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最終話 先生はどう思っていましたか

私は会わない選択をしてしまった。


先生はなんて思うだろう。


返事を待った。


しばらくしてメールが届く。


『風邪大丈夫?


そんなに長くそっちに居られないから、会えないのは残念だけど、またの機会に会おうね。』


先生らしい優しい返事だった。


私は何をやっているんだろう。


やっぱり行けます。


そう送ろうかと思った。


だけど、その勇気はなかった。


そのままお正月を迎えた。


先生から、


『あけましておめでとう!』


とメールが届く。


私も返事を返した。


会わなかったことを後悔していた。


子供だった自分が嫌だった。


だけど、この時の私には五歳差という壁が高すぎた。


高校生の私には、先生がずっと大人に見えていた。


そして私は社会人になった。


先生も遠く離れた東京で社会人になっていた。


社会人になってからは、お互い仕事が忙しくなり、ほとんど連絡を取ることがなくなっていった。


それでも私の会社には、先生のお父さんがいた。


会長の姿を見るたびに先生を思い出した。


だけど、自分から連絡をすることはなかった。


先生と直接会えた時間は、たった二週間だった。


だけど、たくさんメールをした。


電話もした。


本や手紙も送ってくれた。


私にとっては大切な思い出だった。


そして一年後のお正月。


一通のメールが届いた。


誰だろうと思って見ると先生からだった。


『あけましておめでとう!


今年もよろしく!』


私のことを覚えていてくれた。


そのことが嬉しかった。


だけど、もう先生から会おうと言われることはなかった。


私は社会人になり、お化粧も覚えた。


それなりにおしゃれな服も持っている。


少しだけ大人になった。


今なら先生の隣を歩けるかもしれない。


だけど結局、自分から誘うことはできなかった。


肝心な一歩がいつも踏み出せない。


もうそれ以来、先生と連絡を取ることはなかった。


あの時会っていたなら、私達は何か変わっていただろうか。


あの時会っていたなら、今も先生と笑い合えていただろうか。


私は先生のことが本当に好きだった。


だけど、


先生は私のことをどう思っていましたか。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


この話を書きながら、忘れていたはずの景色や会話をたくさん思い出しました。


ゆきって呼んでくれて嬉しかったです。


てるさんって呼ばせてくれて嬉しかったです。


笑顔を褒めてもらえて嬉しかったです。


一緒にバスケットボールが出来て嬉しかったです。


電話越しに聞こえた足音も、今では大切な思い出です。


あの時は伝えられなかったけれど、先生と出会えて本当に嬉しかった。


そして、たくさんの思い出をありがとうございました。


私は今も笑顔で居ます。

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