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LINKED HORIZON ~異世界とか外国より身近なんですが~  作者: タイロン
第二章 episode2『ニューワールド』
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episode2 sect14 “魔法学とは“

 実は迅雷たちが宿泊していた旅館は割と高級なところだったりして、出てきた夕飯はこれまたそれなりの豪華だった。経費がどうやら市の方から出されているらしく、学生の分際のくせして、これからの一央市の治安維持に協力してもらおうというのだからこれくらいの待遇は当然ということだった。

 合宿で出てくるとは思えないような懐石料理なんかが出てきたときは誰しもがたまげて目を白黒させていた。

 

 そうして美味しい夕食を堪能して、迅雷たちはまた、先ほど講義を行った大部屋に戻っていた。合宿2日目最終講義の時間だ。ただ、講義とは言っても今回は魔法学の基礎知識のおさらい程度にして話を終えるつもりとのことだ。

 部屋の前に用意されたホワイトボードの前に真波が立ち、それから「魔法学とは?」といういかにもな講義タイトルを書いた。


 「それでは講義を始めましょうか。テーマは書いた通りよ。みんなも魔法学がどんなものか、なんてことは中学とかでやってるだろうし、高校入ってからも軽くは授業でやり直してると思うんだけど、今更とかは言わないでね?私も伊達に魔法学を教えているわけじゃないわ。普段はカリキュラムにも入っていない内容とかも話に入れていくから、ちゃんと聞いてね?」


 真波の学校での担当科目は魔法学だ。特に実践的な魔法学よりも座学的な内容としての魔法学である。そんな真波は、実は東大の魔法学科を好成績で卒業しており、その知識も確かなものである。普段のテンションやダンジョンで『タマネギ』4体を1人で倒していたりすることから体育会系の人物に思われがち・・・というか事実体育会系の人物なのだが、その経歴は実に博学な文系女子だったりする。


 「・・・と、いうわけでまずは魔法学の起源からね。まぁ、みんなも魔力が発見されたのがいつだったのかくらいは、散々聞いてきただろうから分かるわよね?そう、1759年です。当時は20代半ばだった、神学者にして数学者であったウィリアム・ステープルス・エウリゲナが発見したと言われているわ。この人のこともある程度は知っているわよね。哲学的発言をする人なんてなんてみんなそうかもしれないけど、彼もまた重度の中二病患者よ。彼の遺言は有名よね」


 真波はホワイトボードに、ウィリアムの名前をちゃんとアルファベットで書き、その下に英語で彼の名言を書いた。今のこの世界にこれを聞いたことのない人なんていないと断言できるほどの、非常に短いウィリアムの遺言。


 『GOD IS THERE』

 

 ――――――神は居る。


 なんのことだかさっぱり分からないし、漠然としすぎていてあまりも非現実味を帯びすぎている。そもそも神学者がそう言うのは職業柄当たり前のことであるはずなのだが、しかし彼のこの一言はこうして現代まで語り継がれてきた。

 それは、やはりウィリアム・ステープルス・エウリゲナが魔法学の祖であることに起因するのだろう。そのたった1つの事実だけが、彼の発言になんらかの意味を持たせてしまった。実に3世紀が過ぎたというのに、未だによくテレビなんかでも取り上げられて、どこかの大学の偉い学者たちがこの言葉に込められたウィリアムの真意をああだこうだと考えて、鼻を高くして語っているほどだ。


 「まぁこの際、ウィリアムの名言なんてどうでも良いわ。考えてもしょうがないもの。話を戻すわね?・・・それから4年ほどが経って、遂に魔法学が誕生して、まだまだ情報の伝達手段の乏しかったのにも関わらずこれはヨーロッパ全体に広がっていきました」


 ここまでの話を一息に話しきって、真波はペットボトルの紅茶を軽く口に含んだ。雑に話していたのは、ここまでの内容なら中学生でも答えられる程度の内容だったからだ。

 では、と言って真波は話を続けた。


 「魔法学発祥の国はどこだと思いますか?分かる人は手を挙げてねー」


 ここは意外と盲点になっていて、教科書にも隅の方に小さく書かれているだけなので見る人もいない。テストに出るわけでもない知識をわざわざ知っているという人は少ないものだ。

 

 「ふむふむ、なるほど。やっぱり半分いくかいかないか、というところね」


 予想はしていたという風にコクコクと頷いてから、真波は今手を挙げた生徒の中から、一番前の席に座っていた2年生の女子生徒を指名してその国がどこかを答えさせた。


 「えっと、たしかイギリス・・・でしたよね?」


 「うーん、残念。すごく惜しいけど違うわね。正解はアイルランドよ。今は北アイルランドとしてイギリスの中に含まれるところもあるから、少し分かりにくいところだったわよね。で、当たったっていう人は?」


