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END’S World  作者: 明日の夜明け!
プロローグ
14/17

第十三話、時空を超えて

榊達は、来訪者達とともに、時空を超える。

 ーー時空転送装置前。


 円状のエレベーター様な物を、榊、キリス、リクの3人が見上げる。


 世界と世界を繋ぐ、転送装置。


 まさに非現実的だ。


「辿り着いたら、同盟を取り付けて欲しいんだ」


 異世界調査でやるべき事は、その世界の代表者と同盟を結ぶこと。

 各世界に仇なす、終末者(エンド)達に対抗するためだ。

 当然、どんな世界が分からないため、戦闘はやむを得ない。


「交渉は君に任せるよ、キリス君」


「は、はぁ…」


 分厚いファイル手渡され、荷物にしまい込む。

 中身は、交渉に必要な資料が綴られている。


「それで今回の同伴者兼護衛の"来訪者"達だ」


 名草が軽く紹介すると、水色の髪色で刀袋に入れられた刀を大事そうに抱えており、いかにもというくらい自信なさげな表情を浮かべた少女と、高身長で茶髪を寝癖のせいか爆発しており、チャラそうな雰囲気を醸し出す青年の2人が立っていた。


「えとえと…わっ、わたし………は……す」


 顔を真っ赤にし、最初の言葉が以外、口ごもって何を言ったのか聞き取れない。


「悪い、聞こえなかった」


 榊がそう答えると、ただでさえ白肌が目立つのだが、顔がみるみる真っ赤に染まっていく。


 さらに、涙目で何かを訴えるように、榊を見つめていた。


「…泣かした」


 ぼそっとキリスがボヤく。


「え? 俺のせいなのか…? すまん…」


「こいつの名前は、鹿紫雲 陽花(かしも はるか)。すっげぇ、人見知りなんだけどな! 2回も異世界調査で生還してるから、腕は確かだぜ!」


 チャラそうな雰囲気の青年は、陽花(はるか)の背中を軽く叩くと、照れ隠ししながら俯き、頭をぺこりと下げる。


 まるで、臆病な小動物だ。


 鹿紫雲 陽花(かしも はるか)

 異世界調査を2回も生還した実績があるが、性格は非常に臆病で、極度の人見知り。


「…で、俺は、カイン・マーシャル。硬っ苦しいのは、ナシだぜ? これから背中を預ける仲間だからな!」


 にっと笑みを浮かべて、親指を立てる。


 カイン・マーシャル。

 何事にも明るくポジティブで、ムードメーカー的存在ではあるが…。


「榊・フォードレッドだ。よろしく頼む」


「おう!」


「キリス・ヘルグリフよ。よろしく」


「……」


 カインは、キリスと視線を合わせると硬直していた。


「私の顔に何か…付いてるッ!?」


 キリスは、カインに両手を握られたため、上擦った声をあげてしまう。


「君は…天使…か?」


「え? えぇ!?」


「君と目が合った瞬間…感じた。いや…感じてしまった…、"運命"だとね」


 カインはムードメーカー的な存在…ではあるが、彼には女癖が悪いと言っていいほど、ナンパしまくる奴なのだ。


「わたしは、リク。よろしく」


 リクが自己紹介しながら割って入ると、キリスは胸を撫で下ろし、カインは肩を竦める。


 リクの視線に何かを感じたかのか、カインは文句ひとつ立てず、引き下がった。


「こほん。では、頼むよ君達」


 名草が合図すると、足元から青い光が粒子となり、榊達を包み込んだ。


 ※※※※※


 榊達は、だだっ広い白い空間へと飛ばされる。


 何度か時空を超えていた、カインや陽花は驚いていた。


「周りが白ばかりって、距離感掴めないわね」


 キリスが荷物を下ろし座る。


「こんな空間は、初めてだ」


「…です」


 事情を聞くと、時空を超える時、歪んだ空間をゆっくりとした時間の中で進んで行くらしい。


 そのため、この空間に違和感を感じるのだ。


「…て事は、無事に着くか分からないって事か?」


 榊がリクに尋ねる。


「着いてみないと分からないしね…」


「だよな…」


「考えても仕方ねぇし、交流を深めるって事で話でもしようぜ」


 カインの提案で談笑を始めるのだった。


待ち受けている世界とは!?

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