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END’S World  作者: 明日の夜明け!
プロローグ
8/17

第七話、終末者|《エンド》

最新話っす!稚拙な文っすけど、読んで下さると嬉しいっす!

 わたしは、リク。


 はっきり言って、この世界の住人じゃない。

 簡単に言うのなら、別の世界から来た。

 こんな話を聞いた事があるんじゃないかな?


 パラレルワールド。


 並行世界、異世界とか言うのかな。

 そんな感じ。


 世界は幾つもの分岐点があって、そこには幾つのもの時空、次元がある。


 わたしがいた世界もそこに含まれてると思う。


 この世界でいう"次元大災害"のせいで、色んな世界がくっ付いて、時空や次元が歪んでる。


 だから、人間離れした能力を持った奴らが入り込んだんだと思う。


 そいつらは、わたしの倒すべき敵だ。

 わたしがいた世界を、


 滅ぼしたからだ。


 わたしがいた世界は、常に雲で覆われていて、太陽なんて見た事がなかった。


 廃墟都市に、辺りに広がる砂漠地帯。


 そんな世界だった。


社会不適合者(ロスト)だ…気味悪い…」


「あっちに行けッ! 化け物ッ!!」


 わたしらの世界じゃ、社会不適合者(ロスト)って呼ばれる異能力者が生まれる。


 わたしもその1人だ。


 小さい頃の記憶はないけれど、異能力を使えたから。


 人と違うというだけで、差別され生きにくい世の中だった。


 それでも良かった。


 こんな地獄みたいな世界でも、生きているだけで幸せだったから。


 それに、スラム街で皆との暮らしが好きだったんだ。


 だけど、突如として…奴らが現れた。


 わたしと同じ、異能力を持った奴らが。


 そいつらは、終末者(エンド)と名乗り、人ならず者の力を行使し、世界を蹂躙し始めた。


 軍隊も必死に抵抗したが、無意味に等しかった。


 他の社会不適合者(ロスト)達も抵抗した。


 すぐに殺されてしまったけどね。


 生き延びたわたしは、自分の能力を理解して、世界に残った奴らを1人残らず排除した。


 わたしの能力は、


 消失(デリート)


 その名の通り、物体を消す事が出来る。

 跡形もなく。


 終末者(エンド)達に聞いた限りでは、他の世界も同じように蹂躙してる。


 だから、わたしは奴らを倒すため、開いた空間を通って、この世界に辿り着いた。


 ※※※※※


「にわかに信じ難いな…って言ってる場合じゃねぇよな」


 榊は、先程見た出来事と結び付ければ納得の出来る説明だ。


「つまり…だ。その終末者(エンド)って奴らがこの世界に来ているって事か?」


「恐らくね。だけど、この世界が終わってないって事は、まだ他の終末者(エンド)は来ていないと思う。時空のズレとかね」


「ズレ?」


「幾つもの世界が歪んでくっ付いてるって事は、この世界に来るまでの誤差がある感じかな。わたしも、体感で1ヶ月くらいだったし」


「体感かぁ…」


「そっ。流れる時空の狭間で、肉体は歳を取らなくても、感じる時間が相当なんだ」


「まだ猶予はあるって事か…」


「だけど…それが何時(いつ)になるか分からないよ。年後なのか数日なのか…」


「そうだな…」


「それに、今日かもしれないし」


 榊は一瞬、視界が歪むのを感じた。


「今のは…」


「奴らが来たみたいだね」


 リクも感じていたらしい。


 歪み。


 それは、空間に穴が空いた合図でもある。


 滅多な事では、感じないが、とてつもない何かが接近して来たため感じ取る事が出来た。


 ※※※※※


 ーー東京都市警察署。


 警察署前に、現れた5人の影。


 それぞれがフード付きの黒いロングコートを身に付け、口元が見える仮面を装着していた。


「……?」


 背丈が低く小柄な少女は、袖が余る程のコートをひらひらさせながら、小首を傾げる。


「ふむ…、体感で5年弱」


 厳つい声、高身長、ロングコートがはち切れそうな程の筋肉質で、口元から見える肌は黒光り、付近には触覚のような物が付いている。


「うげっ。数えてたのか!?」


 大袈裟に驚く、高身長の女性。見た目だけでは、美人のような雰囲気を醸し出しているが、口調からは、何か抜けてそうな感じだ。


「のっほっほっほ。良いオヤツ時間でありましたな」


 ポップコーンを片手に貪る太っている男は、高笑い。


「お前、ずっと食ってただけだろ!!」


 高身長の女が、すかさずツッコミを入れる。


「油断するなよ…この世界の奴らが強かったら即死だぞ」


 明らかに他の4人と雰囲気の違うリーダー格の青年が気を引き締めさせる。


「先に斥候隊が着いてるはずだが?」


 青年が辺りを見渡す。


 街ゆく人の声、車の音。


 平和そのものだ。


「気配を感じぬ。着いていないか、倒されたか…」


 筋肉質の男が答えると、高身長の女は大爆笑。


「うははははっ!前者は、ともかく後者は有り得ないって! 仮にも世界喰(ワールド・イーター)のメンバーなんだしさー! 下っ端だけど!!」


 ツボに入ったのか、ずっと爆笑している。


 世界喰(ワールド・イーター)