 真波が改めて挙手を求めると、手を挙げる人数は始めに手を挙げた生徒の中の6割程度と言った感じだった。


 「うーん、やっぱりイマドキの若者はこれぐらいしか知らないのね・・・。あ、私も若者か」


 「先生、若いアピールはいいですから早く話の続きをしてください」


 「ぐはぁっ!?私だってまだ25よ、失礼ね!まぁいいわ。では魔方角はどんな学問なのか、説明していきましょうか」


 のけぞるほどのオーバーリアクションをしつつも、真波はそう言って得意げに自分の学んできたことを説明し始めた。


          ●


 まず魔法学とは、「魔法」とついていることから誤解されがちであり、そして実際のところ誤解したままでも特に面倒なことになるケースがほぼないので普通教育ではそれを訂正することもしないのだが、本来は「魔力」を研究する学問である。

 1759年にウィリアム・ステープルス・エウリゲナは偶然にも不可思議なエネルギーが自身の体から発生したのを感じて、すぐにそれを「Chumhacht() Draiochta()」と名付けたと言われている。

 しかし、魔法学が生まれたのは先に述べたとおり、その出来事から4年も経ってからのことだった。魔力なんてものが確認されたのならすぐにでもその研究が始められても良かったはずなのに、なぜ4年も経ってから研究が始まったのか、という疑問への考察には諸説ある。

 宗教的に不可思議への干渉は神への冒涜とされたため、という説。これは信心深いキリスト教徒でもあったウィリアムには、確かに強い向かい風にもなる。

 そして逆に、「魔力というものは悪しきものであり、悪魔や魔女の術である」という型の意見によるものだったとする説。


 ―――――しかし、今現在で最も有力な説が、次のものだ。


 本当に、偶然の産物でしかなかった魔力。ただの気のせいだった可能性すら多分にあったそれを、それでも必然的なものにするためにウィリアムが費やした時間が4年だった、という説だ。

 魔力を研究するなら、魔力がなければまず始まらない。ウィリアムはただのまぐれで一瞬だけ手の上で揺らめいたそれを、もう一度生み出し、自在に出し入れできるようにするまでに4年を要したのだ。一度発現したはずの力をもう一度、その時の記憶と限りなく近い状況を何千何万と繰り返しなぞり続けて、やっとそれを自分のものにして、そうして遂に研究に移ることが出来た。


 ただ、そうして誕生した魔法学だったが、当然ながら魔力を持つ人間は彼1人であった。

 故に、研究するには圧倒的な材料不足が立ちはだかっており、そして人手も不足していた。そこで彼は、まず研究の第一歩として人々に魔力を発現させることをした。公開された「魔力の出し方」は、興味本位で試した者やウィリアムの友人などから波及し、あっという間に国を覆った。

 そこまで来て、初めて魔法学は本格的に始動したのである。


 一方で、広まったその「魔力の出し方」は海を越え、国境を越え、大陸さえ越えて広まっていき、そこから魔力を研究し始める者が多く現れ始めた。


 初めは魔力を科学的に解析するところから始まった魔法学だったが、そのスタンスは10年もしないうちに絶滅してしまったという。なぜなら、現在の人々が常識として知っている通り、魔力が引き起こす現象はともかくとして、魔力そのものは決して物理的ななにかではないことが分かってきたからだ。

 以後、まったく新しい、本当に根本すら存在しなかった学問は、しかし急速に発展し始めた。理由は簡単だった。なにもないところになにかを作るのは、実は簡単なのだ。初めて「数学」の観念を勉強し始めたとして、それは恐らく「1+1=2」を確かめてから、「じゃあ1+2は?」と発展していくのだろう。ゲームでも、レベル1からレベル2に上がるまでにかかる時間は素人でも短いものだ。そうして、魔法学は発展した。


 「魔法」が観察されたのは1770年のことだった。そう。魔力を「魔力」という新しい法則で見直してからほんの1,2年の話だ。

 『魔力は、念じれば簡単に動いた』という言葉がある。ある意味では、少なくとも自分の生成した魔力は自分の思い通りに、どんな風にでもなったのだから、その発展速度も一理あると言えばそうだった。

 同時期には、白だけではなく属性のついた有色魔力の調査も本格化し始めたことも合わせて、魔法学は大きく2つに分化した。

 魔力というエネルギーの持つ「ベクトル」や「質量」、「エネルギー量」などの疑似科学的な特性を一から研究していく、特性的魔法学。

 魔力の応用、魔法の解析・開発を行い、一部工学的な面も併せ持つ、実践的魔法学。

 今、よく目にして耳にすることがあるのは、ほとんどが後者の情報である。これも、魔法学が「魔法」を学ぶ学問と勘違いされる所以の1つだろう。


          ●


 初めは夕食前の講義での態度から判断されてあまり期待されていなかった講義だったのだが、一転して生徒たちは感心したような表情になって真波の話に耳を傾けていた。この状況を見て真波は非常に満足な気分になった。

