目覚め
「目が覚めたのね。勇者様」
目が覚めるとそこは小屋の一室の部屋のベッドの上であった。
布団が気持ちさを誘う。
俺は頭が混乱しているようだ。
「俺はダブラ様だ」
そう声の主に話しかけるが、俺の額を当てデコピンをした。
「何寝ぼけた言っているの、この勇者様は?」
「へっ」
今、俺の事を勇者といったような。
首をかしげている自分に対し、その声の主の少女言った。
「だ・か・ら、勇者様。あなた下級モンスターと戦い意識失ったでしょ。覚えてる?」
「う~ん全然」
素直に答える勇者ことダブラであった。
「村はあたしが守ったから安心して」
その声の主は、あの戦いで魔法を使っていた少女であった。
ということは俺様はやられてしまったんだろう。
そしてなんらかの影響で心肺停止の勇者に俺の意識が移ったのである。
でもこのことを、この少女に言ったら、また魔法で消されかねない。
ここは黙って勇者のふりをするしかない。
そして隙をみせて逃げ出すのだ。それから俺は勇者として、この少女と冒険することになるのである。
打倒魔王ニーデ様。
様をつけたが、こういわなければ自分が自分でなくなる気がしたからだ。
俺は獣王ダブラ様である。
そう意気込んだが、またもや少女のデコピンが自分の額に当たった。
「いてぇー」
デコピンがこんな痛いものなのか?それともこの少女の力が強いのか、そう思ったがたかが人間の力はしれていると思うダブラであった。