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黒衣を纏いし紫髪の天使  作者: 閻婆
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第31節 《唸る怪奇植物 吐き出す骸は戦死の悲鳴》 2/5

今回は怪奇植物との対面になります。ただ、今回はまだバリバリの戦闘という訳では無くて、対面して各自が何を感じたか、どう戦うかを、心情を喋るようなシーンが多いかもしれません。そして今回ちょっとリディアの大胆な攻撃が実行されますが、リディアは身体能力は高いので派手な事も難無く出来たりするんですよね。








            ギルドからの依頼で向かったのは、岩肌の荒地


            そこを根城としていた、怪奇植物グレイシアペタル


            既にリディア達は近くにまで来ていたのだが


            偵察として最初に対面したフィリニオンに気付いた魔物は……






――人間らしき物体を発射する怪奇植物――




 岩肌の地面に根を敷いているであろう黄色と緑の色合いを見せた怪奇植物であるグレイシアペタルは、上空に鳥人であるフィリニオンの姿を確認したからか、6つの器官を開く事で口としての機能を果たしているであろう中心部分から物体を吐き出すように発射させた。


 狙いは当然のようにフィリニオンであり、グレイシアペタルを目視していたフィリニオンがそれを回避しないはずが無い。




――妙な液体に塗れたそれをフィリニオンは……――




「うわっ! なんだよあれ!?」


 空中で横にずれる事で、飛ばされた人間のような何かを回避するフィリニオンだが、纏わり付いていた液体はあの魔物の唾液だったのだろうか。


 そして人間の正体が誰だったのかを確認するより前に、まずは残してきた仲間達にもう敵対する相手が近くに存在するという事を伝える事を優先にした。


「とりあえず言っとくか……。いや、言う必要ねぇか」


 空中で足元を目視するフィリニオンであるが、自分が皆の元へと戻る理由は無い事が既に分かっていたようだ。


 既に翼竜が引っ張っていた浮遊式の絨毯から降り、怪奇植物の場所へと向かっている皆の姿が確認出来たからである。




――地上の方でも決して穏やかでは無い空気が漂っており……――




「おいおい明らかに(にお)いの方強くなってるな……。本気出してきたなあいつも」


 地上にいたガイウスは正体を既に把握している臭気が更に濃くなっている事を察知し、距離が縮まった事は勿論、魔物の方も戦う気を更に強めていたと悟り始めた。


「本気出したら臭うのあいつって? まあ私とガイウスはマスクで何とか出来るけど、皆って大丈夫?」


 隣にいたリディアはあの怪奇植物の気持ちで臭気も変わってくるものなのかと、疑問に感じたが、浮遊式絨毯から降りる前に、後ろを振り向きながら皆に臭気対策をしているのか、或いは所持をしているのかを聞くが、リディアの視線は殆どシャルミラにだけ向けられていた。


 言い終わると同時に、リディアはエナジーリングの力で鼻から下を黒いフェイスマスクで覆い隠す。




「それって心配で言ってるの? それとも自慢?」


 シャルミラはリディアの確認をどのように捉えてしまったのだろうか。自分自身はマスク等の対策用の防具を所持していなかったからなのか、リディアのまるで見せつけるような姿に何か違和感とかを覚えてしまったのか、不満を思わせるような態度で言い返してしまう。


 シャルミラ自身も、今漂っているあの植物からの臭気に体調不良を起こす可能性があるような不快感を感じていた事だと思われるが、それも苛々を募らせる要因となっていたのだろうか。


「いやいや違うって! 心配で聞いたの! シャルなんでそんな事聞いてくるの?」


 リディアは何故突然に不機嫌な態度を取られてしまったのかが把握出来なかったのだろう。


 あまり相手の不機嫌な表情に慣れていないリディアだったからなのか、自分の本当の気持ちを明かし、そして不機嫌な態度で接するのをやめてもらうようにと内面で願っていた事だろう。