 ちょっとだけ気分の舞い上がってきた真波の頭の中には、生徒に教えておきたい知識があれやこれやと頭の中に浮び始めた。


 「そして!」

 「それでは・・・!」

 「さらに!」


 その後、真波の講釈は2時間ほど続いたという。


          ●


 「ほぁー。ずっと座りっぱなしで固まってた筋肉がほぐれてきますぅ」


 「そうですわね。それに、こうして温泉に浸かりながら見る月は格別ですわ」


 「ホントだねー。綺麗だー。良い湯に良い眺め・・・はぁー」


 光と矢生と涼は、およそ3時間にも及ぶ真波の大長編講義が終わった後、少し冷えてきた体を温め直すために再び浴場に来ていた。真っ黒な夜空に一際強く、クリーム色に輝く月を見上げて、3人は、ほぅ、と息を吐く。


 「それにしても、志田先生の熱弁っぷりって言ったら、もうすごかったね」


 涼が脱力してお湯に体を浮かすような姿勢になりながらぼやいた。元は1時間半くらいで終わるはずだった講義が結局その倍の時間をかけて行われたとなれば、もはや熱弁も熱が過ぎて爆発してしまいそうだ。

 

 「あら、涼さんは退屈でしたの?確かに志田先生のお話は、その・・・少々長すぎたような・・・とも思いますけれど、しかし私は興味をそそられましたが?」


 一方の矢生はと言えば、その大長編講義も大して苦でもなかったようである。少しばかり、メチャクチャ長過ぎたような気もしたが、それも学園長のお話に比べれば生易しいし、内容も矢生にはとても興味深く感じられるものだったからだ。

 矢生の言葉に光も賛同を示して頷いている。


 「え、2人とも長い話とか大丈夫系!?そ、そんな・・・」


 頭を抱える涼に、光が首を傾げた。


 「ねぇ、涼さん。最後までお話聞いてた?」


 「てへへ、寝てました。・・・ちょ、そんな可哀想な人を見るような目をこっちに向けないで!?」


 光の質問に答えた瞬間に、光だけでなく矢生にまで憐れみの視線を向けられた涼が動揺する。

 自分が眠っている間になにかそんなに面白い話をされていたのだろうか。ここまで可哀想な人扱いされたのは人生で初めてかもしれないと感じるほどだ。


 「やはり涼さん、真牙君に少し毒されたんじゃありませんの?居眠りなんて、らしくない」


 矢生の記憶にある涼のイメージは、授業中もちゃんと真面目に話を聞いてノートも取っている人物だったので、矢生はまたしても真牙のことを思い出す。なんとなく、この世界の良くないものは彼の仕業なのではないかと感じるようになってきた。さすがに言い過ぎた。彼のテンションに巻き込まれて涼がオカシクなることを危惧していた。

 まあ、本当のところを言うと矢生の想像とは正反対に、真牙は授業中に寝たりはしないのだが。

 と、真牙の名前が出たところで、急に、気のせいなのかもしれないが、温泉に浸かって血行が良くなっただけかもしれないが、涼の顔が赤くなる。


 「な、なんでそうなるの!?真牙くんは、かか関係ないでしょ普通に!元々私は中学の頃から集会で寝ちゃうタイプだもん!」


 「なにを急に慌てていますの?というか、そんなことを自信たっぷりに胸を張って言われても困りますの・・・」


 「はうぅっ・・・ブクブク・・・」


 八方塞がりになった涼は目元がお湯に浸かるまで沈んでいく。勝手に轟沈した。

 そうやって沈んでいくと、目に入ってくるものは・・・。

 すぐにお湯から顔を出して、それから自分のスポーティー(ふらっと)な胸元を見て、それからもう一度矢生の方を見る。


 「・・・はぁ・・・」


 「な、なんですの、突然私の方を見て溜息をつくなんて?」


 「ううん、なんでもないの。ただね?張るほどの・・・ぶべぼばびば・・・」


 「・・・?」


 涼は「張るほどの胸もないなぁ」と言っていたのだが、再度お湯の中に沈んでいく涼の口から出てきたのは儚い泡だけだった。小首を傾げる矢生の胸が小さな仕草に小さく揺れて、格差を感じる。

 一応察した光が苦笑していたが、きっと標準レベルの体型である彼女にも持たない者の気持ちは本当の意味では分からないだろう。


          ●

 

