テスト
翌日
透真「勉強するモチベーションが沸かない。」
黒雲「そう?」
私達は今、係会の練習を終えて、皆で勉強している。
透真「そうだよだって別に高い点数とっても何もないんですから。教えてもらったことに対する恩返しくらいしか要素にならないんだよ。」
彩姫「あら、ちゃんと教えてもらったことは忘れてないんだね。」
黒雲「じゃあその恩返しのために頑張ればいいじゃん。」
透真「それだけだと限界があるんだよ。」
弥一「とりあえず一旦その話はおしまいにして勉強の続きをするぞ。」
時雨「でも、勉強のモチベーションは確かに大切ですからね。」
弥一「それもそうか。」
彩姫「それじゃあ皆が目標点を取れたら皆で遊びに行くとかどう?」
透真「それ良いな。」
弥一「確かにこの五人で行動してること多いけど、大抵勉強会とかの真面目な内容で遊びに行くとかあんまなかったもんな。」
黒雲「良いね、それ。今度の夏休みとかでも良いんじゃない?」
時雨「わ、私も良いと思います。」
彩姫「それじゃあ決定で良い?」
黒雲「もちろん。」
弥一「ああ。」
透真「楽しみだな。」
時雨「は、はい。」
彩姫「だとして、目標点数はどれくらいにする?」
黒雲「私と透真は低めでも良い?」
彩姫「それなら、赤点がいつも30点だから、二人は50点で良いなじゃないかな?」
透真「高くないか。取れる自信ないぞ。」
弥一「まあ基礎問題が多かったとは言え、時雨のあのテストで合格点出せたんだからこのままきちんと勉強しておけば60点くらいまで回復するとは思うけどな。」
時雨「そうですね。二人共覚えるのがとっても速かったので私もできると思います。」
黒雲「二人がそう言うんだったらまあそうかもね。」
透真「頑張るしかないか。」
弥一「俺等はどうする?」
彩姫「90で良いんじゃない?」
弥一「そうだな。」
時雨「が、頑張ります。」
黒雲「それじゃあ改めて、各自目標点数に向けて頑張ろう!」
「「「「おー」」」」
2週間後
黒雲 カリカリカリカリ
彩姫「いやー黒雲いつもとは違って頑張ってるね。」
弥一「そうだな。いつもだったら三人で駄弁ってるのに。」
黒雲「逆になんで二人はそんな余裕綽々なの?」
彩姫「何が?」
黒雲「明日テストなんだよ。それなのに勉強しないのっておかしいでしょ。」
弥一「そのセリフ、以前のお前に聞かせてやりたいよ。」
黒雲「二人と雨ちゃんに勉強を教えてもらったのに低い点数なんて取ってられないからね。それに遊びに行きたいし。」
彩姫「真面目になってて良いね。今後もそうやって生徒会活動にも精を出してほしいけどね。」
黒雲「それはそれ、これはこれだから。」
弥一「黒雲らしいな。」
同刻
透真「なあ、」
美羽「ねえ、」
透真、美羽「「時雨、この問題どうやって解くの?」」
時雨「え、えっと二人同時には教えられないので一人ずつお願いできますか?」
透真「それなら綾瀬さん、先良いぞ。」
美羽「それならお先に、」
翌日の朝
黒雲「やばいよテストだよ、緊張してきた。」
弥一「いつもは緊張してないのにな。」
黒雲「今なら皆がいつも緊張してた理由がわかった気がするよ。」
彩姫「まあ今は黒雲のほうが緊張してるから逆に気にならないね。」
弥一「たしかにな。」
黒雲「これで低い点数取ったら申し訳ないし悲しいし絶対に低い点取れないよ。」
彩姫「雲ちゃん、頑張ってね。」
黒雲「もちろん!」
同刻
時雨「よし、テスト対策は大丈夫。今回もそこそこ取れるはず。」
透真「その対策テストさ、難しすぎないか?」
美羽「ホントそうだと思う。そのテストの難易度はもちろんだけどそれできっちり点数が取れる時雨も凄いよね。」
