物語に関する考察
□はじめに
:この文章を書く動機
□私の好きなジャンル
:私の執筆趣味、ジャンル
□難しい必然性
:『魔法を使える理由』など、なぜその設定が必要なのか。
:読者に意識されるほど、不自然になってしまうこと。
□必要な必然性の考察
:どんな部分が、気になるのか、考えてみた。
:どんな風に、読者を納得させるべきか。
□最後に
:挨拶。
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□はじめに
自分の作品には、何かが足りないと思っている。
その中には、努力や才能なんて陳腐なものではない、大切な何かが欠けている。
私は思いついた物語を、纏まった時間が取れたら書いている。
趣味でやっている執筆で、時に数ヶ月もログインせず、ブックマークや評価を入れてくれる人がいるのに放置してしまう。
完結させないことが問題でもあるけど、私は4~5万文字を執筆すると、筆が止まることが多い。
なろうの『執筆中小説』部分には、一遍で1~3万文字くらいの書きかけ文章が、60個くらい残っている。自分のパソコンのローカルフォルダにも、いくつか残っている。
もちろん、これは少ないのかもしれないし、未完文章に対してカウントする方が間違っている。
効率が悪いのを承知で、私は最初から通しで、見直している。
偉そうに言っても、それで品質の悪い文章が出来ていれば、推敲とすら言えない。
それでも、そこで感じるものがあって、私の筆は止まってしまう。
「何でこの人は、こうある必要があるのだろう?」
私に足りない要素、あえて言葉にするのなら『必然性』なのだと思うのだ。
□私の好きなジャンル
私は、自分が王道ではない物語の、需要と供給が難しいジャンルと分かって書いている。
『自分が読みたい』
『こういう物語があって欲しい』
『既に成長が止まった主人公』
・TS(性転換)主人公
・女主人公
・最強の主人公
私の読書観を変えたのが、ある一冊の本との出合いだった。
最強の主人公は成長が止まっている。過去に囚われて右往左往する。それでも欠点が人間味となり、強さと頭の切れが、それによって引き立つ。
主人公は男だけど、語り手がヒロインであることが多く、実質的には主人公は女性だった。
ヒロインは主人公よりも性格が男らしく、主人公はヒロインよりも女々しい。
何回、何十回も、数えられないくらい読み返した本は、完結する事はなかった。
それでも、私はその物語が好きだった。
その作者の影響もあるけど、私は「孤高のヒロイン」「最強の主人公」と、捻くれた趣味が出来上がった。
私の書く物語は「男→女」「女→男」のTS物語か、主人公が女の子の作品ばかりになった。
□難しい必然性
冒頭から読み直しているときに、必ずぶち当たるのが必然性に関する自問自答。
「神様の気まぐれ」
「本来はありえないが、異世界だから(略)」
「こんな設定、あって欲しい」
もちろん、それでも成り立つ物語はある。
主人公とヒロインの掛け合い、登場人物たちの人間ドラマなど。小説を書く時には、必ず意識すること。
それでも、本当にそれが必要だったのかな? と、私は常に考えてしまう。
『魔法を使える理由』
まず、異世界や歴史IFを作ったとして、その必要性は魔法を使えること。
私なんて、それくらいの薄っぺらい理由しか思いつかない。
『デウス・エクス・マキナ』
絶対的な神による、世界設定。
例えば「勇者は聖剣を抜き、それを使って魔王を倒す」など。
本来は倒せないほどの無理ゲーを演出し、その解決策が「無茶すれば入手可能な聖剣」というアイテム。
→『神は超えられない試練は与えない』
少し宗教っぽくなるけど、物語では明確に、超えられる壁を用意するのだから、言いえて妙だと思える。
これが「ゲームのスキルや能力を持った主人公」としてしまうと、最初に聖剣を持った主人公が生まれてしまう。
これに「疑問を持たないように誘導」することが、私には難しい。
最初にデウス・エクス・マキナを使うと、後の物語では、唐突に現れた異物感がはんぱない。
『願望による世界観』
孤高の主人公を書きたい。
私の願望の九割か十割は、この単語に集約されている。
それでも、実際に書こうとすれば、それは難しい。
私の物語には、いくつかの共通点はある。
パターン1:孤高の主人公は、最初から強さを持っている。
パターン2:孤高の主人公の強さは、過去に由来するもので、現在は強い。
パターン3:孤高の主人公は、人間関係が苦手
実際に悲惨な経験と、ただ棒読みのように書いても、現実味が浮かばない。
自分がしたことのある経験から書こうにも、実際に村八分にされるような経験なんて、現実にするものでもない。いじめといっても、親から嫌われるものでもない。
説得力に欠けている。そう思ってしまう。
□必要な必然性の考察
コンセプトが揺れているのか、それとも物語の「構成力」が欠如しているのか。
そのどちらでもあるのか。
・世界を恐怖に陥れた大魔王が現れて、神様に選ばれた主人公は光の勇者となり、世界を救う旅をする。
ここで、3部構成か4部構成の物語が出来る。
①虐殺される人々
②偶然生き残った主人公は、神様に出会い、強さを授かる
③まずは、大魔王の居場所を探す為に、世界中を旅をする
④大魔王との決戦
→true end : 勝利した主人公は、故郷に無事に帰った。
→happy end : 囚われていたお姫様がいて、勇者に一目惚れしたお姫様と結婚し王様になる。
→bad end : 相打ちになり死ぬ。あるいは、英雄となった後に殺される。どちらにしても、悲運を遂げる。
⑤結婚生活 (後日譚)
→例1) 幸せな子供ができた。
→例2) 釣り橋効果が切れて、主人公の貧乏性に、お姫様は嫌気がさしてしまう。魔法が切れる。
→例3) 幸せだったけど、権力闘争に巻き込まれ、村で過ごしていた方が幸せだったと思う。
これくらいなら、疑問を持たないかもしれない。
それでも、細かく描写を重ねていくと、あれ? そもそも何で、大魔王なんて現れたんだ?
そういう方向に流れていく。
適度な描写に抑えていれば、気にならないけど、その為の構成力が試される。
□最後に
本当は、映画の脚本とか、参考になる文章はあるのかもしれない。
だた、本を探そうとしても、物語の構成に関する書籍って、案外見つからない。
大ヒット作が、何故ヒットしたかと考えても、涙するほどの感動を与えるまでの『必然性』あるいは『説得力』がどこから来るのか。
私には考えがつかなかった。
願わくは、その光明と成りうる可能性、考え方、それを知ることが出来れば、もう少しだけ、私の小説にも必然性が増すかもしれない。
大衆向けの作品が作りたい訳じゃない。
それでも、趣向に特化したものを書こうとするときに、大衆向けの作品を研究すべきなのだろうか。
こんな、考察とは名ばかりの、自問自答の文章に対して、何か意見や感想があればください。
以上、よろしくお願い致します。
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