第21節 《魔導の申し子 笑顔と無邪気の裏に秘められた想い》 2/5
お久しぶりです。もう少しで魔物に襲われて亡くなってしまったエリンと呼ばれる女性と対面する事になるかもしれない場面と言った方がいいのでしょうか。ただ、やはりいざミッションに入る前のやり取りが長い気がしますが、それは自分の癖みたいなものなのかもしれません……。
調査隊を皆殺しにした蜘蛛の怪物がいた部屋の更に奥がある事をマルーザから聞かされる。ガイウスは面倒な作業が出てきたかと表情に出してしまうが、リディアは別の何かに気が付いたようだった。
「あ、でも卵を全部壊すとかそういうのも必要だろうけど、卵があるって事はその、産んだ張本人、ってか母体っていうのかな? それもいるって事になるんじゃない?」
洞窟の入り口を見ながら、リディアは卵の殲滅という任務の内容を思い浮かべるが、卵という事は、じゃあそれを産卵する存在もいるのでは無いかと思い、それを皆に視線を配りながら聞く。
「卵産むって奴だから母体、女王体って言った方が、ってまあなんでもいいか。っつうかオレ思ったけど、ギルドも洞窟の情報の管理メッチャいい加減だって思わねぇか?」
フィリニオンも産卵をする存在がどういう立場にいるのかは理解しているが、呼び方はどのような形でも構わないと考えたようだ。そして、突然ギルドの情報管理の形に対し、元々威圧感の漂う鳥人種特有の鋭い双眸を更に細め始める。
「フィリニオンどうしたんだい? ギルドにいちゃもんかい?」
マルーザは上半身しか存在しない赤と黒を合わせた体色の肉体に備えられた両腕を組みながら、話の続きを催促する。
「その通りになるかもしんねぇわ。宝玉があるって分かってんなら洞窟の全体像も把握してねぇと駄目だろ。最初に調査した連中の情報がいい加減だったから意味のねぇ犠牲者が出ちまったって思うとなぁ……」
フィリニオンの声色も何だか賊を僅かに感じさせるような低く威圧感のあるそれではあるが、乱暴な雰囲気に対してやや不釣り合いな物事の不備を見通す分析力を見せてくれた。
もし洞窟内に宝玉が設置されているという事実を把握しているのなら、その周辺にまだ危機が残留していないのかどうかも同時に調査しておくべきだったのでは無いかと、既にこの世の者では無くなってしまった者達を思い出してしまう。
「ギルドがちゃんと洞窟の事を調べてなかったから……エリンさんは……」
ギルドの管理体制の悪さを個人の考えの範囲内で口に出したフィリニオンであったが、それを聞いたシャルミラはギルドのその体勢がエリンという犠牲を出す事になってしまったのかと、顔を俯かせてしまう。茶色の前髪が髪色と同じ色の瞳を隠す。
「っておいおいフィリニオンちょいやめねぇか? お前がギルドの不備にイラつくのはまあいいんだけど、ちょいこいつ今知り合いに不幸な事あったからやめてくんねぇか?」
ガイウスは一歩前に出て、フィリニオンの顔面に掌を突き出した。
これ以上は喋らないでくれと言いたかったのだろう。ギルドの不備がシャルミラにとっての大切な仲間の死に関連しているのだから、その話を続けられればシャルミラの心に継続的に打撃を与えられる事になる。ここは古くからの仲間であるガイウスが出て正解だっただろう。
「あぁいいですよガイウスさん! それに洞窟に最深部があるって話が初めから分かってたとしてもエリンさんは多分駄目だったと思いますよ? あくまでも他の部屋でやられてたって話でしたし」
シャルミラは顔を持ち上げた時に、ガイウスの眉が少しだけ怒りの形へと動こうとしていたのを見逃さなかった。自分の態度がこの場を乱してしまうのかと思ったシャルミラはすぐにガイウスの目の前に立ち塞がるように移動し、決してギルドの不備とエリンの死が関連している訳では無いと主張する。
自分がガイウスとフィリニオンの間に入ってしまえば、女子効果でその後の喧嘩のような雰囲気を打ち消す事が出来るだろうと、シャルミラは少しだけ性別を利用した止め方の実行を決定したのかもしれない。
