2016/02/15
ノックをしている。
今日もノックをしている。
深刻な問題と直面をしながら、それを考え続けてノックしている。
あ、いや、このブラゲで深刻な問題があるわけではない。
もう終わる銀河なのだから深刻な問題と通り過ぎている。
だから、別にこのブラゲはどうでもいい。
このブラゲを少し振り返ろうかと考えていたが、
今、それよりも近々に決めなければならない深刻な問題で
そっちの方が最優先なので、そっちが先だ。
深刻な問題だ。
『ローリング・ダイス』を【続けるか?】【辞めるか?】
その大問題に直面した。
いや、別に『ローリング・ダイス』の話そのものが嫌になったのではない。
個人的には、ストーリがダイスに翻弄されているという、
今の状況は楽しいは楽しい。
それはいいのだ。
そこじゃない。
問題なのは『何故、ローリング・ダイスを始めたのか?』
その『何故』の方が陥落寸前だからである。
何故、ローリング・ダイスを始めたのか?
それは、最初は
「また自分で卓立ててセッションしなきゃ、セッションも立たないのかよ…」
というTRPGを始めた頃に遭遇した『GM不足』が原因だった。
過去の出発点もそうだった。
『誰もGMやらねぇから、俺がやらなきゃTRPGが出来ない』
専業GMの様な状態になったのは、このせいだ。
しかし、当時事情のやむを得ない問題もあった。
まだ当時は「TRPGとは何ぞや?」と周囲が「???」状態であった。
みんなファミコンの『ドラクエ』でRPGを始めた人間ばかりで
歴史経緯の TRPG → CRPG というシステム進化など知らず
TRPGの方が知られざるゲームだったのである。
僕も、CRPGの進化の源流であるPCゲームのRPGから
RPGは始めていたので、「TRPG」の存在は後で知った方だ。
ただし、CRPGから始めたとしても、PCゲームでのCRPGなので
PCゲームの雑誌を読み、PCゲームの雑誌は半分が
「意図的でない開発者養成情報誌」という側面が強かったので
CRPGの生まれた経緯の説明なども書かれていた。
そこで、 TRPG → CRPG が生まれるという経緯を知ったのだ。
今でこそ、グループSNEの業績でTRPGも知ろうとすれば
簡単なモノになったが、当時はPCゲームの『ハイドライド』や
ファミコンでいえば『ドラクエ』で普通の人はRPGを知るのだ。
『RPGとはそういうモノ』
と、そこで最初に刷り込まれる。
だから、【勇者が居て魔王が居て】というスタイルが
みんなの最初のテンプレなのだ。
そこにTRPGの様な、
「勇者とか魔王とか世界の救済とか無いから」
みたいなゲーム感が出てくるのである。
それを理解して、それをするというのは大変な事だった。
何より致命的なのが、D&Dのルールブックを買って持っていたのは僕だけだ。
ルールブックを手元に持ってないのにGM (DM) など出来るわけがない。
必然、専業GMをするしか、セッションを立てる方法が無かった。
だから、過去の「自分で卓を立てるしかない」はやむを得ない事情だった。
それは後で安いルールブックのSWやガープスになっても
同じ様な事にしかならず「GMをやるタイプ」の様な
人間特性さえ、だんだん分かってきた。
ともあれ、そんな「当時の事情」はともかく、
オンラインTRPGという、ネットでTRPGをするという流れが生まれ
昔よりはTRPGを遙かにやりやすくなった状態になり
そのオンラインTRPGの登録サイトに登録してみたものの…
結果的に「専業GM」の様な生活にはなったが、
「GMを専業」でしたかった訳じゃない。
僕は「プレイヤーをやりたかった」
「冒険者」をしたかったのだ。
まぁそこら辺は、大学のボードゲーム研究会で、
いろいろと遊ばせて貰い、積年の「プレイヤーをしたい」の
願いは叶ったのだが…
なので、オンラインTRPGのSNSに登録し
セッションが立つのを待っていたのだが…
立たない…
絶望的な程、立たない。
驚くほど、立たない。
いや、あんまり驚かなかったけれど。
大学のボードゲーム研究会で、慢性的に起きて問題化し
「どうしよう?」といつも困っていた
『GM不足』
それが、やはり炸裂した。
ボードゲーム研究会では、その慢性問題に対して、
それが慢性的に起きる事をよく知っていたので、
『GM養成月間』というのを設けて、
いつもプレイヤーをする人間に強制的にGMをさせ、
GM経験のある人間がプレイヤーをして、初心者GMをサポートして
GMが出来る人間として養成すると言う事をしていた。
それしか方法が無かった。
だが、これは互いに既知の知り合いだから出来やすい事であり
ネットの様な「常時未知」の状態で出来るわけがない。
「先輩ー後輩」の関係で、先輩が後輩に指導の様な上下関係を、
ネットの突然の集まりで作れるわけがない。
となると、必然的に「GM不足」となり卓が立たなくなる
あるいは、知り合いだけの「閉鎖コミュニティ」になり
仲間内だけでしか、セッションをしないという状況になるのだ。
まぁ、TRPGはキャンペーンやってナンボなので、
閉鎖コミュニティになるのは、仕方のない事なのだが…。
だから「もう俺がGMやって卓立てるしかないんか?」
と、寒い気持ちになって、SW2.0のシステム把握をする為に
始めたのが「ローリング・ダイス」だ。
これが始める最大の理由だったのだ。
所が、最近はそういう問題を回避するべくんなのだろう
「セッションマッチアップシステム」という
卓立て募集のネットシステムが存在している。
その存在を知り、飛びついてプレイヤーをやった…
そう、念願のプレイヤーをようやく、任意に出来る様になったのだ!
