第八話、虐殺
残酷描写ありっす!
青年は拳銃を片手に、立ちはだかる警察官達を撃ち殺して進んで行く。
「ば、化け物め!!」
ドンッ。
脳天を撃ち抜いて、ゆっくりと階段を登っていく。
弾倉が床へ落下し、懐から新たな弾倉を取り出し、装填する。
青年は、単純作業のように、警官の頭に狙いを付け、確実に命を奪っていく。
「助け…」
命乞いした警官の頭を吹き飛ばす。
薬莢が静まり返った辺りに転がる。
「こんなもんか…」
振り返ると、頭を撃ち抜かれた警官達の死体。
喪失感すら覚える。
すると、足元に新聞紙が纏わりついた。
「ん?」
新聞紙を手に取る。
【東京都市警、犯人を取り逃がす!!】
青年は、くしゃくしゃに丸めて、そこら辺に放り投げ、鼻で笑う。
再び歩き出そうとすると、
パンッ。
と、乾いた音とともに膝を突かされた。
太腿からは、血が流れ落ちていた。
「痛ってぇな…」
「そこまでよ」
キリスが銃撃し、自動式拳銃を構えながら、青年の後頭部に突き付ける。
「おいおい。殺さないのか?」
「……あなたを逮捕する」
「とんだ、甘ちゃんだな」
「殺してしまえば、何も分からない。貴方が何者なのか…」
何人もの警察官を殺されていながら、キリスは逮捕に拘っていた。
脇からキリスの左脚を撃ち抜き、逆に頭へと拳銃を突き付ける。
「ぐっ…」
キリスは、痛みに堪え、歯を食いしばる。
「それで、お前が殺されちまえば笑いもんだろうが」
「うるさいッ!! それでも私は…」
キリスの脳裏に、榊の姿が過る。
「……」
青年は、拳銃を突き付けるのを止めて、署長室へと向かうため、再び歩き出すと、キリスは自動式拳銃を構えて引き金に指を入れる。
「リーダー、ちゃんとトドメ刺さなきゃー」
フィリンがナイフを遊ばせながら、キリスの胸ぐらを掴んで壁に押し当てる。
(凄い力…ッ…でもッ!!)
キリスは、震える腕で自動式拳銃をフィリンに向けて発砲しようとする。
「あ……」
キリスは、血を吐き出す。
フィリンのナイフが脇腹を貫いていた。
「何、抵抗してんのさ? バカじゃないの」
蔑んだ目で、キリスを見下し、血に染まったナイフを舌で舐め取る。
(助けて…榊…!)
「うげっ。こいつ泣いてやんのー! さっさと死ねよ」
ドンッ。
銃声が鳴り響く。
「…放っておけ」
青年がフィリンの腕を撃ち抜いていた。
「えぇ!? すっごい痛いんだけど!?」
撃ち抜かれた腕からは、風穴が空き、血溜まりを作っていた。
フィリンの力が弱まり、キリスが床に倒れる。
「ごほっ…ごほっ…」
「えぇ…らしくなくなくない?」
「俺の気まぐれさ」
「殺していいっしょ!」
フィリンは、ナイフを翻すと、
「…やめろ」
青年が低い声で言い放つと同時に、殺気が滲み出る。
フィリンは、すぐ様ナイフを懐にしまう。
「分かればいい…」
そう言い残して、階段を昇っていった。
「ちぇっ…」
※※※※※
「うわぁぁ…!! 来るな!!」
警察署長は、机に隠れながら、ガタガタと震えている。
青年がゆっくりと近付くと、銃弾が頬の横を通り過ぎた。
「来るなって言ってるだろ!!」
「ムカつく面してるよな」
青年は、ため息を零しながら、非常にゆっくりとした動作で照準を定める。
絶対に外さないとでも言わんばかりの動作だった。
「死ね」
乾いた男とともに、警察署長の頭が潰れた果物のようにぐしゃっと弾ける。
「はぁ…」
ため息とともに、警察署長室を後にする。
ソウ。
能力、不明。
世界喰統括リーダーで冷静な判断で曲者揃いの幹部達をまとめる。
幹部達でさえ、リーダーの能力を把握していない謎多き人物でもある。
「おい、そろそろ行くぞ」
幹部達の元へ戻ると、辺りに広がる血の海。
抵抗した警察官達は、無惨な姿でゴミのように床に転がっていた。
最後まで読んでくれて感謝っす!