「私が言っていい事かはちょっと微妙だけど……エリンさんがあんな風になっちゃったのとギルドの情報不足の事はやっぱり関係無いと思うし、なんか喧嘩になりそうな感じだからやめとこ?」
リディアは自分がエリンの死に対して言及しても良いのかどうか戸惑ったのだが、自分も何かしらの意見を出した方が良いかと思ったのか、やや自信が無いかのような弱めな口調で意見を出した後に、そもそも一番言いたかったであろう本音を言った。
リディアとしては目の前で喧嘩をする所なんて見たくなかったのだ。
「別に喧嘩する気なんてねぇよ。リディアお前は心配性過ぎだって。それより、もう洞窟、これから入っちまうのか? 別におれらだったら今からでも普通に戦えるけどな?」
腹を震わせるようにして笑いながら、ガイウスはここで口論等をするつもりは無かったとリディアに説明する。
一度自分の気持ちを説明した後に、フィリニオンとマルーザにそれぞれ視線を行き渡らせながら、洞窟を突くように指を差す。
「最深部の事を聞かないで行くつもりかい? わたしもただ最深部があるって聞いただけで、どんな奴がいるかってとこまではまだ具体的に聞いてないんだよ。ちゃんと聞いてから行く方がいいと思うよ?」
ガイウスと洞窟への入り口の間に立ち塞がるかのように、マルーザは宙を流れるように動き、言葉では強制の意味合いを持つとしては感じにくいものの、道を塞ぐ辺り、結果的にそれは強制の意味合いを持つものとして成立してしまっているのかもしれない。
「それと、オレだけど、オレはちょい別の任務に行くって事、先に伝えとくわ」
唐突な話ではあったが、フィリニオンは洞窟への侵入をしない事をここで説明する。恐らく、この様子だと洞窟内の詳しい話を聞く前にこの場からいなくなってしまうのだろう。
「あ? フィリニオンお前も洞窟行くんじゃなかったのか?」
ガイウスとしてはこれからフィリニオンも洞窟の中で戦闘を繰り広げるのかと期待をしていたのだが、どうやら期待は裏切られる事になるらしい。しかし、洞窟に入らないとなると一体どのような用事があるのか、それを聞かずにはいられないはずだ。
「実はだな、人攫いやってるらしき野盗の連中の話聞いちまったんだよ。酒場で聞いたけど、輸送車でもうすぐこの近く通るっていうから、オレはちょいそっちに行く事にしてんだよ」
ガイウスの聞き方はフィリニオンの別の目的を聞いているものとは思いにくかったが、フィリニオンの方はここで自分が答えるべきものを把握していたようである。
内容としては、何かの目的で誘拐を行なっているのであろう野盗の運転する輸送車を停止させるというものだろうか。
「あの、その依頼……なのかな? それもギルドからの指示なんでしょうか?」
リディアは野盗の野望を阻止する任務もギルドから提示されたものなのかと、フィリニオンと目を合わせながら訊ねる。
「いや、それはギルド関係ねぇわ。オレが酒場で盗み聞きしただけだから。この事はもうマルーザには話してるし、こいつは洞窟の方担当するから、オレは……やっぱ1人で行くって空気か?」
ギルドに依頼として提出されていない話だったようだ。しかし、盗み聞きで手に入れたとは言え、内容は人身に関わる重大なものである。これを放置しないのは、フィリニオンの荒さの中に隠れた正義があるからなのだろうか。
そして、自分だけがその情報を直接聞いた身である事に責任を感じているのか、単独での戦闘を覚悟しているようでもあった。
「1人で大丈夫なのか? 相手がどんな奴かまでは分かってねぇだろその感じだと」
ガイウスはフィリニオンがどのような形で情報を手にしたのかを想像するが、あくまでも野盗の存在が近くに来るという話を聞いただけで、野盗がどのような戦闘能力を持っているのかまでは聞く事が出来なかっただろうと思ってしまったのだ。
