第23節 《蜘蛛達の楽園 糸の牢獄に走る冷気と恐怖》 1/5
前回の更新から1ヵ月が経過してしまいましたが、執筆作業自体は継続させておりました。書き溜めをしておりまして、そして投稿のタイミングをなかなか掴めずにおりました。
今回は蜘蛛の餌置き場として使用されてる地下に閉じ込められてしまったとある3人の視点を置いた話になっております。蜘蛛と言えばあの糸で作られた繭で、あれに閉じ込められてしまうと後は蜘蛛の餌になるのを待つだけという絶望な状況に追いやられますが、何とか脱出しようと皆は奮闘してくれます。勿論普通に脱出……とはいきませんが。
蜘蛛の武器は、体内から分泌させる糸
たかが糸だと思っている者達は、実際に捕まってみるといいかもしれない
体躯が同じ程度の生物であれば、あの糸の脅威を身体で知る事になる
いつ、自分が養分を吸われてしまうのか、確かめる方法は無い
糸で作られた牢獄は、視界を一切封じ込めてしまうからだ
ここは暗い空間である。
周囲は硬質な土で覆い尽され、土でありながらも1つの巨大な部屋を維持出来る程の屈強な材質を見せつけている。夜目が効く生物でもなければ、この暗い空間の内部を明確に把握する事は不可能だと言っても良い。
暗いと言うよりは、暗闇、暗黒、等の意味を強めた言葉を使っても良いかもしれない場所で、どこからか物体が揺れるような音が僅かに響いていた。
「もうすぐ……かな……!! これ……意外と硬いな……!」
力んだような声は、暗闇の中に転がっていたとある塊の中から漏れていた。光の無いこの空間では、正確にその塊の正体を目で確認する事は不可能だろう。しかし、暗闇に転がっているその塊は、糸で作られているという事実がある。
この暗闇の中に転がっているのは、無数の糸の塊で、その内部には捕えられた獲物が身動きを封じられているのだ。抵抗する手段を持たない獲物はこのまま捕食の時を待つしか無いのだが、ジェイクはその内部で決して諦めるような真似をしなかったのだ。
青い双眸を光らせながら、右の指の先端から光をレーザーのように照射させている。殆ど全身に密着するように糸が絡み付いているが、指先は動く為、そこに魔力を送り込む事は出来たようだ。少しでも糸を破る事が出来れば、そこから全体を開く事が出来ると、ジェイクは考えていた。
ヒカリを当てる部分を一点にだけ集中させ、少しでも焼き切る力を強めようとしている。自分がまずここから脱出しなければ他の者を助ける事も不可能だ。今は自分が助かる為、というよりは自分以外の者を助ける為にまず自分を自由にしようとしているというべきだろうか。
――光の力は、光の壁の強度に勝利したようだ――
ジェイクは確かに聞き取った。無音の空間で糸の壁が破れる音が。一瞬ではあったが、光のレーザーとは異なる音が聞こえた事を確かに人間と比較すれば形状が異なる耳で受け取った。開いた部分に右手を突っ込み、後は力任せに腕を持ち上げれば徐々に破けていく。
糸の壁は単純に押したり伸ばしたりした程度では全く破けないようだが、尖った物で一点に力を集中させる事で破る事が何とか出来る材質だったようである。尤も、鋭利な武器を持っていた所で、内部で全身を拘束されていたのでは通常なら武器で逃げ出すという事も出来ないのだが。
そして魔力という武器を使う事に成功したジェイクはそのまま繭を破り、身体を内部から脱出させる。
「凄い暗いや……。とりあえず目に魔力入れ込んだ方がいいね」
ジェイクは青い双眸に力を込め、暗闇でも視界を確保出来るようにする。夜目のようなものであるが、ここは一度見ただけで普通の世界では無い事を思い知らされる。
壁や天井は土で覆い尽される事で形成されているのだろうか。質感を見る限りは土である事に間違いは無さそうである。天井までの高さは充分にあるが、それはここにやってくるであろう捕食者の都合に合わせた形状だと思うべきだろうか。
