0章「非現実的」
初めて書きましたが難しいですね。のんびり投稿しますので暇な時にでも見てやってください。
異世界。それはただの妄言でしかないと認識されている夢。実在するのか、どうやって移動するのか、オカルトでも異世界は有名だ。異世界に行きたいと願う人も少なくないのではないだろうか。神なる存在がいることを願う人間なら異世界もあっては可笑しくないのでは?魔法はあるのでは?単純な世界はつまらない。知性あるからこそ非現実的なものを願うのだ。
「はぁ、手から炎でも出せねぇもんかなー」
「また言ってるのか?いい加減試験勉強しろよ。前回の数学赤点ギリギリだろ」
「可木はいいよなー!学年四位なんだからよ!」
キレ気味で言う後ろの席の...えーと。誰だっけ?俺は名前を覚えるのが苦手だ。そして我が名は鈴木可木だ。これでも剣術は得意だ。そしていつも狐のお面をつけている。
「ねぇねぇ!可木くんまた万引き犯を捕らえたんでしょ!凄いよねー!」
女子群がってきた。正直身近にやべぇ可愛いやつが一人いるからドキッとはしない。
「まぁな。お前らそろそろ座れ今日は先生が転校生来るって言ってたろ」
無愛想に言うのはいつもの事だ。
「あ!転校生来るんだ!早く座ろ!ちゃくせーき!」
まったく。元気いいな。
転校生のことは正直気になる。
「転校生か....」
声に出てしまった。まぁいい。
この時何故か俺はあの人との出会いを思い出した。あれは確か四月十三日だっけ。
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「せい!やぁ!」
剣の練習中に突然暴風が吹き荒れる
「なんだよ!急に!息がしにくい!」
ドン!と大きな音がした。
急いで俺は向かった。何故だか分からないが。
ガサガサ。
「きゃ!」
女の声だ!なにかあったのか!
「大丈夫ですか!」
急いで向かった先には美少女がいた。
俺の頭の中では物凄い情報処理が行われていた。
《推定身長165.8!赤黒い綺麗な瞳!黒く長いつやつやした髪!etc...》
「アイタタタ...」
膝をついて少女は言った。どうやら足を怪我したようだ。
俺の脳内情報処理は終わっていた。ここはイケメンみたいに手を指し伸ばそう。
「お嬢様。私と来ませんか?」
ミスったぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!
初対面でお嬢様ってなんだよ!来ませんかってなんだよ!誘拐犯じゃねぇか!
刹那。目の前の景色が変わった。さっきまでいたのは山奥だったはずなのに。そこは木々がない土がえぐれたボコボコの土地に変わっていた。
「え、?一体なにが?あっ彼女は!?」
美少女の体からは紫の稲妻のようなものが出ていた。俺は正直チビりそうだ。
目の前に非現実が来たのだ。それもとんでもないのが。
「ごめんね。びっくりして魔力を使っちゃた。私はペテルギウス・アナリシスです。」
ペテルギ...なんだって?日本人じゃないのか?見た目はどう見ても日本人だ。英語圏の人でもない。そういえば魔力なんて言ってたな。まさか異世界人とか言うやつか?そんなことあるのか?
情報がまとまらない。おかしい。俺は生きてるよな。夢じゃないんだよな。冷や汗が止まらない。混乱している。
「あっ!ごめんね!魔力とか分からないよね」
何かに気づいたようにアナリシスは言った。俺の表情を伺っているようだ。まさか食われるのか!?
「魔力ってなんですか?あなたは一体誰ですか?森を壊したのはあなたですか?誰にも言いませんから」
少し冷静になった俺は咄嗟に言った。俺も気になったのだ。許してくれ。
「絶対に言わない?約束だよ?」
戸惑ったような顔で言った。手を強く握っている。他人に知られてはまずいらしい。
「わかった」
真剣で、泣きそうな顔で言う美少女に俺はそう言うしかなかった。いや、それしか言えなかった。
「ありがとう。じゃあ話すね。長くなるからよく聞いて」
真剣な顔でまた言う。正直心臓バクバクだ。ヤバい。俺なんか国の人に抹殺されないよな?いや!ここで引き下がるのは男じゃねぇ!
「じゃあ話すね。私は太陽王国から来たの。簡単に言うと異世界ね。私の世界だと全ての人間が魔力と呼ばれる特殊能力を持っているの。どんなものがあるのかって言うと...。そうね、知ってる人だと電撃、幻覚、幻影、破壊、千里眼、火炎球なんかね。私は分解の魔力よ。自分を中心に半径2m以内の物質を粉々にできるの。さらに10mまで範囲を広げれば10m内の物を半壊させられるわ。さっき森をなぎ倒したのは10mの方ね。話を戻すけど、私がこの世界に来たのは太陽王国が戦争状態になったから。防御系の魔力を持つ人が国を守ってる間に本当は別の星に行く予定だったの。でも私だけここに来ちゃったってこと。この世界は平和らしいから私はここに住む予定よ!だから家をください!」
こいつは何言ってるんだ。確かに日本は平和だけど。ペテルギウス・アナリシスと言う名前で過ごせるのかも分からない。
「あっ!ペテルギウス・アナリシスって名前もダメだよね...」
わかってるじゃねぇか。
「なら崩条園と名乗るわ!」
「いいじゃないか」
別に違和感ないだろう。しかしさっきの能力は化け物だ。原理は分からないが異世界人ってことで間違いないらしい。
「家が欲しいのか?」
「くれるの?」
「知り合いに当てがあるんだ。頼めばなんとかなるだろ」
家を貸すことを決めた俺は知り合いに当てがある事を惑わず伝えた。園は異世界人なんだよな。俺は心の中ではまだ戸惑っている。
「君の家族は一緒に異世界に来なかったのか?」
一人で来たのか気になったから聞いてみた。好奇心と言うやつだ。
「家族なら弟がいるよー!でもこっちには来てないから呼ぶしかないね。こっちの世界にいる能力者に協力してもらうよ」
「地球にも能力者がいるのか?」
「実際は私たちと同じ異世界人と地球人のハーフね。昔一人だけ地球に来た人がいたみたいなの。詳しくは知らないよ」
「そうなのか...」
過去にも来ているのか。とりあえず家まで行こう。
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長い長い回想から帰還した。
ガラガラ...
「今日は昨日言った通り転校生を紹介する。仲良くしろよ。入ってきなさい」
入ってきてすぐに担任の先生は言った。毎回やたらと声がでかくいつもうるさいおっさん。と思っているのは俺の心の内にしまっておこう。
ガラガラ...
転校生が入ってきた。
漆黒の髪...
赤黒い綺麗な瞳...
ボッサりした髪の毛...
そしてイケメン...
まさかこいつが園さんが言ってた弟なのか。俺はすぐに気づいた。赤黒い綺麗な瞳は園さんそっくりだ。
「どうも。転校生の崩条 黒です。よろしくお願いします。上の学年に崩条 園と言う姉がいます。不登校なので知らないと思いますが」
俺はやはりと思った。思ったというか気づいたのか。異世界人って会えるもんなんだなと思ってしまった。非現実的なことが現実に来たのだ。思考はぐっちゃだ。
「こんにちは。鈴木可木くん」
彼はにっこり笑ってそう呟いたのを俺だけが気づいた。
この作品は実体験などを少しモチーフにしたりしています。まだまだ下手くそな僕ですが続けていくうちにどう変化するのかも見ていってください!