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0話-ゲームの様な世界-

よくある転移ものです。

素人のものかきな練習作品になります。暇つぶし程度でも宜しければどうぞ。

完結予定見込みありません。中途半端ですが、自分自身がこんな話が読み見たかったなぁ程度です。

たまに修正したり、しまくります。実験的なものですいません。

思いつきで書いてます。途中でとまったらすいません。

1話 2000~3000文字を基本にしてます。


2019/03/04追記

***最近自分で読み直して自分で楽しんでたりします***

***読み専で、大航海っぽい作品ダイスキですが知識がおいついてないのでかなしいでs***

 俺の名前は『筒外あきら』。その辺によくいるフリーターにして、その辺のゲーマーと差し支えないような男だ。


 ただいま俺。

 おかえり俺。

 と仕事から帰ってきて、そのままあまりの疲れに布団にGO。

 気絶するように就寝したところで朝かと起きてみたら、どこぞと知れぬ海上の船の上で困惑している。


 意味がわからないだろ?

 俺も意味がわからない!


 わかる事といえば、無意識に握ってたメッセージカードが一枚あることだけだ。

 しかもそれが、俺の知ってるゲームがヒントってくらいで……。

 さらに意味がわからない。

 誰か俺が正気なのかなんなのかチェックして欲しい。

 きっと百面のダイスを振っても『九十九』とかでているかもしれない。

 ……辛い。



 東を見ても海。

 西を見ても海。

 南を見ても海。

 北を見ても海。


 あたりを見回しても一面、海。海。海だ。

 そして俺は今小さくもなく、大きくもない船『バルシャ』の船上で困っていた。

 いや、付け加えるなら『小型バルシャ』かもしれない。

 うろ覚えですまないが、実際のバルシャってのはそこそこ大きいはずだ……。

 むしろ、今乗ってるのはゲームで体験したバルシャといわれれば納得ができるサイズだ。


 ちなみにバルシャってのはバルシャ船あるいはバルカ船といって、帆船の一種らしい。

 本来は〇〇船みたいに船ってのは付け加えないらしい……。

 あくまで聞きかじった話なので、間違ってるかもしれないが……。


 船の歴史の中では古いほうの船といっても差し支えないくらいの船だ。

 どんな作りをしてるかっていうと、船の真ん中にマストっていう帆を支える棒が一本に、そこからロープが伝わって、帆がついている。

 基本はそんだけだ。

 船体の幅は比較的広く取られている。

 それで、喫水……ようは、船の沈む深さが浅い。

 また乾舷……えーっと、船が水面から離れている部分だな。

こいつも低いために波に弱く、外洋での航行は困難だ。

 要するに外洋に向かないし、沈みやすいってことだな。


 俺が知ってる航海がメインのゲーム『希望を船にのせて……』の方では最初に手に入る船であり、よく難破した船だ。

 いや、ホントね。よく難破するのよこの船。

 正直初心者にあてがうレベルの船じゃないんだよね……。

 多分ゲームの方だと『海は恐ろしいところだからな!』

 っていう理由がついての初見殺しだとおもうが……。


 帆船とかいってるけどね、帆がついてるだけじゃねーか!って錯覚するくらいこのバルシャ船は耐久力も何もない。

 海賊や嵐なんかに襲われたら一瞬で壊れるしな……。


 そんなこんなで、ゲーム開始時にこれで「ワーイ!」って航海に出ると数分でゲームオーバーする初見殺しの船だ。「タノシクナーイ!」ってコントローラーを投げ出したくなる。