 「なぁなぁ、迅雷。たまんねーな」


 「なんだ?デジャブか?」


 矢生ら3人と時を同じくして、迅雷と真牙、昴の3人もまた、露天風呂から空を眺めていた。どうやら一央市の方では天気が冴えないようだったがこちらは上手いこと晴れてくれているようなので、月が綺麗に見えている。

 真牙の聞き覚えがある台詞に、迅雷が最初から不安そうな顔をした。また覗きをしようなんて言い出さないよな、と迅雷は身構えながら様子を窺うのだが、真牙はそんな迅雷を宥める。


 「さっきは悪かったって!もうお前は覗きには誘わないからさ!な?」


 「論点が違う!?というかそれ、ハブられるみたいで逆に寂しくなっちゃうんだけど!」


 「お前らホントに仲良いな」


 壁の向こうからは女の子たちに楽しそうな話し声が聞こえてくる。その話の内容までは聞き取れない明るい声を聞きながら、迅雷は溜息交じりにボヤく。


 「あー、彼女欲しい」


 本当は雪姫とお近付きになれたらなぁ・・・とか思ったりするのだが、それはあまりに贅沢が過ぎるというか不可能感が凄いというものだ。さすがに弁えてはいる。ということで、とりあえず恋人が欲しい迅雷だった。

 しかし、そんな迅雷の気持ちも知ってか知らぬか真牙が迅雷の頭を掴んでお湯の中に沈めた。

 

 「くたばれリア充!」


 「ぶぼべべべぼぼばっ」


 30秒ほど呼吸不可能に陥った迅雷の体から力が抜けたのを確認して、真牙は迅雷を引き上げた。


 「よし」


 「ぶほっ、ごほっ!『よし』じゃねぇ!死ぬ!本っ当に死ぬ!お前なんの恨みがあって俺を殺すんだ!?」


 「お前さ、慈音ちゃんと付き合っちゃえば良かったんじゃねぇの?」


 真牙が呆れ返ってますとでも言うように迅雷をたしなめるのだが、迅雷は少し言葉を濁らせつつも首を横に振った。真牙にとっては見ていてまどろっこしい2人だったのだが、当の本人たちの考えていることは真牙にも分からない。


 「しーちゃんは、なんか、こう・・・違うんだよね」


 「はぁ?贅沢言ってんなよ?それに慈音ちゃんはクラスの女子の人気ランキングでは堂々の3位だぞ?」


 「マジか、いつの間にだし」


 それは知らなかった。確かに、慈音は誰にでも平等で思いやりがあるし、ルックスも普通に可愛いとは思う。彼女が気にしているまな板のような胸も・・・まぁ、然るべきところにはそういう趣味の方々も少なくない人数がいるとは思うのだけれど。


 「・・・でも、そういう意味ではなくてさ。臆病なこと言ってるように聞こえるかもしれないけど、変えたくないんだよ。今更、俺らの関係を。ある意味じゃ、もう1歩も近寄る余地がないくらいっつーかさ。恋人って言うには互いのことを知りすぎているっていうかさ」


 「そういうのが贅沢なんだよ。かっけー恋愛観語ってんじゃねーよ彼女いない歴イコール年齢」


 ほとほと呆れ返る真牙と、一歩も引かない迅雷に、昴が尋ねた。


 「なぁ、その子って可愛いの?」


 「「お前にはやらん」」


 「お前らホント仲良いな」


          ●


 「くしゅん!」


 「慈音ちゃん?風邪でも引いた?ちゃんとお湯に浸かって温かくしないとダメよ?」

 

 「はーい。うーん、誰かしのの噂でもしてたのかな・・・?」


           ●


 ドライヤーのモーター音。脱衣所の中を巡る扇風機の風。これもこれで温泉に来た風情を感じるもので、独特の落ち着きがあって良い。

 矢生たちは3人並んで髪を乾かしながら、先ほどの話の続きをしていた。露天風呂に入りながらしていた、真波の講義の話だ。


 「で、そのウィリアム・ステープルス・エウリゲナって人は、魔法学が広まってからはなにしてたの?」


 訂正。講義の話というよりは、講義中の時間のほとんどを寝ていて話を聞いていなかった涼のための自主補講中である。


 「それはもちろん魔力の研究だよ」


 「それもそっか。あはは」


 髪が短めなので1人だけ一足早く髪を乾かし終わった涼は、洗面台前の竹編みの椅子に座ったまま足をぶらつかせている。それにしても、よく考えてみると涼は自分で自分の我慢弱さに愕然とする。記憶にあるのは講義開始から20分くらいという、自分で自分が悲しくなる結果だ。


