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LINKED HORIZON ~異世界とか外国より身近なんですが~  作者: タイロン
第三章 episode9 『詰草小奏鳴曲』
502/526

episode9 sect21 ”エイリアン調査”


 エイリアン調査()()()()


 伝楽たち3人は、再び夕方の森林公園を訪れていた。ただし、今日は調査結果の報告期日である。そんな日にここへ来たからには、彼女も現地に呼ばれていた。


 「あの・・・本当なんですよね?ジュリアスを殺したエ、エイリアンを()()()()()()


 依頼人、何汐(ファ・シー)。彼女は待ち合わせ場所に、時間通りにやって来た。だが、その表情は依頼に来た日から変わらず、疑わしげなままだ。子供のすることとはいえ、愛犬の死を冒涜するような妄想話に付き合わされてニコニコしていられるほど彼女は人間が出来てはいない。

 この森林公園なら、汐も日常的にジュリアスとの散歩で訪れていた。ジュリアスがいなくなってからも、ふとした折りに何度か来ている。ジュリアスとの写真をここでたくさん撮った。思い入れのある場所なのだ。ここのことなら、なんでもとまでは言わないが、大体のことは見てきて知っているつもりだ。それが、エイリアンの寝床になっていたなんて言われても信じられるはずがなかった。

 だが、汐を呼び出した探偵たちは少しも気後れした様子などなく、むしろ助手の2人に至っては今回の成果を早く見せびらかしたくて堪らないとまでいった風である。一番年上に見えるエルネスタや、掴み所のない伝楽なんかはまだ詐欺のための演技で自信満々なフリをしている可能性を疑う余地がある。しかし、見るからに普通の小学生であるサイラスまでそんな器用なことが出来るとは思えない。関わるほどに奇妙な感覚にさせられる探偵たちだ。


 「それで、そのエイリアンはいまどこに?」


 「慌てなくても、すぐ案内しますよ!さ、汐さんこっちへ!」


 汐よりよっぽど慌ただしいエルネスタが先導して、一行は公園の遊歩道を南から北へ進んでいく。目的地までの道すがら、伝楽は汐の認識を正すために事前に伝えておく必要のあることを話し始めた。


 「何汐、先に言っておくが、ジュリアスを殺した犯人は、エイリアンではないのら」



          ●



 「エイリアンじゃないって、どういうこと!?だってほらコレ!こんなのエイリアンじゃなければなんなのさ!?」


 興奮冷めやらぬエルネスタは、当然、これまでの調査結果どころか目的すら否定するようなことを言う伝楽に食って掛かった。


 「まぁ、厳密に言えば”エイリアン”という表現も正しくはある。らけど、お前たちが期待する宇宙から飛来した未知の生命体という意味での”エイリアン”ではないのさ」


 英語辞書を引けばすぐに分かることだが、alien という単語には本来的に、主観者の持つ領域の外にあるものを表現する、広く汎用的な意味がある。それはすなわち。


 「定着型外来生物、と言えばエルネスタあたりは分かるんじゃないか?」


 「・・・!なるほど、そういう」


 ハッとした顔をするエルネスタを、サイラスは見上げた。


 「ていちゃ・・・エルエル、なにそれ?」


 「定着型外来生物。サイサイ、普通、位相歪曲が起きて出現したモンスターってどうなる?」


 「それは、ライセンサーの人たちがモンスターをやっつけてくれるじゃん」


 「そうだね。でも、もしそこで仕留め損なったモンスターに逃げられてしまったら?」


 「・・・そっか!つまりエイリアンの正体は人間界に棲み着いたモンスターってことだ!!」


 他に類を見ない、全ての生物がほとんど黒色魔力を保有しない人間界という世界において、定着型外来生物の発生は非常に珍しいケースだ。人間界以外の世界で一般的となっている、黒色魔力主体の魔力特性を持つ生物は、例え魔法士たちの駆除の手を逃れて人間界で食料を得続けようとも、生命維持に必要な魔力を補充出来ずに、遠からず衰弱死するためだ。だが、際限なく起こり続ける位相歪曲の中では、必ず白色魔力主体の環境に適応して生き残る強靱な生命力を持った個体が一定数現れる。

