【99×control】
どこまでもどこまでも黒い、まるで∞のようなこの世界を、自分の足と頭とハートを頼りに歩いています。
Pは引っ込めたままでした。
Pを引っ込めていると、目玉に見られることもないし、街灯も標識も出てきませんでした。
ただただ真っ暗な世界をまっすぐ歩き続けていました。
歩いていると、向こう側に光が見えました。照明灯とは少し違う、ぼんやりとした光です。その光の中心には人の姿がありました。曲げた両脚を抱き、横を向いて座っている女の子の姿でした。
あれは【B】だ!
姿を認めると、ボクは【B】の方へ一直線に駆けだしました。やっと【B】に会える! やっぱり今来た道で間違ってなかったんだ。良かった。
もうすぐそこだ。
ボフッ。
何の前触れもなくそれは起こりました。ボクは何かやわらかいクッションのようなものに衝突し、後ろに吹き飛ばされたのでした。完全にバランスを崩し、背中から倒れます。とっさに身体を横に傾けたので頭は打たずに済みました。
イテテテテ……一体何が起こったんだ?
ボクは正面を見ました。しかし何もありません。真っ暗です。だとしたらボクは何にぶつかったのでしょうか?
触って確かめてみよう。
ボクは立ち上がって、足を一歩前に出しました。
その時でした。後ろから手首をつかまれました。
つーかまえた。




