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END’S World  作者: 明日の夜明け!
プロローグ
11/17

第十話、来訪者対策機関|《ビジター》

第十話っす!


 ーー都内某所。


 榊達は、白銀の翼(シルフィード)機甲団と名乗る一団に連れられ、円卓のある一室へと到着する。


 重傷のリクは、医務室へと連れて行かれた。


 上座には、黒色スーツを纏う中年の男が座っており、後方には地球らしき惑星のマークに翼が刺繍された旗が掲げられている。


 女性軍人は適当に空いている席へと腰掛けた。


「君達が敵の"来訪者"と戦っている者達かね?」


 榊は、何を言っているのか理解しようとしたが、理解出来ない。


 情報量が多すぎるのだ。


「俺は、東京都市警所属、榊・フォードレッド巡査ですが…ここは一体…」


「おや? 君は来訪者では無かったのか…。どうしようか」


「は、はぁ…」


「帰ってくれは、失礼だろうしね…」


「名草殿、この若人はあの"来訪者"共と対峙している。説明してやっても良いのではないか?」


「しかしね、一応…機密機関だしねぇ」


「なぁに、仲間として迎えれば良いさ」


「…という訳だ」


(どういう訳だ…)


 榊はツッコミたくなるような衝動を堪える。


「私は局長の名草(なぐさ)。ここは、来訪者対策機関(ビジター)日本支部。侵略して来る来訪者からの防衛、後は別世界の調査をしている所なんだ」


 来訪者対策機関(ビジター)


 次元大災害が発生し、世界各国で極秘に設立された機密機関であり、この世界において、来訪者と呼ばれる侵略者に対抗する手段を唯一保有している。


 当然、現状の戦力だけでは、来訪者に対抗出来ないため、繋がってしまったあらゆる次元を調査し同盟を結び、対抗する手段を得ているのだ。


「そして、そこに座ってる女性が…」


 名草が紹介しようとすると、自ら名乗りあげる。


「私は、デルムン帝国軍白銀の翼(シルフィード)機甲団所属、アルフェル・カタスティー将軍だ」


「まぁ、彼女がいた世界は、ゴリゴリの軍人国家で年がら年中戦争をしているんだ」


「って事は、その人も社会不適合者(ロスト)という事なんですか?」


 すると、アルフェルから放たれた銃弾が榊の頬を掠める。


「…え?」


 思わず、榊は尻もちをつく。


「その名を口にするとはな…。忌々しいッ! この場で断罪してくれるッ!!」


 敵意を剥き出しにして、拳銃を榊に向ける。


「落ち着きたまえ、カタスティー将軍。榊君だったかな? それをどこで知り得たんだ?」


 榊は、口を噤むと同時に察した。


 社会不適合者(ロスト)は、この人達にとっては敵と同じくらいの存在なのではないかと。


 でなければ、いきなり銃撃なんてされる訳がない。


 返答を間違えれば、確実に殺される。


 言葉を選んでいると、


「わたしが、社会不適合者(ロスト)だからだよ」


 扉の奥から、リクが現れる。


「お前…傷は大丈夫なのかよ…」


「まぁね」


 医務室に運び込まれたはずのリクが、ケロッとした表情のまま肩を竦める。


「貴様が社会不適合者(ロスト)だと? なら生かしてはおけんなッ!!」


 アルフェルは、サーベルを引き抜き、リクを両断しようと振り下ろす。


「リク!!」


 榊が叫ぶと、アルフェルはサーベルをリクの目の前で止める。


「…貴様。何故、避けない?」


「避ける必要がない。わたしは、確かに社会不適合者(ロスト)だけど、あの来訪者達を倒さなければならない」


 榊が視線を落とすと、リクの足元には、ポタポタと血が滴り落ちていた。


 立っているのもやっとという状態だ。


「憎む気持ちは分かるよ…だけど、協力出来るならさせて欲しい。奴らを倒せるなら」


 リクの力強い瞳に、アルフェルが一瞬、気圧される。


 その瞳には、信念と覚悟が備わっていた。


 アルフェルは、名草と顔を見合わせる。


「私は回りくどいのが嫌いでね。カタスティー将軍、敵ではないようだし、仲間に加えるという事で良いと思うのだが、異論はないね?」


「…良いだろう」


 アルフェルがサーベルを鞘に収めると、けたましくブザーが鳴り響く。


『緊急連絡!! 緊急連絡!! 関東エリア新宿に次元生命体が出現!!繰り返す…』


「次元生命体だと…? 行かないと…」


 東京都市警は、駐屯する軍隊が討伐中に市民の避難誘導を行なわければならない。


「榊君、君が行く必要は無い。我々に要請が来ると言う事は、軍隊では相手にならないという事だ。それに、東京都市警は最早機能していないだろう」


「俺は警官だッ!! 市民を守る義務がある!!」


「それなら、わたしも行くよ…」


 リクが足を踏み出した瞬間、力無く倒れそうになったところを榊が慌てて受け止める。


「リク…しっかりしろ!!」


 すると、救護班が駆け付けて来た。


「ここに居たぞ!」


「早く医務室へ連れ戻すんだ」


 リクを担架に乗せて、運び出す。


 肋骨の骨折だけでなく、内蔵も破裂。


 立っていたのが奇跡だった。


「リク…」


 アルフェルが榊の肩に手を置く。


「焦るな若人よ、貴様の誇りは買う。だがな、相手が相手だ。それは勇気ではない、ただの蛮勇だ」


 次元生命体は、軍隊が束になってようやく勝てる程度。


 榊1人ではどうにかなる相手ではない。


「名草殿、いい機会じゃないか。この若人も仲間になるのだ。実力とやらを見せた方が理解するだろう」


「君が良ければ構わんよ」


「では、往くぞ。若人よ」


作品テーマは、推しキャラを決めると楽しさ倍!って勝手に思ってるっす(笑)


読んでくれている人に感謝っす!

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