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高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜  作者: 水国 水


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第28話 イルカとの触れ合い

 俺たちが次どこに行こうか考えていると、何やらアナウンスが聞こえてきた。


『15分後、イルカの餌やり体験を行います。希望の方はこちらまでお越しください』


 どうやらイルカの餌やり体験ができるみたいだ。

 そんなことまでできるのか!?


 早く行かないと、行列ができそうだ。

 そう考え、他四人へ視線を向けると……。


「パンフレットに書いてあったやつか! 行ってみようよ!」


 涼が提案し、成瀬さんも目を輝かせて同意していた。


「うん、面白そう!私もやってみたい」


 みんなも興味があるようだ。

 そうと決まれば、早速言ってみよう!


「じゃ、みんなで行ってみよう」


 俺も賛成し、みんなで餌やり体験の受付に向かうことにした。


 受付に到着すると、既に数人の人たちが並んでいた。順番を待ちながら、俺たちは話し合いながら期待に胸を膨らませていた。


「次の方どうぞー」


 俺たちの番が来た。


「はい、えー、五人ですね————だ、男性っ!?」


 受付に立っていた女性スタッフは、俺たちを見て少し驚いた様子で声を上げる。


「はい、五人です。問題ありますか?」


 涼がスタッフに尋ねると、彼女は慌てて首を振った。


「あ、いえ、大丈夫です。ただ、男性の方が参加されるのは珍しいので……」

「そうなんだ。まあ、貴重な体験だし、楽しみたいと思って」

「なるほどです。お聞きしたいのですが……餌やり中は安全のため、女性の飼育員が側に付きます。それでもよろしいですか?」

「はい、大丈夫です」


 俺がそう言うと、スタッフも微笑んでうなずいた。


「そうですね。では、こちらのバケツを持って、イルカのプールにお進みください」


 俺たちは順番にバケツを受け取り、イルカのプールに向かった。プールサイドには既に数人の女性がイルカに餌をあげているのが見えた。


「わあ、イルカさんたちが待ってる!」


 成瀬さんが興奮気味に言うと、柊さんも目を輝かせて見ていた。


「可愛いですね」


 俺たちがイルカに見惚れていると、飼育員の女性が近づいてきて、丁寧に説明を始めた。


「それでは、イルカの餌やり体験を始めます。まずはバケツの中の魚を手に取って、イルカに優しく差し出してくださいね。イルカたちはとてもフレンドリーですから、怖がらずにやってみてください」


 俺たちは言われた通り、バケツから魚を取り出し、イルカに差し出した。イルカは嬉しそうに近づいてきて、パクっと魚を食べてくれた。


「わっ、すごっ。ちゃんと食べてくれた!」


 俺が言うと、飼育員の女性が微笑んで頷いた。


「はい、イルカたちはとても慣れているので、みなさんがあげる魚をちゃんと食べてくれますよ」


 次々と餌をあげながら、俺たちはイルカたちの反応に感動し続けた。遥も嬉しそうにイルカと触れ合っている。

 成瀬さんはというと、仲良くなったのか触れ合っていた。

 好かれてるのかなぁ。


 「ねえ、海! こっちのイルカもすごく可愛いよ!」


 遥が呼びかけ、俺はそちらに目を向けた。

 遥の足元にいるイルカが、可愛らしく水しぶきを上げ、キューと鳴いていた。

 かわよっ!!

 愛くるしく見えてくるな。


「可愛い……っ!」


「顔を近づけるとキスしてくれることがありますよ。よければやってみてください」


 飼育員の女性が触れ合い方を教えてくれる。

 それを聞いた遥と柊さんが早速、イルカに顔を近づけていた。


 遥がゆっくりと顔を近づけると、イルカが興味津々に彼を見つめている。すると、イルカは突然、可愛らしい音を立てて水面から顔を出し、遥のほっぺにキスをした。


「わあ、キスされた!」


 柊さんも続いて顔を近づける。俺もそれに倣って、そばに顔を出したイルカに顔を近づけてみた。

 すると、イルカは好奇心いっぱいの目でこちらを見つめ、ゆっくりと顔を寄せてきた。そして、ちょんと可愛らしいキスをしてくれた。


 俺は感動しながらも、その初めての触感に驚いた。

 硬い感覚だけど、優しくしてくれるから痛くもない。しかも、キスをしてくれた後に「キュー」と愛くるしい鳴き声をある。

 ……帰りにぬいぐるみ買おうかな。


 横では涼や成瀬さんも同じようにイルカにキスをされて、大興奮していた。


「イルカ可愛いね〜」

「だね。こんな近くで触れ合えるなんて、最高!」


 イルカの餌やり体験は大盛況で、他の参加者たちも笑顔が絶えなかった。しばらくして、飼育員の女性が時間を告げた。


「それでは、餌やり体験はここまでです。皆さん、ありがとうございました」


「もうそんな時間か。楽しい時間は過ぎるのが早いや」


 そんなことを言いつつ、案内に従ってイルカのいるプールから離れた。


 喉乾いたな。

 ふとそう思い、みんなに「自販機に行かないか?」と提案した。


 しかし、皆要らないとのことで、俺だけ買いに行くことに。ただ、一人で歩くのは危ないからと遥も一緒だ。



 ◆◆◆



 

「ねぇ、あれから全然二人っきりになれない」


 二人が十分離れたのを確認して、涼が不満を口にする。

 

「チョイスを間違えたかもね……」

「そうですね。どちらもシチュエーションとしては良いですが、どちらかといえば楽しむ感じでしたし」


 成瀬と柊も涼の言葉に同意する。

 

「あぁ〜、遥だけずるいよぉ〜」


 冗談混じりに、駄々をこねる風で言う涼。

 成瀬が涼をからかうように微笑んだ。


「涼もイルカにキスされたじゃない。十分楽しんでたと思うけど?」

「それはそうだけどさ、遥と海が一緒にいるのがちょっと嫉妬しちゃうんだよね」

「ですね……。それぞれ一回は二人っきりの作戦でしたから」


 柊が涼に肩をポンと叩いて励ました。


「これは事前に作戦を練って挑む必要がありそうです。今回は即興で考えたのが仇となったのでしょう」


 冷静に分析している柊。


「そうだな。次はもっと入念に考えよう。また、どこかで作戦会議しよ」

「ええ、そうですね」

「そうね」


 そうして話が一段落ついた時、飲み物を買いに行っていた二人が戻ってきた。


「お待たせ」

「ん? 何かしていたのか?」


 遥がそう問いかける


「いや、なんでもないよ」

「……後で教えるわ」

「了解」

 

 涼が阿宮に聞かれないようにボソッと伝えた。


  


 ◆◆◆



「お待たせ」

「ん? 何かしていたのか?」


 遥が疑問に思ったのか問いかけた。


「いや、なんでもないよ……」

  

 何やら、コソッと話してるような……。

 ま、いっか。ジュースおいしっ。

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