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黒衣を纏いし紫髪の天使  作者: 閻婆
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第40節 《風も操る蜘蛛女 青い魔女は好き放題を一切認めない》1/5

今回も魔女による戦いが展開されますが、レフィの本気が見えてくれるかもしれません。戦う女の子は素敵だと今も昔も信じてますw




           蜘蛛女を洞窟の奥へと追い詰めた


           いや、おびき寄せられたと表現すべきだろうか


           救助の対象の魔女が連れ去られた為、正義感のある2人が追いかけた


           天井の奥に繋がっていた場所には果てた人間達の姿も


           本来はここでリディア達も養分を吸い取られて最期を迎えるはずだったのか








「こいつはなかなかいい栄養持ってそうだ。このままやっちまうぞ!」


 男は黒い戦闘服の少女を上から押さえつけていた。自分も覆い被さるかのように少女を圧迫させており、そして少女の後ろ、というよりは下というべきか、少女の背中側にも別の男がいたのである。男2人は肌は既に黒ずんでおり、まるで何かの毒気にやられたかのようなそんな風貌を見せていた。


「女なんか押さえつけちまえばこっちのもんだ! これで俺達は元に戻れる……!!」


 男達からすると相手は戦闘用の服を着用しているとは言え、元は未成年の女性である事を分かったからそれを理由に強がっていたのか、そして2人がかりであった為、単純に力で支配する事で動きを封じる事が出来ると信じ込んでいたようだが、上にいた男の腹部に強い衝撃が走る。




――上にいた男は、腹部に強い鈍痛を感じた――




「誰が……させるかっつの!」


 黒の戦闘服を纏っている少女はリディアであったが、2人の男から上下で挟まれている状況でありながら何とか腕を引き、そんな狭い中で殴打を見事に男の腹部を目掛けて決めていたのである。


 元々体術も優れているリディアであった為、倒されている体勢の状態であっても力を入れる事は容易だったようであり、そして更に男2人の間に隙間が現れた為、今度は両脚を無理矢理に引き、目の前にいる男を両脚で押し出すように引き剥がす事に成功する。


 リディアの下にいた男も戸惑っている間にリディアの後頭部による頭突きを受け、怯んでいる間にリディアから逃げられてしまう。




「それと……脚の間触るのもやめてくれる? はぁ……はぁ……疲れた」


 荒れた皮膚と化した半裸の男2人から解放されたリディアであったが、軽やかに抜け出すと、やや大きめに肩で深呼吸をしながらも、まだ男達が黙ってくれるという保証が無い事を青い瞳で確かに見ていた。茶色の短パンを着用していたとは言え、白のミニスカートの中に手を入れられていた事も忘れてはいなかった。


 あまり根には持っていない様子であるが。




「抵抗しやがったか。でもお前ならいい養分になると思うぜ? 誇り持てよな」


 リディアから攻撃を受けて引き離された男も意外と深い痛みを受けていなかったからか、妙に平然とした態度で半裸の男は再びリディアに詰め寄ろうとする。尤も、リディアもいつ近寄られても良いように構えの体勢を取っているが。


「こんな場所で養分になる為に産まれてきた訳じゃないから無理だよ?」


 当然の言い分であった。リディアはこの洞窟内で人生を終わらせるつもりは無いはずだ。本当はこの地の元凶とも言える蜘蛛女を討伐してしまいたいと考えているはずだが、毒気に侵された男達が確実に妨害をしてくるのはすぐに分かる話だ。




「折角優しくしてやってそれか!?」


 男としてはここで果てる事を望んでもらう事を期待していたのだろうか。しかし、リディアは抵抗する意志を維持させている様子であり、寧ろこの地で自分の身体を大人しく差し出す事を望んでいる行為は優しさには該当しないだろう。


 当然リディアは近寄ってくる男に対して青い瞳を鋭くさせた。


「誰も頼んでないよ!」


 やや距離を近づけたタイミングで男は突然リディアに向かって走り出したが、真正面から襲ってくる相手の思い通りにされるようなリディアでは無かった。


 右脚に力を込めたのは、分かりやすく襲ってくる相手を自分の計画通りに黙らせる為であった。




――近寄られる前に横蹴りで男を蹴り飛ばす――




「近寄ったらまたこっちも力でやり返すからね!? そうだ、あの蜘蛛の女の人は……」


 話し合いで済ませてくれる相手では無い事を理解しているからか、リディアはそれだけを倒れ込む男に言い放ったが、気になったのは蜘蛛女であった。男達に群がられてからその後どうなったのかはよく見ていなかったが、気になったのは何か殻のような物を無理矢理に積み上げて作られたような壁であった。