「あたしは防臭マスクなんて持ってないからさぁ。まあ嫌味とかじゃないならいいんだけどさ。ごめんね!」


 やはりシャルミラは自分用の装備を持っていなかった為か、そしてやはり不快な臭気の影響でリディアに宜しくないような態度を取ってしまっていたのだろうか。


 嫌味の目的で聞かれたのでは無いと分かった途端にすぐに表情を戻し、その場で手を合わせて謝った。


「まあシャル、嫌味として捉える事が間違いだったんじゃない?」


 心情は兎も角、やはり青い毛並みの浮遊生物であるバルゴはあまり今のやり取りを気持ち良く受け取る気にはなれなかったようであり、そもそも悪い方向で考える必要自体無かったのでは無いかとフォローのようにシャルミラへと話しかけていた。




「臭い奴とは今まであんた達戦った事あるんだろ? これぐらいなら我慢出来ると思うけどね。それと、ジェイク、あんたの魔法でちゃんと彼女の事守ってあげなよ?」


 怪奇植物であるグレイシアペタルの放つ悪臭の影響で仲間達の関係に妙な亀裂が出来そうな気がしたであろうマルーザは、これまでの戦いで臭気を武器にする相手とは戦った経験が無かったのかを訊ねていたが、目的は返答を期待する事というよりは臭気の1つぐらいは耐えながら戦いなと気合を入れさせる事だったのかもしれない。


 返事を待つ事もせず、次の視線をジェイクへと向けていた。




「それは任せてくださいよ。じゃ、メルちゃんちょっと大変かもしれないけど僕から離れないようにね!」


 これから絨毯から降りようとしていたジェイクだが、マルーザの期待にも、そしてメルヴィの安全を保障する為にも、自分の魔力を信じて戦う事を心に強く決めていた。


 いつものように、メルヴィを守りながら戦おうと絨毯の端に手をかける。


「う、うん。でもあいつ炎に強い耐性があるって書いてたけどジェイ君で対抗出来るの?」


 萱草色の髪を小さく揺らしながらまずは頷くメルヴィであったが、どうやらこれから戦う相手は炎の耐性を持っているようであり、それを不安に感じ始める。


 ジェイクだけでは対処出来るのか、それを不安に思ってしまったのだろう。




「出来るよ! あくまでも強いっていうだけで全く意味が無いっていう訳じゃないと思うから僕はちゃんと戦うよ!」


 恐らくこれしか言う事が無かったのかもしれない。まさか相性が悪いからと言ってそれで諦める訳にもいかないと思われる事に加え、他の仲間達はもう迎え撃つ為に絨毯から降りている。エルフの女性も降りているのだ。


 ここで相性の関係で逃げに徹していては恥となるはずだ。


「いつもの事だけど気持ちはありがとう! ただあいつ物理的な攻撃には弱いみたいよ?」


 本当にいつも言われている事なのかもしれないが、メルヴィは自分の為に戦ってくれるジェイクに言わずはいられなかった。


 そして、あの怪奇植物の弱点を再確認させるかのように伝える事も忘れなかった。




「だったら勝機はあるじゃん! 僕は物理的な衝撃だって扱えるんだから大丈夫だって!」


 ジェイクは一気に明るい表情を赤いフードの中で作りながら言い返すが、それは一時的にあの書物に書いてあった事を忘れていた事を思い出しての態度だったのだろうか。


 炎系の魔法の他にも、衝撃を相手に加えるような力技のような魔法も扱えるのだから、戦う事に不利な部分は無いと言い返した。


「あの、水を差すようで申し訳無いんですけど、下手に攻撃をするとあの植物怒り出しますからね? 集中的に狙われるリスクがある事、忘れないでくださいね?」


 同行していたエルフの女性は、もしかするとあの怪奇植物に限った話では無いかもしれないが、攻撃を仕掛ける事で感情を逆撫でさせてしまう事を意識しながら戦うようにジェイクに伝えていた。




「うんありがと! 一応あの本にも書いてはあったから覚えてはいたつもりだけど、注意するよ!」


 ジェイクは言われなくても戦う上で意識はするつもりだったのかもしれないが、やはり相手は美貌が保証されたエルフだったからか、まるで素直に受け止めるかのように青い双眸をエルフに直接向けながら頷いた。


