Connection ; ep.6.5 to ep.7
迅雷と千影を残し、崩壊したアリーナを後にしたギルバート・グリーンは、なにか強烈な衝撃を受けてひしゃげた自動ドアを潜ってすぐ、足を止めた。彼が「やぁ」と声をかけると、忌々しげな舌打ちひとつ。
あの少年が巻き起こした大災害から逃げ出すことなくその結末を見届けていたのは、研と紺。日本のマジックマフィア『荘楽組』の主幹構成員―――若頭という役割があったなら、それに当たる2人だった。舌打ちを返したのは、紺である。
普段は感情の読めないニヤニヤ笑いと糸目で顔を懲り固めているはずの紺は、今はその黄色い瞳に剣呑な光を灯していた。少なくとも『荘楽組』に対して恨みを買う行動をした自覚のあるギルバートは甘んじてその視線を受け入れた。
「で、なんの用だよクソ野郎」
「私も早く病院に行きたいから手短に済ませるよ」
穏やかな態度を取るギルバートだが、見れば分かる通り、彼は胸から腹にかけて深い刀傷を負い、傷口から激しく血を噴いている。常人であれば失血で気を失っているところだが、その蒼白な顔面に笑みを湛えて二本の足で真っ直ぐに立ち続けるギルバートの意地には驚嘆と同時に狂気すら感じさせた。・・・が、それでも今、紺がギルバートに掴みかかったなら、多分10秒でギルバートの息の根を止められただろう。
しかし、紺は矛を握る手をギリギリで押さえ付けていた。研がいなければ、あるいは。
ヤクザ2人の沈黙を得て、ギルバートは宣言通り、手短に告げた。
「提案だ。『荘楽組』諸君。我々の一員として働いてみる気はないかい?」
「・・・・・・・・・・・・は?貧血でトチってんのか?寝ぼけたこと言ってんじゃねぇぞテメェ」
「コン、君に訊いてるんじゃない。で、どうかな、ケン?」
ギルバートと紺の視線を一手に受ける研もまた、その脈絡のない提案に驚き、石膏像のように固まっていた。
しかし、研はすぐにモードを切り替えた。
「ま、確かに悪くねぇ相談だな。いや、むしろありがたいくらいかもしんねぇ。『アプリーレ』の前例もあるから待遇に不安は少なそうだしな」
「そうだろう?」
「だが断る」
「・・・なぜだい?」
研はギルバートを小馬鹿にしたような表情であったが、ギルバートの簡単な追及でハリボテのユーモアは脆くも崩れ去った。悩ましいのだ。ひたすらに。
今の『荘楽組』は深刻な事情を抱えている。故にギルバートの提案は、本当に魅力的ではあった。しかし、これを受け入れることに強い抵抗がある。
「ヤクザもんにゃヤクザもんの意地があんだよ・・・。今あるアンタらの庇護にゃ確かに助けられてる。けどよ、俺たちは『荘楽組』なんだ。『荘楽組』の名前だけは、守っていかねーとなんねぇんだよ。なにがあろうと、『IAMOの誰それ』なんざ名乗ってやれねぇ」
その結果は、まるで『待て』を受けた飼い犬のようだった。
吐き捨てるようにギルバートからの提案を拒否した研は、煙草に火を点けた。紺は、ライターを弄くる合間にチラリと向けられた研からの視線に、眉を寄せる。
「事情は分かっているつもりだ」
ギルバートの言葉に、研の肩が小さく跳ねる。
『荘楽組』が抱える事情とはなんなのか。隠すことはない。魔界とのいざこざに優先度で負けていたが、もうじき知れ渡る。
7月30日、岩破失踪。
迅雷と千影との戦闘後、旧セントラルビルの最上階にいた彼は忽然とその消息を絶った。その後の現場調査では彼が建物を出た形跡はなく、その現場からは誰のものか不明な肉片や内臓の断片が発見された。発見者である一央市ギルドの清田浩二は、これが岩破のものである可能性があるとし警察にDNA鑑定を依頼した。肉片と鑑定依頼の経緯、そしてその鑑定結果が未だ不明であったことについては、読者諸君も忘れていない限りは知っているだろう。そして、その直前に岩破は姿を消していた。
