表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同期の佐原さんと俺  作者: れをん。
1/2

同期の佐原さん。

立花たちばなくん、この資料お願いね」

「了解っす」

 俺は上司に仕事を貰う。今回貰った仕事は、まぁ楽と言えば楽。今日中に終わるくらいである。チェック期間が3日後なので、2日間暇できるわけだ。

「あら、立花くんじゃない」

「あ、どーもっす。ちがや先輩はもしかして、これからお昼ですか?」

 この美人でスレンダー。しかも胸が発達している絶体的人間は、ちょくちょく仕事柄絡むくらいの上司だ。俺が茅さんと会話していると、背中に殺意の帯びた視線が刺さってくる。

「そうそう。立花くんも一緒にどう? まだ食べてないんじゃない?」

 胸元あるほくろが溜まらなくエロい。俺は誘惑されているのでは? なんてバカなことを考えてしまえるほど……。

「いえ遠慮しときます。今日中に終わらせたい仕事があるんで」

「んー……そっかあー。わかったわ。仕事がんばってね」

「ありがとうございます。また機会があれば」

 お昼を食べに行く茅さんの背中は少し曲がっているようにみえた。


 腕時計で時間を確認した。

 作業を始め2時間が経過。14時30分を回るところだった。定時まで残り時間はわずか。

「立花くん」

 作業を再開させようとしたところに上司がやってくる。

「ごめんけど、この資料もお願いできるかな? 期間1日伸ばすから」

 こういう後からゴメンタイプは多い。実際今やっている仕事と合わせても2日間で終わる。余裕だった。

「わかりました」

 引き受けた矢先に最速で1個目の資料を完成させていく。

「あれ立花くんじゃない」

 俺が集中しているにも関わらず声を掛けてきたのは、やたらと絡んでくる同期の女性。負けず嫌いだとか……そのため仕事上で何かと絡んでくる奴だ。

「どうした、佐原さはらさん。俺は見ての通り仕事をしているんだ。君みたいにコーヒー片手に暇を過ごせないんだ」

「へえー。どんな資料作ってるの?」

 モニターを見ながら手にある資料を渡した。

「はあ!?」

 資料を読み始めて終えるまで約2分。

「いまどのへんまでいってるのよッ」

 佐原は俺の画面を無理やり覗き込む。その姿勢に俺は椅子から離れた。

「早すぎでしょ……」

「そうか? こんなもんだろ。佐原さんと同じくらいのペースだと思うんだが。言ったら、佐原さんより遅いけどな」

「そ、そ、そうね……まだまだかな、立花君は」

 コーヒーを持つ手が震えている。負け嫌いというのは、この辺の態度で見て取れる。

「あの、佐原さん……」

「あ、あんた……佐原くん……まぁ、なかなか……ね」

「いや、佐原さんコーヒー……」

 佐原は手が震えコーヒーをちょびちょびと溢していた。

「ああああ!! ごめんなさい!! 資料があ……どうしよ……どうしよ」

 慌てだす佐原を見て唖然としてしまえる。今の佐原……めちゃくちゃ弱そおー。

 冷静になっていない佐原だが、どっからか台拭きのタオルを取ってきて、一生懸命にコーヒーを拭きとっていった。

「ほんとうにすまない事をした」

 佐原って誤れるんだ。などと感心してしまった。

「上司の元には私もついていく」

「そんなことはやらなくていい。一人でいくから問題ない」

「いや、これは私のケジメである」

 何そのセリフ……かっけえー。


 「先ほどは……その……すまなかった」

「別に気にすることも無いだろ。まぁコーヒーは机に置いて話をした方がいいぞ」

 佐原がついてくるとのことで二人で上司の元へ行き、資料を再発行して貰った。佐原も頭を下げた姿で上司も納得。上司は怒るような人柄で無かったため怒られるようなことも無く、無事今に至る。

「立花は怒らないのか?」

「なんで?」

「面倒なことが出来て……」

「そのくらいで怒ってたら人生お手上げじゃね」

 俺の言葉がしっくり来たようで佐原は黙り込んだ。

 腕時計の時間確認すると……15時。

「俺は仕事に戻るけど佐原は?」

「私もそうする」

 佐原は、二人きりの時は基本静かだ。変に威張ったりするが、今の感じで可愛らしく見える。

 小柄で肩は華奢。ハグしたくなるような身長の低さ……たぶん150後半とか? 顔も可愛い系に寄っている顔立ちだ。

 簡単に言うとモテモテ女子だな。

「じゃ、俺デスク戻るわ」

「あ、うん」

「あ……定時に帰れなさそうだったら、佐原の事恨むから」

「やっぱり怒ってんじゃん!!」

 佐原とのやり取りは面白い。ダル絡み以外であればだけど――



お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