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○と十  作者: 心野 想
26/36

【94×骨】

【自動的にセーブされます】



 目を、覚ましました。

 ボクはすでにその場に立っていました。

 目が覚めたばかりの身体はしばらく半透明で、手の向こう側が透けて見えました。

 ボクの真横には、新たにできた十字架が地面から突き出していました。

 目の前にはオオガマを持った【骨】が立っています。


 ボクはまた死んだのか。

 

 目が覚めた場所は、どうやら死んだ場所のようです。

 目が覚めた時間は、どうやら死んだ直後のようです。


 後ずさりしたから殺されたのか。


 ボクは【i】の言葉を思い出しながら考えました。ボクはさっき【骨】が怖くて逃げようとした。逃げるということは受け入れようとすることではなかった。だからボクは殺された……? じゃあ逃げなかったらよかったのか? でも【骨】は初めからボクを襲う気だった。逃げないという選択をしてもオオガマの餌食になっていたはずだ。それにあの状況で目の前に恐怖に打ち勝ち、逃げないという選択をするなんてムリだ。逃げなければ殺されるに決まってる。

 【骨】の右腕が動き、オオガマが持ち上がりました。


 やばい、やられる!


 そう思ったボクは反射的に地面の上にしゃがみました。オオガマが横に振られるなら、低姿勢になれば避けられる。とっさにそう判断したのです。

 結果的に、その判断は正しかったようでした。頭の真上で、おそろしい切り裂き音がシュッと聞こえたのです。ボクのすぐ上で死が通過した音でした。

 運良く死を回避したボクはすぐに立ち上がり、後ろに下がって距離を取りました。【骨】を見ると、オオガマを振った【骨】の右腕が、まるで機械仕掛けのように元の位置に戻っていきます。その光景を見て、ある事実に気がつきました。十字を切る時も、メテオライトを落とすサインも、そしてオオガマを振った時も動くのは右腕だけで、それ以外はまるで動いていないのです。ボクはその事実がなんだかひどく不気味に思われて鳥肌が立ちました。

 腕が元の位置に戻ると間をおかず【骨】の右ヒジが上がりました。銀色に輝くオオガマを持つ手が背中に隠れて見えなくなります。


 どうする気だ。


 ボクがいつでもしゃがめるように身構えていると、何の前振りもなく、右手が恐ろしいスピードで振り下ろされました。シュッという風切り音がしたかと思うと、【骨】のオオガマが右手を離れ、縦に回転しながら、こっちに向かってきます。

それは明らかに横によける以外の選択肢がない攻撃でしたが、パニックになったボクの脳ミソはカラダに正しい動きをさせることができませんでした。


 ああ、ダメだ。


 スローモーションで近づいてくる銀色の円盤を眺めながら、ボクは「次はちゃんと横に避けよう」と胸に誓うのでした。





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