 それが終末者(エンド)の組織の名前だ。


「とにかくだ。この世界の戦力を…」


 青年の言葉を遮るように、警察官に話し掛けられる。


「君達、ここは歩道だよ。通行人の邪魔になるから避けてくれないと…」


「何、こいつ?」


 高身長の女が警察官に話し掛けられ、冷めた表情を浮かべていた。


 青年以外、鼻で笑い飛ばす。


「もしかして外人さん? 日本語分かるかい?」


 警察官は、コスプレしている外人と判断したのか、やたらと距離感が近い。


「デストロ、戦力把握だ」


「承知した」


 デストロと呼ばれた筋肉質の男は、警察官の前に立ちはだかり、拳を固めていた。


「ん?」


 警察官がポカーンとしたような表情を浮かべると、デストロの拳が顔面にめり込んでいた。


「まぁ…やる前から分かったけどな」


 青年は小声で呟いた。


 バリィィィンッ!!


 劈く音が響き渡り、東京都市警察署1階のガラスを警察官が突き破って壁に激突する。


 他の警察官達が駆け寄ると、飛んで来た警察官の顔面はぐちゃぐちゃに潰れていた。


 デストロが警察署に入ると他の4人も後に続いて入る。


「き、貴様ら!! ここが何処だか、分かってるのか!?」


 他の警察官がデストロに近付いた瞬間、固められた拳で殴り飛ばされると、壁にめり込んだ。


「ふむ…脆い」


 デストロ。

 世界喰(ワールド・イーター)幹部の一人。

 能力、【破砕(はさい)】。

 鍛えれば鍛えるほど、破壊力が増す、シンプルな能力。

 幹部の中でも超武闘派。


「し、襲撃だッ!!」


 警察官達は、机を倒し、遮蔽物の影から自動式拳銃やライフル銃を構える。


「動くと撃つぞ!!」


 警察官が忠告すると、太った男がポップコーンを指で弾いて飛ばす。


 コツンと忠告した警察官の眉間に当たる。


「ポップコーン…?」


「炸裂…ボンバーーーーーッ!!」


 太った男が叫ぶと、ポップコーンが発光して爆発。警察官が数人巻き添えになり、肉片へと変わる。


「ポップコーンは、最強なんですぞ」


 コププ。

 世界喰(ワールド・イーター)幹部の一人。

 能力、【爆裂玉蜀黍(ポップコッパー)】。

 ポップコーンを爆弾に変える能力、時限式では必ず指で弾かなければ爆発しない。

 幹部一の食いしん坊。


「くそ…!! 撃てッ!!」


 警察官達の一斉射撃。


 すると、銃弾が当たる前で止まる。


「撃ち続けろッ!!」


 警察官達が続けて銃撃するも、やはり銃弾は目の前で止まる。


「ど、どうなってる…?」


 小柄な少女が長い袖を振り下ろすと、銃弾が発砲した警察官達へと跳ね返る。


「ぐわッ」


「ぎゃッ!!」


 撃ち抜かれた警察官達は、悶え苦しむ。


反射(リフレクション)…」


 スーカ。

 能力、【反射(リフレクション)】。

 世界喰(ワールド・イーター)幹部の一人。

 あらゆる物体を反射等させる能力。


 透明な板がスーカの袖へと戻っていく。


 在中していた完全武装の警官隊が、幹部達を取り囲み、一斉射撃体勢だ。


「学習しないってウケる」


 高身長の女が笑い飛ばす。


 銃弾を跳ね返されたのにも関わらず、銃撃しようとしているのだから笑ってしまったのだ。


「撃てッ!!」


「おっそい」


「!?」


 笑いながら、警官隊の横をすり抜ける。


「死んでっと」


 警官隊達の身体のどこかへかすり傷を負わせて、ナイフをペロリと舐める。


斬滅(ざんめつ)


 フィリン。

 能力、【連鎖(れんさ)】。

 世界喰(ワールド・イーター)幹部の一人。

 どんなかすり傷でも、連鎖的に相手へダメージを与える事ができる。

 幹部の中でもお調子者。


「後は任せたぞ」


 青年は、署長のいる最上階へと向かった。


読んで下さり感謝っす!

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