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END’S World  作者: 明日の夜明け!
プロローグ
13/17

第十二話、成り行きで

東京都市警が壊滅的打撃を受けた今、

榊は…。

 俺は、アルフェル・カタスティーの戦いを見た後、呆然と物事はトントン拍子に進んで行ってしまった。

 こんな事は初めてだ。


 次々に起こる、知り得ない出来事に、とうとう頭が追い付いていかなかった。


 パラレルワールド、異世界…。


 いきなり信じろと言われても、無理がある。

 だが、信じるだけの材料は、無いわけではない。


 結局のところ、俺は、来訪者対策機関(ビジター)日本支部へと加入した。


 理由は、単純。


 極秘機関の存在を知ったこと。

 社会不適合者(ロスト)と呼ばれる少女、リクと行動を共にしていたこと。


 この理由で、加入させられた訳だ。


 戻った所で、東京都市警は最早ない。


 腑に落ちない事はあるが…、警察より断然、優遇されている。


 福利厚生、給料とかな。


 何より、正当な評価がされるという事に、これ程有難みを感じた事はない。


 ここまで優遇されてるって事は、それなりに何かありそうだな。


 一番、驚いたのは…。


「榊? この備蓄、5番倉庫に運ぶんだけど、何処か知らない?」


 そう。


 まさか、キリスまでもが、来訪者対策機関(ビジター)日本支部に加入するとは思いもしなかった。


 キリスは、終末者(エンド)の連中に殺されそうになったが、気まぐれというやつで、命までは取られなかったらしい。


 まぁ…無事で良かった。


「なに笑ってんのよ」


「別に」


 ※※※※※


 ーー来訪者対策機関(ビジター)日本支部、管理室。


「今回の調査で、即戦力になりそうな人はいるかい?」


 来訪者対策機関(ビジター)日本支部局長である名草が、新人育成のデータを取りまとめる研究員に尋ねる。


「はい。先日、加入した"来訪者"リクは、能力的に見ても他の来訪者と比べて郡を抜いていますね」


 研究員の一人が、モニターに戦闘訓練の様子を映し出すと、リクは訓練相手である、人型戦闘兵器を跡形もなく消し去る。


「申し分ないね。候補として検討しよう。同行する隊員で良い人いるかい?」


「それであれば…」


 パソコンを操作し、隊員の中から候補者をリストアップする。


「ほう…」


 名草は、少し関心したような表情を浮かべる。


「1人目は、元東京都市警所属、榊・フォードレッド。彼は、感情的になりますが、頭は至って冷静。あらゆる局面で冷静な判断が出来るかと。既に模擬戦闘で5回、チームを勝利に導いています」


「次は?」


「2人目は、同じく元東京都市警所属、キリス・ヘルグリフ。彼女は、多くの業務において優秀な成績を納めており、射撃成績は、新隊員の中で断トツです」


「ほうほう。本当に警察官だったのかい?」


「はい。ですが…調査したところ、この2人に関しては、優秀な職員であったにも関わらず、埋もれていたようですね」


 東京都市警は、はっきりと言って上層部が腐りきっていた。

 才能ある者、評価されるべき者が埋もれてしまうのは、よくある事だ。


 ※※※※※


 ーー来訪者対策機関(ビジター)日本支部局長室。


「…という訳なんだ」


(だから、どういう訳だ!)


 名草の屈託のない笑顔を向けられ、榊は心の中でツッコミを入れる。


「それで、名草局長。私達3人に何のお話ですか?」


 隣にいたキリスが質問する。


 さらに隣にいたリクは、局長室内の装飾を眺めていた。


「新しい時空世界が発見されたんだけどね。人手が足りなくてさ。調査して来て欲しくて」


「お言葉ですが、我々3人では力不足です」


 キリスがはっきりと答えると、名草が微笑みかける。


「それは心配しないで欲しい。ちゃんと考えてるさ」


次回もお楽しみにっす!

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