 そうなった後は、ブラックバスやマングースと同様の害獣だ。ただでさえ稀少なケースにあってなお一層稀有な事例にはなるが、過去には番いで定着したモンスターが繁殖まで始めて、地域の生態系に目も当てられない被害を出したこともある。


 「はぁ~。なんだ、エイリアンじゃないのかぁ」


 「ガッカリさせてしまったな」


 目に見えてテンションの下がるエルネスタに、伝楽は苦笑した。しかし、項垂れるエルネスタの口元に、再びニッとした笑みが浮かぶ。


 「ま、期待外れと言えばそう。―――けど、これはこれで面白いっ」



          ●



 ある程度遊歩道を歩いたところで、一行は舗装路を外れて茂みの中へ入っていく。人が迷うような林ではないが、服の汚れを心配するくらいには道なき道を歩くと、木の枝にぶら下げられた大きな鳥籠のようなものが見えてきた。既に日も傾いた林の中では薄暗くてよく見えないが、いまの距離でも確かになにかが籠の中に捕らえられているのは分かった。


 「あれが・・・?」


 「ああ。『アムニエルバ』、お前の愛犬を殺した定着型外来生物(エイリアン)さ」


 汐はスマホのライトで籠の中を照らした。そこには、真っ白な布切れみたいな、確かに地球外生命体らしいなにかが浮遊していた。

 だが、この妖しくも頼りない姿の生き物を見ると新たな疑念も湧いてくる。目の前にモンスターがいるにも関わらずIAMOのアプリのアラートが鳴らないため、これが定着型外来生物であるという発言までは信じても構わない。それを見つけて捕らえた労力も、嘘ではないのかもしれない。だが―――。


 「伝楽さん。悪いんですけど、こんな生き物にジュリアスが殺されたなんて言われても信じられません・・・。こんな、私でも殺せそうな、でっかいワンタンみたいな生き物に・・・っ」


 彼女たちは10日という短期間では本当の原因まで突き止められなかったのだろう。このワンタンもどきは、苦し紛れに用意したニセの結論なのだ。


 「待て、何汐。不用意に近付くな」


 「苦労したのは認めますけど、こんなので誤魔化そうなんて良くなぃ」


 落ちる。


 「・・・?」


 眠りに就く間際、時折やって来る、高いところから落ちるような瞬間的虚脱感が汐を襲った。いや、違う。錯覚ではない。景色の視点が直前と異なっていた。スマホも知らぬ間に地面に転がっているようで、ライトの閃光が草の隙間から白く漏れ出している。


 どうやら、籠に近付いて中を覗き込んだ汐は、なぜか膝から崩れ落ちたらしい。


 「ぁぇ・・・?」


 舌すら満足に回らない。

 鳥籠の縁に体を押しつけ、『アムニエルバ』と呼ばれた獣がこちらを見下ろしてくる。

 目が合った瞬間に、汐は、思い出した。有史以来、人類のほとんどが生涯忘却したまま思い出すことのないであろう根源的な恐怖を。


 (食べられる・・・!?)


