性のものにしか感じられないようなそれであったが、寧ろそれがルージュらしさだったのか、リディアの表情からはもう警戒心や緊張感は抜けきっていた。




「防護服に関してはこれ着て中を、この建物ん中な、ここ調べようと思ってたんだよ。そんでここに来てた理由はわたしの後輩が捕まったから助ける為に来たんだよ」


 どうやらルージュは防護服を見つけた上で、この建物の中を怪しまれずに進もうと計画をその場で立てたようである。尤も、この基地に乗り込んだ一番の理由は後輩の救助の為だったと思われるが、安全の為に敵対者の仲間に成りすます方法をその場で見つけたようであった。


「何となく状況は察しましたよ? あ、所でさっきこれから劇薬、だったかな? なんか実験に使う女の子がどのこのって聞いたんですけど、もしかしてその子がルージュさんの後輩でしょうか?」


 やはりルージュとは言え、敵集団を相手に単独で突撃するという戦法は不可能だと判断していたようであり、そういう思考を持っていた事をリディアは把握する事が出来たらしい。


 そしてルージュから出た後輩という仲間の存在と、リディアの先程聞いた劇薬を実験台を相手に使用するという話が結びついたようであり、あまりこの部屋で時間を使っている場合では無いのかもしれないと不安が(よぎ)っていたはずだ。




「マジか……。なんか可能性はあるな。急いだ方がいいな」


 ルージュの中ではまだ後輩がこの施設の中で生きている事を実感していたようではあるが、まだこの時点では表情こそは冷静であった。リディアの話で本当の意味でまだ手を出された訳では無いと知り、元々炎そのものを味方にしていそうな容姿の中で希望の炎も一緒に燃やし始める。


「そうですね。話によるとなんかもうホントにすぐに開始されるみたいですし」


 難しそうなルージュの表情を見つめながら、リディアも真剣な目付きにしながら、ドアを指差した。ドアの外で実験が開始されるという意味合いでドアを差したのかもしれない。




「偶然お前に会えて嬉しいけど今は悪いけど手伝ってくれるか? あいつちょっとアホだけど一応大事な後輩だからさ」


 本当は久々の再会を果たす事になったリディアと道中の話でもして盛り上がりたかった所なのかもしれないが、今は些細な時間すら特定の行動で潰されるような事態である。


 どうしても今はリディアに協力を求める事しか出来ず、そしてルージュの脳裏にはお世辞にも利口とは言えないような後輩の今までの姿が浮かんでいた事である。それでも助けたいと思うのは、ルージュの優しさなのだろうか。


「勿論ですよ! でも、どうやって行きますか? 私だけならこうやって姿消して強引に広間にまで行けると思いますけど」


 アホという部分には敢えて突っ込むような事をせずにリディアはルージュからの協力を快く受け入れた。しかし、2人になったとしても、目的の場所へ到着する為の難易度が低下した訳では無い事は分かっていたようであり、そしてリディアは自分が今出来る事をすぐに見せた方が良いかと考えたのか、ルージュの前で目を閉じ、念じる行為に走った。




――リディアはその場で姿を消滅させ、すぐに実体化させる――




「えっ? お前透明人間になれるのか?」


 ルージュは初めて見るのだろうか、リディアの能力である自身の身体を不可視状態にさせるそれを目の当たりにし、聞くまでも無いかもしれないが、やはり実際に質問としてリディアにぶつけたい気持ちを抑える事は出来なかったようだ。


「いえいえエナジーリングの効果ですよ? それと姿消してる時は呼吸が一切出来ないのであまり長い時間は使えませんよ?」


 驚いていたルージュの目の前でリディアはすぐに実体化する。


 リディアはルージュに見えるように右手を持ち上げ、右の手首に装着しているであろうエナジーリング、尤も、今はインナー及び手袋で直接は目視出来ないが、それを左の指で差しながら今の能力を出す事が出来た理由を説明した。


 そして、発動中のデメリットのようなものも説明した。




「消えてる時って息出来ないのか……。まあ原理はよく分かんないけど長時間は無理か。お前死んじゃうもんな」


 ルージュはもしかしてリディアの能力がこの世で最強だとか軽い妄想を抱いていたのかもしれなかったが、世の中そう簡単には最強になんてなれないのかと世界の厳しさを知ったような気分になったのかもしれない。呼吸が出来なければ人間は死んでしまう。


