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広がる世界2  作者: HGCom
2/17

002 ゲームアプリなのか?

更新は不定期です。

一週間に最低一部分は投稿したいです。

 妹の愛梨に、何のアプリなのかと追及されつつも、食事休憩に逃げて有耶無耶(うやむや)にしてやった。

 食事中に(うるさ)くすると、両親とも注意してくるからな。

 それで愛梨より先にメシを食った後、自室に戻ってドアに鍵かける。

 ちょっと大人げない気もするが、そこまでして邪魔者(愛梨)も聞きたいわけじゃないだろう。

 きっと時間を開ければ、お互い忘れてしまう程度の問題だしな。


 スマホを放置してメシにしたから、絶賛『切α』が起動中で、本体も「圏外」のままだった。

 『広がる世界2』とやらの画面もメッセージが出たままだったので、とりあえず[OK]――[OK]以外に、[キャンセル]などは無かった――してみると画面が切り替わった。


 ……これ、どう見ても単なるカメラアプリだよな。


 スマホの背面にあるカメラの映像が、画面に映っている。

 スマホを動かすと映像も動くし、手をかざすと手も見える。

 なんか少し拍子抜けした気がしたが、操作アイコンもシャッターや画像の編集などだし、完全にカメラアプリだな。


「なんだ、驚いて損したな!」


 カメラ程度の害の無いアプリなら、ホーム画面から動かせなくても、まぁ許せるか。

 唯一『広がる世界2』という名前だけは気に入らないけど、ウイルスに感染したと思えば我慢もできる。

 これなら、ショップに持って行くほどじゃないかな。

 修理代かかって、小遣い引かれるのも嫌だしな。

 そう思って、起動中だった『切α』を切ると……。


 チャラララ チャー チャッ チャーー♪


「うるさっ!」


 いつもスピーカーの音量は下から2番目くらいにしてあるのに、いきなりMAXになって、某ゲームのレベルアップ音が流れた。

 軽快なリズムの効果音だけど、この状況で流れるなんて、嫌な予感しかしない。


「まさか……」


 そう思って、『広がる世界2』を見てみると、さっきは無かったアイコンが一つ増えていた。

 恐る恐るタップしてみると、カメラ画面から地図画面に切り替わる。


 どこの地図だろう?

 見慣れた地図アプリの地図じゃないし、三割くらいが黒塗りなんだけど……。

 特にセキュリティソフトがウイルスを検出したとか、問題が発生しているわけでもなかったから、そのまま地図を眺めていたが、どうやら川や道の形状から、家の周辺だとわかった。

 黒塗りの部分が予想以上に見にくくて、すぐには気づけなかったんだ。


 画面の中央に、現在位置を指し示すプロットのアイコンが表示されている。

 カメラ画面から地図画面に変わって、メニューやアイコンもいくらか変わっている。

 アイコンの中に「レーダー」というものがあったので、とりあえずタップしてみると、地図中の幾つかの地点に赤い●の点が表れる。

 一番近い●は、家から200mくらい離れたコンビニのあたりだろうか?


「なんなんだ、このアプリ?」


 カメラなのか地図なのか、どっちかよくわからないけど、どのあたりが()()()()()なんだ?

 ゲームでありがちな、黒塗り部分にいけば見える領域が増えるとかいうものなのか?

 でも、日本地図くらい他の地図アプリで見れば済むし、今一つこのアプリの意図がわからん。


 ……と、そういえば、ネットで調べてなかったな。

 そう思って、『広がる世界』で検索してみると、聞いたことないゲーム会社のホームページが表示される。


「へー、開発中のゲームアプリね。公開は今月末か……」


 詳細を読むと、元々GIS(地理情報システム)を使った地図アプリを作っていた会社が、子会社としてゲーム開発の会社を(つく)ったそうだ。

 それで、AR(拡張現実)を使ったファンタジーな世界を舞台にして、位置情報ゲームを開発しているとの事だった。


「あぁ、そーいえば、その手のゲームは、少しだけやったな……」


 ARゲーム自体は、去年流行ったタイトルがあって、スマホを買ってすぐにやったんだ。

 100年前のリバイバル版だというそのゲームは、画面を通して見ると、現実世界にいないモンスターが見えて、ボール型の捕獲アイテムをぶつけると、そのモンスターをゲットできるというものだった。

 ゲットしたモンスターは、育てたり戦わせたりトレードできるというゲームだったんだけど、捕獲するボール型アイテムの補充が面倒だから、一週間ほどでやめてしまったんだ。

 俺が始めた時は、少し流行も終わりかけていたしな。


 ARゲームっていうなら、この『広がる世界2』ってのも、同じジャンルのゲームアプリなのか?