もうこの時点で、GMをする必要さえ無くなって、そう言う意味でも
「ローリング・ダイス」を別に続ける必要は無くなったのではあるが…
セッションをプレイヤーでした…。
その時見た光景は、かつて「コンベンション」と呼ばれる
「TRPGをしたいけど出来ないんで、みんなで集まってしようよう!」
という、半公で公知して、市内のTRPGプレイヤーを集めて
TRPGをするアレの、「かなり悪化した」状況だった。
「コンベンション」は非常に疲れる。
コンベンション用のセッションシナリオは、
デキレースの様な完全調整シナリオでなければ困るので、
GMがやれる事の尽くが封殺されていく。
主催側に立つと、もう更にそれ。
如何に「接待ゲー」が出来るか?という能力が重用だ。
しかし主催として、会場借り代の経費の為とは言え、
集まりから金取ってゲーム会を開くのだ。
「マグロプレイヤーを出してはならない!」というのは鉄則だ。
(マグロプレイヤーというのは、
ゲーム途中に死んでしまうプレイヤーの事である。
凶悪なトラップを設置すると、ゲーム途中にキャラクターが死ぬので
コンベンションの様な所で、爆殺トラップなどは絶対に置けない)
その「コンベンション」型の「接待ゲー」が無料で出来る状況になると…
「マグロプレイヤーを出さない様にするセッションしか作れなくなる」
↓
「TRPGとは、そんなデキレースだとプレイヤーは思い込む」
↓
「ロールプレイで個性を出すのが重用と解釈!」
↓
「キャラを演じるの上手いですか?」
という、演劇部の様な状況になる。
「みんなが楽しく演劇をしましょう!」的な事が大事!になる。
なるほど。
まぁTRPGの重用命題は「役割を演じる事」なのだから
RP重視というのは嫌いじゃない。
むしろ好きだ。
だが、どうも最近の人達は、巨大な勘違いをしているらしい。
「役割を演じる」という事は、「自分のやりたい様に振る舞う」事ではない
あるいは、「自分を異世界に出現させる事ではない」 という事を。
正直、プレイを始めてから、恐怖の連続だった。
GM:
「探知チェックをすると、2つドアが在りましたね」
プレイヤ:
「じゃぁ右を開ける為に、右に突貫します! 扉に頭から突き刺さった-!!」
このやり取りを平然と行う二者を見て背筋が凍り
僕:
「すいません、僕達は、今は何処に立っていますか?」
GM:
「え?スカウトと同じ場所ですが?」
と言われた時に、絶句した。
『ああ、この世界は冒険者って居ないんだ…
そうか…この世界、冒険者って1人も居ないのか…』
そこで、それを悟るしかなかった。
多分、何を言っているのか分からない人には、全く分からない言葉であり
古参のTRPGプレイヤーは、
「うわぁww そんな最近の子は、凄い『冒険者の様なナニカ』なのかww」
と笑ってしまうだろう。
正直、RP奨励と書かれているなら、
「俺はもしかして、このスカウトを殴らないといけないんだろうか…」
と真剣に悩んだ程だ。
役割を演じるんなら、そうするべきだったが
「RPをして楽しむ遊びましょう」
がモットーなのだから、「ここで殴ったら楽しくは無くなるなww」
と、もう、「優しい世界」を微笑ましく、眺めるしかなかった。
「ダンジョンに侵入した時に、誰の顔にも緊張感が走らない優しい世界」
そうでなければ、セッションが成立しないというのなら
とてもじゃないが、そんな所でセッション卓を立てれるわけがない。
「冒険者のフォーメーション」も知らない「冒険者の様なナニカ」
と一緒に旅をしていて、楽しいわけがない。
「最も簡単なダンジョンのセッションでもやって
『必然的に生まれる冒険者のフォーメーション』でも学習して貰うか?」
と流石に真剣に考えて、そんなセッションを脳内で一生懸命作りながら
ノックをしていた。
しかし、考えれば考える程、
「ああ、こんなダンジョンさせたら、
『こんなゲーム、面白くもなんともない!!』
って言われるだけだろうな…
無双プレイが、みんなしたいんだから、
『ダンジョンは無双プレイをする所とは、ほど遠い
チームワーク性の無い人間が、最も無慈悲に死ぬ場所だ』
なんて事を教えたら、クソゲー扱いされるだけか…
それなら、セッションを作る事にさえ、意味が無いな…」
と、考えた時、SW2.0で
GMをしようとする事に意味がない事に気付かされた。
そしてその時…
「それなら、『ローリング・ダイス』でルールを覚える必要って
何処にあるんだ?
『一番やってみたかった、ゲームマスター』は
これで、絶対に出来ないという事が分かったのなら
直ちに、『星の大河』『戦場に咲く華』に帰還して
人生最後のライフワークと対決するべきではないのか?」
という事が分かったので、
深刻な危機に陥ったのである。
そう、今、深刻な危機に陥っている。
そういう事を考えながら、『ノック』をしている…
ノックをしている…。
いや、本当に、かなり深刻です… Orz