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LINKED HORIZON ~異世界とか外国より身近なんですが~  作者: タイロン
第三章 episode7『王に弓彎く獣』
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episode7 sect38 ”いざや、此れ訓練にあらず”


 ロビルバ・ドストロスは既に気を失っているようだ。片腕を持っていかれたことによる出血のショックだろう。酷いやられようだ―――と、介入者の騎士は眉をひそめた。


 「遅くなって悪かったな、ロビルバ。けどもう心配は要らないぜ。あとは俺に任せて休んでな」


 あと一歩でロビルバを倒せるところで現れた謎の介入者は、魔力を惜しまず使う迅雷を力負けさせてきた。自ずと警戒レベルは跳ね上がる。不用意に突っ込むのは憚られる。迅雷は介入者との距離を意識しつつ、声を掛けた。


 「誰だアンタ」


 「人に名を聞くときは―――」


 「神代迅雷」


 「そっちの子供は」


 「・・・ボクは千影」


 「なるほど」


 介入してきた騎士は、防具の類は最低限の様子だが、隙を見せない魔族の剣士だった。飛び道具をメインに戦っていたロビルバと比べると明らかに逞しい体つきをしている。

 渋々名乗りつつもすぐに攻撃に移れる構えの千影に、介入者の騎士は油断ならぬものを感じて笑みを浮かべた。



 「俺の名はアモンズだ。七十二帝騎第七座、ロビルバの同僚だぜ。ヨロシクな。・・・俺に倒されるまでの数分間だけだがな!!」


 

 (・・・来る!!)


 アモンズの姿がブレる。かなりの速力だ。

 アモンズは迅雷を狙い、千影が先に反応してアモンズを追う。


 だがやはり、千影のスピードは全てに勝ることだけは確かだ。猛進するアモンズに横から余裕で飛び蹴りを食らわせて吹っ飛ばし、千影はすぐさま黒色魔力を練り込んだ火球を複数生成して投げつけた。


 「お返しだよ!!」


 「じゃあお返しのお返しだな!!」


 アモンズは魔術で黒い炎の槍を大量に作り出し、千影に向け射出した。

 速い敵には範囲攻撃。単純なロジックは、単純故にほとんど複雑な行動を要求しない。真に戦い慣れした兵士は、必要以上に難しい戦い方などしないものだ。


 今のやり取りだけで千影はアモンズこそがこの戦域における本命だと察知した。差し詰め、ロビルバが索敵と牽制を担い、直接戦闘はロビルバの援護を受けつつ確実な各個撃破を担う、といったところか。


 ・・・そもそも戦力を持たないはずの民連を襲うのにそのような布陣を用意していたということは、恐らく滞在中の神代疾風らトップクラス魔法士との戦闘を想定していたということだ。交流式典が開催された時点で、この展開は決まっていたのだろう。