 でも、1(ワン)を開発中なのに、なんで2(ツー)が俺のスマホに入ってるんだ?

 売れる前から、続編を作る事が決定していて、誤ってそっちが出てたとかいう事なんだろうか?

 サイトを詳しく読んでみるが、2(ツー)の情報は全くない。

 かわりに、2日前まで若干名のテスターを募集していたらしく、無償でベータ版を提供していたらしい。


「つまり、俺が知らずにアクセスしてしまって、ベータ版入れて、それがバグで消せないって事か?」


 そんなことあるのか?

 バグがあったとしても、起動できないとか固まるとかそんなとこだろ?

 消せないって……。


 まぁ、現実に俺のスマホにそれっぽいアプリが入ってるしな。

 この『広がる世界2』の『2』も開発中のためバージョン2とかそんな可能性もあるのかもだし。


 考えても答えが出るわけじゃないし、ゲームだと言うなら動作確認くらいしてみようかな。

 ARという事は、カメラモードだったら何か現実にいない物やキャラが見えるかもしれないし。

 そう思って、再度カメラモードに切り替えて室内を見てると、俺の膝の上に、10センチくらいのソイツが見えた。


「うわっ!」


 あまりのリアルさに、ビビったけど、ドラゴン○エストに出てくるミニデーモンのキャラによく似たやつが、スマホ越しにこっちを(のぞ)き込んでいた。

 しかも、何か口を動かしているから、しゃべっているみたいだ。

 これは……なかまに なりたそうに こちらをみている……んじゃないよなー。

 でも、吹き出しとか会話文が画面に表示されてないんだよな。


 んー、もしかして、コレか?

 [スピーカー&マイク]のアイコンがOFFと表示されていたので、ONにしてみるとイキナリ声が聞こえだす。


「おい、このマヌケ、俺の言っている事が聞こえんのか!」


「……」


 全然、なかまになりたそうじゃないな。


「だいたい、こんなひょろっちぃガキがホントにそうなのか? 本人確認が終わったって言うから来てやったのに、さっきからバグだとかベータとか何言ってるんだ?」


「……」


 なんていうか、そういうキャラなのか、まるでこっちを見ながら話をしているような口ぶりだな。


 まさか本当に見えてたりしないよな?

 キャラを動かすオペレーターとかいて、カメラで俺の事を見てたりとか……。

 今の映像が録画でもされていたら嫌だな。


 既に手遅れかもしれないけど、とりあえず、未だキャラの声が聞こえてない(てい)で、目の前の小悪魔に視線を合わせないようにして、静かに[スピーカー&マイク]のアイコンをOFFに戻す。

 それで、再び『切α』でスマホを圏外にする。

 仮に通話したり、遠隔から映像を見てるなら、電波が圏外になれば使えなくなるはずだしな。


 圏外の状態で再度、[スピーカー&マイク]のアイコンをONにしてみたが、やっぱりミニデーモンがこちらにガン飛ばしながら話をしている。

 ま、見た目ミニデーモンだから怖くなくって、むしろ頑張ってる姿が微笑ましくて可愛いんだけどな。

 ただただ口が悪い。


 つまり、オペレーターが見ているって線は消えたかな?

 リアルタイムで誰かと通信してるんじゃなくて、こちらの声や行動に対して会話できるシステムとかAIが入ってたりするのか?


