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福の神  作者: 雨世界
1/1

1 ちょっとだけ、お昼寝するね。

 福の神


 登場人物


 野口福 あんまり笑わない女の子 ちょっとだけ人生に飽きている。


 岸あやめ ポニーテールの女の子 行動的で音楽が大好き。


 小林滝 眼鏡をかけている女の子 読書好き。


 宝 優しい男の子


 狼 いじわるな男の子


 プロローグ


 イメージシンボル 木の芽


 はじまり、はじまり。


 ある日、私は幽霊になった。


 第一章


 学び舎


 私の大好きなもの。


 私の生まれた世界は、(幽霊になるまで、全然気がつかなかったけど)すごくたくさんの大きな愛で満ちていた。


 私の大好きなものってなんだろう? とそんなことを野口福は考えてみる。いろいろある。なんだか考えてみると結構いっぱい好きなものがあるなと福は思った。(案外私は幸せ者だったのかもしれない)


 大きな桜の木の上に腰を下ろして、見慣れた自分の中学校の自分の通っていた六年一組の教室を白いカーテンの揺れている開けっ放しの窓越しに眺めながら、そんなことを幽霊になった福は(すっごく暇だから)一人、暖かな春風の中で考えていた。


 なに見ているの?


 本編


 窓の向こう側


 ちょっとだけ、お昼寝するね。


 小学六年生の小林滝は窓の外を眺めていた。

 すると「なに見てるの? 滝ちゃん」と友達の岸あやめがその背中に声をかけた。「……別になんにも見てないよ。空、見てただけ」

 窓の外を見ながら滝は言う。

「空? 空って今日の曇り空のこと?」

 滝の隣に立って、朝からずっと曇っている今にも雨が降り出しそうな空を見て、あやめが言う。

「うん。その曇り空のこと」いつものように、小さな声で滝は言う。


「ちょっと外に行ってくる」少し間をおいて、滝は言う。

「え? 滝ちゃん外行くの? 珍しい。じゃあ私も行く!」と顔を赤くして、ちょっとだけ興奮したような顔をして、あやめは言う。

「いい。一人で行く」滝は言う。

 するとあやめはとても悲しそうな顔をした。

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