【第22話】広い宇宙の小さな命
小屋には神様達と、真由美、竹下がいる。神様は力を使って、茜と石田の会話の映像と音声をみんなに見せていた。2人の話を聞いた真由美は泣いていて、竹下は真由美のそばで黙って立っていた。
「見てもらった通りじゃ。すまないが、ワシにはどうする事も出来ん」神様が映像を消してから言った。誰も何も声を発さず、重い沈黙の時間が流れる。
「茜ちゃん達をここに飛ばすから、みんなでゆっくりと話をしなさい」神様がそう言うと、指を鳴らした。その指の音と同時に、小屋に茜と石田が小屋の中に現れた。飛ばされた2人は驚いた顔をしていたが、茜は泣いている真由美を見ると神様に視線を送った。神様はゆっくりと頷いた。
真由美が自分の事を知っているとわかった茜は、真由美の前まで歩いて行った。
「真由美・・・」座り込んでいる真由美の前にしゃがんで茜は言った。
「茜・・・」真由美が視線を上げて赤い目で茜を見る。その表情を見て茜も目を赤くし、2人は抱き合った。
それを見た神様は立ち去ろうと後ろに振り返った。
「待って」石田が神様を呼び止める。
「なんだ。ぶん殴るのか」神様は前を向いたまま答えた。
「・・・助けて下さい。茜を・・・お願いします」
「無理だ」
「どうして!広い宇宙の小さな命、たった1つでしょ!?」
「その命1つで宇宙全体が危険にさらされる」
石田が何も言えずにいると神様は振り返った。
「ワシだって、出来る物なら助けてやりたい」
「少しだけでもダメなんですか?1年でも2年でも、何か無いんですか!?」
「全ての命にワシは手を出せん・・・すまない。お前の気持ちは、お前たちの気持ちは痛いほど伝わってくる。だがな、ワシは神様じゃ。神様だからこそ、この宇宙を守らなければならないんじゃ」
神様と石田が話をしていると、当然小屋に声が響いた。
「ゴッド様!」
「ん?天使か」神様が反応した。小屋に天使の姿は無く、声だけが聞こえる。
「はい!申し訳ございませんが、滝の方までお戻りください!」
「ワシを呼びつけるとは一体何事じゃ」そう呟くと神様は突然小屋から消えた。
取り残されて少しの間立ち尽くしていた石田だったが、茜たちの元に歩いていった。
滝の前に神様は到着した。
「どうしたんじゃ!」神様は天使を見つけるなり聞いた。
「ゴッド様!あれ、その者達も一緒ですか?」天使は2人を見て言った。
「ん?おお!」神様が後ろを振り返ると宇宙人とカッパがいた。
「近くにいたので、なんか一緒に飛んできたみたいです」カッパが言う。
「おお、そうか」神様は軽く頷くと、もう1度天使の方を向いた。
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