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広がる世界2  作者: HGCom
7/17

007 デスペナルティ

少し修正しています。

 今日も学校では『裏研』の部活をやって、帰宅中と夜は戦闘を重ねた。

 その結果レベルが4になって、モンスターの種類と取得できるスキルが追加された。

 追加されたモンスターは、【キラービー】と【吸血こうもり】だった。


「ミゲル、空飛ぶ敵が表れるなんて、三次元になって急に難しくなってないか?」

「まだ敵先制の遠距離攻撃や魔法攻撃もない、通常攻撃の敵だから大丈夫だろう!」


 俺の不安をよそに、いつものポーズで楽観的に返事してきた。

 ちなみに、新たに取得できるスキルは[レーダー(低空)]だった。


 ------------------------------------------------------------

[レーダー(低空)]……ある程度の低空にいるモンスターも発見できる。[レーダー]コマンドを実施した際に反映される。【取得ポイント250】

 ------------------------------------------------------------


 スキルの説明を読んで、疑問に思ったのでミゲルに聞いてみた。


「空飛ぶモンスターって、レーダーにひっかからないのか?」

「あぁ、残念ながら初期のレーダーでは、地上3メートルの高さまでしか調べないぞ。[レーダー(低空)]のスキルなら、地上50メートルのモンスターまで調べてくれるようになるから、是非取得するのをオススメするぜ!」


 空飛ぶモンスターは脅威だな。

 真上から接近されると、先制攻撃受けそうだし、あっと言う間に倒されてしまいそうだ。

 そういえば、ダメージをくらった事あったけど、ライフメーターが0になった事は無かったな……。

 ダメージは、時間経過で徐々に回復していたから、なるべく攻撃を受けないようにしてたけど。


「ちなみに、ライフが0になるとどうなるんだ?」

「死ぬな!」

「いや、サラッと言われてもな……。それで、プレイ再開したり生き返ったりできるんだよな?」

「一度死ぬと、肉体情報を再構築するのに時間がかかるから、その間は以前の強さでプレイできないぞ! 死んで3時間したら、元のレベルで戦闘できるけど、それまではレベル1のステータスで戦う事になるから、しっかり休む事をオススメするぜ!」

「3時間!!」


 それはつらいな……。

 というか、それはゲームバランス的にどうなんだ?

 普通はデスペナルティなんて、数分とかじゃないのか?

 ゲームなんだから、プレイ再開するのに、そんな()きるような時間かけてたら、くそゲーだとユーザが(はな)れそうなんだけど。


「一応、肉体情報の再構築が終わらなくても、すぐに元のレベルでプレイできるようにする方法もあるぞ! あんまりオススメしないけどな!」

「すぐ!? えらい差じゃないか。ちなみに、その方法って何だ?」

「ポイント消費することだな! 具体的な計算は省くけど、今ならレベル4だから120ポイントかかるぞ!」

「高っ! いや、死んだらお金半分とか、所持金0になるとかいうゲームもあるから、高いとも言えないのか?」

「ちなみに、肉体情報の再構築が終わる前に再度死んだら、次回は強制的に3時間かかるからな!」


 あいかわらず、何で嬉しくない情報でもサムズアップするんだコイツは!

 今、保持しているポイントが186だから、一度なら死んでもすぐに元のレベルで再開できるけど、ミゲルが言うように今のレベルなら、3時間ゲームせずに休んだ方がマシかもしれないな。

 夜中補導されても困るから、どうせ平日は、夜くらいしか連続でできないし。

 でも高レベルで死ぬと、きっとその分多くポイントが必要になるパターンだよな。

 そうだとしたら、キャラ育成に余計な時間がかかる。

 こうなってくると、死んだ時の話より死なない方法が欲しくなるけど……。


「最初に聞いた気がするけど、このゲームって課金制度ないのか?」

「あぁ。課金による難易度軽減などの方法は用意されないな。ゲームイベントが時々発生して、ランキングが出るんだけど、課金で順位に優劣ついたら、ゲーマーとして興ざめだろう? だから制作サイドは、泣く泣く課金制度を採用しなかったんだ」

