第六章+祐平視点・始めから
今回は前回に予告してた通り、祐平視点から見たお話です!
読んで下さい>w<
――――――僕と彼女が出会わなかったら、運命は変わったのだろうか・・・・
「・・・・・・駄目だ・・・・。」
キャンパスに向って言う。
「何か足りないんだよなー色か?」
パレットに油絵の具を足す。
こんなに綺麗な夕暮れなのに・・・・・。
何か足りないんだよなー
・・・・愛か?
違うな、確実に。
あー分からない!
諦めて帰ろうか・・・・
あと少し居よう。
多分こんな時間に此処に来る人居ないしね?
大丈夫大丈夫
「・・・・あの・・・・。」
――――――え?
人?
まさか。
「作業中すみません・・・・。」
こういうのってどう対応すれば良いのかな?
「今日和。」
とりあえず、笑ってみた。
駄目か・・・・?
「何の絵を描いてるんですか?」
あー・・・
ただ単に。
「あ、なんとなく此処の風景が描きたくなって。」
気まぐれで。
「何色で描いてるんですか?」
・・・・・・?
何色?
色が分からないのか?
まあこんなに眩しい夕日だからか?
「黄緑とか、朱色かな?」
変な色入れてるな、改めて。
「変な事聞いてますね、私。」
変って自覚している?
何故。
不意に疑問に思った。
見ない顔だなー。
新入生?
「君、新入生?」
「ハイッ!」
威勢の良い子だな・・・・。
嫌いじゃないよ?
「じゃあ僕の方が先輩だ。」
新入生か・・・・あんまり顔見て無いからな・・・・。
分からない。
「二年生・・・・ですか?」
しかも鋭いな?
「正解。」
間違ってないし。
どんな子?
僕はキャンパスから離れ、女の子に向って歩いた。
無意味に。
「僕は祐平。君は?」
「あ、美波です・・・。」
綺麗な名前。
思った。
夕日の橙に染まる美術室。
「・・・・・。」
目、見えてるのか?
変って自覚してるし。
目を細めてみる。
見える訳じゃないんだけど。
「目、見えてる?」
聞いてみる。
分からないなら聞くしか無いだろ?
「えっ・・・。」
あ、動揺した。
図星か?
でも僕の顔を見てる。
何だ?
「ハイ、色が白黒で。」
成程、そう言う事か。
目が不自由って訳か。
でも白黒の視界って・・・・。
在るんだ。
「そうなんだ。」
僕は美波をキャンパスの前に連れて行った。
何やってるんだろう。
失敗作を、見せて・・・・。
「失敗した。」
失敗作を見て言った。
「コレがですか!?」
美波は驚いた様子で言った。
「イメージと違った。」
挑戦したけど、駄目だった。
悲しいな。
よく有るけど、そういうの。
「そんな事無いですよ!」
・・・・・・よく言うよ。
僕の心境なんて分からない癖に。
「凄く綺麗です!私は白黒で色なんか分からないですけど!凄く綺麗です!!」
そうだった。
美波は眼が不自由なんだっけ・・・・?
似てるな
凄く。
僕に・・・・・
「そう?じゃああげるよこの絵。」
何か、共通点があるんじゃないかと思って。
「いいのっ!?」
嬉しそうだな。
とても・・・・・
「じゃ、ちょっと待ってて?仕上げするから。」
僕は、美波に絵をあげた。
彼女に似合いそうだったから。
イメージは見事に合った。
とても似合っていた。
綺麗、だった。
夕日が、眩しかった。
そして僕は、写生に美波を誘った。
初対面だったけど。
どうしても初めてじゃない感じがした。
どうしてだろう。
「行きます!」
美波は笑った。
僕も笑った。
夕暮れ、橙色の道。
僕と美波は、二人で帰った。
綺麗だった―――――・・・・・
一応次回へと続きます!
お楽しみに!!><