 閑話休題。今の迅雷と千影に、そんなつまらないことを考えている余裕などない。


 「とっしー!」


 「任せろ!!」


 雷光が爆裂し、千影を狙う黒炎の槍を掻き消した。迅雷はそのまま駆け出して、アモンズに斬り掛かる。


 袈裟懸けの一太刀目、後退により躱され。

 アモンズが返しで放った突きを半身になって避け。

 左手に溜めていた風魔法で土を巻き上げつつ、強引なピボットムーブ、背中側で右手から左手に『雷神』をパス、そして薙ぎ払う。

 アモンズの拳が『雷神』を叩き上げる。刃は上へ逸れるが、一瞬の接触で感電したアモンズの左半身が交直する。

 迅雷はそこに回転の勢いのまま回し蹴りを叩き込む。思い反動が脛にまで伝わってきたが、構わず押し切る。

 弁慶が泣く前に転がるようにして迅雷はアモンズの至近から離脱、その脇を千影が駆け抜ける。彼女は既に尻尾の先端に『黒閃』のチャージを終えた状態だ。

 飛び掛かりながら千影は『黒閃』を解放。

 アモンズは敢えて躱さず、自身もまた『黒閃』で返した。彼には敵が『黒閃』を回避した隙を狙うつもりでいることなど容易に想定出来ていたからだろう。

 左手に『黒閃』、右手に魔剣。右が千影の隙を狙う前に、迅雷は『黒閃』が頭上でせめぎ合う危険領域に飛び込んだ。

 迅雷とアモンズが再び肉薄する。

 刃と刃が火花を散らし、闇は止む。

 宙で体を翻し、千影は腕と同じほどに長く伸びた鉤爪で斬り掛かる。

 アモンズは迅雷と鍔を迫り合いながら立ち位置だけを僅かにずらす。

 爪はアモンズの頬を掠めて浅く裂く。

 千影は、しかし、着地する前にさらに空を蹴ってアモンズにタックルを敢行する。子供の体重だろうと、千影の加速力が加われば兵器的な力が生じるのはニュートンが示している通りだ。

 迅雷の蹴りを上回るほどの衝撃にアモンズが体勢を崩す。迅雷はその一瞬のうちに剣を手放し、右手に持ち直して一歩踏み込む。


 黄金の光の尾がアモンズを逆袈裟に撫でる。血が飛沫を上げる。血の雫が赤熱する。千影が跳ね、迅雷に飛びつき、2人で爆風の中を転がる。


 「危なかった・・・」


 「まるで動きが違うよ!?」


 血液爆弾で生じた赤い煙の中からアモンズが姿を現した。迅雷が与えた一撃は浅い。近接戦の技能や駆け引きは巧妙であり、扱う魔術も多彩。『レメゲトン』とかいう強化魔術をまだ使用していないにも関わらず、既に『レメゲトン』状態のロビルバを遙かに上回る厄介さだ。

 アモンズが剣を頭上に掲げ、迅雷と千影はなにが来てもすぐに対処出来るよう身構えた。



 「なかなかやるな、お前たち。だが、()()()ここ()()()()!」

 

 

 「いやいやいやいや!もうそのセリフ3回目だから!?なんなの、ツッコミ待ってたの!?ごめんね2回目でツッコんであげられなくて!?」


 「良いってことよ!」

 

 思わずツッコミ魂の火が点いた迅雷だったが、すぐに異変に気が付くことになる。


 なぜなら、アモンズの姿が急に大きくなったから。


 いや、違。


 「うッ―――」


 鼻先10センチ。


 アモンズの胸板が迫っていた。

 巨大化と見紛うような急接近、そして胸が顔に迫ってくるような立ち位置。

 すなわち。


 「おおおッ!?」


 落石のような兜割が降ってきた。

 迅雷は反射的に剣で受けたが、姿勢が不利だ。慌てて身を翻し、アモンズの剣を逸らすことに集中しつつ、バックステップで大きく距離を取る。

 

 「千影!なんかパワーアップした!!」


 「『レメゲトン』ってやつ!?」


 「多分違う!!見た目に変化がない!!」


 アモンズは標的を千影に改める。

 千影は三段構えの剣撃を小さな体躯を生かしてすり抜け、アモンズの背後に回り込みつつ跳躍、彼の側頭部に膝を叩き込む。


 しかし、わずかにぐらついたアモンズはすぐ千影の脚を掴んで振り回し、剣を振り上げる。


 間一髪、腹筋トレーニングよろしく上体を畳んで首を守る。刃は、掠めた千影の翼をバツンと切断し、勢い余って石畳の地面を穿つ。

 その隙で千影は腰に差していた短刀『牛鬼角(アボウラセツ)』を抜き、乱暴にアモンズの腕に突き立てる。

 脚を掴む力が緩み、千影は強く脚を引き戻して脱出、同時に翼を再形成して宙に浮かび上がりながら『黒閃』を撃つ。

 対するアモンズも『黒閃』を―――。


 「なっ―――!?」


 放たず、()()()、掌で千影の『黒閃』を掻き散らし、跳躍し、急浮上する千影に肉薄する。この手が顔に触れればさすがに殺される。そう直感した千影は風魔法で突風を自らに叩きつけた。

