第8話 腰痛肩こりの悩みは万国共通?
ついに完成した。
魔法『凝りほぐし』
掌で触った箇所の血の流れを良くする魔法だ。
これなら腰だけじゃなく肩こりにも効果がある。
しかし、子供の自分には凝りがないので、自分の体で検証が出来ない。
早速おばちゃんを呼んでみるか!
「まぁまぁ、魔法が出来たのね!」
「うん、出来たんだけど僕どこも凝ってないから効果がわからないんだ。おばちゃんの体で試してみても良い?」
正直人体実験するようで少し気が引けたけど
「まぁ!実演販売ね!じゃあお願いするわね!」
この世界にも実演販売があるのか…。
「じゃあ、腰行きますね。何かあったら言ってください」
『凝りよほぐれろ!』
「ふぁああ!あったかいわ!」
「どう?」
「………凄いわ……」
オバちゃんがボソッと一声。
「だ、大丈夫ですか?」
「凄いわ!アルマちゃん!!腰が全然痛くないの!」
ものすごく感動しているようだ。
「じゃ、じゃあ次肩やってみますね!」
『凝りよほぐれろ!』
「ほゎあああ…」
「どうですか?」
「軽い…肩が軽いわ!!」
「ほんとですか!」
「アルマちゃん!この魔法いくらで売るつもり?!」
「え、えーと。オバちゃんに協力してもらったし、オバちゃんはタダでいいですよ」
「ダメ!!ダメよ!アルマちゃん!!!」
「えっ…」
「少なくとも5000ペル以上で売りなさい!!この魔法にはそれくらいの価値があるわ!5000ペルでも安いくらいだわ!」
いつもはニコニコしたおばちゃんだったのが、ものすごい剣幕で訴えるので少し怖かった。
「じゃあ、オバちゃんには5000ペルで、他の人には1万ペルで売ります…」
「それが良いわ!じゃあ、アルマちゃんこれ5000ペル!」
そう言うとオバちゃんは『凝りほぐし』を買ってスキップしながら店を出て行った。
この『凝りほぐし』はたちまち噂になり、見たこともないお客さんが連日魔法を求めに店へと足を運んだ。
それから3ヶ月間徐々に客足が伸びて、最初の1ヶ月は50人程だったのが、2ヶ月目で150人、3ヶ月目には350人近く店に来ていた。
正直1つ売ればうちの家の約1ヶ月分の収益だ。
もうすでに見たことない金額になっていた。
母親に渡そうとしても、母は
「それは、あなたが将来使いなさい」
と、受け取ってくれなかった。
そして、そんな繁盛している中事件が起きた。
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