「まあ実際は死ぬ前に呼吸が苦しくなってそのまま消滅が解除されるだけなんですけどね。それよりどうしますか? 私の方が先に行った方がいいですかね?」


 リディアの説明は確かにその通りであり、呼吸を止めるのも止める行為そのものを解除するのも本人の意思次第である為、本当に限界が来たのであれば絶命を迎える前に自ら呼吸を再発させるのは想像に難くないはずだ。


 尤も、姿を見せた場所によっては敵によって思わぬ最期を迎えさせられる事もあるかもしれないが、リディアは自分の能力には自信を持っていたからなのか、ルージュよりも前を進む事を前提に策を練ろうとするが、ルージュからの意見が来ない限り、それが良いのかどうかはまだ分からない。




「お前何自分だけ危ない目に遭おうとしてんだよ? もうここまで来たら強引に広間、だっけ? そこに一緒に突撃した方がいいだろ。どうせ戦う時になったら全員にバレんだし」


 ルージュはリディアの格好を付けたかのような言い分と計画を敢えて遮るかのように、元々近い距離である所で更に一歩近づき、リディアの黒いハットの下に映っている額を紫の前髪超しに指で押してやった。


 危険な場所に行くのであれば共に行くべきであるという意思がルージュには存在していたようだ。そして、戦いになればもう隠密行動なんて無理だとも分かっていたようだ。


「確かにここのボスみたいな奴に会ったらそうなっちゃうか。皆集まる……集まりますよね絶対。じゃあ、行きますか? 強引に?」


 リディアはルージュに押された額を右手で払いながら、隠密行動がいつまで続くのかを考え直してみたが、この基地を支配している者と出会った時に確実に仲間達に知らされてしまうのだから、少々乱暴な手段で目的地に進んでも意外と悪くは無いかもしれないと考えが変わってしまったようだ。


 実力的に信用も出来るであろうルージュの存在も大きかったのだろうか。




「そうするか? その方が後輩のあいつも来てくれたんだって分かってくれて安心もするだろうしな!」


 ルージュは強引に進む方法も決して悪くも無いと意識していたようであり、寧ろ基地の内部で騒いだ方がそれが今捕まっているであろう後輩の耳にも入り、自分達が助ける為に奮闘してくれているのだと安心させる事が出来ると予測したようであった。


 ルージュとしてはもう本当に強引な作戦で行きたかったのかもしれない。


「私もルージュさんみたいな思いっきり強い人と再会出来たから寧ろ突っ込んだ方が効率的に思えてきましたね」


 リディアは元々単独で戦うつもりであった為、予想外の実力者と出会えた事で多少は無茶も許されるような気がしてしまう。勿論リディアもエナジーリングの加護を受けているのだから、余計な警戒や心配をせずに本気で奮う事が出来るのであれば、やはりルージュの存在は大きかったと言えるはずだ。




「それ褒めてるものとして捉えていいのか? わたしがいるから無計画が許されると思うなよお前?」


 ルージュはあまりその言われ方に対し、素直に喜ぼうという気になる事が出来なかったようであり、聞き方によってはまるでルージュが戦略も立てずに力任せに戦績を稼いでいるとしか思えなくなる可能性すらある。それは多少なりとも否定しなければと思っていたのかもしれないが、苦笑いを浮かべながらルージュはリディアに対し、最低限自分の身だけは護るように動けと言ってやった。


「許されない事は分かってますから! そして正真正銘褒めてますよ!」


 リディアは死角等からの不意打ちを全てルージュに任せる気持ちでは無かったのかもしれないが、ルージュからすると計画性を捨てながら戦うと勘違いされていた為、まずはそれを訂正させるのが先だった。


 その次に言う事は、ルージュの実力を本当の意味で称えているという事であった。




        ***   ***




 基地の中心部なのだろうか、全ての方向にドアが存在し、全ての通路へと繋がっているであろうその広い場所で、1人の裸の上半身の男が鉈を1人で振り回していた。


 周囲には誰もいないからなのか、周囲の安全も一切確かめずに、そして自分の力強さでも誰かに見せびらかしているかのように、行為を続けていた。


「わははははぁ!! 次の俺様の餌はどいつだ! 実験材料にしてやるぞ!」


 筋肉が目立つ上半身の男がわざとのような笑い声を張り上げていると、1人の防護服の男がドアを開けてやってきた。




「ゼノ様! いい獲物をまた捕まえてきました! 侵入者ですが、若くて可愛い奴です!」


 ドアから出てきたのは、防護服の男が1人だけであるが、最初に報告に来ている辺り、他の作業員達よりも立場的には上なのだろうか。どうやら相手側からこの基地に侵入してきたようだが、捕らえた上でここに連れて来るようだ。