しかし実は、鑑定結果はもう一央市ギルドに届いている。ただしそれは8月22日、今日から遡ることわずか2日前のことであった。
結論から言おう。
鑑定の結果、肉片、腸の断片のいずれも岩破のものではなかった。より具体的には、アンノウン。警察のデータベースに適合する人物はいなかった。
しかし。
しかしだ。
そしてギルバートは確かめる。
「首領たる岩破の喪失で『荘楽組』は揺らいでいる。統率は取れていても、IAMOによる君たちへの信用はひとえに彼個人に対する信用のおこぼれでしかない。そうだろう?」
「・・・・・・」
「『荘楽組』は敵対するに惜しい人材の宝庫だ。ケン、君を筆頭に。下部組織として『荘楽組』の形は残す。言い方が悪かったな。要は今まで以上に私は君たちと緊密な協力関係を築くことを望んでいる」
「いいや、けどよ―――」
「各々の活躍出来る環境は用意する。・・・今、人間界には君たちの力が必要なんだ。ケン、君の魔法工学の知見は特にだ。出来れば大学で講師もしてもらえれば、と考えている」
「こ、講師・・・?い、いやでも、俺は!」
「良いんじゃねぇの?」
「・・・は?」
研は耳を疑った。だって、そう言ったのはついさっきまで猛烈に反対していたはずの紺だったのだから。
そして研は紺の肩を掴んで揺さぶり、問い質す。だがその結果、研は自分の葛藤がむしろ紺にとって見るに堪えないものだったことを思い知る。
「おい、ちょ、お前、なんで!?」
「知ってるぜ、研ちゃんよ。先生がやってみたかったんだろ?ずっと」
「なっ、なんでお前がそれを・・・っつかそんな俺個人の事情なんて今は関係ねぇだろ!こんなことで親父が必死に守ってきた『荘楽組』潰せっかよ!!」
「親父はもういねぇ!!くたばったんだよ、とっくになァ・・・!!見ただろ、知ってんだろ、覚えてんだろ!?・・・・・・。俺がこんなこと言うのも柄じゃねぇけどよ、囚われんなよ。分かってんだろ。今の俺たちのボスは、研ちゃん、お前なんだ」
「・・・ッ」
「テメーなりに、やりてぇようにやって組織を守りゃイイ。研ちゃんは、俺なんかと違って頭がイイやつだ。ウチのはみんなそれを知ってっから、研ちゃんが決めた道なら信じてついていく。間違ったってイイ。そんときゃ俺が拳でなんとかしてやる。だからよ、研ちゃんは俺たちにとってのベストを考えてくれよ」
研はずっと、自分の役割は、紺の兄貴分として短気で乱暴者のコイツの手綱を握ってうまく生きさせてやることだと思っていた。実際そんな役回りだったのは間違いない。
けれど、人と人の関係がそんな単純なものなはずがなかった。この歳になっても『研ちゃん』なんて呼んでくるコイツも、もう大人になったのだ。それを、一緒に酒を呑んでも気付けなかったなんて。
0歳と1歳じゃ無限大倍の差があっても、100歳と101歳には1パーセントの差しかない。いずれ兄弟も対等になる日が来る。一方的に支えてやるだけの関係はとっくに終わっていたのだ。
少し、肩の荷が下りた気がした。
「幸せになれる方を―――ってか?毒されてんぞ、あのガキに」
研は毒づいて、両手で髪を掻き乱した。
こうして悩んでいる間にもギルバートの顔色はどんどん青ざめていく。あまり返事を待たせることは出来ない。イエスか、ノーか。
「ちくしょう。分かってるよ、どうせそれがベストだ。最初っから分かってらぁ・・・!」
壁を殴った反動で跳ね返る勢いのまま、研はビシッとギルバートの顔に自らの人差し指を突き付けた。
「乗ってやる!だがな、采配は俺が取る!必要以上の指図は受けねぇし、気に入らねぇ仕事は却下するぞ、良いな!?」
「あぁとも。では、今後ともよろしく頼むよ」