少しでも力があれば良いだろうと、ガイウスは単独での行動をやめさせようとする。
「そう言ってくれる奴がいるとホント助かるぜ。出来ればオレとしちゃお前と行きてぇんだよな。相手はよりによってきったねぇ男集団な訳だし、オレらの為に用意されてると思っても良くね?」
フィリニオンは単独で行くかのような口振りを見せていたが、本音の方ではやはり誰かが自分と共に来てくれる事を願っていたらしい。
野盗と聞いて、フィリニオンとしてもどうしても心も身体も穢れているという印象しか思い浮かべる事が出来ないのか、そういう連中こそやはりガイウスと行くべきなのだと、どことなく鳥の容姿に笑みを作る。
「どうせ強制なんだろ? じゃ、おれはこいつとペア組んで人攫いしてる連中の事黙らせてくるって事で、皆いいか?」
ここでは断ったとしてもまず放してもらえない事をどことなく察知したガイウスは、フィリニオンとの同行を決定する。
自分も洞窟探索には携わらない事をまずは皆に伝える事にした。
「それでいいと私は思うよ。それに多分その人攫いの連中を止めようと考えてるのって、フィリニオンさんとガイウスしかいないと思うし、私はそれでいいよ。こっちはマルーザさんと組むって事なのかな?」
リディアには拒否権は無いだろう。
ここで言う止めようと考えている者というのは、野盗達の計画を阻止しようとしている可能性のあるまだ顔も見た事の無い戦士等の事を言っていたのかもしれないが、今頼れるのはやはりガイウスとフィリニオンだけなのかもしれない。
リディアとしてはこの流れを見る限りはもうマルーザと共に洞窟の探索を選択するしか無いと考える。
「わたしも久々にリディアの腕っぷしを見れると思ったらワクワクするね。そこのシャルミラだったか? なんか恋する乙女みたいな顔してる子もわたしと一緒って事でいいか?」
マルーザは一度リディアの顔から足の先端までをなぞるように見るなり、一体どれだけ戦闘能力を強化させてくれているのか、それを期待せずにはいられなくなったようだ。
そして初対面である茶色の髪の少女にも、何だか戦いに赴くには向いていないかのような愛嬌のある容姿を僅かながらからかうかのような言い方で褒めながら、自分との同行を決定するのかどうかを確認する。
「どういう顔なんですかそれ? まああたしもマルーザさんとご一緒がいいですね。リディアと一緒に戦うなんて凄い久々だし、ちゃんと見させてもらうからね!」
シャルミラは恋する乙女の顔という意味をいまいち理解する事が出来なかったが、褒められているのであれば否定する必要は無いと感じたのだろうか。その話にはそれ以上は食い付こうとせず、野盗と戦わない道を選択する。
即ち、洞窟の探索の方を選んだという事だ。リディアの横顔を凝視しながら、これから見せてくれるであろう戦い方に期待をする。
「シャル、私の実力は安心してね! 少なくとも私が恥にならないような戦い、ちゃんと見せてあげるから!」
リディアはシャルミラに対して、緑の指が出た手袋を嵌めた右手を持ち上げ、握り締める。自分が決して弱くないという証拠である。
「2人は決定だね? 所で、そこのペアはなかなか話に入れないみたいだけど、そこの2人はどっちを選ぶんだい?」
マルーザは自分についてくる少女2人の存在を確認すると、今度はリディアやシャルミラから少しだけ距離を取った場所に立っている男女に選択肢を言い渡す。赤いフードのジェイクと、シャルミラと比較すると明るめな茶色、萱草色とも言うべき髪を持った少女であるメルヴィである。
「僕ら? 僕らは……メルちゃんはどうする?」
唐突に自分達に声をかけられ、ジェイクは戸惑うかのように青の視線を左右に泳がせるが、決定はメルヴィに決めてもらいたかったようだ。自分の選択でメルヴィに苦痛を与えたくは無かったのだろう。
「あたしは……洞窟の方がいいかな?」
