第五話、消えた少女
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重傷の榊を抱え、ひとまず路地裏から飛び出すと、完全武装した警察隊が待ち構えていた。
「両手を頭へ、腹這いになれッ」
発砲体勢になっていた警察隊が、警察官である2人を確認し、駆け寄って来る。
「どういう状況だ?」
警察隊の一人が尋ねる。
「鉈を持った大男が、他の警察官達を…!」
「何だと!?各員突入しろ!!」
警察隊が雪崩込むようにして、路地裏へと突入。
いくら、相手が強かろうと、数十人の完全武装した警察隊には勝てないだろう。
路地裏では、警察隊がそれぞれ配置に付き、大男を捜索していた。
しかし。
「いない…?」
一際大きな鉈のみが残され、容疑者と思われる大男は、発見出来なかった。
※※※※※
ーー東京都市警察署、署長室。
「とんだ恥知らずだ!!全く…」
小太りの男、東京都市警察署長は、榊とキリスの2人を怒鳴り付ける。
キリスは、不服な態度で署長を見つめ、榊は、折れた左腕を吊っていた。
「これを見ろ!!」
署長から投げ渡された新聞をキリスが手に取ると、そこには、
【東京都市警、犯人を取り逃がす!!】
と、大体的に取り上げられていた。
「確かに、私達はあの場で犯人と交戦しました。ですが、決して逃がした訳では…」
「言い訳するな! 他の警察官も死んでいるがな、貴様らがおめおめと逃げたせいでこうなってるんだぞ!!」
あれ程、人間離れした相手を、警察官2人で対峙して生きて帰っただけでも賞賛に値するものだろう。
この2人以外、犯人を見ていないのだから、何とでも言える。
署長が腹を立てているのは、自らが築き上げた地位を危うくされた。
たったそれだけの事だ。
署長は、いっそのこと、榊達も死んでくれた方が自分のせいにならないと思っている始末。
「貴様らの顔なぞ見たくもない!! 処分は、後で伝える!!」
署長に締め出されたのだった。
「あの少女の事、言わなくて良かったのか?」
自販機前の前で、榊はコーヒーを購入する。
「言ったって、信じる訳がないじゃない。女の子が容疑者と戦ってましたって?」
「それもそうだな…にしても、一体何者なんだろうな」
「これからどうする? あの署長なら免職にするわよ。良ければなんだけど…榊?」
キリスが振り返ると、榊が手を挙げながら立ち去っていた。
「もう…」
キリスは、ぷくっと頬を膨らませた。
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