 「言わんこっちゃない」


 ぐんと腕を引かれ、汐は雑に土の上を転がされた。伝楽が助けたのだ。


 「立てるか?」


 「あ、はい・・・・・・あれ?力が入らない・・・」


 尋常ではない倦怠感だ。結局、サイラスに介抱されてようやく立ち上がりながら、汐は幼少期の体験まで遡っていた。


 「これって、魔力切れのときの・・・」


 「もう分かったじゃろ?ジュリアスがこの見掛け貧弱な生き物になぜ食い殺されたのか」



          ●



 伝楽が定着型外来生物の可能性を示唆した翌日には、サイラスたちは伝楽の出した宿題を終わらせてきた。もっぱらエルネスタのおかげではあろうが、ネットでカメラに映ったモンスターと類似する異世界の生物を調べ上げたらしい。

 伝楽が調べた候補生物と、サイラスたちのピックアップリストで共通するモンスターは4種ほどいたが、映像の内容と照らし合わせる限り、直接噛み付いて捕食行動を取るような生物種は弾かれ、『アムニエルバ』だけが残った。元々は『エン・ヌイラ』という世界の山間部や草原に生息する生物のようだ。


 「物質的な食事は摂らず、獲物の魔力のみを掠め取るのか」


 「これって私の推理、バッチリ合ってたくないですかセンセ~!?」


 魔力切れを起こせば、全身から力が抜けて思うように体を動かせなくなる。大体の人は子供の頃なんかに調子に乗って覚えたての魔法を使い過ぎたりして経験したことがあると思うが、本当にビックリするほど体が言うことを聞かなくなったはずだ。気合いでどうにかなるレベルの話じゃない。

 だが通常、魔力切れを起こせばそれ以上の魔力使用は出来なくなる。魔力切れと言っても、文字通り体内の魔力量が完全なゼロになったわけではなく、本能的に体が省エネモードへ切り替わることによるものだ。本当にすっからかんになったら、絶命してしまうからである。

 その点で、魔力とは生命力という表現もまた当たらずとも遠からず、といったところか。自分で魔力切れを起こす分にはどこかでセーフティが働くが、獲物の魔力を吸う分には必ずしも相手の致死量に気を遣う必要はない。そうして傷ひとつない、毒も検出されない、眠るような動物の変死体が出来上がるわけだ。


 「探偵のお姉ちゃん、これで汐さんの依頼は達成した感じ?」


 「まぁ、これでも成果としては及第点ではある―――が、愛犬を喪くした傷心の依頼人はこの程度の調査結果で満足するかな?」


 伝楽の誘うような眼差しに、サイラスは前のめりで乗っかった。


 「そうこなくちゃ!俺たちで『アムニエルバ』を捕獲しよう!!」


 小学生のサイラスは好奇心からその発想に至っているが、そもそもの前提として定着型外来生物は発見し次第駆除するべき害獣だ。捕獲することには是非もない。・・・IAMOに提供すれば結構な報酬金も期待出来るし。

 だが、具体的にはどうやって捕獲するべきだろうか。ネット情報によれば、『アムニエルバ』は普段は自分より明らかに大型の生物は襲わないそうだ。つまり、人間が『アムニエルバ』に吸い殺されることは滅多にない。ただ、位相歪曲に巻き込まれた直後や飢餓状態、外敵との遭遇などによって興奮状態になれば話は別だ。


 『アムニエルバ』の魔力吸入量と一般成人の平均魔力量から推測するに、1回吸われただけで致命的になることはない。これは『アムニエルバ』が自身より大型の生物を捕食しない理由でもある。大抵の大型生物はその体躯に見合った魔力量を保有しており、下手に刺激して反撃を受ければ死ぬのは矮小なワンタンもどきだからだ。しかし、まだ幼いサイラスなんかはひと吸いされただけで意識が薄れ、その隙に吸い尽くされないとも限らない。端的に言って、魔法士でもない素人が直接捕まえようとするのは危険過ぎる。

 そのため、伝楽たちが取り得る選択肢は2つだ。①、IAMO北京支部に情報提供し捕獲を依頼する。②、効果的な罠を仕掛けて安全に捕獲する。


 「②でしょ!!」

 「②だよね!?」


 「・・・ま、そうなるよな。そうしたら―――」


 「大丈夫だよ伝楽、私に良い案があるから!!」


 「エルネスタがそう言うと不安しかないが、とりあえず聞くらけ聞こうじゃないか」



          ●



 「結果が、あの鳥籠なのら。良いアイデアらった。そういえばエルネスタは阿呆であって馬鹿じゃあなかったな」


 「ふへへ~」


 改めて罠の構造を見てみると、鳥籠の中にもうひとつ鳥籠がある。内側の鳥籠には、ちゃんと鳥が1羽入っていた。しかし、既に死んでいるようだ。この鳥は最初から死んでいたわけではない。