「気を付けてくださいね! 私も弓で戦いますので、お互い無事に帰れるように頑張りましょうね!」


 エルフの女性もジェイクに続くように絨毯から飛び降りる。そして左の肩に挟むようにかけていた弓を右手に持ち始めた。








――最初に飛び出していたリディアはもう魔物へと立ち向かっており……――




 走りながら既に戦闘服を身体に纏わせていた。エナジーリングの力であるが、黒の儀礼服に近いいつもの装備で全身を固め、そして黒のハットと同じく黒のマスクで顔の方も大部分を隠しているが、ハットの横からうっすらと食み出ている紫の髪がリディアである証拠を示している。


「うわぁこれもう死んでる……のかな? ん?」


 周囲に転がっている男性らしき人間の粘液塗れの死体も気になったかもしれないが、それより魔物の中心部というべきなのか、そこから上に向かって伸びた触手らしき器官が自分に向かって真っ直ぐ伸ばされていた事に気付き、両手から魔力の刃を伸ばす。


「あぁ捕まえようとしてんのかなこれ」


 先端がまるで手のように開く様子も目視したリディアであったが、どちらにしても接触を認めてしまえば何が起こるかなんてすぐ理解出来たのか、エナジーリングの力と元々の瞬発力で横に、では無く敢えて触手に向かって跳躍する。




――先端とすれ違うように動くリディアは……――




「でも甘いからね!!」


 先端は見事にリディアの隣を過ぎてしまうが、リディアは魔力の刃で触手を切り裂いてしまう。


 空中に位置しながら触手を切断するという器用な攻撃を放ったリディアであったが、そのままリングの力を再び活用し、更にその場で空中で跳躍する。


 そしてそのまま怪奇植物の真上にまで到達させる。リングの力をそこで更にまた活用し、空中で、そして植物の真上で停滞する。




――真上から眺めていたリディアは率直な気持ちを出す――




「これって……やっぱり口の中が一番弱いのかなぁ」


 6つの器官が外に開く事で口のような形状を見せているグレイシアペタルの身体構造を分析するように目視していたリディアだが、光が入りにくい影響もあったのか、黒い口内、というよりは暗い口内が(もろ)いと読んでおり、思い切った戦法も計画しているのだろうか。


 そして口の役割を負っているであろう6つの器官が大きく開き、そして内部を鮮明に確かめる事が出来たのだが、リディアはそこで見えた球体状の器官を見逃さなかった。


「ふうん……あれがきっと弱点?」


 リディアはグレイシアペタルの開かれた口に怯む事も無く、宙で停滞したままでこれからの戦い方を分析していたようである。


 しかし、周囲から見ればそれは非常に危険な様子でしか無かったはずだ。




「リディアあいつ何やってんだ!? 自殺でもする気か!?」


 今は濃い紫の装束で全身を固めた姿でいるガイウスだが、怪奇植物の真上に位置しているリディアを見るなり、リディアの意図を知らないガイウスは何を行なおうとしているのかを読み取る事が出来なかったようだ。


 しかし、ガイウスの疑問等を御構い無しとでも言うかのように、グレイシアペタルの口内から4本程の触手がリディアに向かって伸び始めていた。




――直接触手を受けようとしていたリディアは……――




「よし、やっぱり来たか……。さてと……」


 エナジーリングの力で宙に停滞していたリディアだったが、これから自分を取り込もうとしていたであろう触手達が自分の元へと伸びているその最中にリングの効力をその場で切ってしまう。


 当然リディアはそのままグレイシアペタルの中心、つまりは口内へと落下する事になったが、寧ろそれを狙って行なっていたようにも見えていた。


 意外と触手自体は耐久力が低いようであり、リディアは落下しながらも両手から生成させていた魔力の刃で華麗に斬り裂き、そして触手による障害を排除しながら、自ら植物の口内へと飛び込んだ。




「何やってんのリディア!? まさかもう洗脳とかされちゃった!?」


 シャルミラもリディアの行動が理解出来ず、先程聞いた説明の中に存在した、女性は最初は洗脳した上でその後に行為に走るというそれを思い出し、とうとう影響を受けてしまった結果として今の行為に走ってしまったのかと嫌な想像をしてしまうが、叫んだ所でリディアの行動は止まらなかった。




