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会話
「はぁーだめね。魔石もろくになかったわね。前の魔物は、ろくに強いやつがいなかったせいね…」
(ぎくり…それは俺様の事だろうか?)
「あのマリアさん」
つんつんとマリアの服をつつく。
「そのぉー強かった魔物、他にいませんでしたか?」
俺様の問いにマリアが首を傾げた。
「そうねぇー変な獣みたいなのが突っ込んできたわね」
「ほうほう」
俺様は人間の小さい耳で聞き耳をたてる。
「それで、どうだった?」
「うーん。魔石もでなかったし、大した事なかったかも」
(ガクッン…)
獣王であった俺様ことダブラ様の全力が無駄だったのかと思い項垂れてしまった。
「でもぉー意外と良かったわよ」
項垂れた俺様であったが、その言葉で気力が戻る。
「ふふっそうでしょ、そうでしょ」
俺様はうんうんと頷いた。
「何よ気持ち悪い。さぁー仲間を探しにいくわよ」
自称勇者であった男は今は獣王ダブラの心が宿っている。
自称勇者の仲間はいったいどんなやつか気になるダブラであった。