 「志田先生は、ウィリアムの研究についても色々な説を挙げていましたわよ?例えば・・・」


 彼は、時代に乗って魔力の非物理性の法則性の研究をしていた、とか。

 彼は、既に一歩先の研究として魔法の発動のメカニズムを研究していた、とか。

 マイナーな説の話ではあるが、2つの属性の魔力を同時に持っている人物――――『二個持ち』の魔力特性を研究していた先駆的人物だった、という噂もあるようだ。

 

 ここまで無言で相槌だけを打って話を聞いていた涼が、不思議そうに首を傾げた。


 「でもなんでそんなに曖昧なのかな?有名な学者さんなら、たかだか250年前くらいだったらもっと資料とかあっても良いのに」


 「良い質問ですわね!」


 矢生と光も髪を乾かし終えて3人は竹編みの椅子から立ち上がる。

 矢生のテンションがやけに高かったため、涼が驚いて肩を跳ねさせた。


 「そ、それで先生はそこなにか言ってたの?」

 

 それから、涼は興味深そうに矢生に尋ね返した。

 なるほど、確かに続きの気になる話だったので、さっき居眠りをしていたことをそれなりに後悔していた。これからは眠るまいと心に誓う。


 「一応おっしゃってましたわ。確か彼は、70歳頃になった時に突然行方不明となり、資料までもがごっそり消失してしまったそうですの。だから彼の遺言も、正確には遺言というよりも最後に公に残した一言だったんでしょうね」


 「行方不明って・・・」


 「そうですわよね。それで、突飛な説としては、もはやウィリアム・ステープルス・エウリゲナという人物そのものが存在しなかったのだ、とかいうのもあるくらいのようですわよ?」


 さすがにそれは極論だと言外に言いながら、矢生はとりあえずウィリアムの詳細が不明な理由を説明した。


 ウィリアムに関する資料と言えば、最たるものならしばしばテレビでも取り上げられる『魔力新書』があるが、それ以外となれば戦争で焼けずに残った断片的な情報程度のものしかない。ネットの情報なんて、言わずもがな当てになどならない。

 おかげさまでウィリアムが行っていた研究の内容はおろか、本当の生没年すら実際は怪しいレベルである。こうして、ウィリアムは近世最大の謎の1つとしても有名になったのだ。


 暖簾をくぐると、先頭を歩いていた矢生がなにかにつまずいて転んだ。


 「わぷっ!?ですの!」


 「だ、大丈夫!?・・・・・・って、なにしてんの?」


 涼が、なににつまずいたのかいきなりすっころんだ矢生に駆け寄って声をかけたのだが、その直後に彼女が誰に向けて言ったのか分からない台詞を口にしたので、不思議に思った矢生がすぐに立ち上がって自分の足下に転がっていたそれを見ると・・・。


 それはしゃべった。


 いや、別に魔法少女の勧誘をする胡散臭いマスコットキャラみたいなのがいたわけではなく、普通に人間だ。というかこの世界にいる少女のほぼすべては魔法少女みたいなものなので、そんな胡散臭い勧誘はマンガでも存在しない。


 「あ、あっはっはー・・・大丈夫かい?矢生ちゃん?」


 「と、迅雷君!?こ、こんなところでなにしてますの!?・・・ハッ、まさか覗きを・・・?」


 今の迅雷の姿勢は、女湯の入り口の、ちょうど暖簾のしたから脱衣所が覗けるような感じでしゃがみ込むんでいるものだった。そうして迅雷が丸まっていたところに矢生がつまずいたのだ。

 確かに覗きと言われると否定の余地がない姿勢ではあったのだが、しかし違う。そんなことをする勇気は迅雷にはない。あったら昼間に真牙の誘いに乗って覗きを敢行して、その電気に強い体質も生かして矢生の迎撃も強引に突破して唯一の成功者になっていたはずだ。


 つまるところ、迅雷は単に落とし物を拾おうとしていただけだった。・・・だったのだが。


 「いや、違う!・・・んだけども・・・」


 「じゃ、じゃあ一体なんだと言うんですの?」


 「その前に、その、浴衣をですね」


 何度も言うようだが、迅雷には覗きをするようなつもりは毛頭なかったのだが、これはラッキースケ・・・ではなく事故だ。仕方ない。――――と迅雷は割り切った。

 迅雷は矢生から目を逸らさずに、今最も言うべきことを言う。別にわざとこんなに大人っぽい下着が見たかったわけではない。あくまでも、偶然だ。そう、偶然。


 つまずいてはだけた矢生の浴衣からは、湯上がりでほんのり赤い綺麗な生足とそして彼女らしいと言えば彼女らしい、黒のレースの大人っぽい下着が、よく見えた。


 「浴衣・・・ですの?・・・っ!?」


 「待って!ホント事故だから!落とし物拾ってしゃがんでただけだから!!キャァァァ、ゆ、許してください!ほら、これっ!これ落ちてましたんです!」


 浴衣のはだけに気が付いた矢生が「キャー」とも言わずに魔力を練り始めたので、迅雷は代わりに悲鳴を上げながら大慌てで弁明した。さすがに迅雷の見せてきた女物の可愛らしい財布を確認しては、矢生も手の出しようがなかった。腑に落ちないものの、渋々拳を収める。