今は壁や天井を見ても怪しい影は見当たらない。ただ土の壁が連続しているだけだった。確か地中に引き摺り込まれていたのだから、脱出するとしたらこの部屋の天井まで登らなければいけないのだろうか。
そして、視界を自分の足元へと落とすと、そこには、自分を閉じ込めていた糸の塊と同じ物が無数に周囲に転がっていた。
「うわぁ……これって蜘蛛に捕まった人達……だよね? あ、そうだ、それよりメルちゃん!」
ジェイクはその細長い糸の塊を見て、細長い形状は内部に人間が入っているからこその形であると思い出し、そして自分以外にも恐らくはこの空間に連れられたであろう大切な友達を探そうと意識する。
しかし、見ただけではどの繭も同じに見えるし、メルヴィの身長を考慮した上でサイズを特定しようにも、そもそも繭自体が捕獲対象の人間の身長に合わせて生成されているかどうかも分からない為、見ながら正解を特定するのはまず無理だ。
その場で青い双眸を一度閉じ、頭の中で何かを思い浮かべるかのように念じる。
一応はリディアも周囲に誰かがいるのかを調べる能力を所持していたが、ジェイクも似たものを所有しているのだろうか。
(じぇ……ジェイ……君? それ……)
ジェイクはその微かな声を聞き逃さなかった。
自分のテレパシーの声に反応を見せてくれた事でジェイクに希望が灯る。まず意識が残っている事を理解出来た事と、返事をしてくれたという事はまだ捕食される段階には入っていない証明にもなる。
今はただ生きてくれている、という情報だけがジェイクにとっては堪らなく嬉しかった話になるだろう。
(メルちゃん!? メルちゃんで間違い無いよね!? 今どこなの? 分かる?)
この空間にいるのは間違い無い。確信したジェイクは心で叫びながら周囲を確かめる。周囲には確かに大量の糸の塊が転がっているが、その内のどれが正解なのかは判断する事が出来ない。
何とかして見つけ出したいが、同じに近い形の塊が無数にあったのでは手当たり次第切り開きながらでは間に合わなくなるかもしれない。
(いや……。真っ暗で何も見えないし……身体中縛られてるから動けないし……)
メルヴィ自身も確かに糸に包まれている事だけは理解しているが、具体的な場所を説明するのは無理だ。
そして、やはり糸の塊は内部に閉じ込めている者の動きを一切封じ込めてしまっているようである。
(あぁそっか……。糸の中だもんね。それに外も真っ暗だから、あ、無理にやってって言うつもりは無いけど、身体揺らしたりって、出来る?)
ジェイク自身も数分前は糸の塊の中に閉じ込められていた。あの状況で身体を揺らす本来であれば些細な行為でしか無いそれすらも難しいという事は理解していたが、今は多少でも良いから無理をしてもらうしか無かった。
微動でも良いから、それを見つける事が出来ればメルヴィの発見は容易になるはずなのだ。
(揺らす? ちょっと待って。……どう……だろ? これで分かるのかなぁ?)
メルヴィは言われた通り、非常に窮屈である中で何とかして身体に力を込める。左右に揺らしているつもりではあるが、それだけで全身が疲労で痛みを帯びてしまう。
(メルちゃんには凄く悪いんだけど、見渡しても揺れてるのが見つからないんだよね……)
ジェイクも夜目のように視力を強くした状態で周囲を必死で見回すが、どうしても些細な動きを見せている塊を見つける事が出来ない。
(駄目? じゃあどうやって手掛かり作ればいいか教えてくれる?)
メルヴィは自分が揺らしたつもりの動きでは目印を指し示す事が出来ない事を自覚してしまい、別の手段を考えようとするが、不自由な状況では出来る事も著しく限られている。
(揺らせないなら……。ガントレットを動かせば――)
(ガントレット? 分かった! それならきっと目立つだろうから――)
しかし、ジェイクはそれを無理矢理に心の言葉で停止させてしまった。
(あぁやっぱり駄目駄目! そんな所で撃ったらメルちゃんにも傷が入っちゃうよ!)