「そっか……」


 そう言うの聞くと、課金は無しだな。

 課金ありだと、社会人かお金持ちが上位独占しそうだし。

 そんなんで裏世界行きが決まるなら、いくらでもお金つぎ込む人とか出てきそうだ。


「だったら、自分のライフを回復できるようなアイテムやスキルって登場するのか?」

「今のところ、アイテムを用意する予定は無いな。ただ、回復できる魔法がレベル8になったら取得できるぞ!」


 そっか。

 モンスターを倒してレベルを上げるゲームなのに、全くアイテムドロップしないなんて、中々見かけないよな。

 一応ポイントが取得できてはいるけどさ。

 まぁ、ゴチャゴチャとアイテム管理しなくて良いのはイイけどな。

 俺は、回復アイテム(小),(中),(大)とか色々出てくるのも面倒だと思うタイプだし。

 でも人によっては、装備を整えたりする楽しみや、アイテムで回復しながらの戦闘を楽しむ人もいるだろうし、少し物足りないって感じるかもな。


「ちなみに、回復魔法を取得するのに必要なポイントってどれくらいなんだ?」

「確か1200ポイントだぞ!」


 うーーん。

 今のところモンスターが強くなると、当然取得ポイントも高くなるけど、その分倒すのが難しくなるんだよな。

 そのレベルになる頃には、それくらい簡単に稼げるなら良いけど……。


 そんなやりとりをミゲルとやってたんだけど、レベル4になって最初に遭遇(そうぐう)したのは、【吸血こうもり】だった。


「上だ、よけろ!」


 ミゲルが、いきなり叫んだ。


「え?」


 いきなりの事で戸惑っている間に、初撃をくらってしまった。

 反撃しなければと、頭で考えているうちに二撃目までくらってしまう。


「くそっ!」


 その後向かってきた敵をようやく剣で斬ったけど、一度のダメージでは倒せず、少し距離を取った敵が再度攻めてきた。

 返り討ちにしてやるつもりで、タイミングを合わせる。


「あーー!」


 だけど、斬る向きが真横だったので、少し高く飛んだモンスターの下を空振りしてしまった。

 その(すき)に三撃目まで食らってしまったが、その次は縦向きに攻撃して、なんとか倒すことができた。


 ライフを見ると、さっきまで満タンだったのに3分の1ほど減っていた。

 今までと違って、上空から迫ってくる敵の接近に不意をつかれたため、全く反応できなかった。


 前に聞いたが、ミゲルのモンスター接近情報の通知には、限度があるらしい。

 こちらの攻撃できる距離や、レーダーや目視で確認できる場所に相手がいないと、知らせてくれないらしい。


 いつもの接敵通知は、前方なら見える距離で、見えない方向でも石投げが有効な50メートル時点でミゲルが教えてくれたんだ!

 当然、モンスターも種類ごとに、こちらの存在に気づく距離が違うみたいで、一方的にこっちから(石で)攻撃できる相手もいる。

 例えば、【スケルトン】とかな。


 なので、今回の上空からの急な接近については、ミゲルも気づいてなかったようだ。

 数秒おきにタップしていたレーダーにも映らなかったし、これは早々に[レーダー(低空)]を取って、上空も警戒する必要がありそうだ。

 幸い【吸血こうもり】の動きはゴブリン並みの速度だったから、落ち着いて攻撃すれば大丈夫そうだ。

 まずは、足りないポイント貯めて、スキル取得を目標とするか。

 スキル取ればミゲルの接敵通知も強化されるから、対応できるようになるはず!


「ミゲル。ライフが満タンになるには、あとどれくらい時間がかかるか分かるか?」

「そうだなー。じっとしていれば5分程度かな? ずっと動き回れば、50分はかかると思うぞ!」


 ちゃんと計った事なかったけど、ライフ3分の1回復するのに、5分静止する必要があるのか……。

 それだと、完全回復する前に、別の敵に出会いそうだから難しいな……。


 その後、【キラービー】とも戦闘したが、【吸血こうもり】が体調50センチ程度だったのに対して、【キラービー】は体調10センチ程度の(はち)だった。

 しかも若干素早くて、かなり攻撃が当てにくかった。

 ただ、あまり上空まで飛べないのか、地上3メートルしか効かないはずの現在のレーダーで、接近がわかっていたのがせめてもの救いだった。

 とは言え、その戦闘でライフは更に3分の1減って、残り3分の1くらいになってしまった。


 その後、時々目視で空からの敵を注意しつつ、平地はミゲルのアナウンスで接敵を注意して自宅に帰ろうとしていたんだ。

 でも、夜に黒い体の【吸血こうもり】を確認するのは難しく、結局その次に後ろからきた【吸血こうもり】にライフを0にされてしまった。


 キャラもモンスターと同じ様に、はじけるようなエフェクトを残して消えるんだなーなんて、若干逃避した気分で、そのエフェクトを見ていた。


 [復活しますか?]というメッセージで<はい>を選択すると、キャラはすぐに復活したけど、直前までよりあきらかに攻撃速度が遅く、ダメージ量も減っていた。

 まぁ、石は2個でなく4個まで持てるから、何から何までレベル1になるんじゃなくて、あくまで身体能力が下がっただけみたいだ。

 それなのに、先制攻撃もしてくるし、空からの攻撃もあるんだ。

 できなくはなさそうだけど、ゴブリン以外は倒すのも難しい。

 結局、復活した後は少し動きを検証して、アプリを終了させたまま自宅に帰ることにした。


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