 「『アムニエルバ』は魔力しか食べない。ということはエサの重さがなくなって動作する仕掛けは通じない。籠の入り口をつっかえ棒で押さえる方式はシンプルで効果的だけど、エサを狙った他の動物でも作動してしまうので期限の近い今回の調査ではあんまりよろしくない。さて、汐さん。ならどんな罠が効果的だと思いますか?」


 「え、え?えーと・・・」


 「答えは簡単。生き餌の魔力が消失したら動作する罠を作れば良いんです!!」


 エルネスタはここぞとばかりに得意げな顔で講釈を垂れているが、実際、彼女の着想は非常に良質だった。最近の魔法工学で流行している魔力感応素材を応用し、籠の中の鳥が生きている間は鳥から漏れ出す微量の魔力に反応して外側の籠の入り口を持ち上げさせるシンプルながら斬新な仕組みは、近い将来様々な分野で応用される技術になるかもしれない。存分にドヤってもらって良いレベルの成果だ。

 そして、『アムニエルバ』は捕獲された。自身も食われかけた汐は、もはやこれ以上、小さな探偵たちの調査結果を疑う気など起こらなかった。愛犬のジュリアスは、このエイリアンに命を吸い尽くされたのだ。


 「それで・・・・・・そのモンスターはどうするんですか?もし、叶うなら―――」


 「すまない。定着型外来生物の取り扱いはIAMOの管轄になるから、仇討ちはさせてやれないのら」


 「・・・いえ。・・・良いんです、ジュリアスの死の真相が分かっただけでも、私・・・っ」


 涙を流しながらもどこか安堵した笑顔の汐の背を、伝楽は優しくさすってやった。


 「伝楽さん。もう、私みたいな思いをする人が出ないように、このモンスターをしっかり研究して対策を立てて下さいって、IAMOに伝えてください」


 「ああ、約束する」


          ○


 『アムニエルバ』を捕らえた鳥籠は、それがすっぽり入る大きさの白い箱に収められた。魔法戦用のフィールドなどにも使われる魔力拡散素材で出来たものだ。これなら籠の搬送を行う人間が魔力を吸われる危険もない。そして、『アムニエルバ』はしばらくしてやって来たIAMOの職員たちに回収された。IAMOの車両を見送る頃には、汐の涙も止んでいた。


 「伝楽さん。それから、エルネスタさんと塞勒斯(サイラス)くんも。本当に、ありがとうございました。・・・いまさらこんな風に言うのも虫が良いとは思うけど、あなたたちにお願いして良かったって、心からそう思うわ」


 「なに、気にすることはないさ。報酬さえもらえれば、な?」


 程度良い悪態をついて立ち去る可憐な探偵とその助手たちに、汐は深々とお辞儀をして見送るのだった。



          ●



 その夜。


 「え、夜ごはん食べて帰る?」


 サイラスからの電話に、浩然はキッチンをチラ見して小さく溜息を吐いた。ただまぁ、仕方ない。たまにはそういう日があっても良いだろう。


 「まったく、明日は3食とも同じメニューになりそうだ」


          ○


 「それじゃ、無事の依頼達成を祝して」

 『カンパーイ!!』


 依頼の達成報酬に加えて、『アムニエルバ』の捕獲報酬という臨時収入の約束を得た伝楽は、助手2人を伴ってちょっと高級めの焼肉店で打ち上げパーティを開いていた。普段ありつけないような鮮やかなお肉に、サイラスとエルネスタは目を輝かせた。