「……おい、さっきからこっち見てビクビクしてんなよ、俺の事見えてんだろ?」


 自信無さ気に覗き込んでるくせに、言動は強気なキャラだな。

 いい加減、このちょっと口の悪いキャラに返事してみるか。


「あのさ?」


「お、やっと声かけてくれたか。なんだ聞こえてるんじゃないか、不安になって有ること無い事色々しゃべった気がするぜ。俺は、悪魔族のミゲルだ、よろしくな!」


「お、おぅ。よろしく」


 お、口は悪いままだけど、意思疎通できてるっぽい会話になったな。

 単に、不安をごまかすために虚勢を張ってるという設定だったのか、驚くほど落ち着いたトーンで挨拶してきた。

 カメラをミゲルに向けて声をかけると、受け答えしてくれるのかな?

 ちょっと話しかけてみるか。


「それでさ――」


「――ちょっと待ってくれ、物事には順序ってものがあるんだ。まずは、えーーっとなんだったっけ?」


 そう言って、片手を前に出して待ってくれといったポーズのまま、画面の中のミゲルが「カンペ」と書かれたメモをチラチラ見てる。

 と、見終わったメモをしまって、手にフォークを持って、定型文っぽい口調で話し出した。


「このアプリは、使い魔と共にゲームの中のモンスターを倒して、レベルアップさせたり、スキルアップさせたりして、プレイヤーのキャラクターを育てる事ができるんだ。モンスターを倒す事でポイントが手に入って、それを使ってスキルがゲットできる。ゲットできるスキルの種類は、レベルアップやクエストクリアごとに増えるんだ。なお、このゲームに課金制度は無いから、皆必死こいて遊んでくれ!」


 画面の中で、イイ笑顔でサムズアップする。

 説明し終えて、やりとげた感を出してくるミゲル。

 小さいし、やっぱりフォークを片手に持ってるところが愛らしいな。

 でも、このキャラって完全にあのゲームのパクリだろ、いいのか?

 まぁ、悪魔が持つ三つ(また)の武器って割と有名だし、微妙に色とか違うからパクリにもならないか。

 見た目ミニデーモンだし、おそらくこのキャラが、使い魔なんだろうな。

 これがAIだとしたら、どの程度の質問に違和感なく反応してくれるんだろうか?

 ちょっと質問してみようかな。


「ミゲルって、オペレーターの人がしゃべってんの?」


 すると、やっぱり「カンペ」と書かれたメモを見ながらフムフムと読んで、話し出す。


「お客様の質問は、意味わからねぇ。わかるように聞いてくれ!」


 何故か、話し終わりはサムズアップのポーズだ。続いて、他の質問を続けてみる。


「好きな子はいるのか?」


「お、客様の質問は、意味わからねぇ。わかるように聞いてくれ!」


 お、顔色は変わってちょっとドモるのな。

 定型文ってわけじゃないのかな?


「ミゲルの歳は、何歳なんだ?」


「俺は15歳だぜ!」


 そこは、設定があるのか、違ったセリフだな。


「う○こ味のカレーと、カレー味のうん○なら、どっちがいい?」


「お客様の質問は、意味わからねぇ。わかるように聞いてくれ!」


 他にも幾つか質問したけど、まぁ、こんなものか。

 ゲームに関係なさそうな事ばかり聞いてみたけど、一応設定があるっぽい。

 そして、ゲーム以外の話についてもある程度答えてくれた。

 結果を見ると、ゲームにしてはかなり高性能なAIだなと感じた。

 でも、肝心のゲームの操作方法とかどうするんだろう。


「で、どうやって遊ぶの?」


 すると、やっぱり「カンペ」と書かれたメモを見ながら、フムフムと読んで話し出す。

 カンペ見るのは、データをロードする時の動作なのかな?


「よくぞ聞いてくれたな! 地図画面で、[レーダー]を使うと、モンスターの位置がわかるから、そこに行って、攻撃アイコンで攻撃してくれ。初期の攻撃方法は、[剣で斬る]か[石を投げる]の2つだけだ。攻撃方法は、あらかじめ短縮ボタンで5つまで登録できるから、登録しておくとメニューを開かなくてよくなるぜ!」


 ふーん、なるほどね。

 さっきのコンビニの近くの●の表示は、モンスターがそこにいるってことなのか――。

 暇だし、ちょっとジュースでも買いに行くついでにやってみるか。


次回は8/3頃にアップ予定です。

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