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テスト2

3日後


先生「テストを返すぞー。」


その言葉の瞬間、学級に緊張が走る。受験生である3年生は皆テストの点数に対して敏感になっている。


黒雲(合格点超えていてくれー頼むー。)


以前は赤点を超えていればどうでもいいと思っていたが、今回は彩ちゃんたちとの約束もあるので、テスト返却に対するドキドキも高まっている。

そしてテストの返却が始まった。


先生「月影、点数以前よりかはまだマシになったじゃないか。今後も頑張れよ。」


黒雲「はーい。」


そして私は点数を確認する。


73点


その数字を見た瞬間私は嬉しさがこみあげて来る。


黒雲(よし!これで他のみんなも合格点だったら遊びに行ける!)


先生「月乃、今回も高いな。今後も頑張ってくれ。」


彩姫「はい。」


先生からそう言われた彩ちゃんに声をかける。


黒雲「私、合格点超えてたよ。彩ちゃんはどう?」


彩姫「ギリギリだけどね。まあ何とか合格点は超えたよ。」


黒雲「なら良かった。」


彩姫「それで黒雲は何点だったの?」


黒雲「私は73点だったよ。」


彩姫「おお!結構高いじゃん。」


私が彩ちゃんと雑談をしていると先生から指示が出される。


先生「一旦テストの問題は返し終わったな。とりあえず採点ミスとわからないところでもあったら呼んでくれ。しばらくは休憩だ。」


先生の指示を聞いて私は彩ちゃんとの雑談を再開しようとすると、


弥一「二人は出席番号近いからいいよな。俺とか最後だぞ。」


弥一が声をかけてきた。


黒雲「弥一じゃん。何点だった?」


弥一「合格点は超えてるぞ。」


黒雲「二人ともそういう言い方するよね。私だけだよ、具体的な点数言ったの。」


彩姫「いろいろあるんだよ。負けたくないとか、自分だけ言うのが嫌だとか。」


黒雲「自分だけ言うのが嫌って私もなんだけど。」


弥一「それなら点数言うから教えてくれよ。」


黒雲「73点だよ。」


弥一「徐々に上がっていってるな。」


黒雲「それで、点数教えてよ。」


弥一「それなら彩姫も言わないか?」


彩姫「いいわよ。私は96点ね。」


弥一「クッソ、負けたよ。91点だよ。合格点ギリギリだな。」


黒雲「二人ともほんとすごいよね。」


彩姫「まあね。それで、この後の科目も含めた平均点が合格点を超えていないといけないから、まだ安心はできないんだよね。」


黒雲「そうだね。まあ逆に一科目ぐらいならその点数以下でもまだ安心できるってのはいいけどね。」


弥一「まあ確かにな。それで、透真と時雨はどうなんだろうな。」


彩姫「時雨は安心だし、透真も時雨が結構教えてたから多分大丈夫でしょ。」


同刻


美羽「時雨、助けて。」


時雨「えっと、美羽、どうかしたの?」


美羽「赤点ギリギリだったんだよ。」


時雨「それはどうにかしないと大変ですね。」


美羽「ちなみに時雨は何点だったの?」


時雨「私は98点でした。」


美羽「たっか。」


時雨「ありがとうございます。」


美羽「私なんて32点だったんだよ。」


時雨「それは少し前の透真君ぐらいの点数ですね。」


美羽「透真ってそんなに点数低かったの?」


時雨「そうですね。透真君は赤点を取ることもありましたから。私が教えたのである程度大丈夫だとは思いますが。」


美羽「今なんて?」


時雨「あー、えっと、生徒会のメンバーで勉強することがあって、先輩方がいろいろ教えてくださって。」


美羽「なるほどね。それ、会長さんとかから許可をもらえたら呼んでよ。」


時雨「まあ頑張ってはみます。」


透真「時雨!この点数見てくれよ!」


時雨「ヒャッ」


透真「ああ、いきなり声かけて驚かせちゃって悪い。」


時雨「いえいえ、大丈夫です。」


美羽「影縫君どれくらいの点数だったの?」