メルヴィは少し考えるかのように声を詰まらせるが、マルーザ達との同行に決定したかったようだ。理由はハッキリとしていないが、やはり野盗のような汚らしい男達を相手にするのは嫌だったのだろうか。
「一応そろそろ言わせてもらうけど、もうジェイクもメルヴィもおれらのメンバーなんだから、任務の話の時はちゃんと加わってくれよ? 指示待ちってのは大人になったら嫌われるぞ?」
いつかは伝えようと思っていた事だったのだろう。
ガイウスはもうジェイクもメルヴィも一人前の仲間として認めているのだから、やはりこの2人にも戦いに関する話し合いには積極的に入ってもらわないと困ると伝える。命の危険に恐怖を覚えるのは分からない訳では無いと思われるが、条件はここにいる者達全員が同じである。
戦闘に慣れていないからと言って、何もしないのは仲間としては認められないようである。
「ごめん。僕らどうやって入ればいいか戸惑っちゃって……」
ジェイクはガイウスには慣れているが、まだ自分達が出会った事の無いガイウスの仲間や知り合い達の中にはまだ入るだけの余裕や勇気が出来ていなかったらしく、それが障害となって立ち尽くしていたようである。
――シャルミラはリディアの耳にひそひそと話しかけ……――
「ねぇねぇリディア。メルヴィちゃんとジェイク君って、あれでもまだ皆に馴染めてない感じなの?」
シャルミラは今の会議に積極的に参加しようとしていなかった2人の事で気になり、リディアの耳元で訊ねた。シャルミラ自身は今日初めてリディアと再会したが、その時には既に件の2人もいたから、それなりに付き合いは長いのではないかと意識していたが、会議に積極的では無かった所を見るとやはり気になってしまうのである。
「多分そんな感じだと思う。さっきみたいなお喋りならいいけど、戦いの事になると、ちょっと……ね」
リディアはもうメルヴィ達と同行して数日が経過するが、やはりどうしても何かしらの抵抗等があるのか、上手に関われる時とそうでは無い時があると、一応シャルミラに説明をする。どうしても戦闘には慣れていないのか、その話になると途端に入りたがらなくなるらしい。
「あたし達は……リディア達と一緒に行きます」
リディアとシャルミラがひそひそと話し合っている間に話が進んでいたのかもしれないが、メルヴィはリディア達との同行を決めたようだ。リディアの性格にはやや困っている部分も見せているが、戦いに関しては一目置いているようだ。
そして、いざという時に自分を守ってくれるあの心遣いも忘れてはいないだろう。
「メルちゃんがそういうなら僕も!」
ジェイクの場合はリディアに付いていくと言うよりは、メルヴィの護衛の為にそばを離れないと言うべきだろう。メルヴィとの別行動を嫌うジェイクなら、そういう決断を取るのは当たり前か。
「まあその方がいいだろうな。おれとこいつは普段から女の人権守る気が全くねぇ連中と戦う訳だから、その方がいいだろうな。メルヴィだって変態男どもと戦うなんて無理だろ?」
ガイウスは2人だけで行くという人数的にはやや厳しい状況でも、それに対して不満を漏らす事をしなかった。穢れた男達と戦うのは、同じ性別の者だけで行く方が効率が良いと考えていたのかもしれない。
メルヴィにはあまり穢れた男には近寄って欲しくないとも思っていたのだろう。
「オレも同感だぜ? そこの女、メルヴィ、だっけ? お前も年頃なんだから性欲丸出しにするような男連中に向かうなんて事は、やめとけ。マジ。ホントだぜ?」
フィリニオンも考え方を一致させていたようだ。皆から呼ばれていた名前を引き摺り出すように思い出した後に、未成年の少女が野蛮な男達を相手に戦う事は避けるべきだと説明してやった。口調からすると、アドバイスというよりは命令に近いものがある。
「そう……なんでしょうか?」
メルヴィはどのようにして返事をすべきなのか、的確な答えを見つける事が出来ていないかのような言葉しか出す事が出来なかった。