●
リリトゥバス王国の王都は霧の都。ナヴァ・フランマと名付けられた、王城を中心に据える大都市である。
都市名のフランマは炎を意味する語なのだが、ここで「霧の都なのに炎?」と首を傾げる者がいるかもしれないが、これにはキチンとワケがある。特に難しくない理由だ。
紅の王城には、最頂にある王の謁見間とは別に、地下にも謁見の間が存在している。広大かつ地下らしからぬ光に満ちたその部屋は、謂わば神殿であった。
ここまで言えば、そこに祀られている者と街の名前の由来もぼちぼち予想し始めている人もいるだろう。多分、大方の読者諸君の予想は正解だ。城の地下の祭神は、有形なる太陽信仰こと双頭無尾の火竜『アグナロス』に他ならない。
信仰の対象を足下に置くことは、魔界では珍しくない。しばしばそれらは恐ろしく巨大かつ強大であるが故に地上に置いてはおけず、そうある内に文化そのものに祀られる者は地下に眠るべしというひとつの形態が現れたのだ。
かくして地下に作られた聖域に、今日は許可なく立ち入る者がいた。
その男は、紅の頭髪、蒼炎を思わせる瞳、そしてその異名にもなった左右で大きさの不揃いな黒い翼を持つ逞しい男であった。すなわち、リリトゥバス王国騎士団の長、アルエル・メトゥだ。
剣こそ帯びていないとはいえ、アルエルが少しの作法も弁えずに神殿の最奥へ降りるのを止める者はいなかった。元々、この場所に立ち入ることを許される立場だからだ。
そうして巨大な祭壇の真正面までやってきたアルエルの第一声は「よぅ」だった。
「誰ゾ吾ガ眠リヲ妨ゲシ者ハ・・・」
「俺ぞ」
「・・・ナンダ、誰カト思エバ支持率大暴落中デ方々カラ暗殺ノ機会ヲ探ラレテイル騎士団長様(笑)ジャナイカ」
アルエルを長々とけなしながら顕現したのは、やはり炎で出来た巨躯を誇る双頭無尾の竜―――ではなかった。
じゃあなにが居たのかと言えば、確かにそいつは炎の体を持つ竜だったのだが、決定的に大きさが異なっていた。
手のひらサイズになって、テレパシーだから気のせいではあるのだが、なんだか声も高く可愛くなってしまった祭神を見たアルエルは失笑した。
「国王陛下が必死に事実を隠蔽してくださるおかげでようやく信仰を保てているヤツがよく言う。今のその無様な愛玩動物っぷりが世に知れたらどうなることやら」
「生キ延ビタダケデモ歓喜サレルベキナノサ」
そう言って小さくなったアグナロスは暢気に欠伸をした。いつもの調子なら欠伸ひとつでどんなに恐ろしい魔獣も焼滅する熱波を放つのだが、今は火の粉が舞うだけだった。もっとも、本調子でもアルエルは自身の能力でアグナロスの「耐熱力」を自分に上乗せして灼熱に適応出来るから死なないのだが。
アグナロスの自己評価はなかなか図に乗っている雰囲気があるが、これが案外間違っていない。『一央市迎撃戦』後に、アグナロス健在の報で取り出しかけた矛を収めた周辺国家は数知れず、遂にはかの皇国ですらも必要以上に付け上がった態度には出なかった。
結局のところ、アグナロスの現状を知る者はリリトゥバス王国のごく一部と、それからなぜか王国の公表より早くからアグナロスの生存を確信していた皇国の姫君くらいのものであり、太陽信仰の力は衰えていなかった。
ちなみに、ありがたくも生き残ってくださった我らが太陽神は、一体どのようにして悪魔のように強大な人間の魔法士・神代疾風の凶刃から逃げ延びたのかというと、直前までばらまきまくっていた眷属の1匹に本体の権限というか、オリジナルの魂みたいなものを移してこっそり『門』から逃がしていたのだ。なんとダサくて小賢しいのでしょう。とても登場と同時にいくつもの都市を一直線に焼き払い山脈すら削り飛ばしたインパクト絶大な怪物のやることとは思いたくない。