透真「あっ、綾瀬さん。ちょっと先に時雨に見せてもいいか?」


美羽「もちろんです。」


透真「時雨、見てくれよ。」


時雨「はい、わかりました。」


そこには57点と書かれた答案用紙があった。


時雨「点数が上がってますね。」


透真「だろ、前の点数からは考えられないよな。」


時雨「まあこれは透真君が頑張ったおかげなので。」


透真「そうやって気を遣ってくれてありがとうな。」


美羽「そうやって二人で盛り上がられると気になっちゃうんだけど。」


透真「綾瀬さん、えっとそれで点数は57点だったんだよ。」


美羽「えっ、すごい!私よりもずっと高い!」


透真「そうなのか?」


美羽「そうですよ。私なんて赤点ギリギリなのに。」


透真「それなら赤点を取ってないだけまだ俺よりマシじゃないか?」


美羽「時雨にも同じこと言われましたね。」


透真「そうだったのか。」


時雨「まあ、はい。そうですね。」


透真「それなら時雨にでも勉強見てもらったらどうだ?」


美羽「まあ、考えておくね。」


そんな話を俺たちは繰り広げる。


先生「よーし、これでもう全員採点ミスやわかんないとこはなくなったっぽいし、次の科目を返すぞ。」


そうしてまた別の科目も返され始める。


放課後


黒雲「皆、テストが終わって疲れも残ってると思うけど、これから終業式に向けての準備があるよ。」


透真「えー、テストも終わって休みなしかよ。」


黒雲「それもそうだね。一日ぐらい休みを設けようか。皆もそれでいい?」


彩姫「まあ、時間に余裕があるならいいんじゃない?」


弥一「まあそうだな。代わりに明日からきちんと作業するならいいと思うぞ。」


時雨「私もそう思います。」


黒雲「それなら今日の仕事は無しってことで。」


彩姫「それなら皆のテストの結果を聞きたいな。」


黒雲「結局帰らないんだ。」


透真「仕事は嫌だけど、雑談は疲れないし嫌じゃないからいいんすよ。」


弥一「まあそれは一理あるかもな。」


時雨「そうなんでしょうか?」


彩姫「そういうもんだよ。それでどう?ちなみに私は平均94点だったよ。」


弥一「よし勝った。俺は95点だ。」


彩姫「ゆうて一点差じゃん。」


時雨「私は97点でした。」


彩姫「ほらね。」


弥一「ほらねって言ってもお前の点数じゃないだろ。」


彩姫「細かいことは気にしないの。」


黒雲「三人ともレベルが違うよね。」


透真「ほんとそうだよ。しかもその点数ってことはどの科目も安定して取れてるってことだし。」


彩姫「皆頑張ってるからね。それで、二人の点数は?」


黒雲「私は62点だったよ。」


彩姫「国語は高かったのにね。」


黒雲「言わないで。」


透真「負けた。俺は59点だったな。」


時雨「でも皆さん目標点数を超えているということには変わりないですから。」


黒雲「雨ちゃん、いいこと言った。」


彩姫「そうだね。人と競うのも確かに大切だけど、重要なのは過去の自分に勝つことだから。」


弥一「そうだな。」


透真「そうだよな。そうだよ。俺は約20点上がってるんだからすごいんだよ。」


黒雲「それじゃあ遊びに行く予定でも考える?」


弥一「今すぐ決める必要もないんじゃないか?」


黒雲「それもそうだね。」


彩姫「それなら私は親に早めに報告したいから、雑談をいったんここで切り上げる?」


黒雲「オッケー。それなら解散で。」


弥一「わかった。」


彩姫「りょ。」


透真「やったー、帰れる。」


時雨「わかりました。」


そんな返事をして、至って平静を装っていたが内心はそれどころではなかった。


時雨(友達と遊びに行く、楽しみだな。)


そんなことを考えながら帰路につく。

投稿遅れて申し訳ありませんでした。

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