ジェイクは突然思い出したかのようにそのやり方の欠陥を意識し、実行しようとしていたであるメルヴィにそれをやめさせる。出力の際には小規模の爆発が発生するか、恐らくは腕も胴体とほぼ密着したような状態なのだから、そのような状態で発射してしまえばどうなるのかは安易に想像が出来てしまう。
(あぁ……そっか。ごめんね。でも、どうしよう……)
折角の自分の居場所を伝える手段を使えなくなってしまい、ではどうやって自分の居場所を伝えるのかで、メルヴィは再び闇に覆い尽くされてしまう。
(困っちゃったなぁ……。でも急がないといけないのに……)
メルヴィを助けたい気持ちでいっぱいなのだが、自分のテレパシーでは言葉のやり取りは出来ても居場所の確実な特定までは出来ない。無力な自分を憎く感じてしまうが、そんな時に、自分が発している訳では無い音が耳に入った。
――プシュゥ……――
ジェイクは何かが噴き出すような音が聞こえた為、音の方向に視線を向ける。
「これ、何の音? あれかな?」
ほぼ自分の背後からの音であった。振り向けば、糸の塊の内部から火花が飛び散っていたのである。そして、それが確実にメルヴィのものでは無いという事もすぐに察知する事が出来た。それは、メルヴィに炎を操る能力が無いからでは無く、糸の塊の大きさが明らかに人間のそれよりも小さかったからである。
人間の半分程の大きさで、他の繭と比較してもサイズの差は歴然であり、ある意味ではその小ささだけで周囲と比較しても余計に目立つと言っても良かったかもしれない。しかし、その火花は内側から切り口を作るように立ち上がっており、徐々にそれは繭の前から後ろへと辿り着きそうになっていた。
天井を向いた部分が口を開こうとしており、ジェイクは今はそれを見つめるしか無かったようだ。攻撃の体勢を作らなかったのは、ここで捕らわれる者達がこの場で自分達に敵対意識を向けるとは考えにくかったからかもしれない。
――口が開くのとほぼ同時に、火花が途切れる――
炎の力か何かを使い、糸を焼き切っていたのだろう。
火花が収まると、内部から何かが這い上がってきたが、それは青い毛並みを持ち、猫のように立った耳を持ち合わせていた。そのまま宙に浮くようにして繭から脱出するが、同時にジェイクと目が合った。
「あ、あれ? 君ってジェイクだよね? もしかして一緒に捕まっちゃってた?」
それはバルゴであった。シャルミラのパートナーの浮遊生命体であったが、まさかそこにジェイクがいるとは思っていなかったのだろう。同じ立場の者同士で、実際に糸から脱出する事が出来た事実と合わさり、心に安心が灯る。
「そうだけど、バルゴも捕まってたの? 所で、シャルちゃんとは一緒じゃなかったの?」
一切の攻撃体勢を作らなくて正解だったと内心で感じながら、ジェイクは見たままの事実を直接質問という形で確かめると同時に、パートナーであるはずの相方の少女がいない事をその場で意識する。分かれてしまっている事に対して、何か不安を感じたようでもあった。
「悪いけど、その通りなんだよね。シャルもあのデカい魔物に捕まっちゃって、ぼくは助けようとしたけどこの有様だよ」
一緒では無いという事は事実であった。バルゴは落ち込んだ表情を作りながら、結果的に自分の相棒の少女がどうなってしまったのかを説明し、そして今の自分の立場も説明する。
今、シャルミラがどうなってしまっているのか、それを考えただけで不安が一気に表情に出てきてしまう。
「えっ!? じゃあ2人揃って違う形で捕まっちゃってたって事?」
ジェイクは自分の両手を、中心からそれぞれ右と左に分けるような動きを見せながらバルゴに聞く。左右に分かれさせた両手は、バルゴとシャルミラを表現したものだったのだろう。
「そうなるよ。まあシャルはリディアと一緒だからきっと大丈夫だと信じたいけど……」
