第4話 魔法の使い方
本を読んでいて分かった事がある。
まず、魔力とは空気中に存在しており、人間は呼吸と共に酸素と同じように身体に取り入れているとの事。
息を吸ったり吐いたりする事で、体内の魔力も出たり入ったりと循環しているそうだ。
そして、魔法を使うと体内の魔力が消費されて、一時的に酸欠のような状態になると言う。
しかし、魔力操作を練習すると体内に魔力を溜め込む事ができるようだ。
つまり、普段吐き出している魔力を体内に溜めておいて、その溜めた魔力を使って魔法を使うのが正しい使い方みたい。
魔力操作には集中力が必要なため、この世界ではMPという概念がなく、MP切れと言うより集中力が切れる事で魔法が使えなくなる事があるようだ。
さて、魔力操作の練習と、魔導書作り方を解読するぞ!
その日から毎日畑の水やりに魔法を使ったり、魔導書の中身を解読した。
ーー そして1ヶ月後 ーー
「やったー!はじめての自作魔導書ができた!!」
まぁ、紙がないから木の板なんだけどね…
木の板に、熱の魔法で文字を書いた物だ。
この時代の紙は羊皮紙が主流で、とてもじゃ無いが高くて買えない。
また、和紙を作ろうともしたが、時間がかかるのと上手くできなかった。
そのうち和紙も作れるようにしよう。
今回ウォーターの魔法を解読したところ、ざっくりとこのように書かれていた。
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詠唱=『コネクト』
効果=指定範囲の魔法を脳に記憶する。
範囲始め
詠唱=『ウォーター』
効果=空気中の水分を掌に集める
範囲終了
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思いの外ざっくりとした内容で驚いた。
もっと水の量とか、水の成分まで書かれているものかと想像していたが、予想以上に簡易的な式だった。
魔法を使う際に詠唱する内容を、無理やり式に落とし込んだような感じだ。
「この内容でちゃんと作動するのは驚きだ…」
詠唱で現代語、効果で古代語…。
指定された現代語を唱えれば、この古代語で書かれた効果が発動するという事か。
そして、魔法が脳に記憶すると言うのを見て気になる事が増えた。
コネクトと言う事で指定された魔法コードが脳に記憶したら、間違ったコードを記憶してしまった場合、脳に負担がかかるのでは無いか…。
これから魔法書を作るために実験もしなければいけないので、要らない魔法を消すための魔法も必要になる?
まずは自分で試してみよう。
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詠唱=『デリート』&詠唱
効果=『デリート』を詠唱した後10秒以内に詠唱を唱えると、唱えた詠唱が脳の記憶から消える。
脳の記憶にない詠唱を唱えた場合は、何も起きない。
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こんな感じでいいかな?
試しに使ってみる。
『デリートウォーター!』
しーん…
何も起きない。
「ん?失敗だったかな?」
試しにウォーターを唱えてみる。
『ウォーター!』
しーん…
水が出ない。
今までなら、ウォーターと唱えれば魔法コードが発動して水が出るはず。
つまり、脳から魔法コードの記憶が消えたのだ。
「よし、これで実験し放題だぞ!」
この日から板に魔法コードを書いては試して書いては試しての日が続いた。
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次回の更新予定は、8月21日の18時を予定しております。
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