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昼休み、伊達はコンビニでおにぎりを手に取った。
今まで“謎の茶色”として買っていた具が、実は鮭だと初めて気づく。
「具、ちゃんと書いてあったんだな」と感動する伊達。
会計時、店員に「いつも鮭好きですね」と言われて思わず赤面する。
自分では冒険心旺盛に“未知のおにぎり”を楽しんでいたつもりが、ただ鮭ばかり食べていたらしい。
メガネは彼に、視力のありがたさと同時に、自分のちょっとした勘違いを教えてくれる先生でもあった。
普通は、食べている時に、鮭ばっかりだな、気づくものだけれども。伊達は、そういうことはあまり気にしないらしい。