 まあ、ゲームのストーリー上、数分間海で浮いてると勝手に嵐が来て物語が進むのだが……。

 ゲームを始める前にやるプレイヤーの意向によって物語りは変わってくる。

 俺のオススメは商人かな……。

 いきなりの奴隷落ちに近い存在からのスタートがなかなかに……。


 ゴホンッ! 話がそれまくってしまった。

 ゲームの事になると熱くなるのがゲーマーの悲しい宿命といわざるを得ないな。



****



 とりあえず頬をつねってみる。夢であって欲しいなと。

 頬から発せられる痛みという衝撃が俺の脳へと駆け上がる。


「イテテテテ!」


 あまりに思いっきりつねった所為かトンデモなく痛かった。

 ……希望もクソもあったもんじゃないね、コレね。

 仕事から帰ってきてゲームの世界へとか狂気の沙汰じゃないね、コレね。


 かといって、このままぷかぷか浮いて嵐とこんにちわしても困る。

 太陽の照り返しも強いし、熱い……。

 しかしながら、近くに陸地が見えないし、ここが何処あたりなのかが分からない。

 こういうときゲームだと『航海用の地図』があったりスキルの『測量』でマップがでたりするもんだが……。



 俺がどうしたものかと困っていると、不意に頭の中で文字が浮かび上がった。


『スキル<測量>を使用シマス』


 すると、頭の中で中規模の地図と現在地が見えてきた。


「おおお! まんまゲームだなこりゃ!」


 思わず感動してしまった。

 頭で考えた命令を実際に起動させるってのは、それこそ夢物語だしな。

 やっぱり夢なんじゃないかとおもって、さらに頬をつねる。

 滅茶苦茶痛かった。

 馬鹿な事はこれくらいにしてとりあえず、出来ることをする。



 どうやら、俺の現在地は外海ではなく、大陸と大陸の間にある内海にあるらしい。

 小さく頭の中で見える測量マップだけで、現在地を把握するのは困難だが、だいたいの見当はついた。

見覚えのある地形からして、ゲーム開始時の主人公が居た内海にある島からそこそこ離れた位置だ。

 地球の世界地図で説明すると、地中海の『パルマ』付近だ。


 余談だが、ゲーム『希望を船にのせて……』では地球の世界地図と大陸をまんまつかってる。

 なので、家の中に世界地図があれば、どこら辺にいるのかが大体わかる仕様になってる。

 しかし、ゲームはゲームなので、その他の設定が完全にファンタジーだ。


 海には怖い魔物なんて沢山いるし、海賊だってウヨウヨしてる。

 海軍なにしてんだよって言われても仕方ないくらい多い。


「「「今はまさに大海賊時代である!」」」


 とか発狂しかねないオッサンが出てきても不思議じゃない。

 おかげで、貧弱な小型船程度あれば、速攻で襲われてしまう。


 ファンタジーに特化してるのは、多分、お船を題材としたゲームをずーっと作り続けてる有名な会社が存在してるからだろう。

 あまり似すぎたゲームを作ると消されるのかもしれない。

 ゲーム会社の方向性というのも難しい気がする……。


 とまあ、自分としてはライトユーザー向けのゲームという宣伝もあったので、手にとって遊んだゲームでもあったが……。ゲームの中身はプレイヤー次第で、クソゲーにも神ゲーにもなる素敵仕様だった。

 現在はワゴンセールにあれば、素敵かもしれないレベルだ……。

 正直、このゲームをクリアしたプレイヤーは三割もいないんじゃないかと……。

 おおっと、さらに話がそれた、申し訳ない。



 <測量>を使ったことで、特に目印になったのは、近くもない……が。

 遠くも無いところに陸地が確認できた。

 しかもご丁寧に港のマーク付きである。

 試しに頭の中で港のマークを凝視してみると、『始まりの島』と表示された。

 しかし波と風の所為で、その陸地からドンドン離れて行ってるようだ……。


「……ちょっとまてーや!

 強風か?

 まっずいじゃねーかよ!!!

