第二十八章+雑貨屋にて
ども!そう言えば勤労感謝の日ですね。
兄弟と共同戦線を張ってパンケーキを作る予定ですw
ほとんど長女の私がやるのですが・・・・。
――――――拾い上げて、救いを求め、助けてくれた事はあったのだろうか。
「はー」
息を吐く。
白くなった息。
12月中旬
初雪も舞い終えた翌朝、美波は休日にもかかわらず出かけていた。
「寒いなー」
クリスマスまで一週間近く。
少し遠出して商店街がいくつか縦に並べられてる所へと出かけていた。
仙台で言うならアーケード街。
「・・・・あ、これいいなー」
新しい手袋を買いに。
美波は出かけていた。
まあ、こんな所で会うとは思わなかった。
「あ、美波じゃん。」
え?
聞き覚えのある声。
記憶を探る――――ほど昔の人ではなかった。
というか記憶を探る時間が無かった。
だって、
その人は目の前に居たのだから。
「あ・・・・・」
「あ、美波じゃん。」
「ども・・・・・。」
反応に迷う。
というか私の事覚えてたんだ・・・・。
「俺の事覚えて無い?」
いえいえ、そりゃもう覚えてますよ。
「旭先輩・・・・。」
「先輩止めて。堅ッ苦しいから。」
えと・・・じゃあなんと呼べば・・・。
テイラー・J・旭
彼の名。
「テイラーで良いよ。」
「は、はぁ・・・」
「反応薄いぞー?」
茶髪がなびく。
雑貨屋。
新しい手袋を買いに。
「てっ・・・テイラーは何をしにきたの・・・?」
「テイラー違和感あるね、やっぱ旭で良いや。」
あっさり前言撤回される。
「あ、俺?マフラー買いに来た。」
「え?でもしてるじゃないですか。」
首に巻かれている、茶色のマフラー。
「穴空いてね、解れてきてんの。」
「そうですか。」
「美波は?」
「私は手袋を買いに。」
「ふーん、じゃあほとんど同じじゃん、用件。」
「そうですね。」
美波は少し笑った。
「じゃあ俺が選んでやるよっ。」
「え!?」
「どーゆーのが良い?美波は」
美波は
そう言われた時、少し戸惑った。
忘れてしまう。
綺麗な記憶が泡となって消え去ってしまう。
「――――え・・・と・・・。」
美波は返事に困った。
このまま旭を突き放して帰るのも手だ。
でもそれだと後がどうなるか分からない。
追って来て
手首を掴まれて
其処で自白しなきゃならないだろう。
そんなの嫌だ。
「あれ?」
声がした。
「あ・・・!」
目が合う。
「優希さん・・・・!」
「美波〜懐かしいわね、覚えてる?」
優希が軽くウインクする。
「覚えてますよー」
美波は笑った。
「誰?」
旭の声が後ろから聞こえた。
「ん、君こそ誰?普通は自分から名乗るものでしょ。」
「あ、ごめんなさい。」
旭は慌てた様にして言った。
「冗談よ、私は優希。よろしくね。」
「えっと・・・テイラー・J・旭です、こちらこそよろしく。」
「外国人?」
優希が珍しげに旭を見る。
「友達?」
優希が美波に聞いた。
「はい、一応。」
美波は控えめに笑っといた。
此処で恋人と聞かないのは優希が美波を分かってるからだろう。
祐平を忘れない様にしている美波の事が。
「へー」
優希が感心したように言った。
「・・・・・」
旭が少し黙り込む。
「あ、私もう帰んなきゃ。」
「何かあるんですか?」
「ああ、拓とちょっとな。」
「そうですか。」
今時期サーフィンは出来ないだろう。
今後のサーフィンについて小会議でも行うのかな。
美波は優希と拓が何をするかは想像に任せる事にした。
そんな事を考えてるうちに優希はどこかへ走り去ってしまい、美波と旭だけが取り残されたしまった。
「手袋どうする?」
旭が聞いて美波ははっとした。
「あ、そうだね。」
「美波は何色が好き?」
「えっと・・・青・・・かな。」
「へー意外。」
「そう?」
美波は言った。
海を見たあの日。
モノクロスカイブルー
あの時。
久し振りに優希さんを出してみました。
モノクロスカイブルー
格好良い・・・・!
センスは皆無だと思ってた私にも・・・(こっからは妄想となりますので略。