――内部に降り立ったリディアは瞬時に周囲を見回すが……――




(やっぱりだ……。この人達助けられるかな……)


 リディアは華麗に口内へと降り立ち、そして肉壁とでも呼ぶべきか、口として機能していた6つの開く器官よりやや下に位置するその場所の内側を素早く目視したリディアであったが、そこには意識を失っているのか、目を閉じた状態で貼り付けられている女性達の姿があった。まだ最近捕らわれてしまった者達だったのだろうか。


 服装も何だか剣士や魔法使いを思わせるようなそれをしていた為、討伐の依頼を受けていた者達だとすぐにリディアは察知するが、今リディアが脚をやや開きながらその場に立っているのは、それは今いる場所が口内の本当の中心の位置である事に加え、そして中心には更に体内の中心部へと通じるであろう穴が存在していたからだ。人間で言う体内そのものだと思っても間違いは無いはずだ。


 穴を跨ぐような位置取りをしていたリディアだったが、真下にある穴にエネルギーを溜め込んだ塊のような何かを投げ落とすなり、そして6つの器官が閉じ、完全に閉じ込められてしまう前に真上に向かって右腕を伸ばし、魔力で練ったロープのような物質を発射し、引っ張られるようにしてリディアは口内から脱出する。


 口内から脱出して1秒も経たずに6つの器官は閉じられたが、脱出に失敗したらどうなっていたのかはきっとリディアは考えていないだろう。




――リディアは引っ張られた後に宙に壁のような物を生成させ……――




 いつまでもグレイシアペタルの真上にいる訳にはいかなかったのだろうか、魔力を使い、宙に小さ目な壁を出現させ、それを蹴るように踏み台にし、そしてこの怪奇植物の真横へと降り立った。


 そしてリディアの姿を心配して見ていたであろうガイウスとシャルミラに対し、自分が何をしていたのかを説明した。


「2人ともごめんね! ちょっといい物見てきちゃったんだよね! そしてお土産(みやげ)も置いてきたの!」


 リディアはまず近くにいた、というよりはリディアが心配でグレイシアペタルの側でリディアを救助する手段を考える為にそこにいたと言った方が良かったかもしれないが、自分のせいで思うような行動が出来なかった可能性のあった2人に謝る事と、そして自身がした事を話さなければいけなかったはずだ。




「いい物見ただとか、土産(みやげ)だとか、ホントに頭イッちまったんじゃねえのか?」


 ガイウスは派手に跳躍をかましながら自分達の目の前に降りてきたリディアに対し、言っている事が何だか妙に感じてしまったのか、既に怪奇植物の毒気に犯されてしまったのかと疑い始めていた。


「リディア意味よく分かんないからちゃんと話して! そんな回りくどい言い方しないでさぁ」


 シャルミラは本気で心配になってしまったのか、リディアの両肩を掴み、前後にやや強く揺さぶりながらまるで目を覚まさせるような気持ちも混ぜ込みながら、分かりやすい説明を求めた。




「あぁごめんごめん! あのね、あの花の中にまだ生きてそうな人を見つけたら下手に攻撃したらあの人達までホントに犠牲になっちゃいそうだって事と、それと、麻痺する毒を大量に封じ込めた爆弾を呑ませてやったんだよね」


 一度シャルミラの両手を払い除け、そして目の前で手を振りながら謝った後に、リディアはあの植物の口内で見た事実と、やった行為に関しての説明をしてみせた。


 背後では怪奇植物が花弁(はなびら)自体は殆ど動かしていなかったものの、中心部では口として機能しているであろう6つの器官が閉じながらうねらせている。


「なんでいきなりそんな大胆な事しようと思ったのよ?」


 しかし、リディアの説明はあくまでも口内での話であって、何故口内に飛び込もうと思ったのかという動機に関しては一切説明されていなかった。


 シャルミラが聞きたいのは、やはりそれであったようだ。勿論口内の様子も聞いて損は無かったと思われるが。




「いや、昔似たような植物と戦った事があったから、同じ事を今回もやったっていうだけ! 所で皆攻撃してる感じが無いけど、様子見でもしてるの?」


 それはリディアしか知らない過去なのかもしれない。過去に巨大な植物の魔物を相手に戦った事があったのか、それを今回の戦いで応用として使ったようである。


 そして自分が最も危険な場所にいた事で周囲の様子を把握していなかったようであり、状況が落ち着いた今になって、他の仲間達が積極的にグレイシアペタルに攻撃を仕掛けていない事に気付いた。