さて、挨拶代わりに互いの悪口を言い合った1人と1匹は口を揃えてこう切り出した。
「それにしてもお前ほどの竜を退けるなんてな」
「ソレニシテモオ前ヲ倒ス人間ガイタトハナ」
声がかぶったので、アルエルは一応神様であるアグナロスに先を譲った。
「聞イタゾ、ガキ2人ニボコラレタンダロ?」
「う、うるさいなっ。あれは例外!ネテリの想定を上回ってきたんだからノーカンだ!いや負けたのは確かだけども!」
「例ノ”オドノイド”ダッタトカナァ」
「ああそうだ。片方がな。ヤツの再生能力を借りた瞬間に体が爆発しそうになった。全くワケが分からなかったんだ。今でもあの時死なずに済んだのが不思議なくらいだ」
「分カランノハ阿呆ダカラジャナクテカ?アノ女副官ニデモ相談シテミロヨ」
「したさ。した上で不明だ。ひとつ言えるのはあれがただ肉体の損傷を回復するだけの代物じゃないってことさ。オドノイド自体があまりに謎すぎてこれ以上はサッパリさ」
「今後ノ騎士団ノ仮想敵ニハピッタリジャナイカ。大好キナ訓練ガ捗ルナ」
別に訓練が好きなわけじゃねー、とぶー垂れながら、アルエルは持ってきた水筒の茶で喉を潤した。力が弱まってもアグナロスはアグナロス、神殿の中はまあまあ暑いものだ。
「で、そっちは例の・・・ミ・・・ミ・・・あ、思い出した。ミサイル・ハヤシにやられた、と」
「ソリャオ前ノ芸名ダロ。神代疾風ダ。イイ加減コレクライ憶エタラドウナンダ?戦イノ後マデ名前ヲ憶エテイラレナイ病気ナノカ?」
「うるさいなってば!それに一応覚えてるぞ!!ほら、IAMOの実働部隊の総司令官!こないだも会ったしな!」
「言ッテミィ」
「ギンバ・グリングリン!!」
「・・・・・・。話、進メテモ良イカシラ?」
答え合わせすらしてくれない神様の前でアルエルは顔を赤くして居佇まいを直した。
「神代疾風―――確カニ奴ハ別格ダッタ。アレガ人間ノ到達点ナノカモシレナイナァ。デモナ、アルエル。吾ハ神代疾風ト同ジクライ印象ニ残ッテイル人間ガ2人イタヨ」
「・・・ほう?それは、ミシロハヤセと同等の強さ、ということか?末恐ろしい話だが―――」
「イヤ、強サハドウダッタロウナ。タダ、神代疾風1人ノ力ジャ吾ヲ止メラレテハイナカッタノハ間違イナイ」
天井に呟くアグナロスは感心しているようにも見えた。数え切れないほどの転生を経てもその魂に残留する過去の『アグナロス』たちの戦いの記憶と並べて吟味しているのかもしれない。
「その、2人というのは?・・・まぁ、また名前は覚えられんかもしれんが、気になるな」
「紺、天田雪姫。ソレゾレ、若イ男ト少女サ」
トコロデ、とアグナロスは口調を変える。
「吾、今回頑張ッタジャン?」
「ん?まぁいつもの物臭ドラゴンにしてはな」
「ダカラト言ッチャアレダケドサー、イヤ、フルコーストマデハ言ワナイカラサー、トリアエズ青生生魂ガ食ベタイナー」
「そんなお金は我が国にはありません。大体お前負けてんじゃん、ノルマも達成してないヤツにあげるご褒美なんてありませーん」
「ヤダヤダ吾オ腹空イタノォ~ッ!!」
「ヴィオロナイト鉱も高級品には違いないんだから我慢しなさい。あんまり騒ぐと半年くらい鉄鉱石オンリーにするぞというか予算のためにもそうしよう」
「ソレハヤメテクレェェェ!!吾ノ唯一ノ楽シミマデ奪ワナイデクレェェ!!」
●
「小西、冴木、松田、塚田さん。A1班のみんな、よく集まってくれた!」
「いや、なんでそんな改まってはるん?え、ていうか今李ちゃんおるん?どこです?」
疾風に示されてテーブルの下を覗き込んで、群青の髪を後ろで束ねた優しそうな女性、冴木空奈は額に手を当てる。
「なんで私がこんな人のいる場所にハッ!!さてはタイチョー私にショック死をご所望私いらない子・・・?いやそれならこっちからこんな仕事やめてやる退職金で遊んで暮らそうぞぉ~・・・」