「おぉよくやったぞ! 可愛い奴か! 可愛さを全部ぐちゃぐちゃにする楽しみがまた増えたぞ!」


 もしかすると、ゼノと呼ばれたこの裸の上半身の男は誰かが侵入していたという事実は既に把握していたのかもしれないが、後処理は全て作業員達に任せていたのかもしれない。


 ゼノの言い方だと真っ直ぐ殺害の道へと進ませる訳では無いような聞こえ方に感じる可能性があるが、どちらにしても捕らえられた者からすると、悪夢としか言えないはずだ。




「ありがとうございます! よし、そいつを連れてこい!」


 褒められた事で何か心が満たされたのか、そして開いているドアの外に向かって、防護服の男は命じた。




――防護服の男は、ドアの外に向かって手で合図を送る――




「了解です! おらっ、抵抗するな!」

「早く歩け!」


 同じ防護服の男2人が、1人の少女を左右から両腕を押さえ付ける形で現れた。


 少女は男2人の力には逆らえず、無理矢理前に向かって歩かされていた。




「ヤダよ!! 何……する気っ!?」


 歩く事を拒んでいたと思われる剣士の服装をした茶髪の少女であったが、この場所で自分の身に何が降りかかるのかがまだ分かっていなかったようであり、ただそれを聞く事しか出来なかった。表情は弱っており、そして何かの抵抗の末に殴られたのだろうか、左の頬に痣が出来上がっていた。




「ほほぉこいつが侵入したお馬鹿ちゃんか? 確かにこりゃ可愛いなぁ」


 ゼノは、押さえ付けられたまま直立している少女に近寄るなり、茶色の長い髪を握るように触りながら少女の顔を至近距離でしゃがみ込みながら眺める。身長差がある為、男の方はしゃがみ込まなければ視線を合わせる事が出来ない。


「いやっ……臭い!」


 少女は髪を触られる気味悪さよりも、男から飛んでくる吐息の臭気の方が嫌だったようだ。本気で臭かったようであり、少女は顔を横に向けるが、実際の距離は殆ど変わっていなかった為、継続して臭気を浴びていたのは言うまでもないかもしれない。震えていた目も閉じていたが、やはり臭気は変わらなかったはずだ。




「なんだこいつは。戦う剣士とかに憧れてこの世界に来たみたいな顔してるなぁ? だったら世界の厳しさ、教えてやるからな? 薬の実験台にさせてやるぞ」


 ゼノは自分が臭いと言われた事を自覚していなかったのか、それとも無視しただけだったのか、それでも少女の怯える顔を眺めるなり、まだ新米に近い存在なのかと見抜いたようであり、そして、これから実行に入る事を少女に伝えてしまう。


「そんな事……ただで済むと思ってるの?」


 薬、そして実験台なんて言葉を聞いて少女がそれの最終的な意味を理解出来ないという事は無かった。薬を身体に投与でもされればどうなるかはすぐ分かる事であるが、想像はしたくないはずだ。


 それが悪行である事を震えた口調で男に伝えていたようだが、本当にそれは弱々しかった。




「よく言うなぁ。お前こそここに来てただで済ませてもらえると思ってたのか? お前みたいな事考えてた他の奴らがどうなったか、見せてやるぞ?」


 ゼノは自分らが薬物で実験を行う事を悪行として認識していないようであり、そして、自分達の施設に一方的に侵入してきた者達の方が悪人であるかのような言い分で自分達に正当性がある事を伝えてやった。


 過去にも目の前の少女のような真似をした者がいたようであり、そして既に実験の材料にされてしまったようである。




「おい、この前のガキの女2人いただろ? 運んでこい!」


 ゼノは最初に報告の為に現れた防護服の男に対し、対象の人物をこの場に連れて来るように命令をした。


「了解です! んへへっ、お前もあいつらみたいになるんだぜ?」


 防護服の男はやけに機嫌が良さそうな態度で返事をした後に、ゼノの背後に存在する妙に他のドアと差別化が図られているかのような鉄の装甲が施されたそれに向かって駆け足を始める。