 「あれ、迅雷なにしてんの?自販機いくんじゃなかったのかよ?」


 矢生が浴衣を直していると、昴と真牙が男湯の暖簾をくぐって廊下に出てきた。誰がどれだけ歩いたかも分からないような絨毯の敷かれた廊下の床にめり込まんばかりに頭をこすりつけて、なにか献上するように両手を矢生に差し出している迅雷を見て、当然ながら2人とも怪訝な顔である。

 迅雷が頭だけ真牙たちの方に向けて、状況を説明し始めた。すごい光景だ。


 「ん、あぁ。なんかこの財布拾ってたら矢生が俺につまずいて転んで、たまたまパンツが見えちゃってたとこ」


 「射殺してあげましょうかってんですの!!」


 羞恥心に真っ赤になって怒鳴る矢生。こればかりは迅雷が悪い。


 「あ、ごめんなさい、俺が悪かったですから、偶然だったけども、許してください!」


 未だに余計な一言を交える迅雷に、遂に矢生が弓を取り出そうと『召喚(サモン)』を使用しようとし始めたので、迅雷は今度こそ軽い頭を精一杯下げた。

 1分ほど床に額を擦りつけ続けて清算し終えた迅雷は、浴衣についた埃を払い落としながら立ち上がる。真牙と昴が迅雷の両隣に寄ってきて、耳元で囁いた。


 「どんな感じだった?」

 

 「色と生地。詳しく」


 「えーと、黒のレ・・・」


 「聞こえてますわよ」


 またまた矢生が弓を―――――(以下略)。


           ●


 「で、どうすんのこれ?」


 こめかみに矢が刺さったまま、昴は迅雷が拾ったという可愛らしいデザインの財布を見ながらそう言った。


 「んー、持ち主も分からないもんねー。もしかしたら私たちとは違う、家族旅行とかで来ている人かもしれないし・・・」


 涼も困ったように首を傾げる。もう夜の11時とかなので旅館のフロントも営業時間外である。預けようとしても、どうしようもない。

 

 「さて、どうしたものか。思い切ってネコババ?」


 「昴って地味にクズだな」


  

 みなが迅雷が偶然拾ってしまった可愛らしいデザインの財布の扱いに困っていると、真牙が唐突に手を叩いた。なにか碌でもない名案でも思いついたのか、無駄に嬉しそうな顔をしている。


 「んじゃ、財布の中身を見てみようぜ」


 「あ、おい!」


 真牙はヒョイッと迅雷の手から財布を奪い取って、中身を物色し始めた。しかし、ウキウキしながら財布を開いた真牙の表情は、次第に渋いものになっていく。


 「・・・・・・うわ、なんだこりゃ。小銭しか入ってねぇぞ。クレジットカードとか運転免許証みたいなのもないし・・・。ダメだこりゃ、これはお手上げだな」


 カードもなにも入っていないというのは、恐らくカード類を専用のケースなどに入れているのだと解釈は出来るのだが、さすがに小銭しか入っていないというのはいかがなものか。いや、もしかするとデザインだけ見れば子供用の財布に見えなくもないので、そうであるなら小銭しかないのもカードが入っていないのも分かる。しかし、子供用と言うにはちょっとばかり材質が高級な感じがあるので、もし持ち主が子供でもお小遣いは月に2000~3000円くらいはあっていい家庭のはずだ。


 「ず、ずいぶんと見かけに反して貧相な財布ですわね・・・。いくら子供でも、これならせめて1000円くらいは入れておくべきだと思うんですが・・・」


 矢生も同情を通り越して呆然とした様子である。ただ、貧しいのであればそもそもこんなところには来られないはずなのだが。

 ―――――と、そこまで考えた矢生は、あることに気が付いた。よくよく考えれば、すぐに分かることだった。


 「・・・あら、ということは?」


 「ん?なにか分かったの、矢生さん?」


 光が顎に手を当てて考え込む矢生に尋ねると、矢生は「ただの予想ではあるのですが・・・」と話を続けた。


 「あの、思ったのですけれど、今日この旅館に来ている団体客って私たちだけでしたわよね?・・・あぁ、いえ、すみません。確かもう1組いらっしゃっていたようでしたけれど、でもこの場合そこは恐らく大丈夫です」