――青い服の魔女も、身体の荒れた男女に襲われていたが……――




「生の魔女なんて久々だぜ! こんないい身体なのに姉さんに献上するなんて勿体ねぇなぁ!」


 リディアとは別の場所で、そして当然別の男であったが、同じく黒ずんだ皮膚やボロボロになった服を着たこの男は、青い服の魔女を無理矢理に押し倒し、細い腕を無理矢理に押さえ付け、もう片方の筋肉質な手で青い服越しにそこまで膨らんではいないやや控えめな胸を掴んでいたのである。


 襲われている魔女はレフィであったが、片方の腕が残っている事に関しては男は深く考えていなかったようだ。


「折角だ。丁度ここで犯しちまうか? ……けっ、こんなもん穿きやがって」


 レフィの足元にも別の男がおり、勿論レフィも自分の上半身を狙っている男を相手に黙っていた訳では無く、単純に言えば藻掻いていたと表現しても良いのだが、足元にいた男はレフィの視界に入っていないと思っていたのか、青いニーソックスで包まれている太腿を乱暴に掴み、開き出したのである。黄色の短パンのおかげで大事(おおごと)な事態は免れているのかもしれないが、レフィは触られている事には気付いていたようだ。




(駄目だこいつら……。これでも喰らえっつの!)


 レフィは確かに男2人によって、身体を地面に押さえ付けられた上で胸や下半身を触られているものの、それによって恐怖を感じる事は無かったようだ。寧ろ男であれば当然の行動なのかと、何だか諦めている様子さえ見えていたが、だからと言って好き放題やらせっ放しにする訳にはいかなかったようだ。


 エスカレートする前に止めなければならなかった為、武器である魔法をその場で発動させたのである。




――男の身体が後方へと引っ張られ……――




「うわぁ!!」


 レフィの上に身体をうつ伏せにさせて押し付けていた下卑た男は突然背後、つまりは天井の方向に向かって引っ張られたのである。そのまま適当とでも言うべき方向へと投げ捨てられるように風の力で飛ばされてしまう。風の力には全く逆らく事が出来ていなかったのだ。


「それとあんたも! わたしの脚ってそんなに魅力的? まあ感想なんか求めてないけどね!!」


 まだ足元に別の男が残っていたが、思い切り自分の脚の間を掴んでいる様子が見えてしまった為、レフィは意外と平常心を保ちながら、背中を地面に預けたまま、顔だけを持ち上げながら右手を開きながら男へと向けた。




――風の砲弾で暴力的に突き飛ばす!――




「ぐあっ!!」


 男にとってはレフィの身体を触る事が夢の時間のように感じられていたのかもしれないが、風で練られた砲弾がそれを粉々に打ち砕いてしまう。男は吹き飛ばされたのである。


「汚い悲鳴なんか聞きたくないっつの。思いっきりわたしの股間触ってたけど短パンってホントこういう時頼りになるねぇ。まあ触りたいなら他のもっと恋愛詰んだ女の人にしないとね」


 青い服を両手で払いながら立ち上がるレフィであったが、自分で決めた服装のおかげで想定外の大惨事にはならずに済んだようであり、本当に望み通りに手を触れたいのであればまずは恋愛で正しいルートを歩んでからにすべきであると、相手に聞こえているかどうか分からない助言のようなものを言葉にしていたが、背後から走り寄る音が聞こえてきたようだ。




「あんたは選ばれてるのよ! 大人しく捕まってくれたら面白い事になるのよ!」


 レフィの背後からは先程レフィの唇を強引に奪おうとした女がおり、まだ懲りない様子であった。なんだかレフィの事を特別な存在であるかのように捉えているようだが、この女も元々は魔法を使うスタイルで外の世界で生きていたのか、持ち上げた両手の間に電撃を発生させた。


 それはレフィに攻撃を仕掛ける為の準備段階であった。




――青白い稲妻がレフィを真正面から襲うが……――




「はいガード成功っと! じゃあどうして選ばれてるのか、説明出来る? 面白い事が始まるならちゃんと説明してくれる?」


 真正面から飛んできた稲妻に対し、レフィは風で分厚い膜を作り、見事に防いだ。


 目の前でやや焦げた臭気を感じながらも、レフィは疑問に感じたものがあった為、どうせ自分に襲い掛かってくるなら理由を明白にさせてよと、魔女でありながらも武器を持った剣士等のような勇ましい態度で一歩前に出た。青い三角帽子の下に存在する青い瞳は真っ直ぐそのものだった。


「偉そうに質問する気か!?」


 ほぼ半裸の女は今度は魔力を使わず、先程のように無理矢理力で捻じ伏せる為なのか、強引にレフィに走り寄りながら大声をあげた。




「いや、だからなんでいちいち跳びかかろうとすんの? また……キスでも求めるつもり? じゃなくて質問に答えてくれる?」


 レフィは風の魔法で、そして力任せとでも言うべきか、近寄ろうと物凄い形相を浮かべていた女を浮いた状態で足止めさせた。無理矢理に再度走り始めようとするが、余程強い力で押さえ付けられているのか、脚が動く気配が無く、腕もまるで動かなかったが、目だけはしっかりとレフィを鋭く見つめ続けていた。