確かに心の荒れた男達に襲われる事を前提に向かう事を避けようとしている気持ちは間違い無かったが、フィリニオンの生々しい説明を素直に受け取る気にはなれないのかもしれない。尤も、フィリニオン自身はそういう心の荒れた男からきっとメルヴィの事を守ってくれるのだろうが。
「フィリニオンも恐怖植え付けるのはそれぐらいにしな。そんな事言うなら、わたしの方の怪物退治だってどういう欲求持ってるか分からないだろうから、どっちにしても安心は出来ないと思うけどね?」
ここは女同士として、外見は兎も角、心は女性であるマルーザがフォローする番だろう。
上半身しか存在しないその赤を混ぜ込んだ黒の色を見せる腕を組みながらフィリニオンを停止させる。しかし、停止させたのはあくまでも男が持つ闇の話の部分であり、洞窟に向かう以上は結果的に恐怖を体感する事になるという話をしてしまった為、結果的にメルヴィは異なる形でまた恐怖を体感する事になってしまったと見て間違いは無い。
「あの……マルーザさんもそんな八方塞がりにするような言い方やめてくださいよ? まあメルヴィの事は私もちゃんと守ってあげるから安心して! ジェイク君だって、シャルだっているしさ!」
何となく、ガイウスと仲間になれている理由が分かった気がしたリディアだった。決して不真面目な性格では無いのはやや威圧感のある外見から充分に伝わってくるが、時折どこか配慮が抜けてしまっているかのような言葉も見せてくる。
その抜けた部分が何だか威圧感を緩和させてくれているようにも感じる事が出来るが、リディアは弱気になっているメルヴィにも力を与えようと、丁度隣にいるという理由も合わさってか、メルヴィの細めな肩に右手を乗せながら自信満々にそう言った。例え自分が欠けてしまったとしても、ジェイクやシャルミラだっているのだから、とことん頼って欲しかったようでもある。
「分かった。今回は頼らせてもらうからね」
普段は苦笑しか出ないような形の乱れた台詞を騒がしい口調で飛ばしてくるリディアでも、戦いの時は信用しても大丈夫なのだと、メルヴィはリディアへの見方を少しだけ変えようと考えたのかもしれない。
リディアにとっては、メルヴィの僅かな笑みを嬉しいものとして捉えていた事だろう。
「シャルぅ! 調査隊が運んできたあの遺体の事だけど、もう車で運んじゃうって言ってるから、エリンさんと対面した方がいいんじゃない? 話し合いの最中悪いけどさ!」
メンバー達が洞窟内への潜入の事で話し合っている最中、いつの間にか姿を消していたバルゴがシャルミラへ一直線に飛び込むように接近しながら事情を説明する。
名前を呼ばれた時点でシャルミラはバルゴに意識を集中させていたから、きっと伝えられた話の内容は理解出来ていた事だろう。
「あれ? バルゴ? どっか行ってたの? まああたしも喋るのに夢中で気付かなかったけど」
もしかすると今のバルゴの話は聞いていなかったのかもしれない。何となく喋っていたという認識だけは出来ていたかのような反応をシャルミラは見せた。
話す事に夢中になっていたのか、一時的にバルゴへの意識が途切れていたが、名前を呼ばれた事で再びバルゴへの意識が復活したのである。
「いや、調査隊の人達と話してたんだけど……。それと、今エリンさん達と対面しとかないともう検査の為に解剖作業もされちゃうから見るなら今じゃないと不味いんだよ」
勿論バルゴも意味も無くシャルミラの側を離れた訳では無かった。
しかし、新しく派遣された調査隊の者達も必要以上に長居する事が予定には入っていなかったと思われる為、もし最後の対面をするのであれば、一旦皆の話から離れなければいけないのだ。
洞窟内に入るまでもうすぐですが、やはりどうしても入る前に別の者がどうなったのかとかも描写したくなりますし、その上でこれから向かう主人公一同が何を感じるのかとか、その辺も描写したかったんですよ。短いですが、後書きはこれまでです。