離れ離れにさせられる形でそれぞれ特別な空間に閉じ込められてしまった両者である。しかし、バルゴはリディアの力を考えると、シャルミラの事も確実に助け出した上で帰ってくると信じずにはいられなかった。口調が弱々しかったが、寧ろリディアに多少全てを押し付けてでも助け出して欲しいと願いたかった事だろう。
「そうだ、それより、バルゴって誰かを探す力って持ってないのかなぁ?」
一度ジェイクは捕まってしまった話を切り上げようとする。
そして、自分が取得していない他者を探索する能力を持っている事を信じながらバルゴにどこか必死になっているかのような口調で聞く。
「探す力? ジェイク誰か探して……ってメルヴィは? 一緒じゃ、ってもしかしてメルヴィ探してる!?」
バルゴは何故自分に対して探索の能力を所持しているのかを確かめてくるかが疑問になったが、誰かを意識しているジェイクの事を考えると、すぐにいつも隣にいたリディアとは別の少女が頭に浮かんだ。
何となくバルゴは察知したのである。メルヴィを探す為に自分の能力を求めているのだと。
「そうだよ! テレパシーでやり取りは出来るけどどうしても場所が分からなくて……」
ジェイクの話を聞いた事で、バルゴも今の状況を整理する事が出来るようになってきた。
どうやら生死の確認だけは出来たようだが、肝心の場所の特定が出来ないせいで焦っていたのだと、バルゴは整理が出来たのかもしれない。
「それならぼくが少しだけ力になれるかもしれないよ。今ここにある糸の塊全部に岩を落として、そこから反応があったのを見つければメルヴィを割り出せるよ」
バルゴに頼ったのは正解だったようだ。実際に何をするのかを説明し、そして力を込め始めたのか、身体をうっすらと灰色に光らせる。
「成程……聞きたい事がちょっと、えっと2つ出来たんだけど」
確かに見つけてくれるのは嬉しい事だったのかもしれないが、ジェイクの表情にはそのやり方で本当に上手く行くのかという違和感が映り込んでいた。咄嗟に2つの質問が頭に浮かんだようだ。
「質問? いいよ」
バルゴはそれをすんなりと受け入れる。一旦魔法の発動の準備も止める。
「岩なんか落としてメルちゃん潰れたりはしない?」
初めて岩と聞かれれば、自分に落とされた時に大怪我を負ってしまう程の重量を持つ物体として連想してしまうだろう。
バルゴもそれを理解しているだろうという予測は出来ていたが、ジェイクとしてはやはり実際に聞いて真相を確かめたかった。表情にも疑惑のものが見えている。
「それは心配しないで。あくまでもあの繭に衝撃を与えるっていうだけだから、力の調整はするし、怪我は絶対にしないから安心して!」
バルゴだって岩そのものが人に与えるイメージは分かっているはずだ。本人が言うには、僅かな衝撃を与える程度の質量であり、人体に重篤な影響を与える程の力を加える事はしないとの事だ。
バルゴの魔力は力加減の微調整も容易なのだろうか。
「だったら僕も安心だよ。じゃあ次だけど、反応って言ってたけど、そういうなんか……動き的なものでちゃんとした場所の察知とかが出来るの?」
ジェイクにとって一番求めたかった情報は、岩の衝撃で怪我をしないかどうかという話だったのだろう。
怪我の事での心配が無くなったジェイクは、すぐに次の質問へと移る。今度は、岩を落としただけで正確な場所を察知する事が出来るのかどうかだ。
「ストレートに言うと、出来るよ。岩で衝撃与えて、そしたら生体反応……って言い方はちょっとメルヴィには悪いかもしれないけど、それで場所は確実に特定出来るから、今はぼくの力を信じてよ!」
バルゴの能力はジェイクの予想を超える強いものだったようだ。まずは衝撃を与えて、それを受けた対象が何かしらの動作をする事で、そこから発生する何かしらの反応を受け取る事で場所を決定させるという方法を使うらしい。