 ロビルバに踏まれた痛みがまだ少し残るうちに再び腹部へ強い衝撃を受けて目眩がしたが、顔面を丸ごと削り取られるのと比べれば安い代償だ。


 迅雷は、千影がいなくなった空間目掛けて『駆雷』(ハシリカヅチ)を放つ。アモンズは初めは千影の『黒閃』同様手で『駆雷』を弾き散らそうとしたが、手に触れた迅雷の魔力量で危険を察知し、咄嗟に受け流す選択をする。

 千影が体勢を戻すまで、そしてアモンズが着地の隙にあるうちに、迅雷は再び飛び出す。

 アモンズは落下しつつ体を捻って迅雷に剣を振るい、迅雷は低い構えから大きく勢いをつけて迎え撃つ。次は上段からの攻撃に押し負けないための動きだ。よくも地に足も着かぬまま自然な太刀筋と十全な威力を出してきたものだが、迅雷はアモンズの剣を弾くことに成功する。

 今度こそアモンズの姿勢が大きく崩れる。返す刀だ。迅雷は再度『雷神』に魔力を込め、同時に内蔵している魔力貯蓄器(コンデンサ)からもリザーブしていた魔力を引き出し、『駆雷』の刃を再形成する。


 だが、アモンズは魔術を発動、地面から黒い手が伸びて迅雷の腕や足に絡みついた。


 「くっそ!!こんなもん!!」


 魔術は厄介だ。魔法と違って、なにが起きるか、発動するまで全く分からない。

 迅雷が力尽くで黒い手を振りほどく頃には、アモンズは着地を済ませていて。

 舌打ちをひとつ。大技の狙い目を逃した。


 魔力を貯蓄器に戻して、余剰分を別の雷魔法に変換する。激しい閃光が『雷神』の鋒から溢れ出す。アモンズの視界を奪った迅雷は突きを繰り出す。

 アモンズは肌と耳でその剣筋を読んでギリギリのところでいなす。

 迅雷はさらに畳み掛ける。軽い斬り上げ、外回りの水平斬り、左手に持ち替え、右手に魔法、『スパーク』で激しい放電音を立てる。耳を封じ、左手を高く持ち上げる。

 アモンズはそれでも間一髪でいなし続ける。身をよじり、空気の流れを読み、躱した一撃から現在の迅雷の姿勢を読み、トドメとばかりに叩きつけられた迅雷の左の斬撃を裏拳で強引に曲げた。


 「この・・・・・・っ」


 アモンズが横に薙ぐ一太刀。

 迅雷は左手に『召喚(サモン)』を発動し、自身の左手から剣を奪い取る。

 奪った剣で受け止める。


 「さてはお前もまだ遊んでたな?」


 「エンジンが温まってきたんだよ・・・!!」


 アモンズは強い。強いが、全く敵わないわけではない。

 瞬発力では迅雷がまだ上回っているし、スピードなら当然千影の圧勝だ。対するアモンズは総合的にハイレベルなオールラウンダー。迅雷と千影の特長を生かした連携なら撃破も不可能ではないはずだ。

 一連の攻防を終えて両者は再び睨み合いに移り、千影もまた迅雷の位置に合わせて、アモンズを挟むように位置取った。



 だが、次にアクションを起こしたのは、迅雷でも千影でもアモンズでも、そしてもちろんそこで伸びているロビルバでもなかった。



 「2人に当てたら容赦しないわよ!よーく狙って撃ちなさい!!」


 「承知していますとも!!」


 静寂を裂くドリフトの高音ノイズ、のち、轟砲。


 「新手か・・・・・・って、いぃぃ!?」


 カッと光って。

 迅雷、千影、アモンズ。全員の絶叫がピタリと揃った。

 直後、爆音が3人の声を掻き消した。


 「んぎゃー!!とっし~!?」


 「ち、か、げっ・・・!」


 爆発の余波で呆気なく吹っ飛ばされた千影をなんとか捕まえた迅雷は、『雷神』を地面に突き刺して体を固定した。息を止めても迫り来る灼熱に目や喉が干上がる。

 迅雷と千影が辛うじて難を逃れたそのすぐ横を、アモンズが冗談みたいにぶっ飛ばされていった。それなりに体格の良い、武装したヒトが弧を描いて10メートル近く宙を舞う威力。


