第38話 魔法の相場
暫く馬車を走らせていると、森から冒険者らしき2人が出てきた。
暫くすると、複数のオークも森から出てきた。
どうやら冒険者はそのオークに追われているようだった。
「あれヤバいよね」
「あぁ、あの2人のレベルじゃ対処し切れない数だ」
マリカとヨシュアは腰を上げる。
「すまないが、あの2人を助けに行って構わないか?」
「あ、じゃあ僕も試したい魔法あるので、一緒にいいですか?」
「また何か新魔法あるのか?!」
ヨシュアは驚いた。
「じゃあ、俺はここで待ってるからな」
馬車のおじさんは少し離れた場所で待機することになった。
「おーい!助太刀するぞ!」
「た、助けてくれ!!」
目の前からオーク5体に追われる男女の冒険者が走ってきた。
オークは体が大きく、身長2mちょいくらいはありそうだ。
「オークの中心から半径1mの重力を10倍にしろ!」
「プギュア!!」
すると、オークの体が何かに押しつぶされたかのように潰れてしまった。
「な、なんだあの魔法は?!」
初めて見る魔法にヨシュア達と男女の冒険者が驚く。
「ちょっと強すぎたかな、かなり魔力持ってかれた…ちょっと弱くしてみよう」
アルマはそう言うと次のオークに狙いを定める。
「オークを中心に半径1mの重力を5倍にしろ!」
すると、オークは大きく転んで体がミシミシ言い出した。
「グギャアアア」
「今だ!」
ヨシュアは転んだアークにとどめを刺す。
「な、これは?!」
剣が重力場に触れたヨシュアは魔法の効果に気づく。
「オークを中心に半径1mの重力を3倍にしろ!」
また別のオークに魔法をかける。
今度は跪いて動けなくなった。
「潰すまではいかないけど、動きを止めるだけなら3倍でも良さそうだな」
動けなくなったオークをまたもヨシュアがとどめを刺す。
「あと2体…」
アルマが魔法を出そうとオークを見たら、既にマリカが倒した後だった。
「ごめん!私もフリーズの練習したくて」
「ははは、大丈夫ですよ!」
「マリカすごいな!君1人でオーク2体倒したのかい?!」
ヨシュアはマリカの成長ぶりに驚いていた。
「うん、これもアルマくんから買った魔法のおかげだよ!」
「あ、あのー…」
ヨシュアとマリカの驚きに完全に空気と化していた冒険者が話をかけてきた。
「あ、大丈夫でしたか?」
「はい、ありがとうございました!おかげで軽傷だけで済みました!」
女の方は安堵からか少し涙ぐんでいた。
「僕はアレンで、彼女はミリアと言います。僕達カップルで冒険者やってて、ゴブリンの討伐に来たんだけど、オークに出くわしちゃって…」
「まぁ、でも無事で良かったです」
「ところで、さっきの魔法は君がやったのかい?」
「はい…」
「彼は幼いながらも魔法を売ってるんだ、さっきうちのマリカが使った魔法も彼から買ったんだ」
「そうなのかい?!凄いな!」
「って言っても、攻撃用で売ってるのはさっき彼女が使った魔法だけで、僕が使ったのは今作ったばかりの魔法です」
「ちなみにいくらくらいで買えるんだい?」
「えーと…ん?」
ヨシュアが遠くから手招きしている。
「あ、ちょっと待っててください」
アルマはヨシュアの元へと駆け寄る。
「今いくらで出そうとした?」
「えーと、1〜2万くらい?」
「はぁ〜…いいか?フリーズは最初10万くらいと言ったが、使ってみてわかった。あれは30万でも売れる」
「…え?30万?!」
「あと、さっきオークを押しつぶした魔法も50万でも安いと思う」
「そ、そんなに?!」
「とりあえず、フリーズとさっきの魔法は最低ライン50万だ。でないと魔法の相場がおかしくなる」
「わ、わかった…」
アルマは冒険者の元へと駆け寄る。
「で、いくらくらいで売ってくれるんだい?」
「えーと、彼女が使った魔法は30万で、僕がオークを押しつぶした魔法は50万です…」
「あの威力で50万だって?!確かに安い…」
やはりヨシュアの言う通り、相場はアルマが思っていた以上に高かったようだ。
「しかし、僕達そんなにランクが高くないから、出せないな…僕のなけなしの貯金…10万ペルで買える魔法はないかな…?」
「あー、それなら最後アークの足止めで使った魔法なら…殺傷能力はあまりないですが…」
「是非!それを彼女に教えてくれないか?!」
「え?!いいの?!」
「いいんだ、君は今まで通り魔法で僕のサポートをしてくれ」
「わ、わかったわ…」
「貯金は街に戻れば引き出せるから、一緒の馬車に乗っても構わないかい?」
「2人なら大丈夫ですよ」
「ありがとう」
こうして、アルマは新たにアレンとミリアと一緒に街に戻ることになった。
「ところで、お腹空いたし、ここ見晴らしいいのでみんなで食事にしませんか?」
「え?いいのかい?」
「はい」
アルマはそう言うと、収納魔法でテーブルと椅子と食料を出した。
肉と野菜の簡単なスープを作って、予め買っておいたパンとあわせて出した。
「はい、シェイラはエルフだから野菜サラダね」
「ねね、肉入れなかったらスープもいいんじゃない?!」
シェイラもスープが飲みたいのか、せがんで来た。
「んー…そうなのかな?まぁ、肉抜けばいいのかな?」
アルマもエルフの食事の基準がわからなかったので、肉を避けてスープとパンを渡した。
予定よりだいぶ大人数での食事となったが、みんなは美味しい食事を堪能し、会話も弾んだ。
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次回の更新予定は、2022年1月1日の18時を予定しております。
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