「さあな。あいつおれらが来たってのに特に攻撃らしい攻撃もしてこねぇし、かと言って近寄るのも危ねぇし、どうしようか皆考えてるとこだったんだけどな」


 ガイウスはすぐ目の前にいるグレイシアペタルの花弁を眺めながら、予想に反して襲い掛かってくるような素振りをまるで見せなかった事を話した。それでも相手は魔物として認定されている怪奇植物である。まるで中央の本体を隠すように立っている黄色の花弁に対しても、あまり無暗に斬りかかるべきでは無いと今はそのような思考が走っているようでもあった。




「そうだったんだぁ。こいつ確か凶暴だって言ってたような気がするけど」


 リディアは意外な答えを受け取った為、自分がイメージしていた危険な姿とは違うとしか思う事が出来なくなってきたようであり、道中でも(つた)が地面を突き破っていたあの状況とかを考えると、ここまで大人しいのは逆に妙だと受け取ってしまうのも無理は無いかもしれない。


「結論から言うとね、こいつ、もう弱ってるよ? 根元が派手に抉れてるの、わたし確認したのよ」


 リディアの横にさり気無く出現したのはマルーザであった。元々影のような赤黒い特殊な肉体構成をした存在であるが、浮遊するように移動をする為、足音等の何かしらの音を出さずに近寄って来た為、尚更突然現れたように感じられた可能性もある。




「根本……? あ、そんなとこマルーザさん調べてたんですか?」


 リディアでも根元ぐらいは分かるはずだ。その部分に疑問形を抱いていたのは、その場所がどこに位置するのかを理解していたからこそのものだったと思われる。直視するには通常ではまず不可能であるはずだ。何しろ地中に存在するはずの場所なのだから。


「そうだね。やけに静かだと思って、なんか深手も負ってるのかと思って地面の下を調べさせてもらったらあの(ざま)だよ」


 マルーザは単刀直入にその通りであると答え、どうやらグレイシアペタルの攻撃的であるはずの性格を感じ取る事が出来なかった為、本当に地面の中を確かめに向かったようである。


 影のような特殊な肉体である為か、妙な場所にも潜り込む事が出来てしまうのだろうか。




「よく調べたなそんな場所」


 ガイウスは純粋に関心をするが、それでも情報の1つとしてそれは大切に受け取りたかった事である。深手を負っているのであれば自分達にとって有利な状況として捉える事が出来る為、出来れば直接の感謝も渡すべきだったかもしれない。


「そうだ、所でメルとジェイ君何してんですか? なんか見えないですけど」


 シャルミラは口に出した2人の男女の姿が見えない事に気付き、栗色の髪を揺らしながら左右や周囲を見渡すが、やはり該当する2人の姿は見当たらなかった。


 そしていつもは側にいるはずのバルゴの姿も見当たらなかったが、バルゴとは意図的に別行動をしていたからなのか、彼に関する言及は出なかった。




「あの2人か? エルフと一緒にその辺に転がってる男の事調べて――」


 マルーザは知っていたのだろう。該当する2人は今自分達が目の付かない場所で既に絶命している男の身元を確認しようとしている、と言いかけている最中に何かが揺れる、というよりは擦れるというべきか、妙に大きな音が響き、思わず喋るのを止めてしまう。




――突然グレイシアペタルの身体が激しく振動し始める……――








作品とは直接は関係無い話ですが、そろそろ世間では盆休みが始まるみたいです。自分も同じく休暇を受け取りますが、小説執筆も出来ればいいかなと。今はこんなご時世なのであまり遠出もしにくいので近場で大人しく過ごす方法しか取れません。まあ今回ものんびり過ごします。

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