 流石にバルシャで流されるとか洒落にならないぞ!」


 俺はすぐさま、船のかじを握って操舵に挑戦した。


『スキル<操舵>を使用シマス』


 すると現実に船なんか動かした事もない俺だったが、また頭の中で文字が浮かび上がると、手馴れた手つきで船を操り始めた。

 まるで自分が自分じゃない様な手際のよさだ。

 風に逆らわないようにマストについた三角帆をロープで引っ張って操り、上手くコントロールする。

 すると、先ほどまで進んでいた方角から逆にどんどん進み始めた。

 もちろん、速度は風次第だが……。

 とりあえずとして、ゲームと同じなら『始まりの島』に向かえば良いだろう。


「遭難するよりかはマシだしな……他にはなんか調べられないのか?

 ゲームだったらホラ! なんかこう、自分自身を調べるっぽい機能があるだろ!」


 自らの寂しさを紛らわすように俺の独り言。

 これで、誰かが返事でもしたら半狂乱になるかもしれない。

 まあ、現状を調べるのが先だ。


 藁にもすがりたい思いで俺は頭の中で一生懸命『自分自身』と念じた。

 すると、頭の中で文字が集合しはじめ、俺の求めていた答えが出てくれた。


名前:ヴァルガス

性別:男性

年齢:27/???

健康状態:良好

人種:ハイ・ヒューマン

現在の職業:交易商人

交易Lv:60/75

航海Lv:40/75

海戦Lv:35/50

交渉スキル:complete!!

生産スキル:complete!!

言語スキル:complete!!

航海スキル:better!!

格闘スキル:杖R5 弓R3 護身R3


「あー! これ、俺がゲームで遊んでたオッサンキャラクターまんまだな!

 しかもこいつたしか、交易だけ遊んでて、ほかは殆ど何もしてないんだよな……。

 あれ? ヒューマンだったはずだが、ハイがついてんな……。

 つか、ここまでまんまゲームっぽいってのがすごいなー……って、そうじゃねーよ!!

 completeってのもなんだよ! むしろbetter!!ってのもなんだよ!

 そこしっかり、スキルとか表示するところだろ!

 攻撃スキルだけしっかり3つも表示してるのに?

 あれか? スキル表示数が多すぎて表示しきれないから……か?

 まあ、格闘スキルなんて、全くとってなかったしな……」


 色々とツッコミが追いつかないせいか、フラッと情報が頭の中から消えた。

 俺はもう一度、頭の中で集中。

 するとまたもや、文字が頭の中で浮かび上がる。


船種:バルシャ

耐久力:30/45


 そうだな。今乗ってるのはバルシャだな!

 って、ちっげーよ!

 そんな情報が欲しいわけじゃないんだよ!

 もっと大事なところしっかりだしてくれよー!

 さらに俺は集中。


船種:バルシャ

耐久力:30/45

船員:1/10

砲門:0/0

砲撃力:0

白兵戦闘力:100

食料:2/10(4日分)

水:2/10(4日分)


砲弾:0/0

積荷:小麦3樽(3/10)

所持金:10万D


 やっべ、水と食料が全然ないな……。

現状で、船員が俺一人だからー……持って4日くらいか?

 つか、しっかり四日分ってかいてあるな。

 唯一助かるとすれば小麦か?

 食料に転用するには大変かもしれんが、ないよりはマシだ。

 つか、10万Dって『ゲームスタート』時と同じかよ!

 ああ、これ小麦も確かスタート時こんなだったきがしてきたな……。

 最初の所持品なんてあんまり気にもとめてなかったからな……。


 まあ、それはいいか。

 次だ次……。このバルシャに大砲はないから砲撃力0ってのはわかる。

 砲弾も0だしな?

 でも、この白兵戦闘力が100とかってのはなんだ……。

 ここはゲームをしてたときの謎基準か?

 100っていやぁ一騎当千つっても過言じゃねーぞ?

 あくまでゲーム基準だが……。

 あー……あれか?

 船に乗ってる状態だと『格闘スキル』と『海戦Lv』が関係するんだったか……?