 そして背後を振り向きながら、少女に対してこれからの余興を思わせるかのような言葉を飛ばす。




――ドアの奥に入って行った部下を見届けた後に……――




「さてとお前、あの薬入れたらどうなっちまうんだろうなぁ?」


 少女を押さえ付けている防護服の男の1人が、すぐ傍らにいる少女に面白おかしいような態度を口調の中に混ぜ込みながら言って見せた。


「やだよ……そんなもの飲まない……から!」


 本当に敵うのかどうかは分からない、或いは無駄だとは分かっていても、拒むという態度だけは崩さなかった少女であったが、両腕に力を入れた所で、男2人の押さえ付ける力には全くと言っても良い程敵わなかった。




「馬鹿め、無理矢理呑ませるだけだぜ? 成功したらお前は俺様に惚れて最高の部下になるし、失敗したら身体中荒れて獣みてぇな部下になる訳だ。今度は成功しそうなんだけどなぁ? お前で試すだけだ」


 ゼノは抵抗の気持ちを見せているかのような言い分の少女に向かって、自分達は力任せに事を実行してしまうとあっさりと言ってしまう。


 薬の効果も少女に向かって、大雑把に感じられるが一応の説明をしていた。


「……なんで……あたし……なのよ?」


 少女は自分に対して得体の知れないような薬物を浴びせられるという事実を受け止める気になる事が出来ず、まるで自分以外の相手を投与の対象にしろとでも言っているかのような様子ではあったが、自分に投与されると知ったのであれば、誰だって似たような態度を見せてしまうのかもしれない。




「泣いたって無駄だぜ馬鹿め。侵入したお前に罪があんだぜ? 正義なんて簡単に崩れるって事教えてやるだけだぜ?」


 ゼノは少女が涙をうっすらと流し始めている事に気付き、硬く強化されているであろう胸筋の前で腕を組みながら、少女の未来がここで終わりを迎える事を薬を使う事で理解させようと考えていたようである。悪に立ち向かおうとした(こころざし)がこの男達の手によって崩されるという事なのだろう。


「ゼノ様! 連れてきました!」


 少女に言葉を浴びせるという退屈凌ぎをしていると、鉄の装飾を施されたドアの奥に向かっていた防護服の男が、ドアを開いてからゼノに言葉を渡した。




「来たか。おぉいい感じの荒れ具合だなぁ相変わらず!」


 ゼノは防護服の男の後ろから鎖に繋がれた状態で無理矢理歩かされる人間のような者を2人、目にすると同時に酷く肌の荒れた様子に歓声のようなものを上げ出す。


 防護服の後ろにいた人間のような姿をした2人は、まるで病魔や毒等によってやられてしまったのか、真っ赤に爛れた肌が裸の胴体、そして腕や脚に激しく点在しており、それでも体格そのものは元の状態の時を維持されていたようであり、細身でそして胸部は男性と比較しても出ている辺り、女性なのだろうか。


「見てるか? お前もあの2人と同じになるかもしんねぇんだぜ?」


 再びゼノは口を動かすが、足から頭までほぼ満遍無く荒れた肌となった人間2人を指差しながら、今拘束されている少女に対してあのような末路を辿ると説明してやった。


 そして、薬の影響を受けたであろうその人間2人は頭部から一切の髪が無くなっていた。元々は髪が生えていたであろう頭皮にもびっしりと爛れた色が見えていた。




「うぁああぅううう……」


 首輪を付けられ、鎖で繋がれている人間の1人が殆ど生気を失ったような呻き声を上げていたが、捕まっている少女と目を合わせると、何だか目付きを変えたような様子があったが、それは気のせいだったのだろうか。


「うぅう……うぅうぅううう~~!」


 もう1人の繋がれている人間も、やはり元の正常だった状態を想像させてくれないような生気を感じさせない呻き声を上げていた。そして、やはりまだ姿が荒れていない茶髪の長髪の少女と目を合わせるなり、目付きを変える。最初の人間の目付きは気のせいでは無かったのだろうか。




――派手に荒れた肌の2人は、理性の感じられない呻き声を放ち続けていた――






今回は初めてルージュという少女キャラが登場しましたが、熱血系で描くつもりです。今回は寧ろリディアの方が捕まってくれなかったらルージュの方がこのまま単独で行動してたという事になりそうでしたので、ある意味では捕まった方が好都合だったかもしれません。

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