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第46話 企業スペースへ到着!!

「そういえば、コスプレエリアがある屋上って企業スペースのある場所だったよね?」


 ふと思い出したように山口さんがつぶやいた。

 それを聞いて俺は、「そうなの? ならそっちに向かいつつ見て回る?」と提案した。 


「いいのですか?」

「うん、特に目的なく見て回ってたし。コスプレエリアも気になるから一緒に行こうかな?」

「だね。ただ、コスプレエリアに行くのはちょっと不安かな」

「私もそう思います。もっと人が増えるでしょうし……」


 なるほど、確かに。


「そうですね。向かおうとしている私が言うのもなんですが、あそこはサークル参加の男性も一切近寄らない場所ですので……」


 どんな魔境なんだよ……。

 逆に怖いもの見たさで気になってくるな。


「そうやね。だからあんまりお勧めしないな」


 山口さんからも勧められないと言われてしまった。

 本職警察官二人から言われるって相当では?

 男性がいると豹変するとかそういう?


「あいつがいるかもしれないですし」


 何かを思い浮かべた様子でつぶやく柊さん。

 ……あっ、昨日居た面倒な女の人か。

 確かに、遭遇する可能性があるのは避けたいな。残念だが、諦めるか……。


「わかったよ。コスプレエリアには行かないことにする」

「申し訳ございません」

「いいよ、心配してのことでしょ?」

「ええ」


 他の三人もほっとした様子だ。

 ……あとでどんな場所なのか調べてみよう。

 そう決意し、俺たちは企業ブースのある建物へ移動を開始した。



 

 橘さんと山口さんの案内で通路を進む。

 会場間の通路も行き来する人が多く、満員電車のようだった。

 

「あっつ……」


 今なら小学校のプールにあった地獄のシャワーに喜んで入るよ。

 それくらい暑い。

 

「暑いね……」

「ここは特に狭いですし、人が多いですからね……」


 成瀬さんたち、スーツだもんね。俺より暑いか。

 首に付けるとひんやりするコールドリングなどで暑さ対策をしているが、それを超えてくる暑さが襲ってきていた。

 

「もうすぐ出口ですから、後少しの辛抱ですよ」


 前を歩く橘さんが教えてくれた。

 後少し……!

 早くこの場所から出たくて、歩くスピードが速くなる。


「ああ……解放されたぁ!」


 いやぁ、多かったなぁ。

 それだけ人気ってことなのだろうが……。

 大変だ……。


 辿り着く前にけっこう疲弊してしまった気がする。

 それにしても、嬉しいことに昨日以来面倒な人とは出会ってないね。

 こういう人混みとかさ、どさくさに紛れて触ってきそうじゃん?

 そういうのも無かったし。

 いや、期待してたわけじゃ決してないからね?


「ほら、行くよー?」

「何してるのー?」

「あ、ごめんごめん! なんでもないよ」


 遥と柊さんと一緒に先に行ってしまった二人を追いかける。

 

 そしてようやく企業スペースのある建物にたどり着いた。


「おおー!!」


 室内にはさまざまなキャラクターのパネルが展示されており、企業ごとにムービーやボイスを流している音声が耳に届く。

 先程までいた場所とはまた違った賑やかさで覆い尽くされていた。

 

「さて、着いたわけだけど……何か見たい企業とかはある?」


 橘さんが俺たちを見て聞いてきた。

 うーん……。

 どんな企業が出店しているのか、と軽く見渡してみる。

 

 あれは……?

 奥の方に一際行列ができているブースを見つけた。

 女の子のキャラクターっぽい等身大パネルがずらっと並び、モニターではそのキャラクターたちが動いている。


「あれはVtuberですね」


 やっぱり!

 この世界でもVtuberは流行っているんだなぁ。

 ちょっと共通点を見つけて嬉しくなった気分だ。


「見に行ってみますか?」

「行ってみよう!」


 俺の言葉に橘さんは笑顔で頷いてくれ、柊さんたちも興味を持ったのかみんなで向かうことにした。


 近づくにつれ遠目で見ていた以上の行列で俺は人気度を感じ取れた。


「相当人気なグループなんだな……最後尾が二時間待ちだなんて」


 俺が感心しながらつぶやくと、隣にいた山口さんも同意するように頷いた。

 

「ですね。最近、人気急上昇中でCMでも起用されていたかと」


 柊さんも知っているようだ。

 CMで起用されいるってすごいなぁ。


「しかし、これは……流石に中までは見れなさそうですね」

「だね。二時間待ちは厳しい」


 そして橘さんと山口さんはコスプレエリアに行くとのことで解散し、俺たちは三人で見て回ることに。

 

 中にはFPSなどPCゲーやスマホゲームといったゲーム系や出版社、アニメ制作会社といった数多くのブースがあり、もちろんR18のゲームもあった。

 胸筋マウスパッドなんてものを発見した時には少し思考が止まったよ。

 どこに需要があるんだろうな? 長い行列ができていたから人気ではあるのだろう……。


 R18……女性用しかないんだよなぁ。

 そこだけちょっと残念。

 なんてたってヒロインが男なんだよなぁ。

 男女比が偏るとこうなっちゃうのかと実感したいい機会でもあった。

 男性向けエロの供給が少ない!!

 

 とりあえずFPSと格ゲーは面白そうだから、帰ったらパソコンを買ってゲームを入れよう。

 俺はそう固く決意するのであった。


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