 矢生の遠回しなヒントに、全員が首を傾げる。もう1組の団体客がいたというのはあまりその辺をチェックしていなかった人には分からないことだったので、矢生の発言の意味がなおさら分かりにくくなっている。

 そんなみなの顔を見回して、矢生は言葉を繋いだ。もとよりこれで説明が通じるなどとは思っていない。


 「そして、この財布の中身を見る限り、お金持ちの家の子供というわけでもなければ、大人だったとしてもこんなところに行楽に来られるような経済状態でもない。と、言うことは、ですの。でも、旅費がただだったとしたら?」


 そこまで言われて、遂に納得が広がった。真牙がまた手をポンと叩いた。


 「お、なるほど!オレたちの宿泊費は今回、市から出ているんだったもんな!つまりこれは身内の落し物ってことっすね!」


 『おー、名探偵矢生さんだ!』


 なぜ誰も「既にお金を使った後の子供の財布だった」という発想がなかったのだろうか。

 それはともかくとして、確かに矢生の説明はそこそこ的を得ていたので、頭を悩ませてきた矢生以外の全員が彼女に惜しみない賞賛を贈った。やたらと褒められた矢生が、ちょっと嬉しそうに胸を張った。実に分かりやすい少女である。


 「そ、そんなに大したことなんかじゃありませんわよ?まぁでも、うふふ、ありがとうございますですわ、ホホホ」


 矢生がすっかり上機嫌になって上品に高笑いを始めたところで、迅雷は真牙の手から財布を取り戻して眺め直し、場を仕切り直した。


 「そんじゃ、目星もついたところですしね。ウチのやつなら先生に預けに行こうか。まだ酒でも飲んで起きてるだろうし」


 「そうですわね。それが一番ですわ」


          ●


 エレベーターにに乗り込みながら、昴が目的の部屋のある階を確認してきた。


 「確か、先生たちの部屋って511号室だったよな。・・・角部屋(・・・)の」


 「昴くんはなぜにそんなに角部屋を強調するの?なにか恨みでもあるの?」


 限りなく恨めしそうな声で「角部屋」を発音する昴に対して涼が苦笑いを返すのだが、昴は依然として不機嫌である。


 「だってよ、角部屋は広いじゃん。寝っ転がり放題だぞ。一番グダれる素晴らしい部屋だぞ?分かってんのか、おい。超羨ましいだろ。大人って汚ぇよな」


 「私が見た中で今の昴くんが一番真剣な顔してたよ・・・」


 今までになく真剣にいつも通りのものぐさ発言を放った昴は、留まることを知らずに角部屋の魅力を延々と語りながら、反対に真波と由良への怨念めいた不満を吐露し出す。

 彼の広くてグダれる部屋への愛は分かったが、しかしなにが彼をそこまでグダらせるのだろうかと疑問に思わずにいられない。これがアパシーとかいう、あれなのだろうか。現代の若者で括るのが忍びないほどの昴の無気力っぷりは、無気力に過ごすことを追い求めるときにのみ捨てられるらしい。

 昴がピーチクパーチク講釈を垂れているうちに、エレベーターは5階に到着した。


 「ほーれ昴。お前の大好きな角部屋が見えてきたぞ?」


 「どうせ寝る場所は違うんだし」


 「おや?でもちょっとくらいならゆっくりしていけるかもだぜ?そして美人教師と合法ロリがいらっしゃるときた。さらにさらに、ついつい先生の部屋で寝ちゃえば、ワンチャン角部屋でゆっくり寝られる・・・!」


 「なるほど。早く行こうか」


 真牙の口車に乗せられて、昴の歩行スピードが急激に上昇した。みるみるうちに昴の後ろ姿は既に半分消灯された廊下の闇に吸い込まれて、あっという間に511号室のドアの前に着いてしまった。

 だがしかし、せっかく念願の角部屋の前にいるというのに彼はノックしようとしていた手を下ろしてしまった。

 追いついた真牙が、怪訝そうな顔で昴に話しかける。


 「どうしたんだよ、ここまで来て」


 「シッ」


 口に指を当てる昴。既に昴の目つきは先ほどまでの死んだ魚の目ではなく、戦いの中でのそれになっていた。なにかが、彼の中の危機管理センサーに引っかかったのだ。

 最初に制止を受けた真牙が、そのまま後ろからついてくる迅雷らにも昴と同じように口元に人差し指を当てて静かにするように指示を回した。


 「・・・で、なんて言っていたんだ?」


 真牙が小声で昴に尋ねた。「なんて言っていた」と聞かれた昴がちょっと驚いたように眉を上げ、それから少し満足そうに笑った。


 「察しが良くて助かるな、本当に。お前らもドアに耳を当ててよく聞いとけ。『今年の計画は・・・』とかなんとか言ってんよ」


 昴に言われたとおり、迅雷たちはドアに耳を当てるようにして中から聞こえてくる声に耳を澄ます。

 部屋の中からは、女性の声――――これは恐らく真波と由良のもので間違いなさそうだ。それと、初老の男の声が聞こえてきた。3人で会話しているのだろうか。2人しかいないはずのこの部屋で、こんな時間に?昴の言った『計画』というものの胡散臭さが濃くなる。


