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話が迷走してきました。



「…王様、姉様にならまだしも魔王の僕にも寛大な心だなんておかしいと思わないの?」



レオンが悪意無く、とても不思議そうに言った。

確かに…。 この言葉にリコリスは笑いを隠しきれていなかった。顔を逸らしているが肩が震えている。(何故か笑いのツボにはまったらしい。)


顔をあげた陛下はいつもの国王としての威厳を失い迷子の子供のような顔でリコリス達を見つめた。が見つめられている当の本人は顔を逸らして爆笑している。


余談だが、何故この国はこんなにも美形ぞろいなのか、突然の登場で忘れていたがレオンも、国王陛下もとても美しい顔立ちをしている。


美形にそんな顔で見つめられたら許したくなってしまうでは無いか。顔だけしか取り柄のない殿下は例外として。



「この愚息がしたことは私も承知致しております。にもかかわらずその行いを咎めなかった私にも責任の一端があります。」



なんと殿下を庇った?では無いか。

ウツクシイオヤコアイデスネ。

この言葉でさすがに殿下も涙ぐんでいた。…が、



「じゃあ文句は言えないよね?」



その美しい親子愛をもリコリスのためなら一刀両断するのが魔王の生まれ変わりことレオンである。



「…その通りでございます。」



正論で一刀両断され陛下は苦しみと後悔で顔を歪めていた。言い返す言葉がないのだろう。


もう話す必要は無いとレオンが言おうとしたところでそこにまた新たな居ないはずの人物が現れた。



「リコ、レオその辺にして差し上げなさい。」


「お父様っ!」



真っ先にその声に反応したのはリコリスだった。リコリスは笑うのをやめその人物に満面の笑みを向けた。


ここに居ないはずの人物第3号はリコリス達の父であるアレース・アストレア公爵だったのだ。



「陛下も立ち上がってください。いつまでもそのような姿でいるとまるで、私の子供たち悪人の様に見えてしまうでは無いですか。」


「…………」



…そういえばこの家族は皆相思相愛だったのを失念していた。公爵が二人を止めた理由も全て二人のためだろう。


それを肯定するかのようにこれ以上長引くのはリコリスの薄着の体に障るとでも思ったのかリコリスの肩に自身の上着を羽織らせている。



「もうそろそろリコが風邪をひいてしまうかもしれないので、帰らせていただきます。」



やはり父は強い。あっという間に話を切り上げ帰ろうとする、ここで大人しく下がればいいものをヤケになったのか陛下が口を開いた。



「聖女様は本当にリリアナ嬢を虐めていなかったのですか?」



馬鹿である。大馬鹿だ。折角公爵がレオンやリコリスの事は抑えるから放っておけという意味でお開きにしようとしていたのに、このヤケになった陛下の一言で公爵までもを敵に回してしまった。


ついでに今の話を影から聞いていたもう1人の人物までもを敵に回してしまったのだ。いちばん怖いのはこの人物である。



「私の可愛い娘があんなに品のないリリアナ・エミローズ男爵令嬢を虐めるですって!!!!!!」



陛下の言葉を聞いて一番激怒したのは、シエルでもレオンでもアレースでもなく、今までずっと民衆の中から事の成り行きを見守っていたリコリス達の母であるセレナ・アストレアだった。



「よくもリコリスにこの国を魔物や災害から守ってもらっておいて図々しく言えたものね!!」



リコリス達ですら見たことの無いほどの鬼の形相でセレナは激怒していた。




今日は夕方にもう1話投稿する予定です。(たぶん…)

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