 「いいの!?ねぇホントに好きなだけ頼んでいいの!?」

 「よ、センセ、太っ腹~♪」


 脂が弾けるたびに香ばしい匂いが溢れ出す。若い胃袋はそれを一切の気兼ねなく、パクパクと平らげていく。いや、あまりにも柔らかい肉は、食べるというより飴でも舐めているかのようだ。


 「2人とも、今回はよく頑張ってくれたな。『アムニエルバ』の発見・捕獲はお前たちの協力あってこそらったのら」


 「こんな楽しいことならどんな協力だって惜しまないよ。まぁ、結局ほとんど伝楽のサポートありきだったような気もするけど」


 「そりゃあそうなのら。助手に調査の方針を示して効率的に成果を出させるのもわちきの仕事の範疇なのら」


 「そうは言うけど、あのトラップだって基礎設計は伝楽がしてくれたじゃん?どんだけ多才なのさキミ」


 「ふはは、褒めても特上ロースくらいしか出ないぞ」


 「「あざっす!!」」


 さらにワンランク上の芳しい肉焼きタイム。トングを構えて肉を観察しながら、伝楽はさらに今回の事件を振り返る。


 「まさかサイラスの父親が魔道具メーカーの社長らったなんてな。正直、設計したまでは良かったがどうやって実物を作ろうかと悩んでいたし。まさに渡りに船、奇跡的らったな」


 「そんな大きい会社じゃないけど、出来は良かったでしょ。お父さん、久し振りに面白そうな仕事が来たって張り切ってたんだぜ」


 サイラスは父の受け売りであまり大きくない、などと言うが、浩然の経営する会社は立派な上場企業だ。伝楽とエルネスタが作成した図面を、あんなごく短期間に、あれほど忠実に具現化したほどならば、人材も設備もそこそこ以上の水準にあるはずだ。素晴らしい巡り合わせだったというほかあるまい。


 「・・・・・・」


 「勿論、サイラスもよく頑張ってくれたよ」


 「ま、まだなんも言ってないだろ!?」


 父親の仕事を誇らしげに語ってから、ふとサイラスは自身の功績そのものって実はなにもなかったのではないか、という点に思い至った。しかし、伝楽はサイラスがそう考えるだろうことを分かっていたかのように、間を置かずそんな言葉をかけてくれた。もっとも、その気遣いはかえって、サイラスが自分も褒めて欲しがっていたみたいで別の恥ずかしさを与えてくるのだが。


 「本当さ。聞き込み調査なんて、エルネスタひとりでやらせたらどうしようもない結果になっていたらろうな」


 「そうそう」


 「頭のおかしい外国人が奇っ怪な新興宗教の勧誘に来たと思われて門前払いが関の山なのら」


 「そうそ・・・ってちょい!!」


 エルネスタのお手本のようなノリツッコミでサイラスは苦笑した。とりあえず笑ったのでヨシとしよう。いや、エルネスタはウケを狙うとか考えておらず本気で心外だったみたいだが。エイリアンとかUMAとかがそこらへんにいて当然のような調子でマシンガントークをかますヤツが突然押し掛けてきて警戒しない人間はいないだろうよ。まして外国人なんて、怪しすぎる。


 「へへ・・・ありがとう、探偵のお姉ちゃん」


 「ま、今回の仕事に満足がいってないなら、なにが物足りないのかキッチリ整理して、()はもっとうまくやるのら。期待してるぞ」


 「・・・っ!うん、俺、頑張るよ!」


 

 この日を境にして、伝楽探偵事務所にはサイラスの意気込みに応えるようにして続々と依頼が舞い込むようになった。警察でさえ捜査を投げ出したミステリーの真相を、たったの10日で暴いた怪異探偵―――ちょっと伝楽の思い描いていた探偵稼業の方向性とはズレてしまったものの、伝楽探偵事務所の評判は少しずつ、だが着実に広まり、浸透していくこととなる。


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