 今レフィにとって必要としているのは、質問の答えである。自分を狙う理由を知りたいのである。


「あんたみたいな魔女だとここにある魔力と共鳴してもっと強い力になってくれるのよ! お姉様が説明してたのよ」


 無理矢理にでもレフィに近づきたいと無理矢理に思考を巡らせているからか、風で動きを封じられながらも必死で肉体を動かそうとはしていたが、理由はやはりレフィだからこそだったらしい。


 魔女ならば誰でも良かったのか、それともレフィならではの力でなければいけないのか、レフィの持つ魔力であれば力を増幅させる事が出来るようであるが、その話は蜘蛛女からの情報だったようだ。




「まあ……もっと強い力になってどうなるのかが気になるけど、ここにやってきた人達って皆あんたみたいになっちゃうの? 性格的な意味でだけど」


 レフィにとってはやはり初耳であり、ただ魔力が眠っているだけでは無く、自分を含めた魔女の力が何かしらの共鳴のようなものを発動させるのであれば尚更興味深く感じてしまうかもしれない。


 しかし、周囲から男の気配を感じた為、魔力自体を弱める事を一切せず、肩まで伸びている金髪を揺らしながら風の魔法を維持させ続けている。


「強い魔力持った魔女を捕まえたら私達解放されるのよ! だから今はチャンスって訳よ! いいから魔力寄越せよ!!」


 蜘蛛女によって、ここにいる者達の思考を狂わされているようであった。ゴブリン達も蜘蛛女から魔力を受け取る代わりに殆ど手下のように働くようになっていた為、事情は違えど、この蜘蛛女の支配は確実に迷い込んだ者達を凶暴にさせてしまう何かがあるのだろう。




――再び強引に顔を近づけようとするが……――




「それじゃ今度はわたしがここで彷徨う番になるって事でしょ! もう邪魔!!」


 レフィは風の魔力で足止めを受けている女が自分に電撃を浴びせる事で強引に風の束縛から逃れ、そしてやはり自分に跳びかかってきた為、地面の小石や砂を巻き込ませる為に地面を掠らせるように強風の魔法を発動させ、横殴りの形で女を吹き飛ばした。


 攻撃の様子を見ていたのであろう、女の仲間である肉体の荒れた男の怒声が横からレフィの耳へと届けられた。


「お前まだ歯向かうのか!?」


 風の魔法で突き飛ばされたはずの男であったが、あまり効いてはいなかったようであり、どこから持ってきたのか、棍棒らしき鈍器を両手で持ちながらレフィ目掛けて襲い掛かろうとしていたのである。




「まだ狙う気でいたんだぁ? 武器で襲ってきても無駄だよ!!」


 男の方は魔法等の特殊な力を持っていない為に肉弾戦のような単純な戦法しか取る事が出来ないと理解したのかもしれない。レフィは相手を大した脅威として認識せず、手慣れた手付きで風の球体を、突き出した右手の正面に作り出す。そして気持ちの方で力を込めた。




――風の砲弾が男を吹き飛ばす!――




「ここもホント危ないね……。そうだ、あの蜘蛛女今何やってんだろ? って何あの壁?」


 何だか近寄ってきた相手を風で吹き飛ばすという単純作業になりつつあると思いながらも、レフィはふと蜘蛛女を思い出し、そして茶髪の魔女の姿も見えなくなった為、心配な気持ちと共に探そうと洞窟内を見渡すが、最初に目に付いたのが、生物の卵の殻のような物を積み上げられて作られた壁のようなものであった。


 最初から存在した訳では無かっただろう。妙に黄色や青等の目立つ色合いで作られた壁であった為、ある時に突然作られた物だとしか思う事が出来ず、レフィの目的地は決まったと言える。




「そうだ、あの魔女ちゃんどうなっちゃったのかな……。いや、絶対あの壁の中じゃん。何となくあの蜘蛛女絶対エロい事やってるだろうし、行くか!」


 レフィとしてはリディアは心配にならなかったのだろうか。それとも戦闘面で信用が出来るから心配する優先順位を後ろに回していただけなのかもしれないが、茶髪の魔女の行方が心配なのは変わらず、何故か壁の向こうに茶髪の魔女も蜘蛛女もいると勝手に思い込んでしまい、そしてそれが絶対正解であるかのように表情も引き締まっていた。


 風で地面を滑るようにレフィは華麗に移動を開始させた。








――壁の内部には沢山の小さな蜘蛛が徘徊しており……――




「ふふっ、貴方それなりに抵抗はしてたみたいだけど、大した実力じゃなかったようね? さてと抵抗した以上は……って貴方、自分で立てるのかしら?」


 蜘蛛女は自分の実力の差が明らかに目の前にいる魔女よりも強いと実感したからなのか、それなりに身体に痛みを加えられたであろう茶髪の魔女がまだ立ち上がらない様子を黙って目視していた。