 だが、肝心の話の詳細な内容までは聞こえてこない。高級旅館なだけあって、扉の防音性能も伊達じゃないらしい。


 「くそ、よく聞こえねぇ・・・!」


 迅雷は思わず歯噛みをした。聞こえてくる声のトーンといい、昴が聞いたという『計画』という言葉といい、なにか不穏なものは感じるのに、その内容がサッパリ聞こえてこないのでは不安は募る一方だ。

 横合いを見れば、五感すべてに並々ならぬ自信を豪語していた矢生ですら悔しそうに唇を噛んでいる始末だ。

 みながドアから耳を離す中、しかし昴だけはまだドアに耳をくっつけたままだった。


 「なんだお前ら。イヤホンの使いすぎなんじゃねぇのか?」


 呆れ顔で、嘲笑するように鼻から息を吐く昴。一瞬矢生がキレかけたが、それを光が慌てて押さえる。

 しかし、実際のところは昴の聴力が人並み外れて優れているだけだ。そのことは、昴自身がよく分かっていた。視力もそうだった。彼は少しだけ人より音域の広い音を聞き分けられて、人より遠くのものを見分けられる。

 本人としては、マンガの主人公のように辛い過去もなければ大志も抱いていない自分には持ち腐れるだけの宝、それも安眠妨害にすらなり得る邪魔な宝だとしか感じなかった。

 しかし、生まれつき持ってしまった能力だし、いつまでも腐らせているのもさすがにもったいなかったので、今はガンナーとして生かしている次第である。


 「・・・しゃーない。俺が逐一言い直してやるからちゃんと聞いときな」


 そう言って昴は目を閉じて、耳を扉の向こう側に集中させた。


           ●


 『うん、なるほどねぇ。まぁ分かってはいたけど天田雪姫が最も優秀、か』


 『そうですね。彼女がいなければまず狂いなく1つは取れます』


 『実力派な君に「と思う」すら言わせない辺り、本当に底の知れない子だねぇ、あの子も』


 『底が知れないとすれば、天田さんもそうかもしれませんけれど、私的には神代迅雷君もなかなか面白い素材なんじゃないかと』


 『それは俺も思いますね。総合的に見てもセンスは高い。あれはすぐにでも使えるかもしれません』

 

          ●

 

 今のは新しい声だった。しかし、聞き覚えのある声だ。


 「今のって・・・焔先輩・・・?」


 涼が驚きに声を漏らしてしまったが、すぐに昴が彼女の口に手を当てて黙らせた。涼を止めている間仲介しそびれた昴は、さらに聞こえてきた声についても説明をした。

 

 「あと、萌生先輩とか他の班のインストラクターの先輩方の声もあったぜ。でもいいから静かにしとけ」


          ●


 『うん?うんうん、そうだねぇ。なんというか、確かに彼にはある程度の可能性は感じているのだけどねぇ・・・。でも一押し足りない。結果がすぐに結論を出してくれるだろうねぇ』


 『それは・・・例のアレのせいじゃないんですか?』


 『うんそうだよ。一ノ瀬先生、例えばあなたが宝くじに当たるなりして大金を持っていたとして、しかし1ヶ月に使えるお金は1万円までだと言われたら?』


 『・・・・・・不公平です。それは』


 『つまりそういうことだよ。仕方がないんだ。あなたは少し甘い。私たちの計画が、これからの時代にどれだけの影響を与えるのか。もう一度よく考えてみたまえ』


 『・・・そう・・・ですよね。・・・でもっ、私は・・・。期待だけでは、本当にダメなんですか?』


 『一ノ瀬先生、お気持ちは分かりますが・・・』


 『一ノ瀬先生、この際だから言っておきます』


 『・・・・・・』


 『彼はダメです』


          ●


 ダメ。つまりだめ。要するに駄目。なにが、駄目だというのか。期待だけでは駄目。可能性だけでは駄目。


 神代迅雷という少年は、なんの前触れもなく、初老の男の声によって完全否定された。

  

 

元話 episode2 sect32 ”魔法学とは?” (2016/9/10)

   episode2 sect33 ”落し物” (2016/9/11)

   episode2 sect34 ”Denied Completely” (2016/9/12)

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