僕は最後の最初に居る
この銀河は、三月三十日に消滅するらしい。
まぁ電脳遊戯で作られた世界だ。
数多生まれるブラゲと、数多死ぬブラゲの中の取るに足りない1つに過ぎない。
その消滅する事が決まった時、
そうなるだろうと前々から思っていただろう、その時が来た時、
なのに、自分は引退プレイヤーなのに、この銀河に居た。
考えた。
「これは、癌などで余命数ヶ月を言い渡された終末医療の状況に近しいのではなかろうか?
自分も、いつかは【その日】が来る事を知っている。
そうやって、祖父祖母達を見送ってきたし、父母も次にそうなるし、その次は自分だ。
今、自分には、余命がハッキリ分かる病気はないが、【それが来た時】自分はどう行動するだろう?
その【終わる日】を自覚した時の、一種の近未来の疑似シミュレーションとして
今の状況で、【最後の時】をプレイしてみないか?
【この終わる銀河】で、終わってしまう僕達は、その時、何をするのだろうか? それを…」
そう考えた。
どのみち【次があるからいいじゃないか】という思いが深層心理であるのだから
本当の【最後の時】に起こす行動にならないのは分かっている。
それでも、【決められた終わり】【タイムリミット】が明確に設定され
それに向かって起きる事、その全て、
そこにはきっと名状しがたい真実があるだろう。
それを、終わるその時まで、日記形式で記録していきたいと思う。
僕はこの崩壊していく銀河で、最後に、何を見るのだろう?
内容が前書き後書きみたいな短文なので、特に書かない方針で。