「何よ……。何が目的……なの?」


 灰色の服の上から腹部を押さえながら、何とか立ち上がろうと右脚から持ち上げる。




「分かってるんでしょ? 実は貴方、他の魔女達と違ってここの魔力と不思議な共鳴を果たす事を。だけどね、折角さっきは貴方をいい苗床にする機会だったけど、あの妙な魔女に邪魔されちゃったじゃない?」


 蜘蛛女は元々この茶髪の魔女自身がこの洞窟にとって特別な存在である事を自覚していると読み取っていたらしい。しかし、どうしてもあの青い服を着た魔女の存在が自分の計画を全て邪魔していたようだった。


 しかし、今は邪魔が存在しない。いや、離れた場所にいるというだけだろうか。


「だったら……もっとわたしを大事にしないと……駄目じゃない?」


 壁の内側で相当な暴力を茶髪の魔女に飛ばしたのだろうか。少しでもこれ以上自分に害を加えるだけの気持ちを削ぐ必要があるかもしれないと、どうせ自分を吸収の対象にするのであれば、余計な体力消耗を自分に与えぬ方が良いのでは無いかと、通じるかどうか分からない要求を弱々しい口調で渡す。




「貴方少しでもここで安全に助かろうと模索してるのかしら? だけどね、さっき歯向かったでしょ? 貴方の魔法痛かったわよ? まあ今の貴方の方がずっと痛い思いをしてるでしょうけど」


 蜘蛛女は自分が茶髪の魔女へ攻撃を仕掛ける事に躊躇いを感じるように何か説得のようなものをされていると感じたのかもしれないが、魔法による反撃を受けた時の事を忘れてはいなかった。恐らくこの分も含めた上で先程茶髪の魔女に手を出したのかもしれないが。


「蜘蛛……やめてよ気持ち悪い……」


 茶髪の魔女を囲うのは、小さな蜘蛛達であった。壁を伝う形で降りて来た小さくも気味の悪い外見の生物達はわざとらしく魔女と距離を取りながら周りを取り囲んでいく。




「大丈夫よ。その子達は別に貴方を食べるつもりなんて無いから。少し協力をしてもらうっていうだけだから、そして安心しようと思ったらそれは大間違いよ?」


 蜘蛛女は決してこの子供の蜘蛛達が魔女を餌として見ている訳では無いとわざわざ説明をして聞かせた。しかし、安全に返すつもりは一切無い事は聞かなくても分かる事だ。地面にいる蜘蛛は魔女を見上げており、そして壁に残っている蜘蛛は高所から魔女を見下ろしていた。


「はぁ……はぁ……わたしまだ戦えるからね?」


 ようやくしっかりと立ち上がったものの、蜘蛛女から何か攻撃を受けていたのか、その際の疲労が押し寄せてきたようであり、魔法で子供の蜘蛛達を追い払おうと力を込めようとしたが、その際に思わず深呼吸を始めてしまう。大きく息を吸い込まなければ身体が耐えられなくなっていた可能性もある。




「強がる必要なんて無いわよ? 貴方達、仕事の時間よ!」


 蜘蛛女からすれば、もう茶髪の魔女の心情なんてどうでも良かったはずだ。手首のスナップを聞かせながら魔女を真正面から指差したが、それは蜘蛛の子供達に命令を出す為の合図のようなものだったらしい。命令を聞いたのは、地面の蜘蛛では無く、壁に張り付いていた蜘蛛の内の1体であった。


