第二十章+苦しみ
祐平が死んだら、どうなるのだろう。
ふと、そう思った
そしたら
もうあの笑顔が見れないよね
それと
絵も描いてもらえない
それから
もう名前を呼んでもらえない
あの声も聞けない
記憶が・・・・薄れていく
嫌
嫌
嫌だっ!
何でこんなこと想像していくんだろう
意味が分からない
もう寝なきゃな
夏休みも終わらない訳じゃないしね。
「―――――祐平・・・・・」
呟く
そして、美波は吸い込まれるような眠りについた。
「―――――――――――ぁ゛・・・・・っ!!」
苦しい
助けて・・・・
たすけ・・・・・
頭が回らない
何が起こっている?
「み・・・・な・・・・・っ」
微かな意識の中、祐平は呼んだ。
あの時叫んだのと同じ言葉を
同じ、名を。
ナースコールのひもを引く
「先生っ!」
「また祐平君ですか・・・・」
「容体が悪化しつつある・・・・もう・・・・」
ナースステーションが静まり返る。
「―――――――――長くないかもしれない・・・・・・」
「身内に伝えますか?」
「その方が良いかもしれないな・・・・」
「私、祐平君の手当てに行きます」
「よし、伊藤、佐々木、田中、柿沼。行って来い」
「はい!」
時間が迫る
鼓動が高まる
怖い
もう・・・・駄目だ・・・・
意識がほとんどない
今、何が起こってるのかも理解出来ない。
ただ
怖い
苦しい
助けて・・・・
それしか出ない
一瞬光が見えた。
フラッシュの様な
眩しい光
でも、
温かい光
その光が
祐平の意識を完全に奪い去った。
第二十話です!やったぁ!!>w<9