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森のレストラン

作者: 山葡萄

 このレストランは森の入口にひっそりとあります。

 店主はひとりの小さなお店です。

 夜9時から朝の6時まで営業時間という夜に小さな灯りをともすレストランなのです。

 今日も1人目のお客さんがやってきました。

 入って右側の4人がけのテーブル席に座りました。

店主はレモン水を置いて何も言わずに近くの暖炉脇にある深いソファーにゆっくりともたれて待ちます。

 このお店では、言葉はあまり交わしません。

 暖炉の薪の音と柔らかいBGMが流れています。

 お客さんがしばらくしてスープを注文しました。

 あたたかなカボチャのスープを出すと、木のスプーンでゆっくりゆげを冷ましながら口に運ぶとお客さんはポタポタと大粒の涙を落とすのです。

 店主はティッシュを静かに手渡します。

 「私はこの森に死ににきました。でも灯りがみえて虫のように灯りへ寄ってしまったんです。そしたらスープの美味しいこと。冷えきった胃があたたまりました」

 店主はティッシュを変えてあげながらこういいました。

「ここの森の奧は自殺の名所。だから入口にこのレストランを建てて一息ついてもらうことが目的なんです。」

「スープであたたまったから今日は帰ります。」

そういってお金をテーブルに置いてお客さんが帰っていきました。 

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