「え? いっいや!!」


 右脚に何かが付着する感触を覚えた魔女であったが、それは蜘蛛の子供の口元から伸びたものであると気付くが、反射的に悲鳴を上げてしまう。




――糸が茶髪の魔女に発射されたが……――




「こんな場所で警戒を解いたら駄目でしょ? さてと、持ち上げてあげなさい!」


 蜘蛛女は自分の配下の存在である蜘蛛の子供が縄のように糸を魔女の右脚に絡ませたのを確認すると、口頭で蜘蛛の子供に命令を出した。


 蜘蛛が言葉による指令を理解するだけの知能があるのかどうかは分からないが、確かに言われた通りに子供の蜘蛛は口から伸びた糸を吸い上げるように引っ張った。


「何……する気よ!?」


 茶髪の魔女は右脚だけを持ち上げられてしまい、それは脚を横に向かって開く事になってしまう。勿論力で対抗しようにも、引っ張られる糸に逆らう事は出来なかった。




「分かってるのに聞くなんてただの強がりな子ねぇ? もう2匹にも手伝ってもらわないとね? やってしまいなさい!」


 両手も使いながら自分の脚を下へと引っ張ろうとする茶髪の魔女の姿を見つめながら、蜘蛛女は他の蜘蛛にも異なる指令を出す為に声を放った。


 茶髪の魔女はどれだけ力を込めても、はしたなく持ち上がった右脚を下ろす事は出来なかった。スカートの状態もかなり危険な状態だ。


「!!」


 茶髪の魔女の両腕を封じるかのように、他の蜘蛛が糸の塊を発射した。少女の腕は自分自身の胴体に押さえ付けられながら糸で縛られてしまい、両手を使って何とか持ち上がってしまった脚を下ろさせる事も、持ち上がって開いてしまった脚の間を隠す事も不可能になってしまう。




「さて、さっきは頑張って貴方の下着を奪ってあげたけど、まだここが隙だらけだったかしら? やっと実行出来て助かったわ」


 蜘蛛女の立ち位置は、茶髪の魔女の脚の間の状況が直接視界に入らない場所、つまりは魔女の真正面にいる状態であった為、持ち上がった右脚の太腿に左手を置きながらゆっくりと喋り出す。準備だけは出来ていたが、実行はこれから始めるという事だろうか。


「ちょっと……何するのよ!? 触らないで! 変態!」


 脚に手を置いてきた蜘蛛女に対して、茶髪の魔女は思わず声を荒げてしまう。ゆっくりとスカートの方へと手を滑らせている様子も見えた為か、尚更だったようだ。




「いいじゃない? わたしはね、一応貴方と同じ女同士よ? そして、もう遅いわよ? これ見なさい。貴方に挿し込めば貴方は立派な苗床になるの。しっかり脚、開いてなさいよ?」


 意図的なものなのか、蜘蛛女は茶髪の魔女の持ち上がった右脚に置いていた自分の左手をそれ以上奥へと進ませる事をしなかったが、触る行為そのものは同じ性別であるからこそ認められるべきだと、妙に優しい口調で納得をさせようとしていたが、伝わったのかどうかは分からない。


 それよりも、蜘蛛の胴体の奥に隠していた器官だったのか、腹部の下から伸ばしてきたのは黒い突起であり、先端は透明な液体で気味悪く濡れていた。それは人間の腕よりは細いが、茶髪の魔女の顔の高さにまで持ち上げられたそれは妙に硬く、力強い印象さえ覚えさせてくれた。


「やめてよ! そんな事して後でどうなっても知らないから!」


 見せつけられた突起で何をされるのか、容易に想像が出来てしまったのだろうか、茶髪の魔女はただ突起を下げてもらうように懇願でもするかのように叫ぶが、伝わるかどうかはやはり分からない。後の話というのは、他の自分の仲間からの報復という意味なのだろうか。




「どうなるのよ? 貴方の若い身体だと最高の子が宿るのよ。自分の弱さを恨みなさい!」


 蜘蛛女は行為を中断するつもりは無いようであり、茶髪の魔女の正面に位置したまま、突起だけを横から、つまりは魔女の開いた脚の中へと刺し込ませようと、まるで相手の不安を煽るかのようにゆっくりと近づけていった。先端の滑りが更に激しくなっていたように見えたのは気のせいなのだろうか。




――茶髪の魔女の顔に妙に鋭い風が激突したようだが……――




 茶髪の魔女は確かに見てしまったのである。


 自分の無防備に、そしてやや品の無い形で強引に開かれた脚の間に対して、先端が白色(はくしょく)の液体で濡れた突起を突き刺そうと斜め下から伸ばしていた蜘蛛女、では無く、更にその背後であった。


 いたのは青い服と三角帽子を身に付けた金髪の魔女であったが、確かに風の魔法を操ってはいたが、風の力を利用していたのか、人間であれば人力で持つ事が不可能に近いのでは無いかと疑いたくなるような通常の人間の頭部の3倍程の直径の大岩を持ち上げていたのである。


 それを、右手の上で、やや掌から離れた場所で浮かせるようにして持ち上げていたが、相当魔力自体を使っているのは事実な事だろう。それよりも、この青い服の魔女の表情が完全無欠な怒りそのものであった。




――魔力で持ち上げていた大岩を、暴力的に、そして力任せに殴るようにぶつけようとしたのである――




「何やってんだぁお前って奴はぁ!!!!」


 蜘蛛女の背後から襲い掛かって来ていたのはやはりレフィであった。青い服を纏った魔女である彼女は、まるで青い瞳が殺意で支配されたかのような怪しい光さえ放っているかのような目付きをさせながら、魔力で持ち上げた岩で殴り掛かる暴力行為を実行させていた。