時雨「えっと、その、ありがとうございます。」
クラスメイト「ねえねえ、あの三人、めっちゃ仲いいよね。」
クラスメイト「わかる、もともと暁月さんと影縫いくんが生徒会関係で仲良かったのは知ってるけど、綾瀬さんも溶け込んだよね。」
クラスメイト「ね、やっぱり転校初日から暁月さんのことを下の名前で呼んでたから中学校が一緒だったとかなのかな?」
クラスメイト「まあ真相はあの三人だけが知ってるってことで。」
クラスメイト「ってか勉強しないとやばくない?」
クラスメイト「私は相槌打ちながら勉強してたから。」
クラスメイト「ちょ、ひどくない!?」
数十分が経過
先生「これから、1学期期末テストを行います。科目は全部で五科目、一科目60分です。」
黒雲(やっぱり緊張するよ。)
彩姫(弥一に勝てたら良いな。)
弥一(いつも通り、落ち着いて。)
同刻
透真(できることはやったから。)
時雨(大丈夫、私ならできる。大丈夫。)
先生「最初は国語からになります。今からテストを配りますが、後ろには回さないでください。」
美羽(「あれ」どうしよっかな。いや、まだ良いか。)
先生「始め」
そうして一斉にプリントをめくる音が響くと同時に皆のペンが走り出す
その日の放課後
黒雲「皆なんか集まってるけど今日生徒会の仕事ないよ。」
透真「そうだったのか?」
時雨「一応係会のやつが締め切りですけどもう皆終わっていますから仕事はないですね。」
彩姫「まあ別に集まること自体にはなんの問題もないからね。」
弥一「まあ雑談でもしようぜ。」
彩姫「そうね。それじゃあ皆結果どうだった?」
黒雲「いきなりズバッと聞くじゃん。こういう話って本来もう少し段階踏むもんじゃないの?」
彩姫「そうなの?」
弥一「わからん。」
透真「知らん。」
時雨「他の人の点数に興味を持つことが多くないのであんまり。」
黒雲「それなら皆気にしない?」
彩姫「もちろん私は気にしないし。」
弥一「別に。」
透真「あんな点数を取ってて知られてるからな。」
黒雲「それ誇れること?」
透真「いや、多分無理」
時雨「私は一応知られても問題ないような点数を取るようにしているので。」
黒雲「ならまあいいか。それでまだ結果は出てないよ?」
彩姫「解いた感覚だよ。例えば私なら解けなかった問題が1問あったし、ケアレスミスとかもありそううだから90点が結構ギリギリそうだな、とか。」
時雨「私はいつも通りでした。」
黒雲「つまり高いってことだね。」
弥一「俺は彩姫とあんま変わんないかな。」
透真「俺は結構不安。わかんない問題もそこそこあったし。」
黒雲「私もそうだね。やっぱり簡単には点数は上がんないよ。」
彩姫「まあ勉強は続けるのが大切だからね。また次頑張ればいいんだよ。」
黒雲「そうだね。ってか今日用事あるんだけど、そろそろ帰ってもいい?もともと生徒会活動もないしすぐ帰る予定だったから。」
彩姫「そうなの?それじゃあ解散する?」
黒雲「私が予定あるだけだし、みんなは残って雑談してても構わないけど。」
弥一「俺もそろそろ帰ろうかな。テスト問題の復習したいし。」
彩姫「私も。」
時雨「私はどっちでも大丈夫ですよ。」
透真「俺は帰って遊びたいな。」
彩姫「テストが終わったから遊ぶのもいいけど、コツコツ勉強するのは忘れないでよ。」
透真「わかってる。」
黒雲「まあそんな感じなら解散でいっか。」
彩姫「そうだね。」
黒雲「それじゃあ、かいさーん。」
そう言って各々帰る準備を始めた。
私たちはテストという一つ大きな行事を終え、各自好きなことや次に向けてまた歩き始めた。