 「なんだ今の!?ロケランじゃねぇのか!?」


 アモンズの様子は千影に見てもらい、迅雷は謎の第3勢力への警戒態勢に入った。銃火器を派手にぶっ放す相手だと、煙で視界が遮られて敵わない。即座に迅雷は簡単な風魔法で煙や熱を払い除けた。

 しかし、煙の向こうから現れたのは迅雷にとって今、最も意外な人物であった。


 「お2人ともご無事ですか!!」


 装甲車の上部に体を出して、ロケットランチャーを構えたイノシシの耳を持つ男。誰も予想しなかった登場人物が盤上に乱入してきたのだ。


 「テ・・・テム、さん?」


 「なんでここに!?牢屋にいたはずじゃ・・・?」


 「細かいことはあとです。お2人は下がって。あとは我々に任せてください!」


 街の上空でいくつもの轟音があり、直後、迅雷たちの頭上を炎に照らされた銀翼が追い抜いていった。

 地面から顔を上げたアモンズは、自軍のものとはどうやら異なるらしい機影を見て下らなそうに苦笑し、ゆっくりと、確かな力を込めて立ち上がった。体の各所に火傷や打撲、裂傷こそ負っているが、いずれも致命傷には程遠いようだった。

 

 「やれやれ、俺としたことが油断したぜ。増援とはな」


 「さっきの爆撃を受けてその程度で済むのかよ・・・」


 「痛ぇのは痛ぇんだぜ?ったく、よう、そっちの軍服の獣人。テメェが俺たちの戦いに差したのが水じゃなく油だったってことを教えてやっから覚悟しやがれ」


 「・・・っ!!」


 アモンズの放つ殺気はまるで逃げ場のない巨大なプレス機のようで、テムは身構えた。だが、恐怖で萎縮しない時点で、彼が軍人の肩書きを名乗っていることが決して巷で言われているようなごっこ遊びではなかったことは証明されていた。

 そしてまた、アモンズに応じるように装甲車のスピーカーからも声があった。


 「覚悟するのはあなたの方よ、皇国の放火魔さん。私たちの国に火を放った報いを受けなさい」


 「・・・???・・・!!その声、第2王女か!?はっ、ハハハハ!?自ら戦場に舞い戻ってきたってか!?とんだマヌケがいたもんだぜ!!」


 衝撃を受けたのはアモンズだけではなかった。

 迅雷は刹那、ゾッとして、しかし直後に地面に立てていた剣を薙ぎ構えて装甲車を守るように立ち塞がった。


 しかし、アモンズは迅雷の判断を鼻で笑い飛ばす。


 「無駄だぜ、無駄!!自分から死にに来たバカはお望み通りさらし首にしてやんねぇと失礼ってもんだぜ。お前たちがなにをどうしようがなァ、もう俺を止めることなんざ出来やしねーんだよ!!いくぜ。()()()()()()()()!!」


 アモンズのプレッシャーが、さらに増した。この圧は魔力の感応だ。本来そのような感覚はほとんど持たない人間でさえ肌に実感するほどの常軌を逸した力の余波に、迅雷は明確な恐怖を覚えた。元々黒色魔力を知覚出来ていたオドノイドの千影に至っては、どれほどの圧迫感を受けたかなど言うに及ばない。