 口調も全てが暴力そのもので、レフィの性別を疑われ兼ねない危険な様子である。


「邪魔が来たか! これでも……!!」


 激しい怒声で反射的に振り向いた蜘蛛女は、右手に大量の糸を巻き付け、大岩に対抗するかのように糸の塊を装着させた右手で大岩相手にぶつかり合おうと、殴るように振るったが、結果は蜘蛛女の想定通りになるのだろうか。




「そんなもん役に立つかぁ!! 18禁な事しやがってこの蜘蛛(くも)女……じゃなくて(くそ)女に変えてやろうかぁ!!」


 レフィは蜘蛛女の用意した糸の塊及び、それを纏った右腕による反撃に対して怯んでやろうとすら思わなかったかもしれない。相手の呼び方をたった1文字だけを変えるつもりでいたようであり、その結果として全く意味が変わってしまうのは蜘蛛女にとっては酷い話である。


 レフィの持ち上げていた大岩は蜘蛛女の右手に纏まっていた糸の塊に容易に打ち勝ち、そしてやがて岩は蜘蛛女の胴体を横から襲う事となる。つまり、岩が胴体を横殴りにしたのである。


「ぎゃあ!!」


 レフィの持ってきた大岩に力負けした事で、蜘蛛女は岩で叩きつけられるという目に遭わされてしまい、重量と衝撃と、そして鈍痛で鈍い悲鳴を飛ばしながらレフィから距離を離されていく。


 確かに叩き付けによる吹き飛ばしで敵対者である蜘蛛女に痛い思いをさせたレフィであったが、爽快感等は受け取らなかったのか、表情は怒りと殺意に溢れたままであった。




「わたしの見てないとこで何随分好き放題激エロな事やろうとしやがってんのかなぁそこの貴様はぁ!!」


 蜘蛛女は茶髪の魔女を縛り付けた上で片方の脚だけを持ち上げさせるという羞恥しか沸かないような格好をさせていた為、ぶっ飛ばして尚且つまだ起き上がってもいない蜘蛛女にまだ残っていた怒りだったのか、それを怒声でぶつけていたレフィであった。


 まだレフィは茶髪の魔女の今の姿をしっかりと見てはいなかった。


「レ……レフィ……さん?」


 自分が無抵抗な中で襲われそうになっていた所に颯爽と現れてくれた魔女がレフィである事は、恐らく怒声を飛ばしながら現れた時に既に分かっていたのかもしれないが、本能的にだったのか、名前を呟くように漏らす事だけをしたが、レフィは勿論それを聞き取っていた。




「貴方も見れば分か……っておっと! その18禁な脚ちょっと危なかったね! ほいっと!」


 レフィはわざわざ目を合わせなくても自分の事ぐらい簡単に理解をしてほしいと思っていたのかもしれないが、ふと茶髪の魔女に目を向けるなり、糸で思い切り太腿から右脚を持ち上げられている様子を視界に入れてしまい、そして今立っている場所は茶髪の魔女の開かれた脚の方向であった。


 しかしレフィは思い切り開かれた脚の間を凝視しようとはせず、何か危機を察知するかのようにすぐに目を反らすと同時に人差し指を伸ばすなり、指先に風の魔力を集中させた。


 直接指を糸に接触させた訳では無かったが、距離があっても魔力の効果はしっかりと発動されたのか、指で空気をなぞるような動作を行なっただけで糸そのものにすぐに影響が現れた。




――右脚を持ち上げていた糸をあっさりと切断してみせた――




「それと他の糸も切っとくわ。あ、それと念の為だけど、開いてたその部分はギリギリ見てないからね!」


 やはり右脚を持ち上げていた糸を切断するなり、茶髪の魔女は重力による自由落下に加え、自分自身によって即座に脚を下ろしていたが、スカートの中の事情があれば誰だって自分から急いで下ろそうとするはずである。


 レフィは右脚がしっかりと降りた事を確認すると、身体ごと茶髪の魔女へと向き直し、今度は左指も使った所謂両手を使う手捌きで茶髪の魔女の胴体に巻き付いていた糸を巧みに切断させてみせた。


 恥ずかしい部分は直視しなかった事を、安心させる為に一度伝えると、先程までは仲間を助ける為に使っていた風の魔法を今度は攻撃用へと切り替えた。当然視線も身体も本来の敵対者である蜘蛛女へと向けられた。




――風の刃を精製させ、蜘蛛女に対抗した――




「わたしを殴るなんて命も身の程も知らない奴なのねぇ? あんたも捕まえて全部の穴、ズタズタにしてやろうか!?」


 蜘蛛女はレフィの飛ばした風の刃を、自分の目の前で蜘蛛の糸をばら撒くように放つ事で全てを相殺させてしまう。


 先程の岩での攻撃が特に重たいものだと認識していたのか、蜘蛛女は本来の標的であった茶髪の魔女に加えて、レフィの事も標的として捕えてやろうと決めたに違いない。何をするのかもほぼ具体的に喋り出したが、レフィはどの部位を狙うのか、全て正確に把握している様子だ。