 いかんせん、戦闘するような事があまりなかったから全く思いだせないぞ。

 海戦でやったことといえば、海賊の乗るガレー船を砲撃で吹っ飛ばしてたくらいだしな……。


 いやまて、たしか別キャラクターで幽霊船つかって遊んだ記憶が……。

 だめだ、あいつは強すぎてチートだったわ。

 幽霊船長は死なないし……。

 理由が『既に死んでるから』とかふざけてるし……。

 そもそも幽霊船は壊れないからな……。

 こっちも『既に壊れてるから』とかいうとんでもない理由で。


 うろ覚えすぎる!

 いや、ゲーム初期から中期は白兵戦メインだった……か?

 ガレー船が出てくるのがゲームの中盤から後半だった記憶が……。

 ああ、思い出してきたぞ。

 そうだ!

 初めの方は金が全く無くて、荒くれ者の船員を雇ってキャラベルに乗せて手当たり次第海賊を襲ってたんだったな!

 あれは良い稼ぎだった……。

 雀の涙ほどの金銭しか貰えなかったけどな……。



 全く関係ないかもしれないが、ゲームの方であった『キャラベル』っていう船は、バルシャ船より使いやすくなった船程度に思ってくれて良い。マストの数も2本~3本程度ついてるのが主流だったはず……だ。基本は2本だったかもしれないが……。後々にカスタマイズが出来た気がしたな……。

 ついでに速度が速くて操船性能は良かった。あくまでもゲーム基準だけどな?


 また、ガレーっていう船は大きさも多種多様だが、船の両舷に数多く備えられたオールで漕いで動かす人力船だ。勿論風も推進力には使うが、ゲームの方では漕いで進ませるのが一般的だったな。

 こいつに追いつかれて白兵戦をやらかされると、大変な事になる。

 人力船って字の如くでな、船員もそれなりに多い。

 だから捕まってしまうと、一瞬で船が制圧されてしまう。


 対処としては遠くから砲撃で攻撃すると結構沈めることが簡単だった。

 しかもLvも上がりやすいので、ガレー船に乗った海賊には容赦しなかったな。

 ……いや、何度も制圧されて大変な目にあったのが原因っていうわけでもないぞ?

 ガレー船は良い経験値だった。それだけさ……。

 ホントそれだけな!

 …………ここだけの話。確かに百回以上ガレー船にやられたことあるけどさ。

 

 ……おおっと! いかんいかん。そんな与太話をしても仕方がないな。

 まずは、島に戻ってからだ。



****



 緩やかなになった波風にのって、たまーに現れる海鳥にバカにされつつも、俺が流れてきた航路を戻っていると進む方向に小さな船影が見えた。

 影はどんどん大きくなり姿がくっきりと見えてくると、俺は目を凝らした。


『スキル<遠見>を使用シマス』


 頭の中でそんな表示が出る。スキルって便利だなホント。

 確かにゲームでもバシバシつかってたけどさ。

 それこそ空気を吸うようなレベルで。


 スキル<遠見>のおかげで船が見えてくる。

 船の大きさはそこまで大きくはないが、俺のバルシャよりかはるかに大きい。

 そして船の両舷に数多く備えられたオールが船員達によってワッシャワッシャと漕がれている。


 俺の頭の中で警笛が流れる。

 そいつは見事なガレー船だった。

 それも帆の色が黒いガレー船だ。

 それでいて進行方向がお互いよろしくなかった。

 何度見てもこちらに近づいてきてる!


 俺は息を呑んで、急旋回。

 船がミシミシと音を立てて暴れるがそんな事は知った事じゃない!


『スキル<急旋回>を使用シマス』

『スキル<急加速>を使用シマス』

『スキル<操舵>を使用シマス』

『スキル<回避>を使用シマス』


 さらに頭の中で使えそうなスキルをこれでもかと念じて使う。

 バルシャの航行速度があがり、舵を握っている俺が一瞬吹き飛ばされそうになった。


「ああああ!

 ゲームだと急加速くらい……って!

 なんて事は無いって思ってたが!

 これは胃に来るなぁあああ!」


 再度後ろをみて、もう一度確認する。

 黒い帆のガレー船……。

 そいつはどうみても海賊の船だった。

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