タダ飯につられて出勤してきた小西李は、警視庁の食堂の床でうずくまり、掠れた呪詛を吐いていた。疾風はなにを言って李をだまくらかしたのかは知らないが、いい加減李の人間恐怖症も治らないものだろうか。
「帰っといで、李ちゃーん。ウチらにはまだまだ李ちゃんが必要やよー」
「く、空奈さ~ん・・・私に優しいのは空奈さんだけですぅ・・・ひっぐうぇえ・・・」
「そんなことないよ、みんな優しいやろ?ほら、そんなとこおらんで出ておいで」
「嫌でござる」
使い物にならない副班長は床にならべたプレートランチで黙らせて、冴木空奈は自分で外した話のレールを責任を持って元に戻した。
「それで、班長。急に戻って来てなんの話です?まだしばらく向こうでご家族とゆっくり過ごしてもらって良かったんですよ?」
「そうもいかないだろ。次の任務の打ち合わせをしようと思っていたんだ」
「次っていうと・・あぁ、魔界行くんでしたね、ウチらも。会談その他の警護任務・・・行き先が行き先やから先行き不安なんは確かですね」
「そういうこと。どうもさっきオドノイドの情報が出回ったり終戦だったり状況がますます混乱してきた。多分この仕事は一筋縄じゃいかない気がしてる。だからまずはみんなで状況を整理しておこう」
●
うっとりと窓際に頬杖をついて活気づく街を見下ろし、アスモは細い指に摘まんだ盤上遊戯の駒たちを弄ぶ。十かそこらの幼い容姿に似合わぬ妖艶な吐息に乗って、鈴の音色の響きが奏でられる。
「次の舞台はビスディア民主連合~♪」
余談ですが、ep.6.5 sect5にて後書きで差し替えたサブタイトルは、プロローグのサブタイトルから繋がっていたり、いなかったり・・・?
さて、いつも通り次のエピソードに繋がる今回はConnectionになりましたが、今日、ep.6.5 Last secition6をもって、遂にLH(本作タイトルを私はこう略記してます)の第2章『いつまでも、隣に』は完結いたしました。ひとまず、ここまでのやたらテンポの悪い文章をそれでも読んでくださった方々には深く感謝致しますと共に、今後とも本作をよろしくお願いいたします。
そして、いよいよLHの第3章が始まります。
正直に告白すると、ストーリーの矛盾や連載初期の設定は少なからずあるんじゃないかと思います。軌道修正のために過去の文章を弄ったこともあります(勿論、既読の方が知っているストーリーが変わるようなバカな改変はしていませんが)。
最初からある程度完結までの流れは決めていたとはいえ、素人が自分なりに面白そうなストーリーを考えようとした結果・・・しかも連載から3年、4年経ちますからね、様々な作品に影響を受けたりしながら、作品世界はどんどん複雑になっていきました。「こんな展開は熱い!」とか「こんな言葉使ったらカッケー!」とか「こんな設定盛り込んだらビックリしてもらえるかも?」とか考えるウチに設定のタコ足配線が出来上がっていたり笑。実際、表現方法とか、初期の頃と今とで結構違うでしょう?
おっと、なんだか取り留めのない感想になってきた。これはいけない。まぁとにかく、作者も作品もリアルタイムで変化し続けています。それはもちろん、良い意味でも悪い意味でも。
ただ、こうしてなんやかんや第1章、第2章を描ききった今、改めてここに宣言します。
『LINKED HORIZON ~異世界とか外国より身近なんですが~』はようやく地均しを終えました。つまりスタートライン、ここからが本番。世界は変革期を迎え、過去から未来へ、様々な感情、思惑が交錯しながら物語はさらに発展していきます。
それでは。
『第3章 宙ぶらりんのトランペッター』
開幕。