ジェイクは勿論実際にそれを行なっている所を見た事が無かった為、バルゴの真剣な表情を受け止める事しか今は出来ない。
「それならもう頼るしか無いね。じゃ、頼むよ。メルちゃんの場所、特定して」
今はバルゴの力を信じるしか道は無いのである。ジェイクはバルゴのやり方を信用する形で、事を頼む。
「分かった。じゃあやるよ!」
再びバルゴは身体を灰色に光らせる。短めな両手と両足を外に向かって広げるようにして力を込めると、数秒後にこの空間に無数に転がっている繭それぞれの真上に、人間の頭部程の大きさの岩が出現した。
身体の力を抜くと同時に、まずバルゴの光が止み、そして空中で停止していた岩達が一斉に落下する。
――落下した岩達は接触と同時に瞬時に砕け散る――
「ホントに……大丈夫なの? 結構衝撃入ってるみたいだけど」
一斉に落下した岩達は、繭に接触した際にあっさりと砕けてしまったが、その分だけ非常に強い力が加わっていたのでは無いかと、ジェイクは心配になってしまう。
「それは大丈夫だって! 魔力で無理矢理作った岩だし、多少の衝撃ですぐに砕けるぐらい脆い作りだから、怪我はしてないよ! 信じてよ!」
バルゴはまだ自分のやり方を完璧に信用されていない事を意識した為、魔力で生成させた岩の本質を説明する事にした。確かに目の前で岩は砕けたが、それが人体に悪影響を及ぼすレベルの力が加わっていた訳では無い事を話す。最後はやや必死な様子も見えていた。
(ちょっとジェイ君……、今の衝撃って何?)
ジェイクの頭の奥から、今探している最中の少女の声が響いた。
何か恐怖を抱いたかのような口調で、メルヴィは自分の身に何が起きていたのかを質問する。
「バルゴ、ちょっと待ってて!」
また何かバルゴから声をかけられると思ったジェイクだが、メルヴィとのやり取りを優先させたかったなのか、今は何も話しかけないで欲しい事を伝え、意識をメルヴィの声の方へと集中させる。
(あぁメルちゃん? 今のは大丈夫だから! バルゴがメルちゃんの場所特定してくれてただけだから! もうすぐ助けるから待っててね!)
ジェイクは一切の事情を把握していないメルヴィの為に、今は救助の為にバルゴもここにいてくれていると説明し、期待以外の感情を持たせないようにテレパシーの中で必死に伝えた。
「よし、ジェイク! 場所の特定が出来たから、じゃあ向かおうよ! あっちで今反応があったよ!」
ジェイクがテレパシーでやり取りをしている間に、バルゴは目を閉じながら岩の衝撃を受けた際に生じた反応を探っていた。
「あっちだったの? イメージしてた方向と全然違うじゃん」
ジェイクの想像していた方向とはほぼ逆の場所、ジェイクの背中の方向を指差したバルゴであったが、テレパシーだけでは方向の確認が一切出来ないようであった。バルゴの力があってこそ、方向の理解も出来たという状況だ。
――天井には、黄色の6つの光を持つ何者かが潜んでいたが……――
「あれ? 何あれ?」
バルゴは天井の光に気付く。
元々この空洞から作られた空間は暗闇である。自分達の周囲は魔力で明るく照らされているが、天井はその範囲外である。
――過剰に目立つその6つの光が意味する物は――
リョナ系の作品でも結構ポピュラーなのが蜘蛛による捕食だったりします。大抵は少女キャラが被害に遭ってる感じが多いですが、蜘蛛の糸で全身を固められて、外から見るとまるでラバースーツでも着たかのようにぴっちりと身体に張り付いて身体のラインが浮き出る残酷な状態になって、一切脱出も出来ない状態で蜘蛛に噛みつかれてそのまま消化液を……。
流石にメインキャラにそんな惨劇は浴びせたくないので、何とか脱出はしてもらう方向で物語を描きましたが、あの蜘蛛の糸って見た目以上に強靭で一説によるとナイフを使っても一本も斬れないらしいですね。