「とことん18禁な事に拘るんだねあんたっていう奴は! そんなにわたしの事犯したいなら、ちゃんと勝ったら、だからねぇ!!」


 背後では、灰色の服に付着した切断された糸を払い落としていた茶髪の魔女がいたが、今は魔女の事を気にかけている余裕は無かったようで、レフィは蜘蛛女に対してそのまま突撃でもしてしまうのかと思わせるかのように一歩踏み込みながら蜘蛛女を青い瞳で鋭く凝視しており、そしてやはり右手には魔力を込めていたのである。


 蜘蛛女が何を企んでいるのかを手に取るように意味も全てを理解していたであろうレフィは、自分をここで敗北させた後でなら好きにしても良いと、ある種の賭けにもなってしまっているかのような発言を力強く言い放っていたが、それは魔力の為の気合も兼ねていたのかもしれない。




――風の球体を一気に破裂させる――





 風の破裂を受けた蜘蛛女は上半身への衝撃が強かったのか、後方へ向かってよろけていたが、それは致命傷にはなっていないだろう。




「見られて……なくて良かった……」


 身体が自由になったのと、そして残っていた蜘蛛の糸を全て払い落とした茶髪の魔女は、脚を持ち上げられていた時の事を思い出したのと、そして意外にも蜘蛛女の視線からずれた方向に開かれていた為、直視はされなくて済んでいた事も思い出したのか、下に存在する先端を両手で押さえながら、戦っているレフィの後ろ姿を見つめていた。


「そしてそこの魔女ちゃん! ミニスカ押さえてモジモジしてる様子は可愛いけど今はちゃんと戦ってね! 萌えもいいけど今は戦わないと死亡(ダァーイ)になるからね!」


 レフィは折角身体が自由になった茶髪の魔女の積極的な援護を期待していたのかもしれないが、特に何も援護らしい援護を受けてもらえなかった為、ふと背後を振り向き、恥じらいを行動と表情で見せている様子に対して喜ばれない評価を渡した上で、今は魔法を武器として本気になる事が必要であると強く伝えた。


 レフィからすると確かにスカートを気にしながら恥ずかったり不安がったりする姿は最高の栄養になるのかもしれないが、ここにいる間は戦いを怠ると悲惨な最期を迎える可能性の方が高かった為、戦いに集中するように伝えるしか無かった。きっと、スカートにかけられたレフィの魔力はまだ継続されているはずである。




「……も、もう分かった! えいっ!!」


 レフィの特徴的なノリに無理矢理付いていく為にも、茶髪の魔女は両手をスカートの端から離し、そして心で念じながら得意である雷の属性を帯びた魔法、つまりは電撃を蜘蛛女を狙って放ったのである。


 蜘蛛女に対して視線を一時的に反らしている間に蜘蛛女は糸の塊を作っていたが、それを打ち砕く為に茶髪の魔女は少しでもレフィの役に立つ為にレフィの横へと踏み込み、両手を突き出した。


 茶髪の魔女の手を追いかけるように視線を動かし、それに合わせて身体の方も蜘蛛女へと向け直すが、その時に茶髪の魔女が攻撃に走った理由を理解したのかもしれない。




――密かに残していた糸の球を電撃で撃ち落とした――




「!! 魔女ってどいつもこいつも生意気ねぇ? 久々よこんなに抵抗してくるのは!」


 何か強い意志を持って用意していた糸の球体だったのかもしれないが、先程まではただの捕らわれの貧弱な魔女でしか無かったのに、今は自分に直接魔法をぶつけてくる所にまで気持ちを復活させていた為、右手に取り出した赤い鞭で叩きのめしてやろうと考えたに違い無い。


「また鞭? 女王様気取りもまたいい設定だと思っといてあげる!」


 まるで見飽きた武器として捉えていたかのようにレフィは雰囲気を盛り上げる為の武器として上目線で評価をしてみせたものの、それでもこちらに向かって振り回してくる事は読めていた為、自分の保護の為に風を用意させていた。




――鞭を防いだのは、風の防壁(ぼうへき)であった――




「所で貴方は防御魔法は無い? まあ今はわたしが助けたけど、どうなの?」


 レフィは咄嗟に自分だけでは無く、隣にいた茶髪の魔女にも一緒に魔法で保護をしたのだが、自分がいなくても防御の手段を使う事が出来るのか、咄嗟に聞いた。


「無くはないけど、慣れてなくて……」


 たった今目の前で鞭の激しい(しな)りを見せつけられたせいで怖気付いたからなのか、それとも手段が無い事でレフィから何か怒られてしまうのでは無いかという不安だったのか、弱気としか思えないような口調でレフィへと言い返したが、レフィは意外と険しい表情を見せる事をしなかった。




