装備
「それより、この装備ボロボロだな。どこ産だ?」
俺様々は、元勇者の装備をみて呟いた。
「そうね。やっぱり調理場から集めた装備じゃ駄目ね」
「えっ?」
俺様は自分が装備しているのをよく見た。
焦げていてわからなかったが、皮の鎧かと思いきや、ただの布を巻いてあるだけである。おまけに兜は鍋である。
「あのっマリアさん。俺…勇者のレベルって?」
「えっレベル3になったばかりじゃない。ちなみに自称勇者でしょ、忘れたのダブラ様」
困った顔でマリアが俺を見る。
「へっ、自称って? 勇者じゃないの俺様は?」
「自分で言ってたじゃない…マリアは俺が守る。俺が勇者だってね」
顔を少し赤らめマリアは言った。
(俺様としたことが…勇者を間違えたか…しかし情報では勇者は、この村に現れたと…)
「マリアさん…ちなみに本物は…どこでしょうか?」
下手にマリアに聞いてみた。
「私達がきた時にはいなかったわよ。私達の目的も忘れたの?本物の勇者が倒した魔物が落とす魔石集めじゃない!あとは戦いがあった村から、おこぼれを貰うの…勇者としてね」
ウィンクして可愛らしさを見せているが、まるで盗人である。でも一応、手助けしてるから悪い行為ではない。魔王様の方が悪い。
(それにしても勇者間違いであったか…それにしてはマリアが強すぎなのが気になる)
「あのマリアさんのレベルわぁーいくつですか?」
(バシッ)
「いてぇぇー」
「レディーにレベルなんて聞くなんて失礼よ。さぁー早く行くわよ。村の弁償されたら、たまったものじゃないわ」
村を焼いたのは間違いなくマリアである。マリアは
「悪い事をしたわ」
そういい俺様とマリアは足早に村から遠退いたのだった。