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日本語がおかしい所がありますがどうか察してください…!
「……」
この静寂を打ち破ったのは刃を砕け散らせた張本人であろうリコリス・アストレア公爵令嬢であった。
「嗚呼、やっと解放されましたわ。」
ニコッ
民衆はこの令嬢の笑顔で自分がこの先命がないことを悟ったのだろう。皆絶望に打ちひしがれ、中には祈っているものさえいる始末。祈る対象である女神は目の前に居るというのになんと愚かな事か。
だが民衆の様子を見ても(そもそも見ていないかもしれないが)この殺気を感じることの出来ない程の馬鹿がこの場所にいた事をリコリスは失念していた。
「何で罪人の貴様が断頭台を破壊しているっ!!!」
王族席の方から脳が足りないと一発でわかる怒鳴り声が上がる。忘れていたがそういえばそういう方だったな…この国の殿下は。この状況でよくその言葉が言えたものだ。この時の隣に座っているリリアナ・エミローズの青ざめた顔の面白さと言ったら。
いいだろう受けてたってやる。
負ける気は毛頭ないが。
「あら?なぜとお聞きになるの?うふふ」
リコリスは余裕の笑みを浮かべこの馬鹿を見据えた。ここまで来ると尊敬する程の空気の読めなさだ。
「もちろんこんなくだらない冤罪で命を無駄にしないためですわ」
さすがにここまで言えば少しは言いたい事が通じるだろう
……と思った私が浅はかだった。
「くだらないだとっ!!!!!!」
「……?」
「か弱いリリアナが貴様から嫌がらせを受けて悲しんでいるんだ!貴様みたいな神経の図太い女と違ってリリアナは繊細なのだぞ!」
何を言い出すんだこの馬鹿殿下は。ここまで話が通じないとは。いくら温厚な私でもさすがに限界だ。
「私が神経の図太い女ですか…。」ニヤッ
「どう思いますかシエル?」
その呼び掛けにいつからか私の隣にいるチョコレート色の髪の丸メガネをかけた青年が応じる。
「何事にも信念を貫き嘘をつかない誠実な美しい女性と仰りたいのでしょうがあまりにもお頭の方が足りないために出た表現かと。」
明らかにこの青年の目には殿下への怒りが揺らめいていた。大切な愛らしい主人が自分のいない間に処刑されるところだったのだ。彼の心の中は怒り狂っていた、
「貴方様の行動の何から何までが、私の心に膨大な嫌悪感を感じさせるので、1度お隠れになられてはいかがでしょうか?」
…のをそのまま口に出した。
「シエル…そのような難しい言葉を使ってしまったら殿下には到底伝わりませんわよ。」
くすくすと笑いながらリコリスがフォローになっていないフォローを入れる。
「それもそうですね。でははっきりと言わせていただきます。貴様の何もかもが気持ち悪いからさっさと失せろ。」
この言葉に殿下は怒り狂った。
「たかが使用人風情が第一王子の俺にそんなことを言っていいと思っているのかっ!」
と殿下が言ったところで、そこにまだ幼さを残す愛らしい少年の声が響いた。
「じゃあ言わせてもらうと、たかが第一王子風情がなんで僕の姉様を侮辱していいと思っているの?」
幼さを残しながらも人をひれ伏させる威圧感を持つ少年の乱入で更にこの場は凍りついた。
ここから色々な人たちが乱入してきます。