「じゃあわたしから離れないように戦ってね! 理由は今のが答えだからね?」


 レフィは逆に自分が守る立場になる事が出来る事実に喜びを感じながら、再びレフィは蜘蛛女を相手に風の魔法を手元に集中させる。どうやらレフィの近くにいれば風による加護を受ける事が出来るようだが、今の説明で茶髪の魔女には伝わったのだろうか。


「……ん? 足元、う、うわぁあ!!」


 一方で茶髪の魔女の方は本当であれば何故レフィから離れずに戦う必要があるのかを訊ねるか、或いは答えを確かめる為に自分の意見を口に出すかをしていたはずである。


 しかし何か自分の足元で何かが自分の脚に触れるような感触を察知し、視線を落としたが、そこには身体こそは小さいが、見覚えのある(おぞ)ましい生物が複数存在していた。




――子供の蜘蛛達が足元から迫っており……――




「今度は何? げっ、蜘蛛じゃん! いつの間に来てた!?」


 レフィは悲鳴に反応する形で茶髪の魔女の方へと、横に振り向いたが、視界の下部の端に映った蜘蛛の子供を見てやはりレフィも静かにしている事なんて不可能だったようであり、自分がここに飛び込んできた時は存在していなかった為、8本脚の気持ち悪い姿のせいで表情が弱り始めていた。


「いや! 登って来ないでよ!」


 蜘蛛の何匹かが茶髪の魔女の脚を伝って登ろうとしており、それなりに細い先端が直接太腿に刺さる事によって接触の気持ち悪さも多少はあったが、それよりも蜘蛛そのものが自分の身体を登っているその事実だけで凄まじい嫌悪感を呼んでいたからか、両手を使って必死に蜘蛛を(はた)き落とす事で精一杯になりつつあった。




「馬鹿め! あんた達を犯すのはわたしだけじゃないんだよ!」


 蜘蛛女はまるで罠に嵌った敵対者を嘲笑うが如く大声を誇らしげに飛ばした。蜘蛛の子供は自分が密かに産み出した上でこっそりと襲うように指令を出していたのだろう。




「それはちょっといけないんじゃない!?」


 この声は、蜘蛛の子供を放った張本人のものでも、そして蜘蛛の子供に狙われようとしている2人の魔女のものでも無かった。まだこの殻で作られた壁で仕切られた部屋に来ていなかった少女の声であった。




――見えぬ場所から飛んできたのは氷の刃であった――




 細かく刻んだ無数の氷ではあったが、小さくてもそれが人間の頭部程度のサイズの蜘蛛であればこの大きさでも充分攻撃が通るものだったようであり、放たれた無数の氷の刃は、正確にレフィや茶髪の魔女に纏わり付いていた蜘蛛達に突き刺さり、一撃で仕留める事に成功させていた。


 魔女2人には衣服にすら一切傷を付けずに氷を放った少女であったが、魔女2人及び、蜘蛛女が氷の飛んできた場所に目を向けるとやはり放った本人が走って来ている様子が見えたようだ。




「私も忘れないでね? それと蜘蛛の人、やっと見つけたよ。これ以上はもうやめようって思わないの?」


 黒い戦闘服と、同じく黒のハットを纏い、ハットの下から紫の髪を見せているその少女はリディアであり、やはり蜘蛛女の事を探していたようであった。元々殻で作られた壁を怪しんでいたが、案の定そこが正解の場所だったのである。


「そういえばあんたもいたっけ? 魔女もいいけどあんたみたいに武器で戦う女の子の味も良さそうね」


 蜘蛛女はリディアとも対面をしていた関係で顔を忘れていた訳も無く、それでもわざと思い出したかのように言い放ちながら、リディアもこの地での立派な栄養になるだろうと、リディアの右手に握られていた氷の刃を目にしながら目を細めた。




「随分下品な事ばっかり考えるみたいだけど、別に貴方はここで大人しく暮らしてればそれで――!!」


 リディアはレフィのようなそこまで過度に行為の実態を理解している訳では無いのかもしれないが、それでも自分がここで何をされてしまうのかを大方予測が出来ていた為、出来れば蜘蛛女にはこの洞窟の中で平穏に生きていて欲しいと願っていたのかもしれない。


 しかし、リディアの密かな願いも即座にかき消されてしまう事となる。それは、殻の壁の奥に隠れていた子供の蜘蛛達が原因だったのである。




――リディアの横から大量の糸が雪崩れ込んできた……――




 それは上半身から一気に包み込み、糸はどんどん束となって包んだ対象を膨らんだような外観へとさせてしまう。


 やがて糸は上半身だけでは無く、下半身も包み込んでしまう。





後半からちょっと茶髪の魔女が危機に晒されますが、そこはレフィの出番です。年齢制限が入るような行為そのものを潰すのがレフィでして、凄い暴言と気合でそれを潰してくれます。

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