 そしてついに、千影でさえも判断が遅れた。


 アモンズが剣を天にかざし、魔術を展開する。

 その鋒から、半球ドーム状に完全なる無明の闇が広がって―――。


 『黒閃』の派生技の可能性を考えた迅雷は反射的に一番前に出て『駆雷』を放ったが、抵抗も空しく闇は迅雷も、その背に守られた千影やテム、装甲車内のルニアまでも全て等しく呑み込んだ。

 握った剣に宿る雷光さえ見失う暗闇の中では重力の感覚さえも消えていく。背中全体に痛みがあって、初めて迅雷は自分が「転んだ」ことに気が付いた。


 「・・・・・・なんともない。『黒閃』じゃなかった・・・?っ、ち、千影!?」


 「とっしー、いるの!?」


 「あ、ああ、こっちだ!」


 なにも見えないが、千影の声は確かに聞こえた。ひとまずの無事に冷静さを取り戻した迅雷は、天地も判然としない真っ黒な空間の中で、手探りで千影を見つけ、互いを支えながら立ち上がる。

 背中合わせの互いの息遣いが明確に聞こえるほど音に集中し、迅雷と千影はどこから来るか分からないアモンズの追撃に備える。前か後ろか左か右か・・・あるいは上でも下でも驚きはしまい。だが、ほどなくして急に闇が晴れた。


 しかし。


 「「うっ・・・!?」」


 当然と言えば当然のことである。真っ暗な部屋から突如快晴の空の下へ出れば目が眩む。まして完全な暗闇から出た直後であれば、炎の明かりでも痛いほどに眩しいはずだ。つまり、2人は今まさに最大に達した緊張感に、光速の不意打ちを食らったに等しいのだ。

 条件反射的に手で目を庇った時点で、迅雷も千影も完全にアモンズの策に嵌まっていた。この戦いにおいて、瞬時の硬直は即敗北に繋がる。すぐに気付くも、後悔するにはもう遅い。


 (やられるッ・・・・・・!?)


 しかしながら、ならば、と千影はすぐさま守りの意識を捨てた。一撃で意識を刈り取られさえしなければ、一矢報いるくらいは狙えると思ったからだ。オドノイドである千影にとって、本来むしろ、この”捨て身戦法”こそが最も合理的な勝利手段なのである。無論、痛いのは嫌だが、背に腹は代えられない。

 一方の迅雷は、まだチカチカする視界にルニアとテムの乗る装甲車を収めようと努めた。ぼんやりと見える限りだが、少なくともまだ彼らも無事でいるようだ。油断はならないが。


 さぁ、どこから来る。


 「・・・・・・・・・・・・」

 「・・・・・・・・・・・・」


 ―――攻撃がない。


 「・・・・・・というか」


 気配もない?



          ○



 ()()()()()()()()()()()()()()

 

 「ひぇぇ、死ぬ死ぬ。あっぶねー」


 ロケランをぶっ放す敵なんて普通にクソヤバイ。しかもテムとかいうあの獣人の男はアモンズ相手にびびる様子すらなかった。あんな増援なんかが出てきちゃったら、もう逃げるしかない。

 というかマジでなんだあいつ。民連って軍隊を持っていないんじゃないのか?それともあれが噂に聞く第2王女の軍隊ごっこの産物だとでも?冗談も休み休み言え。ジャルダ・バオース候が連れて来たご自慢の最新鋭戦闘機が既に何機か墜とされているんだぞ。


 まぁ、それはそれ。貴族派のヘマは皇室派の七十二帝騎にとって痛くも痒くもない。

 アモンズは、肩に担いだ片腕分軽くなってしまった友人を見やって、舌打ちをした。


 ―――神代迅雷と千影。


 「俺は憶えたぞ。いずれこの借りは絶対に返させてもらうぜ。ま、俺とお前らに”次”があったら、だけどな」


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PROLOGUE 『あの日、あの時、あの場所で』

❄ スピンオフ展開中 ❄
『魔法少女☆スノー・プリンセス』

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